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  • INSPIRE マガジン

    イスラーム原理主義的主張を伝える「INSPIRE」というマガジンがあり、誰でもウェブ上で閲覧することが出来る。アル・カイダ系組織の広報戦略の一環と見られている。

    きれいなレイアウトで、パッと見た感じは普通のニュース雑誌のように見えるかもしれないが、記事内容は私たちが普段目にしているものとはまったく異なる。企業広告の類は一切掲載されておらず、一般の商業誌とは異なる政治パンフレットだ。

    今に始まったことではないが、インターネットの普及により、国によっては通常、頒布や販売が考えられなかった文書の配布が、いとも簡単なものとなり、瞬時に国境を越えて世界中に流通していく。賛同するかどうかは別として、何について声高に主張しているのかについて知っておくことは、決して悪いことではないだろう。

    VOL.1

    VOL.2

    VOL.3

    VOL.4

    VOL.5

    VOL.6

    VOL.7

  • Sony Reader

    Sony Reader

    1年半ほど前に、『ドキュメント・スキャナー』と題して、書籍や雑誌記事類をどんどんPDF化させるために購入したスキャナについて取り上げてみた。

    『継続は力なり』という言葉を胸に、日々少しずつ、しかし欠かさずにスキャンを続けた結果、室内がスッキリ片付いて快適になってソファのひとつでも置くことになったかというと、なかなかそうはいかない。まだまだ山積みになっている書籍がある。 結局、電子化作業と並行して、いろいろ買い込んだりしているからそうなってしまうのだが、これでスキャナがなかったらと思うと恐ろしい。 だが、せっかく電子化した書籍類はパソコンに蓄積してあるため、もしこれが突然壊れたら・・・という恐怖もある。ゆえに毎週、外付けHDにせっせとバックアップをとるようにしている。

    何はともあれ、電子化は進んできたものの、パソコンやタブレットPCの画面でPDFを閲覧するというのは、通常のワードのその他のワープロ文書を書いたり読んだりするのと、あるいはウェブサイトを閲覧するのに比べて、非常に眼が疲れる気がしてならない。もちろん眼への影響は、それらと変わらないはずなのだが、書籍になっている活字を追うという行為は、これまでずっと紙面上で行なってきたため、どうしても紙の書籍を読むときの疲労具合と比較してしまうのかもしれない。

    そんなわけで、もっと楽に書籍を読みたいと思い、液晶画面ではなく、アメリカのE Ink社の電子ペーパーを画面に採用している電子書籍リーダーを購入してみることにした。

    だが電子ペーパー画面のモデルは案外多くないため、広く流通していて簡単に入手できるものとなると、やはりamazonのkindleかSonyのReaderあたりということになる。どちらもWi-Fiモデルがあり、簡単なウェブ閲覧やメールのチェックにも使えそうだ。

    SonyのReaderとKindle Touchを比較してみた。後者のほうに手頃感があるし、電子版書籍をネット上で購入するならば、Readerとは比較ならないほど膨大な量の書籍が用意されている。だが、私の購入目的は自前で電子化した書籍類を読むことであるし、ウェブ検索やメールチェックの際に日本語入力が不自由なくできるほうが良いと思い、しばらくあれこれ考えてみた結果、後者を購入することにした。Kindleは内蔵の4GBのスペースしか利用できないのに対して、Readerは、内蔵メモリーこそ半分の2GBしかないが、micro SD(最大32GB)を挿入して使うことができるため、電子書籍を保存できる容量は格段に大きくなる点でも有利だ。

    Eインク画面を利用するのは初めてだが、さすがに電子ペーパーと呼ばれているだけあり、紙のモノクロ印刷物を見ているのと変わらない感覚であるのが良い。これならば目が疲れやすいということはなさそうだ。液晶と異なり、画面が発光しているわけではないためだろう。もちろん太陽がさんさんと降り注ぐ屋外で見づらいということなく、周囲が暗くなるともちろん読めなくなってくる。紙と同じだ。

    少々残念なのは、そのサイズだろうか。6インチという画面はペーパーバックを電子化したものを読むにはまあ充分であっても、単行本をスキャンしたものを扱うには小さすぎる。もともと日本の文庫本や新書あたりのサイズを想定した大きさなのではないかと思う。画面を横表示にして読めば、表示される文字は大きくなるのだが、今度はスペースが狭く感じられる。

    ページをめくる際に生じる独特の挙動も液晶画面にはないものなので、最初はびっくりした。瞬間的にバラバラッと白黒反転するので、壊れたのかと思ったくらいだ。ページめくりはタブレットPCよりも遅いものの、じっくり読む本の場合は気にならない。だが辞書やリファレンス用の書籍(そういうものを電子化することはあまりないと思うが・・・)の類を閲覧するのには向かないだろうが、とりあえず私にとって当面は充分だと思っている。電源の持ちの良さは特筆すべきものがある。購入してから10日経つのだが、購入時にチャージしたバッテリーが上がる気配さえない。

