風刺画 It’s Media

It's Media

もう何年も前にウェブ上で評判になった「It’s Media」という風刺画。何を今さら、と思われるかもしれないが、実に良く出来ている。

同じ出来事を伝えるものでも、各々のメディアの姿勢によっても、かなりニュアンスが異なるものとなる。国際ニュースともなると、アメリカと欧州、中国と日本等で、ずいぶん取り上げ方や伝える内容が異なるのはもちろんのことだが、とりわけ厳しく対立する国同士ともなると、まったく正反対の内容で伝えていたりもする。

たとえどちらも間違った内容を喧伝するのではなく、事実に基づいた報道をしていても、どの部分を切り取るかによって、読み手が「事実」と受け止める内容、そして心に響くものも大きく異なってくる。

印パ間の長年の懸案事項であるカシミール問題にしてもそうだし、越境テロを巡る問題についてもそうだ。それがゆえに、私たち市民にとって、より多くのソースからこうした報道が入手できることが望ましいし、一極に偏った報道について大いに注意を払う必要があることは言うまでもない。

官製メディアは往々にして、政府自身が伝えたいことを前面に押し出すいっぽう、都合の良くないことについては、そういう事実は存在しないかのように振舞うし、商業メディアのほうは、「売れるニュース」を競って伝えるという性格があること、メディア自身にとって都合の良くないことについては、敢えて触れずに沈黙してしまうということが少なくないこともある。

私たちの日本のメディアについても、たとえ元ネタが海外メディアによる発信であったとしても、日本語に置き換えて再発信する際に、かなりバイアスがかかったり、独自の解釈を加えて伝えてしまったりしているので要注意。報道を疑うことも大切だ。

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HUAWEI MediaPad M2 8.0

HUAWEI MediaPad M2 8.0

スマホもHUAWEI社製品を使用しているが、数カ月前に同社の8インチのタブレット「MediaPad M2 8.0」を購入してみた。

スマホの画面サイズでは、長時間電子書籍を読んだり、テレビ番組を視聴するにはちょっと辛い。様々なサイズの画面で最適な読書環境を提供してくれるアマゾンのKindle版書籍はともかく、いわゆる「自炊」で作ったPDF書籍となると、やはり大きな画面が必要だ。また、Bluetoothのキーボードで文章を入力したりする際に、ポケットサイズの画面では楽ではないことなども合わせて、タブレットPCが必要となった。

同時に、「音声」の関係もある。ネット放送されている番組を自室で視聴する際に、スマホのスピーカーでは充分なボリュームが出なかったり、音が割れたりするということもある。音楽を楽しんだりする際も同様だ。タブレットの上下にひとつずつスピーカーが付いており、ごく普通にテレビとして使うことが出来る。

画面サイズについては、自宅内で使うことのみが目的であれば、10インチくらいあるといいのだが、外に持ち出して使う目的もあるので、8インチを選択。

また、ヘッドセットを使用しなくても、通話が出来るモデルとなると、選択肢は狭まってくる。もっともタブレットの場合、スピーカー音量を思い切り下げないと、周囲に丸聞こえとなるので、携帯電話的な使い方はあまり実用的ではないし、8インチの画面で通話するのはあまり楽ではないとはいえ、そういうことも可能であれば、旅行の際には少しでも荷物の寮を減らしたいのでありがたい。

もちろん、操作にストレスを感じるようでは困るので、プロセッサーはオクタコアを搭載しているものが欲しいし、外出中に電池切れとなってしまうと困るので、内蔵バッテリーも5,000 mAh近くあって欲しい。あまり使わなければ、充電しなくても2日半近くは持つような・・・。

そんな具合で、最終的に選んだのが、このモデルのSIMフリー版である。昨年9月に発売された製品だが、現在は3万5千円から4万円強くらいの価格で販売されている。

これ1台で、スマホ、日記等を記録するノートパソコン、ガイドブック等を収めた電子書籍リーダー、各種データストレージを兼ねることが出来る。背面はしっかりしたメタルボディで、薄型ながらも堅牢感があり安心だ。

HUAWEIは、このところ急成長している中国企業だが、従前の中国製品のイメージとは大きく異なり、「高性能・高品位な製品を比較的手頃な価格で提供」するメーカー。

日本では、東京で今年4月にカスタマーサービスセンターをオープンさせており、実は初期不良で一度お世話になったことがあるのだが、製品を持ち込むと、その場で修理してくれるというスピード感が素晴らしい。

IT製品は秒進分歩で、次から次へと魅力的な商品が市場に投下されているが、現時点で「インド旅行に必携アイテム」のひとつとして、このMediaPad M2 8.0を挙げたいと思う。

