こちらの画像は、ケース裏側に国営インディアン・エアラインスのロゴが入っているHMT自動巻時計。後に同じく国営で、主に遠距離国際線を中心に展開していたエアインディアと合併する国内線と近隣国への国際線を中心に運行していたインディアン・エアラインス。
1980年代から1990年代前半あたりまで、インド国内線は、午後6時台到着予定の便は必ず遅れるというジンクスがあった。着陸が午後7時以降になると、乗務員たちに夜間手当が出るため、パイロットたちはしばらく上空を周回させていたというような都市伝説があった。パイロットたちは、会社から支給されたこの時計で7時を回ったのを確認して直陸体勢に入ったのだろうか?
真偽のほどは定かではない。コクピットの判断で勝手にそんなことができるのか?と思うので、ただの与太話だったのかもしれないが、当時のインドの英字ニュース雑誌にも国内線の非効率を批判する記事で「午後7時の法則」と揶揄されていたから、まんざら嘘ということでもなさそうだ。国営による寡占状態の国内空の便について批判した記事だったように思う。
もっとも、その他の時間帯でも遅延がとても多かった時代で、遅れは午後6時台だけのことではなかった。