デジタル化が進むインド

何かと至らない面は今でも多いけど、やたらと進んでいる部分は日本よりもはるかに前を疾走しているインド。日本でいうところの「マイナンバーカード」にあたる「アーダール・カード」は導入以降たいへんうまくいっており、農民や各種助成金等の受給者への給付は、そうした層の人々の銀行口座開設も平行してどんどん進めたため、昔のように行政の担当者が村落や集落に行って現金で配るということもなくなり効率化するとともに、そうした担当者によるピンハネもなくなるなど、高い成果が出ているようだ。

今年は政府・行政関係のサービス等について、横断的かつ統一的な運用を導入するとのことで、個人に紐づいた各種申請・認可、入学、奨学金、運転等免許類、その他諸々が、ひとつのアカウント&パスワードで管理されるようになるとのこと。日本においては、政府への不信感が根強いため、包括的な管理をさせることを是としない風潮があるが、インドにおいては現場の役人等の不正等からくる不信感も強いのに、この違いはいったい何だろうか。

Soon use a single sign-in to access plethora of government services, entitlements (THE TIMES OF INDIA)

India Today系列のニュース番組で知るウクライナ情勢

AAJTAK (ヒンディー語放送)の中継映像から

ウクライナ危機に関するインドのニュース雑誌「INDIA TODAY」系のニュース専門チャンネルAAJTAKは情報量もあるし速報は迅速だし分析も深い。

ご存知のとおりインド政府は友好国ロシアへの遠慮から国連の非難決議等は棄権するなど、自国民救出に奔走する一方で、ロシア・ウクライナの二国間の問題であるとして距離を置いているが、それとは裏腹に、民間のニュース番組はロシアへ厳しい批判を展開している。

同時にウクライナを率いるゼレンスキーへも多少の疑問を呈するとともに、NATOの東方拡大へのロシアの懸念にも、これまたいくばくかの理解を示す部分もあるというスタンスのようだ。置かれている立場も旧ソ連時代からの深い仲でもあることから、ロシアに対する眼差しに異なる部分があるのは、まあ当然かもしれない。

ロシアへの態度は、もしかしたら世代によっても大きく異なるのかもしれない。ニュースキャスターが原発施設への攻撃を厳しい非難を含めて伝え、原子力関係の識者が「原子炉が無傷であったとしても安心できはしない。電源喪失という事態になれば冷却できない状態で炉が加熱して爆発という事態になる。欧州最大級の原発がそんなことになったら、どうなるのか、想像することすら恐ろしい。なぜこんな愚かなことをするのか」と批判する一方で、年配の軍事評論家はこんなことを口にする。「ソ連時代に建築された発電所なので、ロシアは施設の配置や構造をすべて判っているので問題はない。発電所を占拠すること、原発でさえ躊躇せず襲うということで心理的な圧力をかけているのだ。情報戦の一環でもある」といった具合。

インドのある程度以上の年代の人たちの間では、今もどこかに旧ソ連やロシアへの信頼感、憧憬のようなものがまだあるとしても不思議ではない。80年代以前、旧ソ連は社会主義の同志で、ポーランドやチェコのように旧ソ連に圧迫された経験もないため、ネガティブな感情を抱きにくいということもある。おまけに国境を接していないので領土問題もなく、旧ソ連時代には様々なレベル・分野での交流も盛ん、インド各地の大きな街にはモスクワに本部があるソビエト専門の書店があった。英語やヒンディー語をはじめとするインドの言語に翻訳された書籍が並んでいた。私もときどきそういう店で「インド人用のソ連書籍」を買ったことがある。同じ時期の日本から見たソ連への感情とは180度異なるものがあったように思う。その頃のインドはいわゆる「消費主義」へ批判的な風潮もあり、当時のソ連と心理的にも親和性は高かったのかもしれないし、彼らの進んだ科学技術への憧れもあったことだろう。

AAJTAKで特異なのは、複数の特派員を送り、「グラウンド・リポート」として、キエフや郊外の各地から映像とともに情報を伝えていることだ。私たちの世の中の非常時であるとして、日々の放送内容の大半をウクライナ情勢に費やす心意気には打たれるものがある。印パ関係が緊張したときでも、「日々まるまる印パ関係」ということはなかったのに、ウクライナ侵略開始以来ずっと「ほぼまるごとウクライナ危機専門ニュースチャンネル」になっている背景には、この局がこの戦争について大変な危機感と問題意識を持っているからに他ならないだろう。国営放送及び民間放送の他局は通常通りに大半が国内ニュースで、ときどきウクライナ関係の映像が挟まる程度、あるいは脱出先の東欧からインド軍機で帰国したインド人留学生たちを取材する程度であるため、その特異性は際立っている。

INDIA TODAY (英語放送)

