ビーフはおいしい

アレッピーの宿すぐ近くに20代前半と思われる若者たちが切り盛りする、ちょっとお洒落で元気な店があったので入ってみた。

店の入口にカラフルなチョークでこれまた田舎町とは思えないセンスで記されたメニューにもまた若者らしい元気さを感じた。

なんとビーフとチキンのみの専門店。野菜アイテムは一切なしで、付け合せの野菜しか用意がないという潔さ。ケーララなのに米アイテムの用意もなく、チャパーティー、ルーマーリー・ローティー等の小麦系主食のみ。主食以外は何を注文してもビーフかチキン、しかも濃いめの味付け。暴走する青少年の力の源泉を見るかのような思いがする。

持ち帰りで利用するお客も多く、ひっきりなしに人々が出入りする、小ぶりだがエネルギッシュな店だった。やはり肉はビーフが最上。ケーララでは印牛を食べよう。

アレッピーのスタジアム

宿泊先のすぐそばにスタジアムがある。こうした円形の建物を目にするとワクワクするものである。

ちょうどピッチへの入口が開いていたので、これからピッチに向かう選手になった気分で入場してみたのだが・・・。

小石がゴロゴロ、雑草も生えたただの空き地という風情でガックリ。ゴールがあるからにはフットボールの試合で使われているはずだが、これは残念だ。

コタヤムのバススタンド

アレッピーからバックウォーターを船で進んでいき、コタヤムに着いた。また同じ船でそのまま折り返そうかとも思ったが、それでは芸がないし時間もかかるので、アレッピーへはバスで戻ることにした。

とりあえずはバススタンド近くで食堂に入って腹ごしらえ。ビーフビリヤーニーを注文してみる。やはり改めて肉はビーフが最上であると再確認した次第。

バススタンドではコレクター用お宝グッズ的に行先表示版がディスプレイされていた。いか、これはディスプレイではなく業務で使うのでセッティングしてあるのだ。

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待っていたバスがやってきたので乗り込む。こういう車両は「窓ガラスなし」の完全開放型がベスト。窓ガラスを必要としない環境というのは素晴らしい。雨のときにだけゴム引きの蛇腹を下ろすというシンプルさ。窓から入ってくる健康的な風がとても心地よい。

11月は5州で選挙

インドのニュースをつけると、今年の11月に5州(ミゾラム、チャッティースガル、ラージャスターン、マッディャ・プラデーシュ、テーランガーナー)で行われる州議会選挙のニュースと関連のディベートプログラムがたくさん。

私がいつも観るのはヒンディー語ニュースであるため、ミゾラム州政治は地元少数民族政党の争いなのでメインストリームの政治と関連が薄くほとんど報じられないが、ヒンディーベルトのチャッティースガル、ラージャスターン、マッディャ・プラデーシュの3州は、まさにインド政治の主戦場なので火花が出そうな勢いでの報道。ミゾラムよりは扱いの頻度は高いとはいえ、南インドの重要州テーランガーナーについてもヒンディー語放送でフォーカスが当たる度合いはあまり高くはない。

このあたりについては、英語メディアでも拠点となる街の位置する都市やそれが属する州とその近隣州が中心となるため、ごくいくつかのメディアをウォッチングしているだけではインド関連のニュースをまんべんなく吸収しようとすることはできない。政治の潮流も州や地域毎に、まるで別の世界、別の国のようであったりするため、「日本の約8倍」という物理的な面積よりも、さらにインドの政治・社会的な広がりは大きい。

11月の5州における州議会選挙は、来年4月~5月に予定されている中央政府の下院選挙の前哨戦と位置づけられる面が強いため、内外からの注目はとりわけ高い。

インドでは伝統的に「注目されるムスリム政党」は存在しなかった。独立以来、ムスリム票を集めるのは中道左派の国民会議派(及び左派政党)、1980年代以降は特定の地域政党もムスリムからの集票に強いものが出てきたが、「国政で存在感を持つムスリムによるムスリムのためのムスリムの政党」というものはなかった。(独立以降、ムスリムの政党がなかったわけではない)

近年、大きく注目を集めているのがAIMIM。100年近く前にハイデラーバードで発足した政党だが、現在の党首アサードゥッディーン・オーウェースィーが指揮するようになってから各地に活動を広げるようになった。

ただし「ムスリムの政党」といっても急進的な宗教政党ではなく、オーウェースィー自身がそうであるように、リベラルで世俗的なイスラーム教徒による世俗政党。ゆえに国民会議派と支持層が重なるため、国民会議派とは犬猿の仲。

ゆえに「BJPのBチーム」などとも言われる。つまりAIMIMに票が流れた分、国民会議派の得票が減るからである。

5州の選挙結果、うちミゾラムは独自の密室空間のようなものなのでさておき、その他4州の開票結果がどのようなものになるのか、その結果を受けて来年の国政選挙(下院選挙)が極右モーディー政権の続投か、あるいは会議派率いるINDIA ( Indian National Developmental Inclusive Alliance)がこの流れを止めるのか、とても興味のあるところである。

Assembly Elections 2023 | Election Commission announces polling dates for five States; only Chhattisgarh to vote in two phases (THE HINDU)

アレッピー・コタヤムのバックウォーター

 

出発時間を確認
出るまで少し時間があったのでジェッティー裏手の食堂で腹ごしらえ

アレッピーのジェッティー。たぶんこの様子は1980年代と少しも変わらないし、船の様子やバックウォーター地帯の人々の往来のための水上バスとしての役割も変わらないことだろう。

ただ違うのは特別にしつらえたリクライニングシートと広々としたスペースを備えたツーリストボートがたくさん往来するようになったこと。そしてそれらをハイヤーして水際や水路の風景を楽しんでいるのは主にインド人観光客であること。良い時代になったなあと思う。

ツーリストボート

私にとっては、バックウォーター地域の「水上バス」としてのローカルボートが楽しい。昔々にクイロン・アレッピー間で乗船したときは、バックウォーターの水路がどんな具合に連なっているのか見当もつかなかったが、今はスマホで俯瞰できるのがよい。

感心するのは水路がピシッと定規で引いたように直線的な部分が多いこと。そして護岸もしてあるなど、人が手をかけて管理してきたものであることがわかる。バックウォーターの広大な眺めから水路に入ってきた。

護岸が施されている。

果てしなくどこまでも護岸がなされている。雨季のボートも良い感じかもしれない。強く降ると船内に吹き込んでくるのだろうけれども。良い景色を楽しんでいるうちに、単調でだんだん退屈になってくる。それでも緑豊かなこの景色はすばらしい。

バックウォーター沿いに住宅や集落が点在している。日々の生活にはちょっと不便だろうし、雨季にはかなり大変かもれしない。高潮などで水没したりなどしないのだろうか。

やがて路地みたいな細い水路に入ってきた。このあたりになると「水郷柳川」にホントそっくりだ。

ちょっと柳川を思わせるものがある。