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カテゴリー: column

  • 時間貸しのホテル①

    インドの宿泊予約サイトでMiStay、Bag2bagといった時間単位の予約サイトがある。
    例えば02:00にコルカタを出るフライトで5:50にバンコク到着してからどこかにバス移動して、そのままフルに活動というような場合、前日の午後からチェックイン時間まではしっかり寝ていたい。

    インドで国際線チェックイン時間は3時間前なので23:30となる。空港すぐそばのホテルで23時くらいまで寝ることができれば、翌日はなんとかなるだろう。もちろんボトムエンドのボロ宿で一泊分払ってもよいのだが、それより少し良いホテルでぐっすり眠れるとありがたい。

    そんな宿泊客のニーズと各ホテルの潜在的ニーズを擦り合わせるような試みが上記のMiStay、Bag2bagである。いずれもインド資本だ。

    例えば徹夜フライト前に6時間くらい眠りたいという場合、一泊分支払うよりもずいぶん安く休憩に利用できるため、「汚いボトムエンドの宿で一泊分支払う金額」で、少し上のランクのホテルを利用できるわけだ。

    そんなわけで、これらのアプリをインストールして、コルカタ空港近くのエリアで探してみると、いろいろ良さそうな施設が出てくる。昼間から夜にかけて6時間くらい爆睡できると、夜行便で到着するタイで早朝からの活動は大丈夫かと思う。
    「時間貸しプランの需要とは、ラブホテル的な需要では?」と思う方は多いだろう。

    まさにそのとおり。「ビジネス向けの「時短・仮眠」という表向きの利便性と、プライバシーを求める「カップル利用」という実質的な需要の両方を満たすことで、インドで広く受け入れられているのだ。

    実は、こうした時間貸し予約サイトが出てくる前から、インド津々浦々あちこちに看板が見られ、周辺国はもとより日本にも進出している「OYO」は、従前から時間貸しプランを提供していた。

    すべてのOYOが時間貸しプラン対応ではないのだが、なにぶんOYOは「小規模ホテルが行き詰ってどうにもならなくなって頼る先」であるがゆえ。だがOYO加盟の宿泊施設のすべてが「どう見ても連れ込みホテル」的なことをするわけではない。

    しかしOYOは大方が安宿のカテゴリーであり、もっとアップマーケットな時間貸しのホテルの需要を掘り起こしたのが先述の新興の時間貸し予約サイトとなるようだ。
    アップマーケットなホテルの時間貸しについては、ずっと前から存在はしていた。例えばデリーの国際空港近くの中級ホテルでは、そうした時間貸しの料金設定をしているところは少なくないようだ。こちらも「表向きはフライトのトランジット需要」ではあるものの「不倫のメッカ」として有名なエリアだ。

    それでもある程度事情を知っている人にしかわからないため、誰もが思いついて利用できるような具合ではない。他の都市にもそうした施設は少なくないことだろう。
    そんな具合であった中で、「インドの地場資本によるラブホテル的な目的のために利用される可能性が高い予約サイト」がいろいろ出てきていることについては、ある意味注目すべきことであるかもしれない。

  • ワールリーの意匠

    ワールリーの意匠

    なぜかワールリー風モチーフで飾られた民家。なにゆえ?という思いがする。 家を守るための民俗的、信仰等を背景としたアートから、インテリア、テキスタイル、グラフィックデザイン、パブリックアートとしての視覚的アイコンへと役割がシフトしている。

    そのためワールリーとはまったく関係のない場所でこのようなデザインが散見されるようになり、スタイリッシュな幾何学デザインとして消費される一方で、「インドの美意識」や「伝統的で持続可能なライフスタイルのシンボル」のシンボルとしての意味付けがなされるようになった。