    電子書籍を読むツールとしては、まだ発展途上という感じがするものの、もう少し大きな画面、そしてページめくりの反応がスムースで自然なものとなれば、100%満足のいくものとなることだろう。あるいは市中に出回るタブレットPCの液晶がもっと目に優しいものになっていき、電子書籍リーダー用として単機能(購入したモデルはWiFi接続してウェブサイトを閲覧可能)しか持たない、こうしたデバイスの存在価値が薄れていくのかもしれないが。

    とりあえずカバンの中に放り込んでおき、いつでもどこでもヒマさえあれば取り出して読書を楽しんでいる。

    画面はこんな具合
  • J-one  (2012.1 第2号)

    J-one (2012.1 第2号)

    J-one (2012.1 第2号)

    『これからの生き方と未来を探る支援型新雑誌』をうたうJ-one(ジーワン)第2号である。先日取り上げたNamaste Bollywood #31と同じくスタジオ・サードアイが発行している。

    巻頭の特集は、『音楽から世界へ祈りを』と題して、チェルノブイリ原発事故での被曝体験を持つウクライナの歌姫、そして福島と日本にエールを送るため、私費で来日したエジプトのウード奏者。

    ラダックで活動するNPO法人ジュレー・ラダックによる持続可能な生活支援とスタディ・ツアーに関する紹介に続いて、和光大学の村山先生と当ウェブサイトindo.toウェブマスターの矢萩多聞氏による寄稿、加えて自然エネルギー(太陽光)の活用例等々、内容の詳細について触れるわけにはいかないが、読み応えのある記事が並んでいる。

    『いろいろ読んでわかったこと』と題する記事には、昨年3月11日に発生した震災直後の原発事故による放射能の影響について、問題発生直後から問題をできるだけ小さく見せようという政府の動きに対して、まさに呼応するかのようにこれまた控えめな報道を続けてきた日本の大手メディアが伝えてこなかった事柄を取り上げている。ここでは、参考となる書籍についても挙げられており、放射能に対する認識を深める良い機会となるはずだ。

    誌面の後半部分では、『福島と生きる』というタイトルにて、福島県で暮らす大学講師、ミュージシャン、画家、自衛隊員といった様々な人々の声が伝えられている。

    首都圏に暮らしている人たちの中で、昨年3月に起きた福島第一原発事故の後、都会で自分たちが使う電気の供給に関わるリスクを遠く離れた県、市町村、ひいてはその土地に暮らす人々に負わせていたということに改めて気が付いた人は少なくないようだ。

    同様に、事故後から生鮮食品の産地表示が厳格に行われるようになっているが、ここでも同様に福島県やその周辺地は、首都圏に供給されている野菜、果物類、精肉、海産物といった生鮮食品の需要をまかなう役割を担ってきたことを改めて実感したことと思う。こうした地方が、市場としての首都圏を必要としているのと同じく、首都圏もまたこうした物資の供給がなされることによって成り立っているひと続きの社会であることは言うまでもない。

    3.11以降、これからの私たちの生き方や世の中のありかたについて大きな問いが投げかけられているわけだが、さりとて単純に時計の針を巻き戻して昔の生活に戻るというわけにもいかない。不便だというだけではなく、多くの場合仕事だって成り立たなくなるだろう。

    このあたりについては、結局のところ私たちのひとりひとりが問題意識を抱いていくことが必要だ。一朝一夕で物事が大きく変わるものではないが、世の中の人々が意識を共有することによって、きっと変化が生まれてくることと信じたい。私たちにとってより良い明日のために。その変化を模索しているのが、このJ-one誌であると私は思う。

  • A Jaywalker’s Guide to Calcutta

    A Jaywalker’s Guide to Calcutta

    A Jaywalker's Guide to Calcutta

    地元等の出版社からコールカーター市内のガイドブックはいろいろ出ているが、2年ほど前にその中でも特に秀逸なものを見つけた。著者は生まれも育ちもコールカーターのジャーナリストだが、版元はムンバイーの会社である。

    書名:A Jaywalker’s Guide to Calcutta

    著者:Soumitra Das

    出版社:Eminence Designs Pvt. Ltd.

    建物とストリートに視点を据えて、個々の建築物や往来にまつわる人々の歴史に焦点を当てている。それらの中にはメトロポリタン・ビルディング、エスプラネード・マンション、ダルハウジー・スクエアといったメジャーなものも含まれているものの、数々の通りの由来、現在の姿からは想像もつかない過去、アングロ・インディアン地区と往時の彼らの屋敷、元欧州人クラブ、元不在地主やかつての富豪たちの忘却の彼方に押しやられた荒れ放題の豪邸、この街を舞台にしたマールワーリー商人たちの繁栄の面影、地元ベンガル人不在のオリッサ人労働者たちの居住地域その他、実に様々なものが沢山取り上げられている。

    著者は、この本を手にした者を、旅行者たちにとって『月並みでないコールカーター』へと誘う。その内容たるや、とても数日で見て回ることのできるようなものではない。ここで取り上げられている建物や場所を訪れても、それを楽しんだり味わったりするためには、もちろんそれなりの予備知識が必要となってくる。

