SHER-E-PUNJAB(パンジャーブの獅子)

店の名前は「Sher-e-Punjab」と書いてある。

シェーレーパンジャーブ(SHER-E-PUNJAB)と言えば、スィク王国を打ち立てたマハーラージャー・ランジート・スィンであったり、不屈のフリーダムファイター、ラーラー・ラージパト・ラーイであったりする。

実はパンジャーブ料理店でもこの「SHER-E-PUNJAB」を名乗る店がとても多い。いったいインド全国でいくつの「パンジャーブの獅子」を名乗るダーバーやレストランがあるのだろうか。こんなにたくさんあるくらいなら、「SHER-E-PUNJAB会」でも作って、全国で横断的に連携してみてははどうか?

この「– E –」で繋ぐ言葉はペルシャ語からの影響から来たものなので、インドで皆さんよく耳にするであろう。「– E –」繋ぎの言葉としては、死刑、極刑を意味する「SAJA-E -MAUT」であったり、クラシック映画の金字塔「MUGHAL-E-AZAM」であったり、パキスタンのテロ組織の「LASHKAR-E-TOIBA」であったりするかもしれない

かといって、インドやパキスタンで「☓☓の○○」を「○○-E-☓☓」と言うようなことは無く、慣用句での定形的な使用がなされるのみ。それでもこの「-E-」は廃れたり、忘れ去られたりすることなく、受け継がれていく。

美形のリクシャー

元ネタはソーナークシーだろう。(サイクルリクシャーの背後に描かれた女優の姿から)

バングラデシュほどではないが、プラヤーグラージあたりでもリクシャーの装飾はなかなか楽しい。

絵の下には@Vipin Singh 9450622212, 8707491715とある。これはオーナーの名前とその携帯番号なのか、あるいはリクシャー引き自身のものなのだろうか?

サンガムへ

宿での朝食

宿での朝食後にオートでサンガムへ向かう。

ここにクンブメーラーの開催時にはボートの客引きがたくさんいるのだが、いずれも大変吹っかけてくるため、乗る気を失う。単に観光だけでなく散骨のために来て入る遺族たちもある。

とにかく汚い河岸だが、ここでクンブメーラーの大きな祭礼が行われ、たくさんの行者たちと無数の信者たちが押し寄せるわけだ。

ここにはムガルの巨大な城もある。アクバル・キラーだ。ムガル時代の城塞で、現在はインド軍駐屯地になっている。ちょうど廃藩置県の後の日本で、お城を警察や軍隊が使用したように、インドでもかつての王宮や城が軍施設となった例は多い。まとまった広さがあること、城壁内なので秘密とセキュリティーが守れること、そして権力の象徴を継承するという意義もあったことなど、その理由はだいたい同じだろう。

アクバル・キラー

ごく一部だけ、お寺が入居していて、参拝することができる。お寺と言っても建物らしい建物があるわけではなく、地下に掘った細くて狭い構内に数々の神々が鎮座しており、それぞれに専属のプージャーリーが付いている。みんなものすごい売り込みようで際限なく賽銭を巻き上げるシステム。

城塞の中には、このお寺以外は特に見るべきものはない。大半が軍施設となっており、立ち入り禁止であるからだ。

アウラングゼーブの墓

BJP、RSS(民族義勇団)、とともに「サング・パリワール」を構成するVHP(世界ヒンドゥー協会)及びBajrang Dal(ハヌマーンの軍隊)がアウランガーバード近くにあるクルダーバードのダルガーにあるムガルの第6代皇帝アウラングゼーブの墓を掘り起こして始末する、と運動を始めている。

318年も前に亡くなった支配者の墓を暴いて何になるのかと思うかもしれないが、インドにおいてこのような運動は、過去のムスリム支配の歴史は侵略者からインドが受けた屈辱でありインドの歴史ではないとする考え方が背景にある。攻撃対象となる墓や礼拝施設そのものがどう問題かということ(具体的な理由付けはなされているが)よりも、これらは象徴的な存在であると言える。

それにしても・・・である。

アウラングゼーブの墓自体が貴重な歴史遺産でもあるし、この墓があるのはクルダーバードのスーフィー聖者のダルガーの中だ。生前のアウラングゼーブ自身が、崇拝していた聖者の墓所近くに葬られたいと望んだためだ。ダルガー自体がムスリムの資産の中にある墓なのに、そのダルガーに縁もゆかりとない他人たちがそれを壊せと主張するというのは・・・。

そのダルガーとアウラングゼーブの墓のある場所はこのようなところだ。

クルダーバード(indo.to)

現在、このダルガーから半径5kmに入るには警察の検問を受けなくてはならず、スマホを含めた一切の荷物の持ち込みは禁じられたとのこと。

今後どのような展開を見せるのか、大いに気になるところだ。

 

 

 

オートワーリーがいた

オートワーリー(女性オートリクシャー運転手)のマニーシャーさん

朝も「オートワーリー(女性のオート運転手)」に出会ったが、出かけた先からプラヤーグラージ・ジャンクション駅に戻ると、また別のオートワーリー(女性オート運転手)がいた。

尋ねてみると、オートワーリーはこの街では珍しいわけではなく、少なくとも50人はいるはずと言う。

この女性、マニーシャーさんは5年前から運転手となり、週に7日、毎日12時間運転しているそうだ。なぜその5年前からかと言うと、ご主人が亡くなり、彼女自身が稼がなくてはならなくなったとのこと。

家には6人の幼い子供たちがおり。女性の社会進出というよりも止むにやまれずという具合だが、他のオートワーリーたちも似たりよったりの背景らしい。

事故その他のトラブルに気をつけてお過ごしください。