Magzter Gold

MAGZTERで電子マガジンを定期購読している。電子版とはいえ、印刷版と同じコンテンツとレイアウトで読むことが出来るのがいい。タブレット、スマートフォンあるいはパソコン上で閲覧する。

世界中の主要な国々で発行されている各種雑誌およそ7,500タイトルの中から選んで定期購読あるいは特定の号の購入をすることが出来るのだが、これを運営しているアメリカで設立されたMagzter Inc.という企業は、インドからやってきた起業家が設立したものであるがゆえに、インドの雑誌に大変強い。その反面、やはり英語圏や主要な欧州語圏以外は不得手のようで、日本の定期刊行物でMAGZTERにて購読できるものは、現在までのところは、一部の業界誌等くらいしかない。

さて、このサービスが開始された頃には、世界中の主な国々で発行されている各種雑誌の中から購読したいものを選び、タイトル毎に特定の号だけ購入するか、あるいは定期購読をすることになるのだが、価格設定がシングルイシューのみの購入に較べて定期購読のほうがはるかに安いものとなっているため、後者を選択するように誘導する形になっている。

ニュース週刊誌のINDIA TODAYを例に挙げると、英語版、ヒンディー語版ともに単号で購入すると約110円。年間購読すると前者は約1550円、後者は780円という設定。なぜ単号では同じ価格なのに年間購読では金額が倍の差となるのかはよくわからないが、特定の号だけ買うよりも、定期購読したほうがはるかにお得であることは明らかだろう。同様に米国のTimeやNEWSWEEKは、前者が単号約890円で年間購読が約16,700円、後者は単号約550円、年間購読約2,800円となっている。

さらに、現在はMagzter Goldという、上記およそ7,500タイトル中の3,750超のタイトルが読み放題で約890円というプラン(あるいはMagzter Gold Liteという3,750超のタイトルの中から毎月5つの雑誌まで読み放題で約560円というプランもあるが、こちらは「MAGZTER GOLD」に較べてかなり損な気がするだろう)へと誘導しようという流れになっている。

MAGZTERが扱う雑誌類の中で、MAGZTER GOLDで読み放題となる雑誌がどのようなものであるかにいては明確に示されてはないのだが、価格が高めで需要も多いタイトルが除外となっているようだ。版元の意向によるものなのだろう。

MAGZTERで購読可能な日本の飲食や商業関係の業界誌(取り扱うタイトルは少ないが)については、MAGZTER GOLDの読み放題の対象となっている。例えば「商業界」という業界誌を購読したい人にとっては、この定期購読料金として約13,360円支払うよりも、MAGZTER GOLD (約890円×12か月=約10,680円)あるいはMAGZTER GOLD Lite (約560円×12か月=約6,720円)のほうが安価という逆転現象が起きることになる。

インドの主要な雑誌類の多くはMAGZTER GOLDでカバーする対象となっており、新書一冊分の金額で、どこに居てもインドの主要な雑誌類を際限なく読むことが出来るというのは大変素晴らしい。もちろんそれに加えて他国の雑誌も同様であるわけで、なかなか使い勝手の良いサービスではないだろうか。世界中の各種雑誌をネット配信するというサービスは、他にもtextureなどがあるのだが、「インドの雑誌類を読む」ということについては、やはりMAGZTERが有利であるようだ。

「無制限に読むことが出来る」とはいえ、そのための時間のゆとりがないというのは誰もが抱える悩みではあるのだが。

インドでテロ警戒・・・の背後にあるもの

インド発の ニュースでいろいろ流れているが、今回はこれまでのそれとは情報のソースがまったく異なるので、首をかしげている人は多いことと思う。

内容としては「グジャラート州地域で、パキスタンから10名のテロリストが越境。Lashkar-E-Taiba および Jaish-eMuhammed (どちらも原理主義過激派武装組織)の戦闘員で、自爆テロを含む攻撃を仕掛ける可能性が高い」といったもの。
ソースが異なるというのは、それをインド側に通報したのが、パキスタンのNational Security Advisorという機関であること。

パキスタンの首相府の指揮直下にある組織だが、昨年末以来、テロ防止と過去の事件の解決のため最大限の協力を約束したナワーズ・シャリーフ首相がこれを実行したものと見ることも出来るものの、実際にこれまでテロ組織の援助や攻撃計画実行などに関わっているのは、首相府-国家安全保障組織のラインではなく、軍-軍直下のインテリジェンス機関。

パキスタンでは「伝統的に」軍政が敷かれているとき以外は、前者文民政権と軍は対立・並立する関係にあり、こと隣国インドに対しては、せっかく文民政府が友好的なシグナルを送りつつも、これを後者が無きものとするような行為を繰り返してきた。先述のふたつの組織、どちらもパキスタン軍との協力・協働関係は深く、軍のインテリジェンス機関(ISI=Inter Services Intelligence 軍統合情報局)の預かり知らないところで、大型行動を起こすということは考えにくい。とりわけ軍が警備する国境地帯を抜けてということでもある。

仮に、この情報が本当に事実に基づいたものであるとするならば、インドにテロリストが侵入してきたという事実以上に、「この情報をインド側にリークした」ということの背後に、もしかするとパキスタンの軍部で勢力を二分する大変なパワーゲームが展開されているのではないか?ということも想像できないことではない。ちなみにNational Security Advisorのトップもまた軍人のポストである。

この一連の動きの中で、インドに侵入してきたテロリストたちが起こしうる事件と同様、あるいはそれ以上に危険なのは、パキスタン側の政府と軍の対立、加えてひょっとしたら生じているかもしれない軍の深刻な亀裂のほうであるかもしれない。

