遺跡の宝庫デリーなので、無料で観ることが出来るものにもこんな素晴らしいところがある。13世紀に建てられたデリーの奴隷王朝のナスィールッディーン・メヘムード王子の墓。内部には地下室がしつらえてあり、3基のマザール(墳墓)に捧げられた花とお香の香りが絶えない。元ヒンドゥー寺院であったものを転用したとされる。ヴァサント・ヴィハールメトロ駅からオートで12分くらい。
遺跡の宝庫デリーなので、無料で観ることが出来るものにもこんな素晴らしいところがある。13世紀に建てられたデリーの奴隷王朝のナスィールッディーン・メヘムード王子の墓。内部には地下室がしつらえてあり、3基のマザール(墳墓)に捧げられた花とお香の香りが絶えない。元ヒンドゥー寺院であったものを転用したとされる。ヴァサント・ヴィハールメトロ駅からオートで12分くらい。
鉄道大臣によりヴァンデー・バーラトの寝台車の発表がなされた。
全国各地で運行区間が追加されているヴァンデー・バーラト。インドが誇る国産の非常に快適な準高速列車だが、現時点までは全席チェアカーの昼行列車。今後夜行寝台のものも始まるのだからありがたい。
中距離の昼行列車としても、夜行の長距離列車としても、それぞれ従前からあるシャターブディー、ラージダーニーと存在意義は被るがいずれもヴァンデー・バーラトが上位の位置付けとなる。
シャターブディー・エクスプレス(Century Express)、ラージダーニー・エクスプレス(Capital Express)と、ニュートラルだがロマンチックな語感のある名前が好きだが、ヴァンデー・バーラトというこれとは毛色の違う翼賛的なネーミングは、いかにも右翼政権らしいなぁとも思う。国策として各地にサービスを展開して好評を得て、さらには寝台列車も導入してインド万歳の福音を届けようということだろうか。
それはともかく、ラージダーニーは文字通り、首都と各地の州都(国のラージダーニー、州のラージダーニー)を繋ぐ列車として全国各地で展開してきた。シャターブディーと合わせて中長期的には今後ますます増便されて運行区間も広がったヴァンデー・バーラトに置き換わるのだろうか。これらとは別にヴァンデー・メトロというサービスも今後展開していく予定。メガ級の大都市と周辺の街を高速で繋ぐというもの。
インド国鉄は、モーディー政権2期合計10年で大きく変わった。3期目の現在もその変化は休む間なく進行中だ。
パリ五輪の女子レスリング55kg級で金メダルを予想されつつも決勝戦前の計量で失格となったヴィネーシュ・フォーガート。失格後すぐに引退を表明していて、そんなに早まらなくてもと思ったが、政界に転身するようだ。
昨日のニュース番組で国民会議派への加入が話題になっており、「あっ!」と思った。
タイミング的には滑り込みという感じだが、彼女自身の地元であるハリヤーナー州の州議会選挙は今年10月!現地での知名度と先の五輪での活躍と失意。当選確実であるように思える。おそらくパリでの引退宣言直後から各政党からの猛烈なアタックがあったはず。
スポーツ選手の政界入りというと、政権与党に入ることが大半だが、彼女がBJPに行かなかったのは、2023年に表面化して抗議活動が展開された女子レスリング界におけるセクハラ問題とその後の動きが関係しているようだ。
問題は、BJP所属の国会議員で、インドレスリング協会の会長を務めていた人物によるもので、複数の女子レスリング選手が声を上げるとともに、男子選手たちもこれに協力。インドの他競技の選手たちもこれを支持する動きを見せるとともに、AAP(庶民党)をはじめとする野党もこれを支援した。
だがBJPはハラスメントを起こした本人を処分することなく現在に至っている。
ヴィネーシュ・フォーガート自身の会議派入りでの会見においても、セクハラ事件への言及はないものの、BJPへの批判を展開している。
When wrestlers were being dragged…: Congress’s Vinesh Phogat attacks BJP (India Today)
こちら日本におけるインドの干ばつに関する報道。映像の伝える力の凄まじさを感じる。