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ソーンマールグ2

ずいぶん早く出たのだが、まだ誰もいない時間帯に歩き回ることができ、テントで商っている人たちもまだ寝ている頃だった。早起きして出てきた甲斐があったというものだ。

しばらく歩きまわってから、スタートした地点に戻った頃、いくつものテントの食堂が店開きを始めていた。その中のひとつで、メギーのヌードルを注文。商っているのは、周辺地域の村々から来ている人たち。シーズン中はずっと滞在しているそうで、4月から9月あるいは10月まではこうしているとのこと。

彼らは、1年のうち半年ほどは、店となっているテントで寝泊まり。大変なことではあるのだが、やはり現金収入のために仕方ないのだろう。村で留守番をしている家族たちは、畑仕事にいそしんでいるとのこと。

氷河を後にして、来た道をクルマで下り始める。道路脇にはところどころ雪渓が残っている。真冬にはどんな景色になっていることだろうか。

本日同行したスウェーデン人のジャコーは、外国旅行といえば、いつもバードウォッチングが目的とのこと。川沿いに走る道路、途中で幾度か停車してはバードウォッチングを楽しむ。私にはヒバリの声にしか聞こえないようなものでも、彼には特定の鳥の姿が目に浮かぶのだという。冬はケララにいて夏になるとカシミールに移動する渡り鳥やカシミール地方のみに生息して世界中のどこにもいない珍しい鳥も少なくないとのこと。

少し大きな集落のあたりで、クルマを待たせてしばらく散策する。

集落を過ぎると土砂崩れの跡のようなものが見えるが、これは雪渓であった。

土砂崩れの跡かと思ったが、実は雪渓だった。

谷間の向こうに見える斜面を上ってみた。

その脇を進んでいくと小さな川の流れがある谷間に出る。そこから進んでいくと斜面があるのだが、なかなか急であった。斜面にへばりついて土地の中から出た岩をつかんで足元にあまり体重をかけないようにして、ともすれば崩れ落ちてしまう足元にひやひやしながら進んでいく。私の靴はタウンシューズなのでこれはちょっと無理だと観念して途中で引き返すことにした。靴が靴だけに、滑落しそうで怖い。

ジャコーはそのまま進んでいくのだが、やはり途中で観念したようで、私が集落まであと少しのところまで降りたあたりで振り返ると、ちょうど彼が下ってくる姿が遠目に見える。
上から降りてくると、土砂崩れに見えたものの正体がわかった。土砂崩れではなく雪渓である。表面が泥だらけになっているのだが実は雪。川の上に覆い被さっているため、冬季には相当の積雪があることがわかる。

雪渓のところどころから崩落しており、その下に川の流れが見える。
登るときにその上で何か作業している女性と子供たちがあり、ちょうど私たちが通るところで休憩していたので尋ねてみると、薪に使う木を採取しているとのこと。流されてきた木の破片や枝である。こうしたものを収集している人たちは山の斜面でもあったし、集めて頭上に載せて運ぶ人たちの姿もあった。

奇妙なのは、なかなか力仕事だと思うが、これは女性の仕事であるようで、こうした作業をしている人たちはどこでも全員女性たちばかりであった。

ここで見かけた女性は二十歳とのこと。子供は五歳。姉と弟かもしれないし、母親と息子なのかもしれないが、それは聞きそびれた。

私たちはクルマに戻り、あとは一路スリナガルへ戻る。

風光明媚なカシミール

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ソーンマールグ1

前日の夕方に宿で会ったスウェーデン人のジャコーがソーンマールグ(ローマ字ではSonamargと書く。日本語のガイドブックでは「ソナマルグ」と表記している)に日帰りするとのことで合流させてもらう。ソーンマールグはシュリーナガルからカールギルに向かう途中にあるが、付近にはタージーワース氷河の先端があることで知られている。

出発は朝4時過ぎ。なかなか大変な時間帯だが、これがよかったことが後でわかることになる。夜明けのずいぶん前に彼が予約していたクルマがやってきた。運転手はバシールという若い男性だが、運手は丁寧なのがいい。

途中通過した集落のあたりである程度明るくなってきた。川沿いの静かで美しい村だ。早起きしたので、早起きといっても普通はないような時間に起きたので、まだ眠い。宿を出るときからフリースの上着とライトダウンを着ているがそれでも寒い。

ソーンマールグに行く途中の村で小休止

ソーンマールグに行く途中の村で小休止

タージーワース氷河入口に到着。クルマ止めのすぐ先には雪解け水が勢い良く流れる川がある。このあたりにはテントの食堂もいくつかあるが、私たちが着いた朝6時半頃は、まだどれも閉まっていた。

