なるべく安くインドへ

LCCも昨今はやけに高いし、帰りは書籍を買うので荷物は出発地から東京までスルーにしたい。円安と減便のため運賃は上がっているし、ロシアのウクライナ侵攻のせいもあり燃油サーチャージも上がるし辛いことになっている。いやチケット代が高いのは運賃というよりもサーチャージの高騰による部分が大半だ。

LCC以外でインド行きに強い(つまり乗り継ぎ同一キャリアで代金も低めの)航空会社はないかと探してみると、現状ではスリランカ航空がよいらしいことがわかった。しかも南インド中心に就航地が多いのも魅力だ。チェンナイやムンバイのような巨大都市を経ずに、そのまま目的地に着くことができるという場合も少なくないだろう。

しかし破産中の国のナショナルフラッグキャリアというのは、ちょっと気になる。とりわけ次の予定がかなり先のことであれば、なおさらのことである。

ようやく久々のインドへ

好調となっている国内線とは裏腹に今も減便が続く国際線。成田空港の国際線ターミナルは今も閑散とした状態。空港内の店などもひところよりは営業しているところが増えたとはいえ、まだまだ「コロナ禍」といった風情だ。

これまた久しぶりのエアインディアにちょこっと搭乗してみただけで、「今年2月に民営化して以降、こうなっている」などと、おこがましいことを言うつもりはない。それでも大変気になったことがいくつかある。

・年配で貫禄あるパイロットはどこへ行ったのか?

・くたびれた感じの客室乗務員のオジサンはどうしたのか?

・声が大きくて押し出しの強い客室乗務員のおばちゃんはどうしているのか?

たまたま東京・デリー便だけ、フレッシュなスタッフが揃ったというのならばよいのたが、これまで労組が強くて、職員たちが長く勤めやすかったため、民間航空会社のフライトのパイロットやアテンダントの「親世代」みたいな人たちがモソモソと働いていたことを思うと、まるで別のフライトであるかのようだった。

ゲートに集合するパイロットはまだ若くて精悍な感じの人たちだったし、客室乗務員は男性はイケメンマッチョ、女性は美形のモデルさんみたいで、映画やドラマにそのまんま出演できそうな感じ。応対もとても丁寧。こういう人たちは新たに採用されたのか、それとも同じTATA経営のVISTARAからの横滑りなのか?

ひさびさのエアインディア搭乗ということで、経験豊富な中高年だらけで一種の「安心感」みたいな雰囲気を当然のごとく期待していたが、少なくとも私が利用した東京・デリー往復便は、ごく当たり前の民間航空のフライトであった。

しかも出発が30分遅れたのはいいとして、到着は定刻よりも1時間半早まったので、てっきりデリーではなく、どこか別の空港に不時着するのか?とすら思ったくらいだ。東京・デリーの移動がこんなに速かったのは初めて。

これはコロナ禍による減便のため、成田のサテライトを出てから滑走路までが驚くほどすぐだったり、到着するデリーでも着陸待ちで旋回させられることがあまりない?ためかもしれない。そんなこんなで、あれやこれやと回想しているうちに、アッという間にデリーに着いてしまった。

デリーに到着

ごく当たり前であるがごとく、コロナ前同様に混雑している空港からはプリペイドタクシーで市内へ。車窓から見える風景はまるで2019年のコロナ前の眺め。誰もマスクしている人は見当たらない。まるでコロナなんて無かったかのようだ。一時はロックダウンが実施されたり、デルタ株が流行した時期にはおびただしい死者が出たりと大変だったはずなのに。立ち直りの早さはインドらしいところだ。

パハールガンジにあるいつもの宿に着いた想像していたよりも西洋人客がいるし、界隈にもそうした姿がある。家族連れもある。しかし誰もほぼマスクはしていない。日本以外の多くの国々ではそういうところが多いだろう。ぜひ見習いたいものだ。

とりあえずAirtelのSIM購入。有効期間1ヶ月のプリペイドだが、利用期間の更新も可能。ネットは毎日1.5GB使えるとのこと。つまりひと月で45GBも利用できる。しかも国内電話は無料。

コロナ前以来のインドに来てとても興奮するが、パッと見た感じは以前と特に変わった様子もないので、まるでコロナ前にタイムマシーンでやってきたかのような気さえしてくる。

もしかしたら朗報?効力停止されていたインドの発行済e-visa(tourist)も復活?

2020年春に効力停止されたe-visa(tourist)が、いつの間にか再度有効になった?昨年10月あたりに、観光ヴィザ以外は再度有効化のアナウンスが出ていたと思うけど、ついに観光のも息を吹き返したのか?

何しろ「(i) Currently valid e-Tourist Visa issued for five years, which was suspended since March 2020, shall stand restored to nationals of 156 eligible countries with immediate effect. Nationals of these 156 counties will also be eligible for issuance of fresh e-Tourist visa.」と書かれているのだ。しかし取り直したほうがいいような気もする。よくもわるくもインドであるし、「Nationals of these 156 counties will also be eligible for issuance of fresh e-Tourist visa.」ということなので、「新たに取得してもいいよ」というわけだ。

以下はインドの入国管理局ウェブサイト内の「観光ヴィザ、観光E-VISAの効力回復」の記事からの引用。今年の3月に発表されたものとのこと。

Restoration of Tourist/e-Tourist Visa for Foreign Tourist

MHA O.M No.25055/24/2022-F.V/F.I Dated March 15, 2022

In continuation of this Ministry’s O.M. of even number dated 21.10.2020 on the above mentioned subject and keeping in view the improvement in COVID-19 situation in India, the Government has considered the need for further relaxation of visa and travel restrictions.

