食堂街

チトラクートからプラヤーグラージに戻ってからの夕食、人気の店にはひと目見てわかるオーラがある。お客さんがたくさん居て売れまくってるから煙の量が近隣の店と全然違う。

モスクの建物のグラウンドフロアー部分に食堂がいくつも入っている。

お客はあまり入ってないのだが、界隈にはマールワーリー食堂というのがいくつかあった。マールワーリー=大商人のイメージがあるかもしれないが、大半は普通の庶民たち。

いずれも「マールワーリー・ボージナーライ(マールワーリー食堂)」と書いてある店で、屋号「シヴ・シャンカル」と「シャンカル」が並んで火花を散らしているのか、それとも仲良くやっているのかは不明。

このあたりは甘味類も充実。マラーイー専門の店もいくつかあり、これがたいへん美味しいのでハシゴするのも楽しい。

マラーイー屋さん

上のふたつ、いずれのマラーイーもすこぶる美味しかった。
甘味や軽食もいろいろある。別腹にどうぞ。

プラヤーグラージ駅の北側は宿は多く、食堂もヴェジ、ノンヴェジいずれもたくさんの店が並んでいて便利だ。また酒屋もあるので便利である。

駅の北口側はとにかく宿と食堂が多い。

プラヤーグラージ駅前のホテル2泊目

プラヤーグラージでの宿泊先は、なぜか鉄道敷地内(駅敷地へのエントランスの内側)にある。プラットフォームへの階段が真裏だし、建物の並びのスペースはすべて駅建物の張り出し部分や車寄せや駐車場。

構内アナウンスや汽笛が手に取るように聞こえるし、食事後や寝る前にフラリと駅ホームに出て入構している車両、切り離されてどこかへ進んでいく機関車、乗降客や見送りの人々などを見物できるのも楽しい。

あまり暇な駅だと退屈だが、ひっきりなしに出入りのあるプラヤーグラージくらいの駅であるのもありがたい。

今どきのこうした駅の食堂では案外旨そうなテイクアウェイのターリーのパッケージも売られている。鉄道駅というのはワサワサした空間だが、そこで食事してチャーイを飲んだらほんの数分で快適な部屋に戻ることができるというのも良い。

プラヤーグラージではちょっと良いホテルに泊まっているのだ。

覆面優先特急列車

車窓からの眺め

チトラクートからプラヤーグラージへの帰路は、チトラクート/カーンプル インターシティを利用。短距離の都市間往復の「インターシティ」には、ACチェアカー、AC無しのチェアカー、いずれも予約が必要な車両が主役のことが多いが、こちらは予約なしで最下等のジェネラルコーチのみの編成。それでも一応「Super Fast(優先特急)」のカテゴリーなので途中で他の列車の待ち合わせで停車したりしない。

空調無し、予約無しの下等座席車両のみの編成だが、特急としての格だけはデカン・クイーンなどと同等。簡素な客車のみなのに、なみいる他の列車を駅の待避線で待たせてずんずん驀進していく、特急列車の中のジャイアン的な兄貴分。

このようにスリーパー付きのエクスプレスを凌いで「Super Fast」の地位が与えられている「下剋上列車」があるのはインド国鉄の面白いところ。

駅には近距離移動用の切符自動販売機があり、乗客が勝手に操作するのではなく、きちんと販売機操縦専門員が配置されており、お金の授受、目的地の入力など適切な作業がなされており、極めてスムースな客捌きがなされているのが印象的であった。

この列車は、チトラクート始発でプラヤーグラージ経由にてカーンプルが終着駅。予約できるクラスの車両がないため、IRCTCのサイトを検索しても出てこない、いわば「覆面優先特急」である。(普通、インド各地の「インターシティ」に予約クラスはあるため、これは例外的存在)

鉄道旅行の際には、ときにこのように便利な便もあるので、単に鉄道予約サイトを見るだけでなく、旧来からの時刻表(インド国鉄サイトからPDF閲覧可能)、あるいはウェブサイトやアプリのetrain.infoなどで、利用可能な列車をチェックする必要があることを改めて感じた。

チトラクート

チトラクートは想像以上に好感の持てる聖地だった。かなり広い範囲に謂れのある数々の場所が点在しており、オートをハイヤーして回った。西洋人のガイドブックなどでは、しばしば「ミニ・ヴァーラーナスィー」などとも表現されたりするが、ここはシヴァではなくラーマとゆかりの深い土地。

それでもヴァーラーナスィーが「アーナンド・ヴァン(平安の森)」と呼ばれた頃はこんな感じだったのかもしれないと思うような、豊かな緑溢れる景色の中で、比較的澄んだ水の流れにガートがあり、人々が沐浴し、牛たちが草を食んでいる様が印象的だった。

この日も蒸してクラクラした(訪問したのは7月下旬)が、そんな中で女神たちが眼前に降臨しているので、暑さで頭がおかしくなったかと思った。撮影のために来たとのことで、クルーの人たちに頼んで撮らせてもらった。でもこんな素敵な風景の中で現れたので、もしかしたら彼女たちは本当に女神たちだったのかもしれない。

時間がないので日帰りしてしまったが、チトラクートを訪問される方があれば、ぜひ宿泊をお勧めしたい。駅から「聖地エリア」はかなり遠いため、ラームガートあたりに宿を取るのが無難かもしれない。

サーワンの月らしい眺め。ワーラーナスィーでもそうだったが、サフラン色の装束のカンワーリヤーの人たちが無数にあふれるその存在感はまさにこの時期という気がする。近年は女性も増えているようだ。

 

鉄道車内の検察

昔の鉄道の検札といえば、長い紙を折り畳んだ予約リストを手にした車掌のオジサンが、チケットと手元のリストにチェックを付けていくものだった。とりあえず乗車券のみで乗り込んで席を確保してもらうのにも時間がかかった。

でも今はタブレットで処理するようになっていて、空席状況も一目瞭然。こうなったのはそんなに前のことではなかったはずだけど、インドではある時を境にガラリと変わるものだ。

検察用タブレットを手にした車掌さん