変わりゆくインド

BOSEの専門店がこういうとことかモールとかに当然のようにあって、そこで売られる高級品が目の前でどんどん売れて行くのが今のインドなんだなぁと思う。都会ではBOSEに限らず、クルマ、化粧品、カバンに衣類等々、あらゆる分野の国際的なプランドのショップが遍在し、それらを当然のごとく消費する人たちがいる。

コロナ前、よく映画DVDを買いに訪れていたデリーのグリーンパークのある店に行ってみるとトタンで建物が覆われていた。手前にある文房具屋で尋ねると、「あー、あの人は商売たたんでしまったよ。地所も売っちゃったしね」とのこと。

店舗を借りているのではなく、所有していたのなら良かったのだろうけど、趣味と実益を兼ねたような人で、年配者なのに販売しているDVDについては、若者が観るような今どきの新作にも詳しかったので作品選びには頼りになった。

もはやDVDで映画を観る時代ではないのだから、仕方ないといえば仕方ないし、おじさんもそろそろいい歳だったし、こちらも仕方ないといえば仕方ない。時代とともに街なかの様子も変わりゆくインド。

DVD屋は建物ごと無くなっていた。

時計屋が減った

購入したHMTの手巻時計のベルトを替えようと界隈を歩くも、時計屋が見当たらない。

昔は時計屋や修理屋はあちこちにあったものだが、今は高級時計を販売する店は健在でも、腕時計を主たる商品として取り扱う店自体がずいぶん減ってしまったようだ。あたりを見渡してみると、腕時計をしているインド人もとても少なくなっている。

日本でも同様だが、インドでも携帯電話の普及により、腕時計があまり必要とされなくなっているのだ。

スワンナプーム空港で「市中レート」での両替

前々回、前回に続いてタイの話題となる。

夜の時間帯にスワンナプーム空港に到着した。空港の両替レートは悪いのは当然だが、具体的にどのくらい悪いのかはよく知らず、漠然と「損」と思っていた。

市内での両替でおそらく最もレートが良いと思われる両替所「スーパーリッチのラージダムリ店」における本日の店頭レート(店舗により微妙に違う)を表示してみる。

例えばここで「0.2575」との表示であれば、1万円が2,575バーツとなる。円安のためずいぶん下がっているが、こればかりはどうにもならない。

この日、空港の両替所はどこも統一されているのか、「0.23」、つまり1万円あたり275バーツ、つまり1,100円くらい損ということになる。

やはり空港レートはかなり悪い。

空港B2階にあるBTS駅入口の裏手には市中レートと遜色ない率で替える店が並んでいると聞いていたので立ち寄ってみる。翌日早朝バンコクを出て地方に行く予定だったので、少しまとめて替えておきたいものの、市内に到着する頃には宿泊先界隈では両替空いていないかもしれないという懸念があった。

スワンナプーム空港B2階にあるBTS駅入口裏手にいくつか並んでいる両替所

ここでも先述の「スーパーリッチ」が出店しており、市内ラージダムリ店よりは低いが0.256だったので、短い滞在中の費用はここでまとめて替えておくことにした。たぶん市内であんまりレートよくない店とか、田舎で両替するとこんなもんだろう。

同じ空港内施設なのに、ここは空港ではなく鉄道駅構内なので、空港コントラバンドレートが適用されないということなのだろうと想像する。

ただし気を付ける必要があるのは、せっかくB2階まで降りてきても、BTS:チケット売場手前にある両替所に行ってしまうと、他の階と同じ「空港レート」になってしまうことだ。市中レートで交換できるのは、B2階でもBTS駅入口の裏側にある両替商エリアなのである。また、ひょっとするとこのエリアもいつしか「空港レートに統一」というようなこともあるかもしれないため、お金を渡す前に先述の「スーパーリッチのラージダムリ店」のレートを確認しておくことをお勧めする。

コロナで出版不況のダリヤガンジ

オールドデリーのダリヤガンジにある出版社「マノーハル」のショールームを訪問して何冊か購入。

経営者氏は父親から会社を継いでかなり経つのだが、コロナの間はとても大変だったようだ。アカデミックな書籍を扱う出版社の場合は、パンデミックの影響はあまりないのか思ったら、決してそんなことはないらしい。

向かいにあったオックスフォード大学出版会はちょうど1年くらい前にインドから撤退したとか、付近にあったショールームがあったケンブリッジ出版会も近々引き払うことになりそうとか、地場資本でもダリヤガンジ地域で彼のこの出版社と同じくらい有名な出版社も歴史の幕を閉じたという暗い話を聞いた。

ここでは在外インド人や外国の研究者による本も多く出しているが、そうした人たちがコロナ禍でなかなか来ることができなかったため、新規に出す本も減っているそうだ。

本日購入した中の一冊「Darjeeling」は、先週リリースされたばかり。西ベンガル州のダージリン地区に暮らす様々なコミュニティー(民族)について、いろいろな研究者たちが著したもので、なかなか面白そうだ。さすがにこういう書籍はamazon.inのキンドル書籍では手に入らないため、こうして紙媒体の本として購入している。

オートワーリーに出会った

マジヌーカーティッラーの入口
チベット寺院
細い路地
とにかく細い路地が多い

入ってみた喫茶店

マジヌーカーティッラーを訪問。チベット難民の定住地として提供されている場所のひとつで、とても細い路地が入り組んでいる。本来は違法建築なのだろう。しかしゴミも少なくきちんと清掃されている。近年は小洒落た店も増えている。散策後にしばしカフェでブラウニーとティーを楽しんだ帰りのことだった。

デリーの路上はオートワーラーで溢れているが、「オートワーリー(女性のオート運転手)」は珍しい。

デリーメトロのヴィダーンサバー(デリーの地方政府議会)駅からマジヌーカーティッラーに向かう際、なぜかおばさんが乗り合いオートの客引きをしているな、珍しいな、と思っていたが、マジヌーカーティッラーを訪れてからの帰りに乗り合いオートに乗ると、後ろから来る同じような車両をさきほどの女性が運転している。笑顔を送ると微笑みで返してくれた。

駅に着いてから後続のオートで到着した彼女にインタビュー。

この女性、ギーターさんは、オートのキャリアは長いわけではなく、1年ほどだという。日々10時間ほど走らせて諸経費差し引き700Rsほどの実入りがあるのだとか。

「知る限りではオートワーリーは私だけ。けっこう勇気が要るのよ、男世界で稼ぐのは」

女性がこの世界で頑張るのはそう簡単なことではなく、いろいろあるらしい。危険もあり得るので、ヴィダーンサバーからマジヌーカーティッラーの往復する乗り合いオートの運転手専門で稼いでいるとのこと。最後にオートのハンドルを握ってポーズを取ってもらった。

インドに限ったことではないが、彼女のように社会の公式どおりではない生き方をする人もあり、そうした人から話を聞くのは大変興味深いものがある。

オートを運転しているので、男勝りの豪快な女性かと思ったのだが、話してみるとごく当たり前のそのへんにいるお母さん、おしとやかな女性という感じで、人当たりの柔らかい優しい感じの人であるのがかなり意外でもあった。