前述のとおり、AAJTAKはニュースメディアの「India Today」グループの放送局だが、この「India Today」名の英語放送も運営しており、ほぼ同じ内容のニュースを英語で見ることもできる。インドの多くのニュースチャンネルは、国営放送から民放まで、インターネットでもライブ放送をしている。インドでオンエアしている内容をそのままネットで見ることができるわけだ。日本放送局も同様のサービスをしてくれれば良いのにと思う。日本からの現地レポートが手薄ないっぽうで、国際報道の分野でも台頭するインドからのニュースで、よりわかるウクライナ情勢。ウクライナ情勢に関して、今ぜひ視聴をお勧めしたい。

Chromebook

これまで愛用していたタブレットが、とても鈍くなり、突然アプリが落ちたり、画面はフリーズしていないのに、操作ができなくなったり、指紋認証あるいはPINでの画面ロック解除ができなくなったりと、ダメになってきた。そろそろ後継機必要と、いろいろ検討。

当初は似たようなタブレットを購入するつりだったが、タブレットの近くの売り場では、画面の見た目はAndroidとほぼ同じASUS製の10.5インチのChromebook (CM300DV)が展示されていた。

タブレットとPCの中間みたいな位置づけとのこと。アプリはGoogleストア、あるいはChromebookストアからアプリを入れる。感覚はAndroidのタブレットと変わらない。縦置きしても画面を反転できないモデルもあるので、購入時にこのあたりは要確認である。Android端末で利用できても、Chomebook端末では使えないアプリも一部あるようだが、そのあたりは目をつぶることにする。

それ以外に異なるのは、最初から当然の装備としてキーボードが付いていること。Androidのタブレットもそうした装備の用意がある機種もあるが、それらに出来の良くない日本語IMEを入れて使うのと異なり、Chromebookでは、普段使っているPCと同じ感じで使えるのが良い。オフィスソフトの代わりにGoogleのドキュメントを使えばいいし、タブレット兼簡易版PCという具合か。キーボードは外して持ち歩いてもいいし、付けたままでも薄いので邪魔というほどでもない。

旅行に持参する端末としても、なかなか良いように思う。

見た目はマイクロソフトの「Surface」みたいだ。
背後からはこんな具合
縦置ではこのような感じ
折りたたむとこのようになる

KING JIMのポメラ

旅行の際、スマホにbluetooth接続してテキストを入力できるキーボードあるいはノートPCを持参している。前者だと荷物の軽量化に利があるが、取り回しはよくない。キーボードから「かな入力」できるIMEがあまりよくないので、変換のもたつきにイライラしたりすることは少なくない。ノートPC持参の場合は快適だし、撮影した画像データも宿に戻る夕方以降、どんどんバックアップできるので助かる。ただしPCはそれなりの重量があるし、盗難や紛失の際に厄介でもある。いずれも一長一短といったところだ。

そこで2008年に登場したKING JIMのポメラも候補で考えたことがあったが、初期のものはかなりチャチであったし、折りたたみ式キーボードというのもあまり好きではなかった。その後いくつかの後継機が出て、2016年に発売されたDM200というモデルが、モノとしては非常に気になっているのだが、購入には踏み切れなかった。「ワープロ専用機」が現在4万円弱という価格(ヨドバシカメラ等量販店)は、どうも手を出しにくい。キーボード付きのChromebookを購入できる金額であるからだ。ただし重量はポメラが580gに対して、こちらは1kg前後と倍にはなるが、ワープロとしての単機能のポメラに較べてはるかに使いではある。

しかしながら2008年にこうした形で発売されて、モデルチェンジのサイクルも長く、現行モデルであるDM200は、2016年に発売されているので、今年2022年で7年目に入るロングセラーである。そんなに沢山売れるものではないが、文章作成専用機として強く支持されているのだろう。唯一無二の機器であるため、価格崩れもなく現在に至っている。

タブレットを買い替える時期が来たら、Chromebookにするか、それともポメラを購入するかと思案中。

Googleマップは賢い

昔、各地の土地の名前や街なかの名前の正しい読みを確認したくて、デーヴァナガリー文字の地図を集めたことがあるが、今はスマホの言語設定を変更するだけで簡単に見ることができる。非デーヴァナグリー圏の地名も設定した言語で確認できるのも良い。

さらには中文に設定すると、インド各地の地名がどう綴られるのかも眺められて楽しい。繁体字にすると、単に簡体字から繁体字に変換されるだけなのか、それとも大陸と台湾でのインド地名表記のブレ(・・・があるのかどうかは知らない)が反映されるのかということにもかすかな興味が飛ぶ。ときに誤記もありそうだが、概ね合っているのだろう。

また同じナーグリー文字でもヒンディー語設定とマラーティー語設定で、インド各地の地名表記にズレはあるのか、あるいは「デリー」がヒンディー語では「ディッリー」であるのに対してウルドゥー語では「デーヘリー」となるように、インド国内の他の地名でもヒンディー/ウルドゥーで異なるものはあるのかなど、いろいろ頭に浮かぶものはある。

だが、そんなことにハマりこんでしまうと、向こう数時間くらい夢中になってスマホとタブレットを並べていじり回すことになりそうなので、このあたりにしておこう。