    この本を通じて、コールカーターという街のとてつもない奥行きの深さを思わずにはいられず、このガイドブックの誌面の向こうには、様々なワクワク、ドキドキする新たな発見に満ちた街歩きが待ち構えているであろうことを感じる。

    市内各所、路地裏まで精通した地元の知識層が書いた都市ガイドブックは、通常の観光案内とは、視点も取り上げる背景の厚みもまったく異なる。こうした内容である割には、カラーの写真や図版も多くて非常にわかりやすいのは、こうしたスタイルで、他の都市の紹介本も今後出てくるとうれしい。

  • コールカーターでGALAXY TAB購入

    コールカーターでGALAXY TAB購入

    GALAXY TAB

    以前から『あったら便利だな・・・』と思っていたものがある。SIMフリーのSAMSUNGのGALAXY TABである。AppleのiPad同様の大型のタイプではなく、画面サイズが7インチでSIMを挿入して通話も可能なモデルが欲しかった。

    なぜかといえば理由はいくつかある。

    まず、電子書籍ないしはスキャナで読み込んで電子化した書籍を読むためのリーダーとして、iPadを利用しているのだが、外出時に持ち歩くには9.7インチの画面サイズはちょっと邪魔だ。7インチというサイズは視覚的にも質量的にも、複数の書籍を常時持ち歩き、いつでもどこでも好きなところで読書するという目的にうまく合致する。旅行先に持ち出すガイドブックもこれに入れておくといいだろう。ただし、バッテリー切れには注意したい。

    次に、携帯電話として利用できる点もいい。頻繁に電話をかける人の場合は、いちいちマイク付きのヘッドセットを装着しなくてはならないのが面倒かと思う。だが私の場合は発信・受信ともに多くないので問題ない。

    また周囲に通話内容を聞かれても構わないのならば、ちょうど家の電話のハンズフリー状態での会話も可能だ。スピーカーから相手の声が流れ出て、こちらの声は本体左側に内蔵されているマイクから拾われることになる。自室内やホテルの中でならば、このほうが楽でいいかもしれない。iPadの場合は、Wi-Fi環境でSkypeは利用できるものの、マイク付きのヘッドセットをしなくてはならないことを不便に感じていた。もちろん3Gによるインターネット接続もできる。

    日本のdocomoから販売されているSIMロックがかかっていることに加えて、本来仕様に入っているテザリング機能も利用不可となっているのだが、国際版のGALAXY TABは、持てる性能をフルに発揮できる仕様だ。さらには、Bluetoothキーボードも利用可能のため、日記等を書くためのワープロとしても使うことができる。ほぼ「パソコン」として活用できることになる。

    私が購入しようとしていたGT-P1000(日本国内で販売のSC-01Cというモデルに相当)はすでに生産終了であり、後継機種との入れ替わりの時期である。そのため新しいモデルが出てくるのを待つかどうかということも少々考えたのだが、その分価格も少し安くなっていたことに加えて、スペックはGT-P1000で充分だと考えたので手に入れることにした。

    そこで向かったのは、コールカーターのサクラート・プレース(Saklat Place)だ。チャンドニー・チョウクとマダン・ストリートの間に広がる電機とIT関係の店が集まるエリアで、パソコン、携帯電話からテレビや扇風機等々まで、いろいろなモノを扱う小さな店が雑然と軒を連ねている。いくつかの店を覗いてみたが、目当てのGALAXY TAB GT-P1000はすでに売り切ったというところが多い。SAMSUNGの新製品、GALAXY NOTEを勧められたりする。5インチの画面のスマートフォンで、これも魅力的なモデルであることは間違いないのだが、電子書籍を読みまくるのには適当なサイズではないため、私にとっては目移りする対象ではない。

    マダン・ストリートとチッタランジャン・アヴェニューの交差点にあるIT関連専用のモール、E-Mallに行ってみた。規模は小ぶりではあるものの、インド国内外のメーカーのパソコンや携帯電話関連のショップが入っており、各店舗とも小ぎれいでいい感じ。

    最上階にあるe-zoneという店は一番大きくて品揃えの幅も広く、ここでようやくGALAXY TAB GT-P1000の在庫がまだあった。販売価格は25,990Rs。包装箱に出荷時に刷り込まれている価格は32,920Rsだが、すでに型落ち商品なのでもう少し安くなってもいいような気がするのだが・・・。

    店頭にいくつか並べられているデモ機の中に、Relianceの3G Tabもあった。見た目は実にそっくりで、スペックもGALAXY TABと同等、もちろんOSはどちらもアンドロイドを搭載。こちらも携帯電話としての通話機能が付いている。まさにGALAXY TABのコピー製品といえるだろう。

