アフガニスタンの8月16日

文末に埋め込んだ動画は、アフガニスタンに関するアルジャズィーラによる首都カーブル陥落当日のリポートだ。

やはりタリバーンによる旧政権側市民等への報復などの人道被害、女性への差別行為、外部のテログループへの庇護や支援、難民流出などが危惧されるとともに、前のタリバーン政権時代の記憶から、これらが再現されることが最も懸念されている。市内からの映像ととともに国連の会合の様子も伝えられており、ここでも同様の懸念が示されている。

先進国等によるタリバーン政権の承認はおろか、積極的な支援や関与というのも期待できないだろう。ここでやはりキーになってくるのは自国を中心とするCIS加盟国中の中央アジア諸国と隣接するロシア、そしてかねてよりタリバーンとの接触が伝えられていた中国、とりわけ迅速に動くのは後者だろうか。

「内政不干渉」を旗印に、悪魔とでも平気で手を結ぶ中国の目的は通商と軍事的なロジスティックの構築。支援対象国からすると、自国内のイデオロギーや宗教に対してニュートラルな立場で関与してくれる北京政府、通商と軍事ロジ以外の関係では一切口出しをしないので、たいへんありがたい存在だろう。ただし貸し付けたカネはあらゆる形でキッチリ回収にくるので、本当はとても恐ろしい相手なのだが。予想よりもずいぶん早く崩壊した旧アフガニスタン政権にうろたえる国際社会を前に、中国共産党は「先見の明があった」ということになるかもしれない。

国連の会合では、崩壊したばかりの政権から派遣されていた「アフガニスタン国連大使」のグラーム・イサクザイが発言をしていたが、この人を含めて旧政権から国際機関や在外公館などに派遣されていた人たち、当然そこには在日アフガニスタン大使館の人たちも含まれるが、大変不安なことだろう。不安といえば、そうした大使館に勤務する現地職員も同様。

米国の国連大使は、首都を制圧した勢力に向けた自重と人権擁護を訴え、テロ組織への関与のないようにという注意喚起、国際社会に向けてはアフガニスタンへの人道的関与、新型コロナ対策に係る支援、国外に流出するであろう難民への理解と支援を促すなど、自制の聞いた内容の発言をしていた。てっきり声を上げて強く非難するのかと思っていただけに、少々意外でもあった。米軍撤退完了の前に首都陥落で、大いに面目をつぶされた形になるが、やはりそれでもアフガニスタンへの関与は順次薄めるという方針には変わりがないのだろう。ただし、彼女のスピーチの中で、アフガニスタンとの関わりについて「Time to step up」と発言しており、この部分について現地リポーターとスタジオの間で「これは何を意味しているのか?」「さあ、私にはわかりません」と話題になっていた部分は気になった。時間がない中でも推敲を重ねた発言内容であるはずなので、何か示唆するものがあるのかもしれない。

それはそうと、今後のタリバーンにより市民生活がどう変わっていくのか、案外変わらず様々な観測は杞憂に過ぎないのか、国際社会はこの政権を承認するのか、タリバーンは国際社会に参加する意思はあるのかないのか。自国の強い影響圏CIS内の中央アジア諸国がアフガニスタンと隣接するロシアはどう動くのか、中国はどのような関与をこれから始めようとしているのか、パキスタンはどう動くのか等々、注目していきたい。

Taliban fighters patrol streets of Kabul (Al Jazeera English)

規制等緩和と同時進行の感染者再増加の狭間で

英国では記事にあるとおりだが、一時は日々の感染者数が1万人を割ろうとしていた米国でも1日の新規感染者数は5万人に迫るところとなっている。それでも規制緩和・解除の流れは変わらないのは、やはりワクチンにより、死者・重症者数の大きな減少があるのだとすれば、こうした先進国で、コロナに対する指定感染症指定レベルが下げられることだろう。

それによりインフルエンザと同等の指定となり「コロナ禍の終わり」となるとすれば幸いなことではあるものの、いっぽうでまだまだワクチンの普及が遅れている国も多く、コロナ禍を脱して余裕が出てくるであろう先進国からの力強い働きかけに期待したいところだ。(しばらくの間、日本はその域に達しないだろう。)

