大都会の放牧

大都会コールカーターを特徴付ける眺めのひとつとして「牧畜」がある。広大なマイダーン(広場)が存在するおかげで、「牧童」がヤギやヒツジを行進させている姿をよく見かける。
帰り着く先は、そのマイダーンから徒歩圏にある古い家屋や雑居ビルの地上階なのだ。
ゴミゴミした一角で散策していたら、いきなり扉が開いて、こうした動物たちが次から次へと出てきて面食らうことがある。
こうした懐の深さは、さすが英領時代の「旧帝都カルカッタ」である。

150年の重み

サダルストリート界隈で、150年の重みといえば、YMCAはさておき、このWESLEYAN CHURCHもそうだ。
出来たころはバリバリの白人地区だったので、やんごとなき人たちが多く出入りしていたのかもしれない。礼拝堂にはパイプオルガンがあり素晴らしい音色を奏でる。
今は併設する学校で、あまり恵まれない家庭の子供たちに教えている。
1930年前後からアルメニア人、ユダヤ人が増えて、エリアの性格が少し変わったという。
決定的に変化したのは、ベトナム戦争のころで、帰休中の米兵の多くはタイに行ったが、カルカッタに向かう者も少なくなかったらしい。そういう人たち相手の赤線の類いが出来たのが、サダルストリート界隈であったと聞く。
そうした変遷や住民の入れ替わりなどをつぶさに見つめてきたのがこの教会である。

客室のカギは「マスターキー」

あるホテルにて、宿代に込みの朝食を摂るため階下へ。トースト、オムレツを食べてからチャーイを2回おかわり。そこに居たのは15分程度だっただろうか。

部屋に戻ると、すでにベッドメイクがしてある。なんという早業!どこもかしこもキレイにしてある。こういう手際の良さは気持ちが良い。

外出前にハミガキをと思い、カバン置きに目をやると・・・。
ない!!!

貴重品は入っていないが、デジカメ充電器、USBコード、インド式の三叉ソケット、着替えなどの必需品が入っている。これまた何たる早業か!実に困った。

あ、スペアメガネも入っているし、上着類もその中であった。これは大変!
とりあえずレセプションに言おうと部屋の外に出ると、目に入ったのはドアに付いている部屋番号。

「206」

ひとつ下の階の206号室であった。

「あれ?」と思い、手元にあるカギに付いている金属プレートをあらためると「306」とある。異なる階の同じ位置の部屋なので作りが同一なのだ。

私の部屋は306号室

どうやらカギそのものが共通らしい。すべての部屋がそうなのかどうかは知らないが。管理上は楽に違いないが、大変よろしくない。宿泊の人たちみんながマスターキーを持ち歩いているようなものだ。

206号室は幸い空室だったが、誰か宿泊している部屋に誤って入室、ちょうど本人が帰ってきて鉢合わせになったら大いに困るところであった。

まあ、こういうのは初めてではない。
インドのどこかで、部屋でテレビを観ていたら、ドアがガチャガチャと鳴って開き、男が「誰だ、アンタ?」と目を見張り、こちらも「そういうアンタこそ誰だ?」とのけ反る、なんてことはあった。

とってもビックリしたのだが、306号室に戻ってみると、荷物はちゃんとあったので、これで良しとしておこう。

ヘリテージ建築内のバドミントンコート

宿泊のレセプションの背後にバドミントンコートがある。

1902竣工のコロニアル建築、カルカッタYMCAの中にバドミントンコートがある。宿泊したことがあるならば、ファーストフロア(日本式に言えば2階)宿泊のレセプションの背後にあることに気が付いた人は少なくないだろう。
コートは古くからあるものではなく、近年になってしつらえたものだが、こうした古い建物の中にスポーツ施設が入っていることに「え?」「まさか!」といった意外感があって面白い。
私が見物したときには腹の出たオッサンたちがプレーしていたが、風貌にはまったくそぐわない激しい熱戦をくりひろげていた。若いころからやっているそうだ。まさに「継続はチカラなり」である。

YMCA入口