デリー書籍漁り

フィローズシャー・コートラーを後にして、オートでアサフ・アリー・ロードのデライト・シネマへ向かう。そのすぐ隣がヒンディー・ブックセンター。

店に入ると、店主のAさんはすぐに気がついてくれた。ここで辞書をふたつといくつかの書籍を購入。辞書はいずれも「ヒンディー→ウルドゥー」もの。久しぶりにしばらく世間話をすることができて良かった。

彼による「最近のインド出版事業」を拝聴する。要点は以下のとおり。

・オンデマンドによる少数出版が可能となり、トレンドになってきている。ウチも大きな在庫を持つ必要がなくなった分野がある。

・新興の出版社が増えてきた。デリーにもそういうものがいくつもある。

・しかしヒンディー語出版については電子化は進んでいない。読者層が紙媒体を選好するという事情もある。このあたりは英語出版とは異なる部分だ。

今回は訪れていない出版社でもそうなのだが、会社トップに立つ経営者がやたらと忙しい。細かなことまで次から次へと、常に指示を飛ばしていないとならず、たいへんそうだ。

ここヒンディー・ブックセンターで何冊か購入。

左の上下2冊は今どきの右傾化インドでよくある「近年になって突然スポットライトが当たった愛国憂士」。上は「アングロ・マニプル戦争時代のこと。下は英国支配べったりだった藩王国の王子ながらも愛国心を発揮した人士らしい。真ん中の上はインドにおける革命と反革命、下は2020年に突然、インド憲法第370条廃止により、J&K州の他州にはない格別な地位が無くなるとともに、州のステイタスも剥奪されて連邦直轄地化されたことについて書いたもの。一度ちゃんと本にまとめられたものを読まなくては、と思っていたのでちょうど良い。右側のふたつは新しく追加購入してみた辞書。

ヒンディー・ブックセンターからデリー門を越えて向かったダリヤー・ガンジには良質なガイドブックで知られるJAICOショールームがある。ここで何冊か買っておいた。今の時代、ロンリー・プラネットのような旅行案内書はもはや要らないけど、こういうのが役に立つ。今の時代、ガイドブックに旅行情報は要らなくなったが、各地で見るべき建築物その他について事細かに的確に解説してある本こそ意味がある。

大判の書籍、シャージャハナーバードを復元/検証する試みの本。大ぶりな古地図の復元版も折込みで同封されている。ちょうどこの界隈を書店巡りを兼ねて徘徊しているため「おお、スンヘリー・マスジッドのあたりはそうだったのか!」などと、感激する。

あとはいわゆる「今どき読まれている本」の並んでいた中から。民芸品やインド服などは一切買わないので、個人的な買い物はすべて書籍となる。

フィローズ・シャー・コートラー

メトロのITO駅で降りて久しぶりに訪問してみた。下宿時代に大家さんはITO(インカムタックスオフィス)のお役人だったので、いつもこのあたりを行き来していたのだろうなぁと思い起こすとともに、私も前回この遺跡を訪れたのはたぶん30年以上前なんだよなぁなどと思いつつ。

平日はチケット売場はヒマらしく、係員は机に突っ伏して寝ている。「兄ちゃん、仕事せいや〜」と笑いながら言うと、バツが悪そうにしている。私が行ってしまうとまた寝るのだろう。誰も来なければすることないし。遺跡内にもほとんど人はおらずガラ〜ンとした平日の昼間。

遺跡の中の建物の陰にはカップルの姿があるのはいつの時代も同じ。今はちょっと違うのは学生風の若いカップルだけでもないこと。木陰で色っぽい感じの主婦らしき女性が仲睦まじくしている相手は、ひとまわりくらい年下か?下世話ながらも、どういう関係なのか少々気になってしまう。人目を忍んで会っているからには何かワケがありそうだ。

それはそうと、遺跡が多いことで「東洋のローマ」などと形容されることも多いデリー。

インド人は20Rsとか25Rsとかで入場できる(ゆえに人目を避けてのカップルの逢い引きの場にもなる)遺跡だが、外国人料金では場所にもよるが300Rsとか500Rsその他の設定。

昔私自身がバックパッカーとして旅行していた頃には入場料に外国人料金などというものはなかったので安価にたくさんの遺跡等を見学することができた。

しかし今のような具合だと、時間はたくさんあるけどお金はない若いバックパッカーたちは、費用を払い切れないので、見学先を厳選して足を向けるようなことになってやしないかと気になる。

たとえば朝早くから出歩いて、フマユーン廟550Rs、博物館550Rs、ラールキラー550Rs、プラーナーキラー300Rs合計2000Rs近くを入場料として嬉々として支払うだろうか?

インドが安いからバックパッカーも訪問しやすいわけだが、それにしても入場はずいぶん高い。(自国民の20数倍とかそれ以上の設定だ)

せめて学生は外国人料金免除とか、20代まではそのような料金は徴収しないとか、なんとかしてあげられないものか?と声を大にして言いたい気がする。

カッコいいけど格安

アウランガーバードで見かけたちょっとスタイリッシュな軽食屋の看板。

肝心のお店の写真を撮影していなかったが、この看板のとおりシンプルながらもスマートな感じで洒落た構えなのに、道路脇でトタン屋根の下で開業しているチャーエ屋と同じかそれより安い料金というのが面白い。

チャーエ(マラーティーでは「Chahaa」と呼ぶらしい)が7Rs、ポーハー、ウプマー、サモーサーがいずれも15Rs。

下手するとわずか22Rs「チャハー + サモーサー」で朝食、軽食が事足りてしまう、でも女性とデートで立ち寄ってもまったく恥ずかしくないカッコいい店構えという具合。これはきっと、地元の学生や若者たちにはとってもありがたい存在にちがいない。「ウルトラ格安版スタバ」(笑)みたいな感じで。エアコンはないけど。

肝心の店内を撮ってないのが、あぁ悔やまれる。ちょうど書店巡りしていて、帰りに立ち寄ろうと思ったのに、すっかり忘れてオートに乗ってしまったのだ。

ジャイビーム・ナガル

アウランガーバードのムスリム地域の一角に新仏教地区がある。その名も「ジャイビーム・ナガル」。インド初代法務大臣ビムラーオ・ラームジー・アンベードカルは新仏教徒つまりアンベードカルが初めた仏教への改宗運動(差別階級のヒンドゥー社会との決別運動)に賛同した伝統的ではない政治的ネオ仏教徒たちのこと。

ジャイビームとは、「ビームに勝利を」という意味。ビームとはアンベードカルのファーストネーム、ビームラーオの略。かなり社会的なテンションの高いエリアであることは想像がつく。

「जयभीम नगर (ジャイビーム・ナガル」のはずだが、地区入口のゲートには「जयभिम नगर (ジャイビム・ナガル」とある。マラーティーでは短くなるのだろうか?

ジャイビーム・ナガル地区入口