ASUS Zenfone 5

近ごろは日本の量販店でもSIMロックフリーのスマホやタブレット端末を見かけるようになってきている。私の身近なところでもそうした端末のひとつで、性能の割には安価ということで評判が高いASUSのZenfone 5を購入した人がいて、いじくり回してみたのだが、なかなかいい感じだ。

ASUSはタブレット端末のAndoroidをベースにしたもの、Windowsをベースにしたものなどの製造販売で知られており、コストパフォーマンスの高いラインナップで評判の台湾企業。Zenfone 5は並行輸入ではなく、日本市場での正規のリリースということで、万一の場合の補償の点で信頼できるものがある。また、ASUSからこのモデル専用の画面カバーなども販売されているため、うっかり落として画面を割ってしまいそうと心配する向きにも安心かもしれない。

CPUはハイエンド機に近いものを採用しており、画面も最近主流になってきているやや大ぶりな5インチサイズで実用性も高い。LTEにも対応している。動作や操作感等については、すでにウェブ上で様々な記事が出ているので、あえてここで触れるまでもないだろう。

「ZenFone 5」レビュー 第1回――持ちやすさや基本スペックをチェックする (IT Media Mobile)

インドをはじめとする日本国外でも、現地SIMを調達すれば、普段使っているスマホ環境がそのまま使えるのは当然であるとしても、「ほぼハイエンド」といっても良い性能を持つ端末がこの価格帯で購入できるというのはいい。

日本では16GBのモデルが3万円を少々切る程度のようだが、ちなみにインド市場でのこれに相当するモデルの価格は13,000Rs前後のようだ。インドでは8GBモデルも投入されており、こちらは10,000Rs前後。

Asus Zenfone 5 A501CG (flipkart.com)

SIMを差し換える際に、背面カバー全体をガバッと取り外すことになるのだが、幾度か繰り返すうちに、カバーと本体の噛み合わせが悪くなりそうなのがタマにキズ。このあたりは改善の余地ありかもしれない。

日本におけるMVNOが徐々に浸透していくにつれて、自分の嗜好や目的に合った端末を選び、それとは別に自分の利用環境にマッチするキャリアと通信契約をするという、ごく当たり前の環境が出現しつつあることは喜ばしい。

市場環境が異なるため、単純に比較できるものではないのだが、少なくとも一般ユーザーの立場からすると、「日本もようやくインドのケータイ・スマホ環境に追い付きつつある」というような具合かもしれない。

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インドのチベット人

以前、MAJNU KA TILLAと題して書いてみたデリーのマジヌー・カー・ティッラーだが、この地はasahi.comの連載:地球を食べるの記事でも取り上げられているのを見つけた。

(地球を食べる)望郷の味チベット料理 (asahi.com)

中国による「チベット解放」後にインドに難民として逃れてきたチベット人たちに、インド政府は相応の待遇を持って迎えてきたと言える。その中で経済的に成功した者も少なくないが、彼らはあくまでも異国インドに難民として仮住まいをしている立場にしか過ぎない。

しかしながら、すでに三世代目、四世代目に入ってしまっており、国籍は持っていないものの生まれも育ちもインドで、祖国チベットを訪れたことさえない、事実上の「チベット系インド人」化してしまっている現在、彼ら自身がこれからどうしていくのか、またインド政府も将来的に彼らに対してどのような対応をしていかなければならないのか、真剣に取り組まなくてはならないだろう。

現在のダライラマも未来永劫に彼らとともにこの世におられる訳ではない。インド中に散らばるチベット人たちを結ぶ大きな求心力が失われたとき、彼らのコミュニティはどうなっていくのだろうか。

インドをはじめとする在外チベット人コミュニティをまとめあげる存在の代替わりは、それがたとえ次に転生するダライラマであっても、俗人の中から選ばれた人物がその役割を担うことになっても、相当な混乱が生じることは間違いない。中国当局による工作の可能性はもちろんのこと、彼ら自身の中にも野心を抱く者たちの存在があり、激しいさや当てが繰り広げられることは避けられない。

また、現在のチベットの情勢が変わる見込みもないわけだが、万が一、将来何か思いもよらないことが起きて、彼らが帰還することが可能になったとしても、すでに数世代に渡り生活基盤を築き上げ、それなりに安定した生活を営む現在インド在住のチベット人たちの果たして何割が戻ろうと決心することだろうか。

遠くない近未来には、彼らインド在住のチベット人たちがインドに帰化することを求めなくてはならず、そしてインド政府もそれを受け容れなくてはらない日がやってくることは想像に難くない。

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ISL(Indian Super League)で活躍するスーパースターたち

昨年から始まったインドのサッカーの事実上のトップリーグのISL(Indian Super League)。「事実上の」と書いたのは、従来から存在しているI –Leagueは、ISLの下位になったわけではなく、どちらもインドサッカー界の頂点に君臨するリーグであるからだ。

このふたつは開催シーズンが異なる点においては、直接競合する関係にはなっていない。ISLは10月から12月までとシーズンが短く、I –Leagueはそれが終了した12月下旬から5か月程度の期間だ。

ただし、ISLはAIFF(All India Football Federation)のもとで、インド国内の有力な財閥系企業リライアンス・インダストリーズとStar TVを運営するスター・インディア、そしてアメリカのIMGの出資により発足したもので、I–leagueよりも商業性、エンターテインメント性が高いものとなっている。

