スシール・クマールの転落

先月、インドの有名レスラー、スシール・クマールの逮捕のニュースが流れたときは、心底びっくりするとともに、ともに警官の息子という共通点、兄弟子、弟弟子という先輩・後輩の関係にある23歳の若いレスラーを殺害したとあって、よほど深い確執というか、怨恨があったのかと暗い気持ちになった。

だが、「THE WEEK」の最新号によると、実はそんなものではなくて、ともに対立し合うギャングに所属していて、そのギャング組織同士の抗争によるもので、銃器を使用しての殺害であったとのことで、本当に驚いた。

インド政府から国民的な大活躍をしたスポーツ選手に与えられる「ケール・ラトナ」、加えてアルジュナ賞、パドマ・シュリーといったインドで一流の表彰を受け、今は後進の指導に当たるだけではなく、学生スポーツの振興に当たる団体のトップも務めているというのに、そんな彼がギャングの一味で、その抗争で殺人まで犯したとは!

国外的には、レスリングで北京五輪の銅メダリスト、ロンドン五輪での銀メダリストと言ったほうがわかりやすいかもしれないが、一流のレスラーであり、オリンピアンであり、これまたインドでもトップクラスのアスリート出身の名士のはずだったのに。

記事を読んだ後、どうしようもなく陰鬱な気分になってしまった。

 

Sushil Kumar’s road to perdition (THE WEEK)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください