Velbonの一脚 M52

Velbonの手軽な小型一脚はおすすめ。カメラを持たない場合もなかなか重宝する。夕方以降の街歩きに便利。野犬を追い払うのに良いし、棒状のものを持っていると、あまり寄ってこないものだ。ちょっとした抑止力になる。

私にとっては、撮影用ではなく野犬対策用なので、あまり大きくて重いと邪魔だが、M52(という型番)ならば携帯性と実用性のバランス(軽いけど殴ることができて、突くこともできる)が良い。

持っていると、使ってみたくなるもので、気持ちよく寝ている野犬の頭上に勢いよく撃ち下ろしたくなる衝動にかられる。(笑)

ラーティーを手にしたインドの警官の心情がわかるような気がする。

武器の所持はいけない。銃の所持が容易なアメリカで銃犯罪があとをたたないのは、まさにそれが根本的な原因だろう。道具には使用目的がある。手にすると、使いたくなるのは当たり前のことなのだ。

そして核兵器など絶対持ってはいけないのも同様だ。ウクライナに自国軍を侵攻させた国の大統領が核のボタンを押したくてうずうずしているのは、まさにその証拠だろう。道具というものは、あれば使いたくなるというのが道理だ。危ない、危ない。

インドのSUBWAY

インド独自の具材のこともあるが、やはり特徴的なのはヴェジタリアン専用カウンター、ノンヴエジ専用カウンターに分かれていること。スタッフもそのようにヴェジ専門とノンヴエジ専門となっているようだ。社会規範としてそうなっているだけに、きちんと対応している。

インド国産空母の就役と新たな海軍旗

昨日、インド海軍航空母艦「INS ヴィクラーント」2代目が就役。インド初の国産空母である。式典にはモーディー首相も出席し、新たなインド海軍旗が発表された。1950年以来長年使用されてきたセント・ジョージズ・クロス、つまり白地に赤十字のイングランド国旗でもおなじみのあの柄の右上にインド国旗をあしらったデザインの使用が終わり、十字を外して左下にマラーター王国のシヴァージーの紋章に獅子柱頭と海軍スローガンとあしらったものであり、インド海軍の新時代の幕開けを演出している。

これまでの海軍旗

 

一新された海軍旗

長いこと繋がらないと・・・

今回のAUの通信障害。一社の通信ネットワークに問題が生じても他社のネットワークに乗り入れて通信を確保する「ローミング」の仕組みすらなかった。問題が生じるかもしれないことを、そもそも前提としていなかったからなのだろう。

インドあたりだと携帯通信コストが安いこともあり、異なる2社くらいのSIMを利用している人は多い。ひとつは仕事用、もうひとつは私用だったり、あるいは田舎や山間部でもネットワークが広い国営BSNLと通信品質の高い民間会社という組み合わせだったりと、人によって様々だ。とりわけ最近はデュアルSIM対応のスマホが多いので、容易にそうしたバックアップができる。

ハンドセットと通信抱き合わせでの販売もないわけではないが、通常はスマホはスマホ、SIMカードはSIMカードで、それぞれ別々に購入するので、「私はドコモ」「俺はAU」というようなことにはなりにくい。

州によっては、騒擾があると携帯ネットワークそのものが政府の命令により遮断されてしまう場合もある。それが顕著なのは、カシミールであったり、西ベンガル州の山間部、ダージリン周辺であったりする。それが2日、3日程度の話ではなく、長期間に及ぶこともこれまでよくあった。

そうした地域では、日本ほど社会や産業がネットワークに依存する度合いが高くはないとはいえ、今の時代そうした場所でもネットなしには生活が成り立たない人たちは多いし、そうした産業や医療機関も当然あるわけだ。一体どうしているのだろうか?