    先住民のこうした意匠がインド伝統文化を象徴するもののひとつとして扱われるというのは大きな歴史的転換と言える。

  • スクールトリップの時期

    スクールトリップの時期

    バーダーミーの石窟寺院群へ。ちょうど子供たちの学校のスクールトリップが実施されるタイミングなので、敷地内は物凄い混雑。

    ここでフランス人の同年輩の旅行者に会ったが、彼も「いやいや、これではとても見学どころではない」と嘆いていた。

    それでも団体と団体の途切れ目でなんとか窟内を見学できなくもなかった。敷地内では猿が飛び回っているが、人間の子供たちのほうが大変なこともある。とにかく騒々して遠慮もない。引率の先生方は大変だ。

    いや、大人たちも大変なのだ。混雑している階段で立ち止まって家族写真など撮るから前も後ろも上も下も詰まってしまう。

    いやーものすごい!

  • 出世する木

    出世する木

    ただの木が出世していった典型である。

    通りに面したところの木に人々が集まり井戸端会議がなされるようになると、やがて木にはコンクリやレンガで基壇がしつらえられ、人々はそこに腰掛けて語らうようになる。行商人々もそこで商うようになる。

    すると基壇に祠が作られて、プージャーリーがときどき面倒を見るようになったり常駐したりするようになる。

    そうなると、次第に祠がお寺化していく。もっとも寺院であれ家庭の祭壇であれ「マンディル(お寺)」と呼ばれるのは変わらない。街角の祠であってもたしかにマンディルであることは変わらない。

     

    街角の木としては、これは最も成功した部類に入る。きちんと屋根を持ち、神像の据えられたお堂には金属の格子も入り、きちんとカギもかかるようになっている。さらにはお堂の前に門まで出来ており、なんとも立派なものだ。

    かように出世する木もあれば、人々がゴミを打ち捨てたり小便をひっかけたりするだけの哀れな木もある。同じ道端に並ぶ同じような木でありながら、どうしてここまで差がつくのか?

    それぞれの木にそれぞれの徳性があり、それがやがて大きな差へと繋がっていくような気がしてならない。まあ、そうなるのは木に限ったことではなく、私たち人間も同様なのだが。

  • 地産地消ではない

    地産地消ではない

    バナナはカルナータカ州の地場産とのこと。この時期のマーケットでもいろいろな果物が並んでいるが、他州からのものや外国産(ドラゴンフルーツ)などが多く、温暖なカルナータカといっても、地場産はさほど多くはないようだ。広いインド各地が相互依存しているからこそ、マーケットに豊富な量の果物が供給されることがよくわかる。

  • バーダーミーへの移動

    バーダーミーの宿に着いた。ビーダルからたいした距離ではないので4時間程度かと思ったら、途中ビージャープル、バガルコートと2回乗り換えなくてはならなかったので宿を出てから8時間半くらいかかった。

    ビージャープルからはマハーラーシュトラからバーダーミーの医科大に学びに来ている学生と乗り合わせていろいろ話を聞けて楽しかった。彼はすでに3年生だが、各地から学生が集まるキャンパスと寮での生活ということから、現地のカナダー(カンナダ)語は読み書きできないどころか会話もほとんどダメという。

    それでも事足りてしまう、やはり大学キャンパスでの学園生活という特殊性はあるにしても、なんとかなるのはインドらしいところである。ヒンディーで事足りるからだ。

    マハーラーシュトラはカルナータカと隣接しているが、言語の系統も文字も違うため、カルナータカに縁がある人でなければマハーラーシュトラではカナダー語は理解されず、カルナータカでマラーティー住民を除けば通常マラーティーは理解されないとのこと。

    インドそして亜大陸の複雑な多言語環境を繋ぐのがヒンディー・ウルドゥーであり、その恩恵は限りなく大きいのだなあと思う。

    系統の異なる南インドでも政治的な理由からヒンディーをボイコットしているタミルナードゥ州を除けばとても便利だし、同じく言語としての系統がまったく異なる北東州、ナガランドであろうがマニプルであろうがメガーラヤであろうが使えるのだ。その通用度は英語の比ではない。ほぼ誰でもOKだからだ。