  1. Accordingly, with immediate effect it has been decided that:

(i) Currently valid e-Tourist Visa issued for five years, which was suspended since March 2020, shall stand restored to nationals of 156 eligible countries with immediate effect. Nationals of these 156 counties will also be eligible for issuance of fresh e-Tourist visa.

(ii) Currently valid Regular (Paper) Tourist visa with validity of 5 Years, issued to foreign nationals of all countries, which remained suspended since March 2020, shall stand restored. Fresh Regular (Paper) Tourist visa up to 5 years validity may also be issued to the nationals of the eligible countries subject to the restrictions imposed from time to time.

(iii) Currently valid old Long duration (10) Regular Tourist Visa which remained suspended since March, 2020 shall stand restored for the nationals of USA and Japan. Fresh Long duration (10) Tourist Visa can also be issued to the nationals of USA and Japan.

  1. The Foreign nationals of Tourist/ e-Tourist Visas may enter into India only through designated Sea Immigration Check Posts (ICPs) or Airports ICPs by flights, including those under the Vande Bharat Mission or ‘air bubble’ scheme or by any flights as allowed by the DGCA or Ministry of Civil Aviation. In no case the foreign nationals will be allowed to enter through Land border or riverine routes on Tourist Visa/e-Tourist Visa. Order for opening of Land ICPs and riverine routes will be communicated separately.
  2. These instructions will not be applicable to Afghanistan nationals who will continue to be governed by the separate instructions issued by this Ministry regarding grant of e-Emergency X-Misc. Visa. All other health/ COVID-19 related matters, extant guidelines of the Ministry of Health and Family Welfare shall be adhered to.

以下は、インドのe-visaの申請サイト。

Bureau of Immigration (e-visa application)

観光用で有効期間30日間は25ドル、有効期間1年間だと40ドル、5年間になると80ドルということになっているが、日本旅券であれば期間にかかわらず一律で25ドルなので、5年間を申請するのがよいだろう。可能な入国回数はマルチプルで、1回の滞在は180日間を越えないことというのが条件になっている。

e-visaの場合は陸路入国が認められないというハンデはあるものの、大使館で申請する従来型のヴィザよりも有効期間が長いこと、大使館に出向く必要がなく、往復の航空券の提示も求められないなど、メリットは多い。申請から発行まで、現在のところは大変スムースで、多くは翌日には発行されているのも魅力だ。

そんなわけで、今すぐに行く予定はなくても、とりあえず取得しておいて、いつでも渡航できるようにしておくのもよいかもしれない。

エアインディア 国営航空会社からターター財閥系航空会社へ移行

ついにエアインディアは、国営航空会社としての歴史に幕を閉じ、起業時のターター・グループに戻り、民営航空会社エアインディアへ移行した。

元々のエアインディア、つまり国際線を主体に操業していたときには、近年ほど深刻な経営状況ではなかったものの、2007年におけるインディアンエアラインスとの合併が大きな苦境を招いた。旧ソヴィエト連邦時代のエアロフロートのごとく、政治理由により存在する不採算路線がとても多かったこと、政治主導の経営であったこともあり、なかなか自助努力いうものは容易ではなかったことと思われる。

リンク先記事には、今後の機内食その他のアメニティ、接客姿勢等について触れられているが、そのあたりは民営化による変化の本質ではない。今後、広大な路線の整理・統合、アライアンス内での他キャリアとの後半な協力関係の構築、事業所・施設や人員の整理、新たな労使関係の構築等々、さまざまな事柄が粛々と行われていくはずなので、数年のうちにエアインディアはまったく別の評価か与えられるキャリアに変貌することだろう。

また、ターター・グループがシンガポール航空と合弁で運営しているヴィスターラー航空との関係はどのように位置づけられるのか、このあたりにも注目していきたい。

Air India handover: See list of in-flight changes as ‘Maharaja’ gets makeover (INDIA TODAY)

 

「乗客の過半数以上が陽性」は誤り

先週木曜日、そして金曜日にイタリアからアムリトサルに到着したフライトから175名中125名、同じルートの別のフライトの290名中150名がインド到着後の検査で陽性と判明という驚きのニュースに腰を抜かしたが、どうやら問題は乗客ではなく検査機関にあったようだ。現在はこの機関は別の検査機関に交代させられているとのことで、もはやこのような驚愕の結果は出ていないとのこと。

だいたいイタリアから搭乗する前にも検査を受けているはずなので、目的地に着いてみたら「あら不思議!全乗客の半数や3/4が飛行中にアッという間に陽性に!」なんてことが起きるはずがないのだ。(笑)

インドでは、ときに物凄くいい加減な事が起きるものだ。

以下は当初伝えられていたニュース

125 passengers of Italy-Amritsar chartered flight test positive for Covid-19 (INDIA TODAY)

150 passengers of another flight from Italy test positive for Covid upon arrival at Amritsar airport (INDIA TODAY)

こちらは空港の検査機関に問題があったらしいことを伝えるニュース

Covid-19: India lab investigated over 298 positive tests on flights from Italy (BBC News)

Lab under scanner after 200 test positive at Amritsar airport (THE HINDU)

Covid positivity rate at Amritsar airport dips 5-times after lab change (Hindustan Times)