外国人枠が6人となっており、4人まで外国人が加入できるI–leagueに比べて、よりレベルの高いプレーヤーを招聘できる幅が広いだけではなく、実際にはもっと大きな魅力がある。I–leagueにも往年の名プレーヤーたちが在籍したことがあり、日本からも元Jリーガーが参戦したことがあるものの、国際的には無名に近い外国人選手も多かった。

だがISLにおいては、やはり盛りを過ぎた外国人助っ人が多いとはいえ、その顔ぶれは錚々たるものがある。下記リンク先をご覧いただきたい。

15 International Footballers To Watch Out For In The Indian Super League (SCOOP WHOOP)

イタリアのアレッサンドロ・デル・ピエロ、マルコ・マテラッツィ、フランスのニコラス・アネルカ、スペインのルイス・ガルシア等々、たとえ彼らがもはや第一線のスターダムから離脱した選手たちであるとはいえ、サッカーファンならば機会があればぜひとも彼らのプレーを観てみたいと思うことだろう。

ちなみにブラジルが生んだ世界的なスーパースターであり、日本のJリーグでの鹿島アントラーズでプレーヤーとして、監督としても活躍、後に日本代表監督を務めたジーコもISLのFCゴアで監督として采配を振るっている。

クラブとしてとりわけ注目したいのは、コールカーターを本拠地とするATLETICO DE KOLKATAだ。名前もクラブのユニフォームもATLETICO MADRIDに酷似しているが、名門クラブを真似たものという訳ではなく、本家ATLETICO MADRIDが経営に参画しており、監督も助っ人たちもスペインから送り込まれた本場仕込みの名実ともにインド版のATLETICOなのである。

2026年、つまり今から12年後のワールドカップ本大会出場を目指すインドのサッカー界だが、これまで地域的にはサッカー熱の高いところはあったものの、これを国民的なスポーツとして根付かせることができるか、地元インドから埋もれた人材を発掘して世界レベルのプレーヤーに育て上げることができるのかどうか、今後の推移に注目したい。

しかしながら、経済的に好調な国で巨額の資金を投入してトップリーグを創設したからといって、また世界的な人口大国であるからといって、自国におけるサッカーという競技の強化に成功するかといえば、必ずしもそうとはいえないのは中国の現状を見ればわかるとおり。

その反面、「東欧のブラジル」と言われるほど、豊富なタレントを輩出したユーゴスラヴィア社会主義連邦共和国が内戦を経て6つの国に分裂した後も、この地域出身の優れた選手は多く、その中の人口わずか430万人程度のクロアチアの代表の安定した強さといえば圧巻だ。

ともあれ、インドには若年層の人口が非常に厚いという強みもある。ISLの商業的な成功とそれに伴うインドのサッカー人口の拡大と総体的なレベルの底上げについて大いに期待したいものがある。

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東洋経済ONLENEのインド特集

日本の経済誌にインド関係の記事が頻繁に掲載されるようになって久しいが、東洋経済のウェブ版にこのような特集記事が組まれている。

帝羽ニルマラ純子のモディ政権で始まるインドの夜明け (東洋経済ONLINE)

インドのニュース雑誌を読んでいる人にとっては特に目新しいものではないのだが、普段インドという国との接点があまりない人たちに、こうした現況に解説を加えて伝えることに意味がある。

また、こうした記事の中にはインド以外の国々でもヒントになる知恵が散見されるものでもある。例えば、インドでよく見かけるデュアルSIMを搭載可能なスマートフォンを含めた携帯電話もそのひとつだろう。

インド発スマホベンチャーが爆発的な成長 (東洋経済ONLINE)

いわゆるガラケー時代からインド市場でこのような製品はあったが、スマートフォン端末でデュアルSIMを採用したのはマイクロマックスが初めてであったとのこと。

1台の携帯電話に2枚のSIMを挿入して2回線で運用可能とするものであり、日本ではこうしたモデルは耳にしたことがないが、仕事用とプライベート用とで2台持ちしている人たちの潜在的な需要は非常に大きなものがあるはずだ。

単に伸びしろの大きな途上国市場という捉えかただけではなく、世界第2位の人口を抱える大国であるだけに、そこで蓄積された機智やノウハウには、大いに学ぶべきものがあるだろう。

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インドが舞台の日本のマンガ

デリーの日本人相手のキャバクラを舞台にしたマンガが刊行されている。

インドでキャバクラ始めました((笑)

というマンガで、これがなかなか面白い。キャバクラで働いていた女性が元お客だった男性の提案で、インドのデリーにてキャバクラを開業してからの日々を綴った作品。お店を開業するまでの経緯やデリーに渡ってからの日々の営業、現地での関係者や出入りするお客たち、雇った女性たちとの間の事柄が作品に活写されている。

マンガの中に出てくるお客で仕事帰りの日本人駐在員たちは、いかにもありそうな姿なのかもしれない。もちろんそういう人たちばかりではないにしても、せっかく娯楽の宝庫インドに駐在していながら、またデリーという様々な人たちとの親交を深めることができるコスモポリタンに暮らしていながら、「他に娯楽がない、余暇にすることがない」(彼らにとっての)というのは気の毒な気がする。

・・・というのが第1巻を読んでみたときの印象であったのだが、書籍以外にウェブでも公開されている作品に目を通してみると、他にもいろんな逸話が綴られているようだ。私が電子書籍で購入してみたのは今年9月に出た第1巻だが、2巻目も11月21日に刊行されるそうなので、多くはそちらに収録されることになるのだろう。

作品に描かれている機智とバイタリティーに富んだ主人公のマリーさんは、おそらく作者そのままの人柄が投影されていることと思う。今後も続編の発表をぜひ期待したい。

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