    旅行においてもヒンディー語はとてもありがたいなあと感じている。英語に較べると非ヒンディー語圏でもヒンディーを理解する人の割合ははるかに高いし、英語だと拙くて人間的な会話が成り立たない相手でもヒンディーだとその限りではない。

    これが広大かつ膨大な人口を抱えるヒンディー語の州となると、「言葉が通じない人は皆無」という日本国内旅行同様の状態になるし、いつでもどこでもヒンディー語で書かれた新聞、雑誌が見当たらないことはないため、日々現地で起きていることを肌感覚で知ることもできるし、そんな出来事を話題に人々と話もできるわけである。

  • ケーキでひと休み

    「バンガロール・ベーカリー」なる人気店があり、ここのナッツを練り込んだ生地のケーキが素晴らしかった。ほど良い甘みに疲れがゆっくりと解消されていくようだ。

    普段の生活では、毎日ケーキを食べたり、ミターイーを口にすることはないのだが、やはり甘党天国のインドに来ると、とても我慢できなくなる。宿から近いので夕方にも来てみようと思う。

  • SNS

    バンコクでお世話になったマッサージ師さんとときどきFBやラインでやりとりしている。年に数回程度、イサーンの故郷に里帰りして家族やお子さんに会っているようなので、なかなかそうあるものでもないらしい。

    サービス業の人たちは往々にして人がヒマで遊んでいるときに忙しいもの。若いのに2児を抱えるシングルマザー・単身バンコクで仕事となると距離もあるし大変だなあと思う。田舎では母さんが彼女の子供たち、つまり孫の面倒を見ているそうだ。

    彼女自身は、都会的で普通におしゃれな感じの人だけど、FBで見かける本人の実家での投稿には飼っている水牛でお子さんたちが遊んでいたりするので、バンコクでの姿との落差に最初は驚いた。

    旅行者等相手の仕事の人たちで、旅行代理店の人であれ、宿の人であれ、街なかで知り合った人であれ、昔であれば「いろいろありがとう!コプクーン!」で終わりだったが、「ああ、この人は面白いなぁ!また次もぜひお会いしましょう!」とSNS等の連絡先を交換すると、その後の日常をお互い垣間見ることもあったりして、なかなか楽しい。

    仕事場の人たちとの食事会もときどきあるようで、私たちのそれに似ている。私たちの世界は繋がっているようでいながらも実は分断されているのだが、それでもなおかつ気持ちや想いは繋がっているものと信じたい。

    私もときどきバンコクには立ち寄るので、訪タイの前には「今度お店にいきますね」と連絡している。たまたまお休みだったり、それこそ帰省しているタイミングだったら残念なので。やはりこんな形で繋がっていると、いろいろ助かるなぁとも思う。

     

  • ナーナー・パーテーカルの逝去

    ナーナー・パーテーカルの逝去

    Ankush(1986年)、Pratighaat』(1987年)、Parinda(1989年)、Krantiveer(1994年)、Agnisakshi(1996年)Khamoshi: The Musical(1996年)Ab Tak Chhappan(2004年)、Apaharan(2005年)、Welcome(2007年)、『Raajneeti』(2010年)等々の出演作で高い評価を得てきたインドの名優、ナーナー・パーテーカルが滞在先のゴアで急性心不全により亡くなったとのこと。

    私にとって国や地域を超えて、世界で最も好きな俳優さんのひとりだった。

    ご冥福をお祈りします。

    Outspoken Indian actor Nana Patekar suddenly dies at 75 (BBC)

     

  • キリスト教徒となった死後もカーストが・・・

    インドのクリスチャン人口約2,800万人のおよそ7割をダリットの人たちが占めるというのもすごいが、総人口に対して、それほど小さなコミュニティーであっても、「自国内に2,800万人のクリスチャン」ということは、世界でもそこそこの「クリスチャン大国」でもある。