    Reliance 3G Tab SAMSUNGのGALAXY TABと『瓜二つの他人』

    大きな違いといえば販売価格。Relianceの3G Tabは、SAMSUNGのGALAXY TABの半額くらいなので少々心が動く。私が欲しているのは機能そのものなので、ブランドはどうでもいいのだが、3G Tabの実機を操作してみると、動きそのものは軽快であるものの、ボディの感触に剛性感が無く、繋ぎ目もペラペラしている印象。この分だと内部もお粗末な仕上げなのではないかと思えてしまう。やはり韓国製造の安心感もあり、SAMSUNGの製品にすることにした。

    それまで使用していた携帯電話からインドのvodafoneのSIMを取り外し、購入するGALAXY TABに挿入してみる。通話・ネット接続ともに問題なく動作することを確認したうえで購入。

    通信費について、こうしたスマートフォン端末から普通にネットにアクセスすると非常に割高な料金となることに気が付いた。ちょっとブラウズしただけで100Rs、200Rsと引かれていってしまう。GALAXY TABから直接のウェブ閲覧、あるいはテザリングともにやたらと不経済だ。ノートパソコンからネット接続するためのUSBスティックについては、各社からUSB機器代金込みで1か月(他に3か月、6か月等のプランも有り)で1,200Rs前後でつなぎ放題のプランが出ていることに較べると、馬鹿らしいほど高い。現時点では、少なくとも私が利用しているvodafoneからは、スマートフォンによる3Gデータ通信のつなぎ放題プランは出ていないが、スマートフォンから頻繁に3Gデータ通信を使うならば、それなりのパッケージを利用したほうがいい。

    だがデータ通信に使う機器が複数ある場合、Mi-Fiを利用すると効率がいいだろう。スマートフォンくらいのサイズのインターネット接続用のルーターだ。Wi-Fi接続機能のあるデバイスならば、何でもネット接続できる。ハードウェアの価格がまだ高いが、今後普及するにつれて、より低価格の製品が出てくることだろう。

    ところで、3Gデータ通信は、大都市ではそれなりに快適な速度が出るものの、地方とりわけ山間部に行くと具合があまりよくなかったり、極度に不安定であったりすることもある。これはインドに限ったことではなく、日本でも例えばソフトバンクの場合は大都市圏外でなかなか繋がりにくかったり、首都圏でも丘陵地になっているエリアでは利用できないスポットも少なからずあったりするのはいたしかたない。だが概ね広範囲で常時接続できる環境が簡単に手に入るのはありがたいことだ。

    さて、話はGALAXY TABに戻る。コールカーター市内でWi-Fi環境下に持っていき、とりあえず入れておきたい無料アプリケーションをダウンロードしてインストールした。SAMSUNGのGALAXYの国際版は、購入した状態では日本語読み書きの環境がないため、こちらも無料の日本語IMEを入れたところで、Bluetoothのキーボードはまだ持っていないが、当面必要な環境はほぼ揃った。

    だがひとつわからないことがある。iPadで書籍リーダーのi文庫を愛用しており、有料アプリケーションだが、こちらは是非とも入れておきたかったので購入しようとしたのだが、うまくいかなかった。『お住まいの国では、このアイテムをインストールできません。』とのエラー表示が出てしまう。端末のロケーションを日本に変更すれば購入できるかも?と試してみたが、どうもダメなのである。

    i文庫はなぜか購入できないと表示された。他にもいくつか入手できないアプリケーションがあるのだが、これらは日本での販売モデルと違うからだろうか。たいていのアプリケーションは入手可能なようだが、他にもいくつかi文庫同様にダウンロードできないものが存在することに気が付いた。私自身、こうした分野に詳しくないのでよくわからないのだが、似たようなアプリケーションはいくつもあるわけだし、あまり細かいことは気にしないことにしよう。

    付属のケースを装着してみた。

    購入時にパッケージ内に同梱されていたケースを装着。一見、普通の手帳みたい(?)であまり目立たずいい感じだ。とりあえず、持参のノートパソコンの中に保存してあるLonely Planetガイドブックのコールカーターのチャプターを転送して表示してみた。

    Lonely Planetのガイドブックを表示してみた。

    同社のインドのガイドブックの判型よりもやや小さく、厚み四分の1程度の躯体に、ガイドブック、その他の書籍が収まり、ウェブ閲覧、メール送受信に加えて携帯電話機能、そしてワープロソフトその他パソコン的な機能も有していることから、やたらと重宝しそうな予感。盗難にはくれぐれも気を付けようと思う。

  • インドの食事

    インドの食事

    2009年に出た『インドカレー紀行』という本がある。

    南インド史研究の第一人者の辛島昇氏が著した書籍である。タイトルからわかるとおり、一般向けに書かれたものだが、インド各地の料理と文化的・歴史的背景、古来インド固有のものではなかった食材の伝播と定着に関する過程等も含めてわかりやすく解説してある。食事から見たインド文化誌といった具合だ。本文中にいくつも散りばめられているレシピもぜひ試してみたくなる。

    カラー版 インドカレー紀行

    カラー版 インド・カレー紀行 (岩波ジュニア新書)

