ファラーバーグ

アハマドナガルに到着して最初に訪問したのがここ。

アフマドナガル王国時代の宮殿のひとつ。形状からして居住や執務その他の実用的な目的ではなく催事などイベント用の場所だったのではなかろうか。広大なホール内に空いている大穴は噴水がしつらえられてあったスポットそうだ。今は遺跡だが往時は漆喰で美しく仕上げてあったはずなので、さぞかし雅な空間であったことと思われる。

昔のこうした宮殿に限らず、近世に建てられたインドのハヴェリー(屋敷)でも往々にしてそうなのだが、階下の広間で催される演奏や舞踊などを上階のテラスからも鑑賞出来るような構造になっているものがよくある。おそらく視界を遮らないようにという配慮からかと思うが、床面の終わるところに壁や柵もなかったりする。

往時は今のように強い調光による照明はなかつたし、近眼の人が視力を補正するメガネもない。うっかり踏み外して下方はるか彼方の床へ落下して絶命・・・というのがしばしば起きていたはず。あるいは宮中の陰謀により、そんな事故を装う事件もときどき起きていたかもしれない。

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