    しかしそんな具合でも、ダリットであることが、ダリット以外のクリスチャンと一緒の墓地に葬られることについて、大きなハードルがあるのだという。

    単に差別であるということだけでなく、社会的、経済的地位に相当な格差があるということでもあるのだろう。

     

    Even in Many Churches, India’s Caste System Lasts Into the Grave (CHRISTIANITY TODAY)

    Even in Many Churches, India’s Caste System Lasts Into the Grave

  • マンディーに再挑戦

    マンディーに再挑戦

    カルナータカ州ビーダルの店で出てきた「マンディー」があまりの巨大さにかなり多くを残して食べきれず、敗北感とともにトラウマになりそうだった。

    そして本日、同じカルナータカ州のグルバルガでリターンマッチに臨んだ。本日の店では「1人分」というポーションもあるのに勇気付けられた。

    マンディーの店

    やはりここでも「マンディー」には専用の座敷が用意されている。

    突き出しで出てきたスープを味わっていると、ほどなく「マンディー」が運ばれてきた。やはりここでも「1人分」とは信じ難いボリューム感に圧倒されるが、ここで怯んでいるわけにはいかない。

    前回は「もう少し汁気があればいけたかもしれない」という反省から、付け合せのチキンは揚げたものではなく煮込みを選択。これで最後には水分で流し込めるのではないかという、いわば戦略である。

    今回もやはり満腹中枢から「ストップ」がかかる前には相当量を片付けてしまおうと、スタートからダッシュする。付け合せあわせの汁類に油分が少なかったこと、そしてライスに混ぜ合わせて炊いたナッツ類が少なめであったことも幸いし、なんとか完食に持ち込むことができた。

    盛大に食べ残す人たちが多いインドなので、これで「完食」と言っても差し支えないはず・・・。

    しかしながら味わいそのものが美味なごちそうのマンディー。無理に完食目指して格闘するよりも複数人数で訪れてゆったりと楽しみたいものだと思った。

    そもそもの「マンディー」だが、インドにおける新しいトレンドだ。アラビア料理で、特にサウジアラビアなどでこういう食べ方をするのだという。インドで最初に「マンディー」を導入したのはハイデラバードの店とのこと。その後歯内の他の店や他の街にも波及している。

    繰り返しになるが、ぜひ多人数での利用をオススメしたい。

  • グルバルガのシャーヒー・マスジド界隈

    グルバルガのシャーヒー・マスジド界隈

    フォート近くにあるシャーヒー・バーザールにあるシャーヒー・マスジド。その名からして支配者勅命の聖職者がつかさどるモスクだったのだろう。立派な作りの施設だ。現在もジュマー(金曜日)の礼拝では使用されているとのことで、歴史の彼方の遺跡ではなく、現役の宗教施設だ。

    ムスリムの支配者のお膝元にして、格式高いモスクもある割には、周囲はヒンドゥー地域のため、家の前にランゴーリーが描かれていたり、お寺や祠がいくつもあったりする。

    何かをきっかけに街の人口が入れ替わることは決して珍しくはないため、今と往時は大きく異なるのかもしれないし、ムスリムの支配者のもとでヒンドゥーの商人層が活躍していたのかもしれない。カルナータカのこのあたりの地域の歴史について詳しく知らないが、こんな眺めを目にすると興味がわいてくる。

    美しく描かれた乱ゴーリー

    近くにあるヒンドゥー地区で家の前のランゴーリー。いろいろあるけど、これはとりわけ美しく躍動感も良い。絵心豊かな人によるものなのだろう。この地域には北からの人たちも少なくないようで、ティワーリー、ダットといった北インドの苗字の表札もある。

    北インドが出自の人たちの名前が掲げられた家

    前日訪れたPrakash Asian Mallというデイズニー風ながらも寂れたモールの近くにマールワーリーのお寺とラージャスターニー互助会の看板を掲げるクリニックがあった。

    マールワーリーの組織のお寺
    ージャスターニー互助会の看板を掲げるクリニック