    辛島昇著

    大村次郷写真

    出版社: 岩波書店

    ISBN : 4005006299

    2006年に日本語訳が発行された『インドカレー伝』(リジー・コリンガム著/東郷えりか訳)と重なる部分もあるのだが、特に代表的な料理を論じている関係上、自然とそうなってしまうのだろう。

    『インドカレー紀行』によると、インド料理の本が数多く出版されるようになったのはここ40年くらいのことであるという。早い時期から全国的に普及していた北インドの料理はさておき、その他はごく当たり前の日常食として地方ごとの家庭で伝えられてきたものであり、特定の地域の料理がそれと関係のない地域で食されるということがあまりなかったためらしい。インド国内における一種の『グローバル化』現象のひとつということになるのだろう。おそらく娯楽としての外食産業の普及という点もこれに寄与しているのではなかろうか。

    ともかく、人々の間で地元以外の料理についての関心が高まり、ローカルなレシピであったものが『インドの料理』というナショナルレベルに持ち上がることとなり、そこから今でいうところの『インド料理』という捉え方が出てきたという指摘には思わず頷いてしまう。

    歴史の中で、各地で生じた様々な食文化の混淆、新たな食材と料理法の導入の結果、生み出されてきたのがインド料理の豊かなレパートリーである。その末裔に当たるのがイギリス経由で入ってきて日本で定着した『カレーライス』ということになる。

    かつてなく各地の味を楽しむことができるようになっており、加えてレディーメイドの調合スパイスや食材、レトルト食品なども広く流通してきている昨今、とりわけファストフード等の普及により、特に若年層の好みの味覚は確実に変わりつつあるだろう。そうした中で、新たな味覚が創造されつつあるのもしれないが、同時に各家庭あるいは地域ごとの味のバラエティが少しずつ収斂されて『標準化』されつつあるのではないかとも思われる。

    この『インドカレー紀行』について、今後続編の計画があるのかどうかは知らないが、個人的には『インド菓子紀行』が出てくれると大変嬉しい。ラスグッラーとゴアのベビンカは取り上げられていたが、本来の食事同様にバラエティ豊かで味わい深く、それ以上にカラフルなインドの甘味の世界だ。『インド菓子文化』をカラー画像入りでを包括的に取り上げた本が出れば『本邦初』の快挙となることだろう。

  • インドの雑誌デジタル版

    インドの雑誌デジタル版

    すでにIndia Todayグループ系列の雑誌や同グループのウェブ広告にて、これらの雑誌のデジタル版が利用できるようになった旨が告知されている。紙媒体で販売されているものと同じ誌面がデジタルで配信される。

    これらはmagzeterを経由しての販売だ。ちなみにインディア・トゥデイ(英語版)は一部売りで0.99ドル(日本からは85円)、年間購読は23.99ドル(日本からは2,100円)で、インディア・トゥデイ(ヒンディー版)の場合は、一部売りが同じく0.99ドル(日本からは85円)であるものの、年間購読は16.99ドル(日本からは1,500円)と低めになっている。

    例えば、iPadユーザーであれば、magzeterでユーザー登録と支払いをすると、使用しているiPadならびに自分自身のアカウントでログインしたパソコンから閲覧できるようになる。定期購読の場合は、発売日に新しい号が配信される。

    私自身、試しに購入してみた。Newsweek のように掲載誌面にいろいろ仕掛けがしてあって、デジタルならではのインタラクティブな仕上がりになっているわけではなく、あくまでも紙媒体と同じものが表示されるだけだ。それでも紙媒体をスキャンして作成したPDFのような表示のもたつき(グラフィックが多い際の)は無い。おそらくデバイスに占める容量も少ないのだろう。

    違法コピー防止のため、タブレットPCのアプリケーション内に保存されるだけで、通常のパソコン内に保存したり他のデバイスに移動したりすることはできないあたりは不便に感じる。始まったばかりの新しい試みなので、これから変更や改善が積み重ねられていくことと期待したい。

  • コールカーター華人が発信するブログ

    5年近く前に「BLOOD, SWEAT AND MAHJONG」(Ellen Oxfelda著)という本について取り上げてみた。コールカーターに代々暮らしている華人について書かれた本だ。

    残念なことに、当の華人たちが自分たちのコミュニティについて書いた書籍は見当たらない。出身地域ごとの同郷会館にはそうした資料はあるのだろうが、少なくとも市販されている書籍にはそうしたものはないようだ。

    だがそうした状況もかわりつつある。facebookをはじめとするSNSで情報発信するコールカーター華人たちが出てきているし、そうした華人たちによるウェブサイトも複数存在している。

    そうした中で、現在までのところ最も内容がまとまっていて、コンスタントにアップデートされているのは、www.dhapa.comのようだ。

    Dhapa(華人たちは塔霸という字を当てている)とはコールカーター東郊外にあたるエリアで、華人たちの主要産業のひとつである皮なめし業の工場、醤油工場、大小様々の中華料理屋等々が建ち並ぶ文字通りチャイナタウンであるテーングラーのタウンシップが存在する。

    www.dhapa.comでは、コールカーター華人コミュニティでの年中行事、インド華人の歴史に関するトピック、コールカーターをベースにする華人たちのマジョリティを占める客家人たちに関する話題、華人たちの教育、彼らの『地元コールカーター』に関するニュース等々、彼らの息吹が感じられて興味深い。