ナワーズ・シャリーフ氏は90年代にも首相を務めたことがあり、1999年にパルヴェーズ・ムシャッラフ将軍によるクーデターで拘束され、軍事法廷により死刑を宣告されたものの、アメリカとサウジアラビアの介入により、サウジアラビアに脱出した後、亡命生活を余儀なくされた過去がある。同氏にとっては、かつて政敵であった故ベーナズィール・ブットー氏以上に、同国国軍は不倶戴天の敵。 今後のパキスタン国内政情が気にかかるところだ。

Gujarat on high alert, 4 NSG teams rushed (THE HINDU)

※「ゴーラクプル2」は後日掲載します。

中国大使館@劉暁波プラザ 米国大使館@スノーデン路・・・

アメリカ政府がワシントンにある駐米中華人民共和国大使館のある通りの名前をLiu Xiaobo Plaza(劉暁波プラザ)と変更するゾとやれば、中国では在北京のアメリカ大使館の通りを「スノーデン路」と変えるゾ!と応酬。子供のケンカじゃあるまいし。


US Senate passes bill to change Chinese Embassy’s address to 1 Liu Xiaobo Plaza, Beijing not pleased (shanghailist)

‘Snowden Street’ next? Beijing angered by US plan to name street outside embassy after dissident (rt.com)

インドでもこのような事例はある。もう昔々のことで、中央政府が仕掛けたわけではないのだが、西ベンガル州政府でインド共産党マルクス主義派が政権党となって間もないころ、コールカーターの米国領事館があるストリートの名前をHo Chi Minh Sarani (ホーチミン・ストリート)と改称している。

U.S. Consulate in Kolkata, India (U.S. Consulate in Kolkata, India)

同党は、1977年から2011に至るまで、州政府与党として君臨し、インド州政府においてはこれまで最も長い年月に渡る政権党であった。

ま、こんな程度の意地の張り合いなら、大いにやっていただきたい。

Lonely Planetのガイドブック「The World」

一昨年10月にロンリープラネットからこんなガイドブックが出ていたことを今日になってようやく知った。単一の国(「India」や「Thailand」など)あるいはひと続きの地域の案内(「Middle East」や「Africa」など)ではなく、その名も「The World」という大胆なもの。

ISBN: 9781743600658
Authors: Lonely Planet Publications
960 pages, 250 maps | Dimensions: 128mm x 197mm

この本のインデックス部分が公開されているが、これではコンテンツについてよくわからないので、amazonの「なか見!検索」でサンプルを閲覧あるいはKindle版の無料サンプルを試してみると、イメージを掴むことができるだろう。

私自身は購入していないので何とも言えないのだが、250の地図を含む960ページ、「世界ガイドブック」というのは、同じくLonely Planetの「India」が256の地図を含む1248ページであることを思うと、実用的なガイドブックとしてではなく、「今度の旅行はどこに行こうかな?」と自宅でぼんやり考えるときに良さそうだ。

書籍版はかなり嵩張るし重量もあるので、日常の隙間の時間にまだ見ぬ異国の地に思いを馳せるため、Kindle版を手に入れて、スマホやタブレット、あるいはKindle端末でページをめくりながら、世界各地のおおまかな名所や旅行事情を把握して、今後の旅行計画の参考にしておく、何か大きな出来事や事件が報じられたときに、「どんな土地だろうか?」と開いてみる、といった使い方をするのに便利だろう。あるいは世界各地の主要都市に煩雑に出張する機会が多いビジネスマンにとっても役に立つものであるのかもしれない。

案内の対象が「世界」というガイドブックは、これまで目にしたことがないので、はなはだビックリした。当然、実用性には大きく欠けるであろうことから、それほど売れるものではないように思うのだが、こういう形で「浅く広く」というスタンスで、世界の有名どころをカバーするというのは、なかなか意欲的で楽しい試みであると、私は肯定的に捉えている。

Kindle版のLonely Planet India

今回の旅行にて、初めてKindle版のLonely Planetガイドブックを持参した。
根がアナログ派なので、これまではPDF版を購入して必要部分のみ印刷して持参していたが、Kindle版も慣れてみるとなかなかどうして使いやすい。コンテンツやレイアウトは、慣れ親しんだ製本版やPDF版と同一だ。

Kindleの書籍というと、一定方向に読み進んでいく分には、紙の書籍と変わらない使い心地だが、ガイドブックのように、しばしばいくつかの項の前後を行き来して参照するような使い方をするのには向いていないのではないかと予想したが、これはまったく杞憂であった。製本版のように、必要な部分に折り目を入れたりすることはできないが、豊富なブックマーク機能、電子書籍内に仕込んであるリンク等により、自由にガイドブック内を行き来することができるようになっているため、これまた慣れると製本版と使い勝手は変わらなくなる。

製本版だとかなりデカくて重たいし、PDFを印刷すると、すぐにビリビリになったり、暑季にリュックに放り込んでおくと、背中から流れた汗で、文字が滲んで読めなくなったりするので、目下のところはこのKindle版がとても気に入っている。最近、液晶画面が大ぶりなスマホも増えてきたので、電子書籍を読むのに目に負担が大きくなるようなこともないし、読物用に常時携帯しているKindle端末でも当然利用できるので、バッテリーの心配は無用。

製本版だと、しばしば余白に書き込みなどしたりするものだが、Kindle版においてもそれほど手軽ではないとはいえ、ちゃんとメモ機能はある。それが自分のアカウントの別の端末でも共有されるのはもちろんのことだ。私自身、もう今後は、ロンプラのガイドブックで、キンドル版以外を使うことはないと思う。