そのいっぽうで、市民としてはワクチンにより重症化リスクは相当低減されるといっても、インフルのタミフルやリレンザ並みに安価かつ手軽に服用できて、効き目もてきめんな治療薬が出てこないと安心できない部分は多い。

「第2波」によりピークには1日の感染者が40万人を超えたインドでは、このところ4万人前後で推移しており、下げ止まりといった具合。ロックダウン、夜間外出禁止、大型商業施設や遊興施設などの営業停止といった制限も順次解かれて、ヒルステーションへの避暑客が大勢集まっていることなども伝えられ、現在は第3波を懸念する声もある。

インドでも今後はワクチン接種済みの人々の割合が高くなっていくにつれて、「コロナ後」が近づいてくることになるのだろうが、あまりに膨大な人口がゆえに、だいぶ先のこととなりそうだ。

おそらくコロナの流行は終焉することなく、ワクチン普及によって罹患しても重症化したり亡くなったりする人の割合が急減していく。それによって「恐れるべき病」ではなくなり、感染症指定レベルが下がることにより、「コロナ禍が終焉へ」という流れになることは間違いないように思われる。

英国、新規感染者5万人超 死者・重症者減で規制は解除へ (日本経済新聞)

「対策」だけでは追い付かない

タイ同様に新型コロナ対策の優等生だったベトナムでも感染が拡大している。やはり感染防止対策は良くても、ワクチンが普及しないと、変異株の感染力が上がるとダメなようだ。

今後は「変異株により感染はあるものの低水準で続く米国と欧州」と「感染が急拡大するその他の地域」に二分されそうだ。

Vietnam records 2,454 new domestic Covid-19 cases (VNEXPRESS)

今年4月くらいまでは、コロナ対策において「優等生」だったはずのタイだが、ついに1日の新規感染者数が1万人を超えた。人口7千万人弱のこの国が「1万人」ということは、人口規模が約4倍のインドネシアと同等の感染拡大規模になっているということになる。「サンドボックス」のスキームを継続するような状態にあるのだろうか?

今のところ、インドネシアのような医療崩壊の話が聞こえてこないのは、タイがインドネシアよりもかなり社会システム等が進んだ国であること、島嶼部からなるわけではなく各地が陸続きであるというメリットゆえのことかもしれないが、それとてこのペースで拡大が続けば、遅かれ早かれ、似たようなことになるのではなかろうか?

やはり欧米での例で明かなように、コロナ対策でゲームチャンジャーとなるのは、ワクチンの普及をもって他にはないようだ。

Thailand plans more travel limits as COVID deaths hit record (REUTERS)

コロナ禍におけるラト・ヤートラー

7月12日はオリッサ州のプリーのジャガンナート寺院の大祭で、巨大な山車が引きまわされる「ラト・ヤートラー」が行なわれた。

コロナ禍での開催ということで、山車をけん引するコロナ検査陰性の者以外は参加不可とのことで、当日は外出禁止令が敷かれたため、一般の参拝客の姿はない。

各ニュース番組等のメディアで中継されていたが、次の映像は国営放送ドゥールダルシャンの映像でYoutube配信されたもの。昨日はライブ配信であったが、現在は録画されたものを閲覧できるようになっている。

寺院内では、それなりに密な感じだが、敷地外の誰もいない大通りで山車が引かれる様子は異様だ。来年は、従前と同じ環境で実施することが可能になっていることを祈りたい。

以下の映像は2019年のものだ。今年のそれが、いかに例年と異なるものになっているかが、よくわかることだろう。

下げ止まり

第2波の抑え込みのために実施されたロックダウンその他の措置が功を奏して、一時は新規感染者数が4万人を割りこんだインドだが、ここ数日間は下げ止まり感がある。

まあ、しばらくこんな具合かな?とは思うものの、様々な制限が緩和されてきていることから「第3波」の懸念の報道もある。

回復基調にある国々が一部にあるいっぽうで、そうではないインド、日本その他多くの国々は、まだ先も見通せずにいるので本当に大変だ。

ワクチンの普及を図りながら、ブレーキを踏みつつも、状況を確認してアクセルも踏まなくてはならない。ときに内外からの批判を浴びつつも、なんとか国を運営していくのが政府の仕事だ。

India reports 43,393 new Covid-19 cases, active cases slide to 458,727 (Hindustan Times)