ブービー・トラップ

Eチケットには「ターミナル2」と書いてあったのだが、ウェブチェックインしてみると、「ターミナル3」と記されている。どちらが正しいのかコールセンターにかけてみると「ターミナル3」とのこと。

空港でチェックインもできるけど、事前にチェックインせず、ギリギリのタイミングでEチケットにある「ターミナル2」到着したらアウトであった。

この件で航空会社に電話したときのことなのだが、自動音声で「お客様のご用件をどうぞ」というのが流れた後は沈黙。

「新規の予約は1を、すでにお持ちの予約については2を、その他のご質問は3を」みたいな音声を期待するが、何も言ってこない。

すると「ご用件が確認できませんでした。ご用件をお伝え下さい」と音声が流れる。

戸惑いつつも「いま持っている予約のことで質問が・・・」とつぶやくと、「ご用件を賜りました。担当者に繋ぎます」ときた。

コールセンターの1次受けはvoiceBotとやらになっており、そこから振り分けられた2次受けから人間が対応する形らしい。

AIの進化はとても早いので、今に2次受けも人間の対応は不要になり、「責任者を出せ!」とか怒鳴る人にだけ、生身の人間が出てくるようになるのではなかろうか。

いやクレーマーへの対応こそ、人間の心が擦り減ってしまうので、AIに任せるほうが良いだろう。たぶんAIは鋼鉄の心臓を持っているから誰が相手でもへっちゃらなのだ。

ランダムチェックとは

さすがに現在は実施されていないが、インドで国際空港におけるコロナ対策で、乗客の2%を対象としてランダムにPCR検査を実施するとしていた時期があった。

係員が声をかけてくるのは飛行機からターミナルビルの廊下に出たところである。私も声をかけられて「捕まった」わけなのだが、そうして声をかけられている人々、そして連れて行かれた先で目にした人々には明確な共通点があることがわかった。

・外国人とインド人が半分ずつくらい。

・単身か2人連れの乗客(大人数のグループは無し)

・体格の良い人物は無し

・人相の悪い人物も無し

・VIP風の人物も無し

集められた面々は、ごくまっとうで人柄も良さそうな人々ばかりで、要は「揉めそうにない人々のみだ。「ランダムに抽出」と言いつつも、明らかに人を見ていることがわかる。声を掛けたら変に絡まれて因縁をつけられたり、大目玉食らったりする相手だと困るためだろう。彼らもやはり勤め人であるし、余計なトラブルを起こしたり、不要な労力をかけたりするのは嫌であるがゆえ、見るからに面倒そうな相手は避けて、扱いやすそうな人を選ぶのは当然のことだろう。

ムンバイ空港の設計企業

中東趣味のムンバイ空港。総体的にやはりアラビア方面への玄関口でもあるわけだが、どこの建築家が受注したものなのだろうか・・・と思いきや、インドを本拠地とする多国籍企業Larsen & Toubroという会社だが、1934年にインドにやってきたデンマーク人による事業が前身となっており、現在の名前の企業として発足したのは1946年というユニークな歴史を持っている。

ユニークと言えば、それだけではない。デヴィッド・リーン監督の映画「戦場にかける橋」の撮影に使うため、スリランカでこの橋を建設したのもLarsen & Tourbroであったとのことだ。

映画「戦場にかける橋」から

The Story of Larsen & Toubro Construction Company (Linkedin)

乗り合わせの巡り合わせ

成田国際空港

インドまでのフライトは長い。途中乗り換えが入る場合には、その分の待ち時間も加わるのでさらに長い長いものとなる。その間、たいていは無言の行となり、退屈しのぎに本を開いたり映画を観たりするのだが、その中でときどきウトウトしつつも、退屈極まりない時間であることは間違いない。

ビールと映画あるいはウイスキーと本で暇つぶし

そんな中で、たまたま楽しい話を聞ける相手と乗り合わせると、時間が飛ぶように過ぎていく。バンコクで乗り換え便の出発待合室で隣に座った若いインド人女性は千葉に住んで日本語学校に通い始めて10ヶ月とのこと。日本語はなかなかうまい。卒業後は日印間で通訳として働きたいとのこと。千葉ではスーパーでアルバイトしているとのこと。日本で進学するつもりはないそうだ。おそらくインドで大学は出ているのだろう。

スワンナプーム国際空港

そして、バンコクからムンバイまでのフライトで隣り合わせた人は、仕事か旅行でのインド行きのように見えたのだが、「結婚式のためにインドに来た」とのこと。てっきりお友達の結婚式に出席するのかと思いきや、ご自身がこれから結婚式を挙げる新婦さんであった。日本でIT企業に長く勤めているインド人の新郎さんは先に実家がある現地入りをしているとのこと。しかもインド舞踊を通じてインドと関わっているとのことでもあり、私にとってまったく接点のない「舞踊のインド」の話もたくさん聞くことができて楽しかった。

座席でひたすら映画を観ていても、酒を飲んでうたた寝していても、等しく時間は過ぎていく。インドへのフライトの中には、様々な形でインドと関わる方々も乗っているので、このような形で、たまたま乗り合わせて話を聞く機会を持てるとたいへんありがたい。

何はともあれ、ご結婚おめでとうございます。

ムンバイへの機内

機内の「スカイチャット」

タイ国際航空機内での画像だが、座席のモニターに「スカイチャット」なる機能がある。同乗の人と座席が離れ離れになってしまったような場合、これはなかなか便利かもしれない。

普段は常時ネット接続環境にあるため、電話でもSNSでも気軽に連絡を取ることができるが、機内ではそうではないため、直接言葉を交わすしか手段がないからだ。

ただし、これを使ってナンパを試みる者もいそうな気がするし、出張などでわずらわしさを避けるため、わざわざ同行者と離れた座席にしたのに、仕事のことで連絡が入ってわずらわしい思いをするというケースもあるかもしれない。