増殖するOYO

カトマンズでもOYOが増殖しており、例の赤いロゴ入り看板が目立つ。このチェーンに加盟する宿はロクなものではないのだが、やはりこの国でも当然のごとく勢力を伸ばしている。

話はネパールから逸れるが、インドのデリー訪問時の常宿としているところは、エコノミーな宿の割には、午前2時とかに着いてもちゃんと対応してくれるし、メールで予約しても、ちゃんと部屋は取れているし、前金も要求されない。

なんだ、そんなの当たり前じゃないかと思うかもしれないが、実はそうではないのだ。このあたりがちゃんと対応しているエコノミーな宿というのはあまりない。

深夜過ぎに着くと、玄関が閉まっていて、背後でワアワア吠える野犬にビビって冷汗かきながら扉をガンガン叩いて大声を上げると、ようやく眠い目をこすりながら使用人のお兄ちゃんが開けてくれるとか、予約のメールをしても、催促のメール出してもなしのつぶてで、遅い時間帯に到着してみると、満室とのことで断られるというようなところは、エコノミーな宿では多いのだ。そうした宿は、カイシャ的な経営ではなく、家族経営あるいは雇い入れたマネージャーに任せっぱなしのところが多いため、自然と容易なほうに流れてしまい、ルーズになっているケースが多い。

エコノミーな宿からロイヤリティをせしめて、包括的なノウハウとマーケティングを提供するOYOのようなビジネスが急伸した背景には、そうしたエコノミーな宿泊施設におけるマネジメント能力の欠如がある。うまいところに目を付けたものだと思う。

booking.comなど予約サイトを利使って予約してもいいのだが、クレジットカード情報を入れたり、前払いする必要があったりするため、メール予約で現地決済のほうが気楽に決まっている。そうでなければ、前金やクレジット情報を入れずに予約できるところがあると気が楽だ。OYOはちょうどそんな感じ。前払いにすると、少し宿泊費が安くなったり、朝食が付いたりといった具合で、前払いもしくはクレジット情報入力へ誘導しようとするが、それらなしでも予約はできる。

また加盟施設が急伸しているためか、ネパールではどうだか知らないが、インドにおいては大手予約サイトではカバーしていないような田舎町にもOYOの施設があったりもする。

勝手のよくわからない小さな町に夜遅く到着するような場合、OYOのサイトにアクセスして予約しておくと安心かもしれない。もっともそんなケース以外では、決して利用したくないのだが。

内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。

インド政府はお見通し!

「ムルシダーバードはどうでしたか?何の目的でムスリムのエリアに行きましたか?」

滞在を終えてインドから出国するところだった。コールカーター空港のイミグレーション担当官が手元の端末を操作しながら言った。

「えー!?」とビックリするのは私。

かつてムルシダーバードは、かつてナワーブが支配したエリアだが、今でもそこにムスリムが多いのかどうかは知らない。それはともかく、私がそこを訪問したことがなぜわかるのか気味が悪い。

担当官に「よくご存知ですね。宿泊したのはベーヘラムプルで、ムルシダーバードで観光しました。帰りにはカルナーで108 シヴァ寺院に参拝したり、ISKCONのマーヤープルも行きましたが。でもどうやってそんなことをご存知で?」と尋ねると、はぐらかして答えない。

おそらく担当官が見ていたのは、宿泊の際のC-Formの情報だろう。なぐり書きした用紙が、そのまま積み重ねられていくだけかと思ったら、ちゃんとオンラインで共有されているということらしい。そういえばC-Formのウェブ版もしばらく前から運用されているし。

こんな具合だと、もし誰かがデリーのジャマーマスジッド界隈のムスリム宿に泊まり、コミュナルなテンションが高くて観光地でもないUP州のモラーダーバード、ムザッファルプル、ムザッファルナガルのような、原理主義過激派と関わりのある人たちがいることで知られる街をハシゴしてデリーに戻ってからすぐにカシミールのスリナガルに飛び、デモや鎮圧が頻発するラールチョウクに滞在して、他の地域に行くことなく飛行機でデリーにとんぼ返りしてからすぐに帰国しようとしたら、「いついつどこで誰に会ったのか?」と、別室で詰問されることになるかもしれない。

インド訪問する人たちの足取りはインド政府によってモニターされている。もちろんインドの法律をしっかり守って物見遊山をする私たちには何らやましいものはないので、まったく気にする必要はないのだが、唐突に滞在先についてドンピシャリなことを言われると、さすがに驚いてしまう。

内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。

eリクシャーの普及ぶり

近年のインドにおけるeリクシャーの進出ぶりは凄まじい。地域差もあるが西ベンガルの田舎町でも沢山走り回っており、カルナーでもオートリクシャーの大半はすでにこれに置き換わっていると言っても良い。これを電気自動車の一種と捉えるならば、インドはその普及の先端を行く国のひとつと言えるだろう。

都市部では環境問題に対応するため、タクシーやオートリクシャーのエンジンがガソリンからCNGを燃料とするものに変更されて久しい。その中にこうした電気式のリクシャーが参入していく形となったが、田舎ではガソリンからCNGのものへという変化を経験することなく、いきなりeリクシャーが導入されるというドラスティックな展開となっている。

さて、このeリクシャーだが、夜間に充電しておき、昼間の時間帯に80kmくらいできるようだ。昔と違って個燃料代不要で良いではないかと思いきや、運転手曰くオーナーから充電代金名目で取られるのであまり変わらないとのこと。