    従前は彼ら自身による情報発信といえば、インドで唯一生き残っている華語新聞『印度商報』くらいだったが、それにしてみたところで読者は年配の(まだ華語の読み書きが充分出来る)華人たちのみであった。

    ウェブの時代になって、ようやくコミュニティ内外に様々な情報を発信するようになってきた華人コミュニティ。中印紛争以降、政治的な理由から国外への流出が続き、近年は対中国関係の改善、インドの経済成長は在印華人たちにも商機の増大をもたらしていること、中国からの人々の行き来と投資の増加等々といった新たな局面のもと、コールカーター華人(ならびにムンバイー、シローンその他にも少数ながら居住しているインドで数世代に渡り生活している華人たち)への風向きも変わりつつあるのかもしれない。

    これまで彼らが『外の人たち』に対して記すことになかった在印華人にまつわる様々な事柄について、日常の事象に加えて自らの歴史にまつわる事柄についても書き記していくことは大いに意味のあることであろう。

  • チェルノブイリは今

    チェルノブイリは今

    今年の9月に、チェルノブイリの現状を写真と文章で綴った本が出ている。

    ゴーストタウン チェルノブイリを走る

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    ゴーストタウン チェルノブイリを走る

    http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0608-n/

    集英社新書ノンフィクション

    ISBN-10: 4087206084

    エレナ・ウラジーミロヴナ・フィラトワ 著

    池田紫 訳

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    1986年に起きた原発事故から四半世紀が経過したチェルノブイリにガイガーカウンターを持ち込んで、バイクで駆ける写真家エレナ・ウラジーミロヴナ・フィラトワがチェルノブイリの現状を伝えるウェブサイトを日本語訳した書籍だ。

    汚染地域に今も残る街や村。すでに暮らす人もなく朽ち果てていく建造物。家屋の中にはそこに暮らした家族の写真、子供たちの玩具が散乱しており、役場等にはソヴィエト時代のプロパガンダの跡が残っている。

    ソヴィエト時代、原発事故が発生する前のチェルノブイリは、中央から離れた周辺地であったが、それでも整然とした街並みや広い道路、広大な団地、病院その他公共施設、遊園地、映画館といった娯楽施設等々の写真からは、社会主義時代に築かれたそれなりに豊かであった暮らしぶりがうかがえる。

    人々の営みが消えてから久しい現地では、それとも裏腹に豊かな自然が蘇り、もう人間を恐れる必要がなくなった動物たちが闊歩している様子も記録されている。

    一見、のどかにも見える風景の中で、著者はそうした街や集落など各地で放射線量を図り、今なおその地が人間が暮らすことのできない危険極まりない汚染地であることを冷静に示している。

    これらの写真や文章は、著者自身のウェブサイトで閲覧することができる。

    elenafilatova.com

    チェルノブイリに関して、上記の書籍で取り上げられていないコンテンツとともに、スターリン時代の強制収容所跡、第二次大戦期の戦跡等に関する写真や記述等も含まれている。

    私たちにとって、チェルノブイリ原発事故といえば、今からずいぶん遠い過去に、遠く離れた土地で起きた惨事として記憶していた。事故後しばらくは、放射能が飛散した欧州の一部での乳製品や食肉などへの影響についていろいろ言われていた時期はあったものの、自分たちに対する身近な脅威という感覚はほとんどなかったように思う。まさに『対岸の火事』といったところだったのだろう。

    今年3月11日に発生した地震と津波、それによる福島第一原発の事故が起きてからは、原発そして放射能の危険が、突然我が身のこととして認識されるようになる。実は突然降って沸いた天災と片付けることのできない、それまでの日本の産業政策のツケによるものである。曲がりなりにも民主主義体制の日本にあって、私たち自らが選んだ政府が推進してきた原子力発電事業とそれに依存する私たちの日々が、いかに大きなリスクをはらむものであったかを思い知らされることとなった。

    順調な経済成長を続けているインドや中国その他の国々で、逼迫する電力需要への対応、とりわけ先行き不透明な原油価格、CO2排出量への対策等から、今後ますます原子力発電への依存度が高まることは、日本の福島第一原発事故後も変わらないようである。もちろん各国ともにそれぞれの国内事情があるのだが。

    原発事故後の日本では、食品や生活環境等様々な面で、暫定基準値を大幅に引き上げたうえで『基準値内なので安心』とする政府の元で、放射能汚染の実態が見えにくくなっている中で、今も収束にはほど遠く『現在進行形』の原発事故の危険性について、私たちは悪い意味で『慣れつつある』ように見えるのが怖い。