KDDI、auの通信障害「ほぼ回復」と発表–発生から丸2日と14時間半 (CNET Japan)

返り討ちのスペシャリスト

インドにはEncounter Specialistと称される警官たちがいる。犯罪捜査の中で、ギャングや凶悪犯と遭遇し、銃等で狙われる中で反撃してこれを仕留めてしまうスペシャリストということになっている。

とりわけ景気が良くなって犯罪が増えたのか、それとも多くの民間テレビニュースチャンネルが勃興して、センセーショナルな報道が過熱していく時代であったためか、90年代半ばから2000年代に入るあたりにかけて、インド各地、特にムンバイを始めとする商取引が盛んで不動産取引も多い地域を中心に、このEncounter Specialistがメディアで大きく取り上げられるようになった。

プラディープ・シャルマー、ダヤー・ナーヤク、プラフル・ボーンスレー、ラヴィンドラ・アングレー等、大きな「エンカウンターでの活躍」があると、ニュース番組等で、まるでスターのような扱いだった。幹部ではない現場の警官がテレビのインタビューで繰り返しフィーチャーされるというのは、それまではなかったことで、とりわけダヤー・ナーヤクはそうした取材に気さくに応じるなどメディアへの露出が大きかったためか、彼をモデルにした「AB  TAK CHHAPPAN (今まで56人」という映画まで制作・公開されたほどだ。

だが、こうした「Specialist」たちが、40人、50人、60人・・・中には100人超と、エンカウンターで被疑者たちを撃ち倒すいっぽうで、そうした本人たちや警官隊には犠牲者がほぼ出ていない不自然さに対して疑問の声も上がるようになった。

実際には、犯人を移送中に郊外の人気のないところで車外に出して殺害していたり、建物内で拘束した後、問答無用で撃っていたことなどが明らかになり、こうした「Encounter Specialist」たちが今度は次々に逮捕されたりクビになったりということが続いた。警察にとって裁判で証言されると都合の悪い人物であったり、政治がらみの依頼によるものも疑われるなど、外から真相を知るのは困難な闇の世界である。

2004年にはグジャラート州で「イシュラト・ジャハーン事件」というのも起きた。警察による当初の発表では、パキスタンのテロ団体との繋がりが疑われたというイシュラト・ジャハーンという女性及び乗用車に同乗していた3名を含めた計4名が警察車両を武器で攻撃し、警官たちはこれを返り討ちにして仕留めたとのことであったが、遺族たちが「テロリストと関係があるはずはないし、武装などしてたはずもない」と訴え出て、長く粘り強い法廷闘争の末、亡くなった4人の無実を勝ち取った。

そうしたこともあり、今では警察による「エンカウンター」については英雄視どころか疑いの目が向けられるようになっているが、こうした疑わしいケースでクビになったはずの警官が、他州の警察でひっそりと復職していることもあるようだ。

かつてのように「50人退治した」「60人退治した」というような英雄譚として特定の「Encounter Specialist」が祭り上げられることはなくなったし、警察も仕留めた警官自身を特定しないようになっているようだ。

それでもまだどこかでこうした「私刑による死刑」を容認する空気はある。映画で逮捕された凶悪犯を証拠不十分で釈放、しかし担当した警官自身はそれが真犯人であることを知っており、義憤から殺害するというようなシーンやこれに類するものが今も散見される。

また2020年にマッディヤ・プラデーシュ警察に逮捕されて、ウッタル・プラデーシュ警察に引き渡され、同州で裁判を受けるはずだったヴィカース・ドゥベーというヤクザがいたのだが、警察による移送中に車両が事故を起こし、その際に警官の銃を奪って撃ちながら逃走しようとしたという、不可解な「エンカウンター」で殺害されるという事件があった際、警察を非難する声とともにこれとは反対に称賛する向きも多かった。こちらも同様に司法への期待感があまりなく、それならば警察が始末をしてくれれば、という感情が下敷きにあるようだ。

同様の「カルチャー」はパキスタンやスリランカなど周辺国にもあり、リンク先の記事にもあるように重篤な人権問題だと非難されている。

 

Explained | Police encounters in India: cases, convictions and court orders (THE HINDU)