それはともかく、乗り心地は良好だし、地をスルスルと滑るように進む感覚も良い。気持ちよく運転できそうだ。

カルナーで、eリクシャーを含めたオートリクシャーはシェアベースで走行しており、一人で乗っても満員でも10Rs。よほど遠くまで行くと20Rsになるが、とりわけ他の乗客がいないとお得感が高い。ただし、夕方遅い時間になり、運転手にとって他の乗客の利用がまったく望めない時間帯、場所でもその料金で利用できるかといえば、もちろん運転手次第ということになるのだろう。

※内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。

OYOのホテル

共通のアメニティー

ベッドカバーも共通デザイン

フランチャイズ方式で加盟ホテルを増やしているOYO。各ホテルでは客室にこのようなアメニティーが置いてある。またOYOウェブサイトに自分のホテルが地域ごとに掲載されるなど、集客のための仕掛けが用意されている。フロントでスタッフが操作するタブレットも共通仕様だ。その他いろいろ加入するホテルがOYOに購入させされるものはあったり、スタッフの研修などもOYOが実施しており、円滑で合理的な運営と集客を目指すようになっているが、各ホテルの了解もなく、突然「キャンペーン」とか言って、びっくりするほど安い料金で勝手に予約を取っていたりする。

そんなわけて、訪れた客とホテル側にとで、「オレはこの料金で予約した」「いやこちらは了解していない」とモメたり、ひどいのになると一度お客にキャンセルさせて、最初の料金からの交渉に持ち込もうとするなど、いろいろあるようだ。カルナーで私が遭遇したのもこのケースである。とにかくお客からもホテルのオーナーからも、大変評判のよくない会社である。

もともと、OYOが勧誘するようなホテル、これに応じて加盟しようとする宿泊施設は、運営は良くなく、経営状態も好ましくない宿泊施設が多い点にも注意する必要があるだろう。

”詐欺的”と指摘のインド・OYOホテル問題が宿泊業界に投げかけた課題【永山久徳の宿泊業界インサイダー】(TRAICY)

内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。

OYOを脱退したホテル

インドその他の国々で急成長しているOYOにはまったく好感を持てないのは、どうしようもなくて、経営がたちゆかないような宿泊施設が頼る先であるからだ。これまで各地で幾度か利用してみたことはあるが、いずれもロクなものではなかった。

それでもOYOアプリを入れてみた。検索してみると、加盟しているホテルがインドのみならず日本その他、OYOが進出した国で出てくるため、OYOの増殖ぶりがわかるのは興味深い。日本では不調が伝えられてはいるものの。

アプリを入れると使ってみたくなる。列車でヒマだとなおさらのこと、やってみたくなる。

列車を降りる駅近くの宿を探してみるといくつか出てきた。表示される住所から駅は近くであることは間違いないようだが、なぜかGoogleマップで検索すると「クルマで1時間」と出るホテルもある。なんと雑な造りだろうか?

AC部屋2泊で入れてみると、1290Rsと出る。エアコン付きで1泊645Rsとは安い。ウェブで支払うとさらに50Rs安くなるとか、朝食が無料で付くなどとも表示されるのだが、OYOにクレジットカードを情報入れたくないのでやめておく。実はこの判断が正しかったことは後になってわかった。

カルナーの鉄道駅はアンビカ・カルナー(Ambika Kalna)駅という名前になっている。ここからリクシャーでホテルに着いたが、赤いOYOのマークがない。もしかしたら似た名前の別の宿かもしれない。とりあえず入ってマネージャーに「OYOで予約したんだけど」と告げると浮かない顔をしている。

「実はOYOとトラブルがあって、加盟を取り消そうとしているところなのです。」

なんでも、宿泊料金の2割をOYOに持っていかれるとかで、しかも自分たちが合意していない料金でOYOのウェブサイトに出てしまうのだとも。

「申し訳ないのですが予約をキャンセルしてください。まだ支払いしていなければ今日の今日でもキャンセル料金取られないはずですから。」

マネージャーは続ける。

「それで、これから申し上げる料金を提示させてもらいますが、それに同意できなければ他のホテルに行って下さって構いません。こちらとOYOとのトラブルで迷惑かけて申し訳ないです。」

「お客さんの予約は2泊1290Rsで出ていたんですよね。でも考えてみてください。AC付きで1泊645Rs、OYOに2割引かれて516Rsというのは、おかしくないでしょうか?」

そんなことを私に言われても知ったことではないのだが、すくなくとも宿側が想定していなかった都合の悪さがOYOとの間に起きたことはわかった。

駅からここまでに他の宿は見かけた記憶はなかったし、すでに夜で他を探すのは面倒なので本日1泊はすることにしたが、やはりOYOはいろいろ問題がありそうだ。加盟してまだ日が浅いのにやめたというのは、しばしば聞く話だし、実際に「今すぐにでもやめたい」という話を直接聞くことになった。

まだ脱退できていないので、OYOで予約したと来る人がいたら、いつもこうして事情を伝えてキャンセルしてもらっているというが、もし前払いしてしまった人がいたらどうするのだろう?宿の人も無責任だが、こんなことをしている宿を今でも加盟ホテルとしてウェブ予約を受け付けて、さらなる割引をエサに前払いを勧誘していたりするOYOにも大いに問題がある。

そんなことも、アプリを入れてためしてみないと知りえなかったことで、OYO問題について、インド雑学研究の視点からのアプローチをするきっかけとなったのは良かったかもしれない。

内容は新型コロナ感染症が流行する前のものです。