    事故があった原発周辺地域の『風評被害』云々という言い方をよく耳にするが、実は風評などではなく実際に無視できないリスクを抱えているということについて、国民の目を塞ぎ、耳も塞いでしまおうとしている政府のやりかたについて、被災地支援の名の元に同調してしまっていいものなのだろうか。

    これまで原子力発電を積極的に推進してきた日本の政策のツケが今になって回ってきているように、見て見ぬ振りをしていたり、『どうにもならぬ』と内心諦めてしまったりしている私たちのツケが、次の世代に押し付けられることのないように願いたい。

    同様に、これから原子力発電への依存度を高めていこうとしている国々についても、将来もっと豊かな時代を迎えようかというところで、予期せぬ事故が発生して苦しむことにならないとも言えないだろう。今の時代に原発を推進していこうと旗を振っていた人たちは、そのころすでに第一線から退いているかもしれないし、この世にいないかもしれない。一体誰が責任を取るのか。

    もっとも今回の原発事故で四苦八苦しており、原子力発電そのものを見直そうかという動きになっている日本だが、それでも他国への積極的な売り込みは続けており、すでに受注が内定しているベトナムでの事業に関するニュースも流れている。

    チェルノブイリが残した反省、福島が私たちに突き付けている教訓が生かされる日は、果たしてやってくるのだろうか。

  • J-one ジーワン 創刊号

    J-one ジーワン 創刊号

    J-one 創刊号

    ご存知Namaste Bollywoodを発行しているスタジオ・サードアイから、新しい刊行物が産声を上げた。Jeevan (जीवन)、つまり『生命あるもの』『生命』『生涯』『寿命』『生活』といった意味を持つ言葉をテーマに、『ポスト3.11の生き方を探るニュー・ライフスタイル・マガジン』がスタートした。

    創刊号で取り上げられている様々なJeevan (जीवन)は、インドやその周辺国に限らず、東南アジア、アフリカそして日本の福島と多岐に渡る。

    巻頭には東日本大震災でいち早く救援活動に乗り出したパーキスターンやインドの有志の人々のことが取り上げられている。またインドのラダックで生活支援を展開するNPO、バーングラーデーシュ産の革製品フェアトレードに取り組む日本の女子大生たち、世界各地で難民支援に取り組む人たち等の活動が取り上げられている。

    J-one Talkと題して、発行人のすぎたカズト氏と村山和之氏の対談『生命ある物をありがたくいただく生き方』からいろいろ考えさせられることが多い。ここにいろいろ書き出してしまうわけにはいかないので、ぜひ本誌を手にしてじっくり読んでいただきたい。

    福島や原発関係では、福島の様々な業種で日々頑張っている人たちの声が伝えられ、大手メディアが伝えない原発問題の盲点について多くの鋭い指摘がなされている。そのひとつに、私たちが『規制値以下なので安全』と信じ込まされている食品その他の放射能の数値がある。

    そもそもこれらは暫定的に大幅に底上げされている(つまり原発事故以前ならば当然基準値外のものが大量に出回っている!)ことを、私自身うっかり忘れかけていた。これについて『カロリー表示があるように食品に線量表示を義務付ければ・・・』という下りに大きく頷いてしまう。

    日々、新聞では各地で測定された線量が掲載されているが、当然同じ地域でも地形や風向き等によって、かなり差が生じることは聞いているものの、目に見えないものであるだけに、実際に測定することなく自覚できるようなものではない。同誌の取材により、原発周囲の避難区域からかなり離れたエリアでも、報道されている数値以上に、相当高い線量が検出されることが明らかにされており、大手メディアから一律に流される情報を鵜呑みにしてしまうことの危うさに背筋が寒くなる思いがする。

    だが怖いとボヤイてみたところでどうにもならない。私たちひとりひとりが、自分自身のJeevan (जीवन)を見つめなおして、何か小さなことでも、今できることから始めてみるようにしたいものだ。

    さて、このJ-one誌の入手方法についてはこちらをご参照願いたい。

     

  • Namaste Bollywood #30

    Namaste Bollywood #30

    Namaste Bollywod #30

    Namaste Bollywood #30 (Oct-Nov)が発行された。早いもので創刊5周年を迎えることになる。今号もボリウッドに関する様々な話題が満載。

    じきに公開されるDon2, Ra.oneといったシャー・ルク・カーン主演の期待作、来月11日に69歳となるBig Bのハリウッド出演の話題、そして今後日本で劇場公開あるいは映画祭で上映されるボリウッド映画タイトル等の記事が並ぶ。ファンならばぜひ押さえておきたい情報だ。

    そうした中で、もちろん小さな囲み記事にも興味そそられるものが多い。たとえば『ドバイ漫遊記』にて、UAEの商都ドバイはインド的空間(南アジア系の人々が多く、当然ながらボリウッド関係のモノも多数)が広がっている街であるかということが窺えて、私もいつかぜひ訪問してみたいと思っていた。ちょうどコールカーター出身の友人が赴任しているので、彼の滞在中に出向いてみようかな・・・と、カレンダーをめくってみたりする。