同時に思うのは適切な説明がないとミスリードされてしまうおそれもあること。
おそらく「日常利用している水場が干ばつのため利用できなくなった。そのためふだんは使わなくなっている今では危険な井戸での水汲みを余儀なくされている」ということではないかと思うが、この映像だけでは「満々と水をたたえていた井戸が干ばつのため水位が驚異的なまでに低下したため、深い底まで降りて汲まなくてはならなくなっている」と受け取る人もあるかもしれない。
今年の暑季のインドにおける干ばつはとても厳しいものがあり、年々各地で雨の減少や地下水の過剰な利用などにより、地下水位低下が進んでいるところではあるが、ワンシーズンでここまで下がることはない。そのような印象を与えるとすれば、メディアによるミスリードということになる。
報道というものは、伝え手自身が報じたい部分に焦点を絞り込むあまりに、客観的事実が増幅され、実際に起きていることとの間に乖離が生じてしまうことがある。
こうした災害とは異なるが、先のインド総選挙に関する報道も同様。モーディー政権3選確実と見たメディアはBJP陣営の大勝で野党連合は木っ端微塵を予想。おそらく各社の調査でもそのバイアスがかかり、単独過半数確実を予想したが、蓋を開けてみると、野党に転んでもおかしくない接戦だった。もしかすると「影響力のあるメディアによる煽りとバイアス」がなければ、選挙結果は異なるものとなっていたかもしれない。
メディアには公平性と正確性を期してもらいたいものだ。
インド西部で干ばつ、巨大な井戸に降りて命がけの水汲み(ロイター映像ニュース)
こちらの記事を紙面で見たが、やはり日本メディアによるインド関係記事は非常に底の浅いものが大半と改めて感じさせられた。
要は「反モーディー」のこういう側面もある、というようなことを伝えたいのだろうけれども、カシミールにおける反インドの機運は大昔からであり、カシミールにおける政情不安が始まったのは国民会議派政権時代。
憲法第370条により、これを基に定められていたカシミールに与えられた特別な地位の廃止、州としての地位を剥奪してUT(Union Territory=連邦直轄地)化したことについても触れられているが、これにより同州内であったラダックが「念願のカシミールからの分離」を果たしたのはまさにこれによる恩恵であった。
つまり「インドに支配を受けるジャンムー&カシミール州に支配を受けてきたラダックの解放」という構造もあった。
その後、カシミールもラダックもUTからそれぞれ州としての地位を与えられることなく時が経過していることについて地元からの批判は少なくないものの、先述の「憲法第370条廃止」とこれによるカシミール地域の取り扱いの変更についてはインド国内で好意的に受け止められてきた。州からUTへの移行期には記事にもあるとおり、多くの政治家たちが拘束されたり自宅軟禁となったが、これについては分離主義的な感情を煽ることによる騒擾を防ぐためのものであったのだろう。
カシミールにおける有力政党は特定のファミリーによる世襲勢力であるとともに、基本的に「アンチ・インド」である。J&K州最後のチーフミニスターとなったメヘブーバー・ムフティ率いるPDP(Jammu & Kashmir people’s Democratic Party)は州として最後の選挙戦でBJPと組んでこれに勝ったが、その任期中に自らの知らぬ間に州としてのステイタスが一夜のうちに無くなり、自身も拘束されるなど、アッと驚く政変劇となった。
連立バートナーとしてのBJP、こうした手続き上の問題はなかったのか等々、疑問符の付く部分は否定できないものの、カシミールはこれまで長年隣国(パ国)による干渉を通じた工作活動の対象となってきた地域であり、Armed Forces (Special Powers) Act(警察組織ではない軍組織が市民を逮捕・拘束して尋問する権限が与えられる特別措置法)の適用地域であるという特殊性がある。
そんな特殊な地域であるという前提抜きで、こうした記事を書く、掲載するというメディアの意識が私には理解できない。