しばらく谷間を登っていくのだが、雪はカチカチに凍っているためツルツルよく滑るので怖い。トレッキングシューズであれば楽勝だろうが、せめてアウトドアシューズで来れば良かった。

スウェーデン人のジャコーは山道でバードウォッチンクするために、グリップの良い靴に履き替えている。彼の関心は氷河ではなくて鳥なので、上のほうに少し生えている木のところに鳥を探しに行くとのことで、午前9時頃にクルマのところで待ち合わせということでしばらく別れる。

そこから一気に奥のほうまで行こうと思ったが途中の雪解け水の流れを越えられるところがなかなかないこと、一度戻ってから反対側に出ると時間がかかってしまう。行けるところまでは行ってみたが、果たしてどこからが氷河なのかはよくわからないので、もうすでにここは氷河であるという理解にしておこう。

いかにも氷河地帯らしく、U字谷になっているのだが、とりわけ氷河上流に向かって右手の雪山の眺めが素晴らしい。

ラダックに比較すると、ずいぶん高度が低いところに雪山があるということになるが、ラダックの場合は乾燥地帯であるがゆえに、そういうことになるのだろう。

ところどころ雪がなくなって地面が見えているところではうっかり足を置くと、凍結しているので滑って危険だ。かえって氷の塊になっているところのほうがまだ表面が崩れやすい部分もあるので多少グリップしてくれる。

雪解け水の流れは細いのだが、下るにつれてどんどん水量が増えていく。これが下界の大河の水源となっているのだ。

〈続く〉

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シュリーナガル郊外観光

ダル湖の南東には、いくつかのムガル朝が残した離宮や庭園が点在している。文字どおり、ムガル帝国が強大であった時代に、スリナガルに建築させたペルシャ式のシンメトリーを基調とする美しい庭園だ。

オートで出発!

最初に訪れたのはパリー・メヘル(Pari Mahal)だ。ムガル朝の第5代皇帝シャージャハーンの息子であり、皇帝の跡取りとなることを目させていながらも、アウラングゼーブとの熾烈な争いに敗れて殺害されたダラー・シコーが建てさせたもの。
ここに行く途中にラージ・バワン(Governor’s House)があるのでBSFのチェックポストがあった。ここでは乗客は降りてチェックポストを通過、クルマやオートは運転手だけが乗って通過しなくてはならない。パリー・メヘルは、ここからの湖の眺めが素晴らしいはずなのだが、あいにくの雨天でいまひとつであった。

パリー・メヘル


パリー・メヘル


パリー・メヘルからダル湖方面の眺め

次に訪れたのは、チャシマー・シャーヒー・ガーデンCheshma Shahi Garden。規模は小さいのだがなかなかきれいでいい感じだ。ムガルの家臣であったアリー・マルダーン・カーンによるもの。

チャシマー・シャーヒー・ガーデン


チャシマー・シャーヒー・ガーデン


ニシャート・バーグ(Nishat Bagh)はさらに壮大な規模の庭園。第4代ムガル皇帝ジャハーンギールの妃、ヌール・ジャハーンの兄であったアースィフ・カーンによるもの。これはダル湖のほとりにあり、ここからの眺めも素晴らしい。
ペルシャ式庭園の幾何学的なデザインや配置は、自然の眺めのそれとは無縁のものなので、こうして山や湖に囲まれた美しい風景の中では好対象を成しているが、ここがイスラームが伝わる前のヒンドゥー時代には、カシミールの人たちの暮らしや気質は今とはずいぶん異なるものであったことと思う。

ニシャート・バーグ


ニシャート・バーグ


ニシャート・バーグ


ニシャート・バーグ


ニシャート・バーグ

そしてシャーリーマール・バーグ(Shalimar Bagh)へ。ジャハーンギールが建てさせたもので、規模が大きなことはもとより、手入れの行き届いていることからも、湖の眺望も楽しめるニシャート・バーグと合わせて、どちらも甲乙付け難い。

シャーリーマール・バーグ


シャーリーマール・バーグ


シャーリーマール・バーグ


シャーリーマール・バーグ


シャーリーマール・バーグ


シャーリーマール・バーグ

素敵な庭園の水路脇にベンチがあった。「カップルにおあつらえむきだな」と思って撮った矢先に、若いカップルがやってきて腰掛ける。やはりこのロケーションは、そういうムードなのだ。

スクールトリップで、大勢の子供たちが先生たちに引率されて訪れている。乗り込むバスを間違えないように、先生は生徒たちにバスの番号を大声で唱えさせていた。
「bus no.38, bus no.38…」
元気な声で繰り返しながら進んでいく子供たちの姿が可愛い。

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