    ところで、Namaste Bollywoodから、このたび新たに刊行物が発刊されている。テーマはボリウッド映画ではないのだが、とても中身の濃いものだ。これについては後日取り上げてみることにする。

  • ロンリープラネットのガイドブックが変わる

    ロンリープラネットのガイドブックが変わる

    Lonely Planet India 第14版

    世界を旅行する人たちの間で長年親しまれてきたロンリープラネット社のガイドブック。広告類は一切掲載せず、中立的な情報を提供しており、いわば『旅行ジャーナリズム』的な存在は日本の同業者の間では見られないものだ。

    近年ではBBC(British Broadcasting Corporation)の子会社のBBCワールドワイドに買収されてからは、同社のウェブサイトで旅行情報の提供、ガイドブックの紹介と販売以外にもホテルやフライトの予約、旅行保険の販売といったサービスも提供するようになり、ガイドブック発行会社というよりも、旅行関係の総合サービス企業といった観を呈するようになってきている。

    さて、そのロンリープラネットのガイドブック。どこの国を対象とした案内書であっても、版を重ねるごとに情報が蓄積されていくことから、当然厚みも増していく。国土が広くて見所も多いインドや中国といったものとなると、それこそ辞書のように厚くなり、旅行先で日中持ち歩くのに邪魔になってくる。体格が良く、持ち歩く荷物も多い西洋人男性でさえも『この厚さはちょっとねぇ・・・』とボヤくほどになってしまっている。

    そんな中、ついにロンリープラネットのインドの旅行案内書に対してダイエットが敢行される。今年9月に版が切り替わるインドの案内書については、用紙が変更されるのだろうか。サイズや厚みは大差ないものの、重量は半分程度になるようだ。

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    旧版

    サイズ : 197mm x 128mm

    重量 : 0.98 kg

    版 : 第13版(2009年9月発行)

    ISBN: 9781741791518

    ページ数 : 1244 ページ (カラー28ページと地図256片を含む)

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    新版

    サイズ : 197mm x 128mm

    重量 : 0.5 kg

    版 : 第14版(2011年9月発行)

    ISBN : 9781741797800

    ページ数 : 1232ページ(カラーページ256ページと地図203 片を含む)

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    また、同社のインド案内書の初版が1981年に世に出て以来、初めて新版のページ数が減ることになる。現行の第13版が1244ページであるのに対して、第14版は1232ページだ。おそらくロンリープラネット社としても、旅行先で携行するガイドブックについて、重量もさることながら厚みについてもこのあたりが限界とわきまえたのだろうか。

    軽量化といえば、近年始まったPDFでの販売はなかなか好評のようだ。旅行先を短期で訪れる人ならば、必要なチャプターのみプリントアウト、長期旅行者の場合でもウェブ上あるいはUSBのストレージ等に保存しておき、必要に応じて印刷して使う、というやりかたが広まっている。第14版のPDFでの販売はすでに開始されているため、早速これをウェブ上で購入してみた。

    これまで、申し訳程度に挿入された観光地のカラー写真を除き、地図以外は黒い文字がズラズラと羅列されているだけであった紙面は、パッと見て感覚的に把握できるようにレイアウトされるようになる。内容もカラー刷りページが28ページから256ページに増え、ヴィジュアルになってきているとともに、従来は単色刷りだった本文だが、新しい版では二色刷りになり、ずいぶん見やすくなっている。

    巻頭の総合案内部分と巻末のインデックスは無料で公開されているので、参考までにご覧いただきたい。

    今回の刷新ぶりは各々の好みによるところではあるものの、概ね好感を持って迎えられるのではなかろうか。元々は安旅行者たちに愛用されてきたロンリープラネットといえども営利企業だ。今やバックパックを背負って長期旅行する若者たちだけを相手に商売しているわけではない。そもそもバックパッカーと呼ばれる旅行者たちの間においても、ひところのようにひたすら安くストイックな旅を志向する割合が高いわけでもなくなっているようだ。同社ガイドブックの長年に渡る旅行情報の蓄積は、世界を旅する人たちのあらゆる層から支持を集めている。

    日々デジタル化の進む今日の人々は、年齢を問わず以前よりも忙しくなってきているし、せっかちでよりクイックなソリューションを求めるようになってきている。これがガイドブック掲載内容のレイアウトに反映されるのは当然のことだろう。

    電子版として、前述のPDF以外にキンドル版も出ている。これらの普及もこれらを表示させるデバイスの進化や普及と低廉化とともに、売り上げ中に占める割合を高めていくことだろう。だが今のところは製本版+PDFのプリントアウトが圧倒的多数だ。やはりまだまだ紙という媒体におけるメリットが大きい。

    乱暴に扱っても読めなくなることはないし、必要があればその場でペンで書き込むことができる。またバッテリー残量を気にする必要もない。電子ブックリーダーと違い紙の書籍は、その内容を読むことを欲しない人にとっては何の価値もないため、盗難のリスクも少ない。

    この秋から書店で新しい表紙の『INDIA』ガイドブックを目にすることになる。ぜひお手元に一冊いかがだろう?