ガンター・ガル

いわゆる「ガンター・ガル(クロック・タワー)」はインド亜大陸各地の街の中心地などで、19世紀末から20世紀初頭にかけて建てられた。

近代化の象徴であり、今の時代の時間の観念の草創期であったと言えるだろう。

インドの伝統的な時間区分は「ペヘル」で、1日は8つのペヘルから構成されている。そして1日の始まりは午前6時からである。

それがゆえに現在も「正午」、「お昼あたり」のことを「ドー(2)・ペヘル」と言うわけである。

急速に近代化が進んでいった時代、生活の隅々まで24時間制が浸透するまで、そう時間はかからなかったはず。今もこうした「ガンター・ガル」が各地で健在であるのを目にすることができるのは嬉しい。

ある方から聞いたのだが、こうした「ガンター・ガル」についてとりまとめた本があることを最近知った。amazon.inで調べてみるとハードカバーで1,600Rsの書籍で、インド全国57の街にある99もの時計塔をとりまとめたものであるそうだ。

これはぜひ入手してみたいと思っている

書名 : CLOCK TOWERS OF INDIA

著者 : Dr. Yatindra Pal Singh

出版社‏ : ‎ Blue rose publishers

ISBN-10 : ‎ 9354272568

ISBN-13‏ : ‎ 978-9354272561

昔々の旅行案内書

こちらは1921年にカルカッタで発行されたダージリンとヒマラヤ鉄道の案内書復刻版。

内容が古くなると用をなさなくなるガイドブックも、これほど時代を経ると、当時の町中の有様や習俗を記した歴史的価値も生じてくる。同様の内容で、別の著者による1890年代発行のものもダージリンにて購入したが、その30年間での物事の進展も窺うことができて興味深い。

後発のヒルステーションにして、カルカッタからデリーへの遷都後にインド夏の首都と称されるようになったシムラー南方にもうひとつのヒルステーション、今も創作活動を続けているアングロ・インディアン作家ラスキン・ボンドの故郷でもあるカサウリーがある。

前者は行政の中心であり、かつ文民の避暑地であり、平地酷暑季の勤務地あったのに対しで、こちらは主に軍の駐屯地であり、地元のリソースを生かした産業、たとえば良質な水を用いた酒の大きな醸造所があったのと同じように、先発のダージリン南方にあるカルスィヨンも同じような性格があったようだ。

米国メディアの取り扱いも増えてきた米国の購読プラットフォーム「Magzter」

雑誌や新聞の電子版購読プラットフォーム「Magzter」は米国の企業だが、在米インド人が起業したインドのメディア購読を主目的とするものであるため、米国のメディアの扱いはあまりないという捻じれがあった。

しかしながらこのところNewsweekその他のアメリカの雑誌が次々エントリーされている。

しかしそれでもようやく「今度はTIMEも!」と宣伝しているくらいなので、やはりアメリカのメディアには弱い「アメリカの電子版メディア購読プラットフォーム」。

それにしても「インドメディアほぼ専門」でありながらも米国で操業というのは、おそらく法的その他の環境から、インドでこういうビジネスの操業は容易でなく、米国でのほうがやりやすいというようなことがあるのだろう。

「Magzter」はいろいろなニュース週刊誌に加えて、大手各紙の様々な地方版を読むことができるという点でも素晴らしく、とりわけ読み放題の「GOLD」に加入すると、その真価を発揮する。

amazon.inでキンドル書籍のお買い物

コロナ禍でインドに行くことができなかった時期、大きな助けとなったのは電子書籍のプラットフオームmagzterとインドのアマゾンamazon.inだ。

前者はアメリカで起業したインド人によるもので、インドの多くの電子書籍を購入・閲覧することが可能だ。「読み放題」プランに入っているため、主にインドの新聞や雑誌を閲覧している。各種ニュース雑誌はもちろんのこと、同じ新聞でもデリー版、ラクナウ版、パトナー版、コールカーター版等々、各地のバージョンを読むことができるので便利だ。

またamazon.inではキンドル書籍を購入している。インド滞在中にアカウントを作成しておかなくてはならない(日本その他からもアカウントは作成できるものの、何か購入することはできない)こと、支払いに使用できるクレジットカードはamazon.co.jpやamazon.com等で使用していないものでないとはじかれること、キンドル端末やキンドルアプリをインストールするスマホやタブレットも、他のアマゾンで使用している端末に紐づけられていない別のメルアドと紐づけた端末でないと利用できないなど、多少の面倒はあるものの、インドで出ている様々な書籍を日本にいながらにして購入できるのは大変助かった。

もちろんそれ以前からキンドル版で出ているものは、極力キンドル版で購入するようにもしていた。書籍は持ち帰るのに重量もかさもあり大変であること、自宅に書籍のスペースを圧迫することがないことなどが理由だ。もしアマゾンが倒産してしまって、これまで購入してきたキンドル書籍を読むことができなくなってしまうようなことがあると大変なのだが、まあそういうことはまずないだろう。

そんなわけで、インドに来てからも「本を買う」際には、紙媒体しかない専門書籍の場合を除き、店頭でいくつか気になる本の表紙を撮影し、宿に戻ってからノートパソコンないしはスマホからamazon.inにアクセスして購入している。

日本のアマゾンと同じく、対象となる書籍がそれほど多くないため、お得かどうか微妙なインドのKindle unlimitedは月々169Rs。現行レートで287円。多読家の方ならばこれを契約するのも良いかもしれない。

キンドル端末はサイズが手頃で良いのだが、図版も豊富でカラー写真満載といった本、辞書やガイドブックといった常に参照するため前後に行き来する書籍の場合は、白黒で小さな画面のKindle端末で利用するのはきつい。そのためタブレットを1台amazon.in専用にしている。悩ましいことに、同一のメールアドレスに紐付いている端末で日本のアマゾンとインドのアマゾンの電子書籍を共存できないためだ。

コロナで出版不況のダリヤガンジ

オールドデリーのダリヤガンジにある出版社「マノーハル」のショールームを訪問して何冊か購入。

経営者氏は父親から会社を継いでかなり経つのだが、コロナの間はとても大変だったようだ。アカデミックな書籍を扱う出版社の場合は、パンデミックの影響はあまりないのか思ったら、決してそんなことはないらしい。

向かいにあったオックスフォード大学出版会はちょうど1年くらい前にインドから撤退したとか、付近にあったショールームがあったケンブリッジ出版会も近々引き払うことになりそうとか、地場資本でもダリヤガンジ地域で彼のこの出版社と同じくらい有名な出版社も歴史の幕を閉じたという暗い話を聞いた。

ここでは在外インド人や外国の研究者による本も多く出しているが、そうした人たちがコロナ禍でなかなか来ることができなかったため、新規に出す本も減っているそうだ。

本日購入した中の一冊「Darjeeling」は、先週リリースされたばかり。西ベンガル州のダージリン地区に暮らす様々なコミュニティー(民族)について、いろいろな研究者たちが著したもので、なかなか面白そうだ。さすがにこういう書籍はamazon.inのキンドル書籍では手に入らないため、こうして紙媒体の本として購入している。