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  • Namaste Bollywood #29

    Namaste Bollywood #29

    震災復興支援活動のため、前号から全4ページに減らしての発刊。ボリウッド映画への熱い想いはとても収まり切らず、誌面から滔々と溢れ出ているといった感じだ。

    同誌のウェブサイトでは、『Real Voice from the Bollywood』というコーナーが設けられ、銀幕のスターたちのTwitterによるつぶやきがリアルタイムにアップロードされるようになり、彼らの今の思いを垣間見ることができるようになった。

    今回の特集は『ボリウッドが教えてくれる映画愛』だ。近年の恋愛ものの映画はもちろんのこと、アイシュワリヤの妊娠でついに『おじいちゃん』になるアミターブ・バッチャンについても触れられている。

    これまで巻末を飾ってきたボリウッド映画界の親戚・縁戚関係を綴るBollywood Filmy Pedigreeはお休みだが、今回は『Disco Dancer』という本の紹介に注目。1982年に同タイトルで公開された当時記録的にヒットした映画を紹介した本で、若き日のミトゥン・チャクラボルティーが主演。

    90年代以降、大きく変化してきたインド映画の過去を、ときには振り返ってみるのもいいだろう。

  • バーングラーデーシュの旅行案内書

    バーングラーデーシュの旅行案内書

    地球の歩き方 バングラデシュ

    日本の出版社から出ているバーングラーデーシュのガイドブックといえば、旅行人の『ウルトラガイド バングラデシュ』くらいかと思っていたが、昨年10月に地球の歩き方から『バングラデシュ』が出ていることに今さらながら気がついた。

    近年、日本からアパレル産業を中心に企業の進出が盛んになってきているとともに、同国首都ダーカーに旅行代理店H.I.S.が支店をオープンさせるなど、観光の分野でも一部で注目を集めるようになってきているようだ。

    すぐ隣に偉大なインドがあるため、観光地としてクロースアップされる機会が少なく、存在すら霞んでしまう観のある同国だが、なかなかどうして見どころは豊富である。

    もちろんここがインドの一部であれば訪れる人は今よりも多かったことだろう。またインドとの間のアクセスは空路・陸路ともに本数は多く、両国の人々以外の第三国の人間である私たちが越えることのできる国境も複数あるため、行き来は決して不便というわけではない。

    だがインドのヴィザに近年導入された『2ケ月ルール』のため、インド東部に来たところで『ふと思い立ってバーングラーデーシュに行く』ことが難しくなってしまっている。インド入国前のヴィザ申請の時点で、隣国への出入国を決めておかなくてはならなくなったからだ。

    だからといって西ベンガル、アッサムその他インド東部まで来て、この実り豊かな麗しの大地を訪れないというのはもったいない話だ。

    インドでも西ベンガル州で親日家、知日家と出会う機会は少なくないが、ことバーングラーデーシュにおいては、日本のバブル時代に出稼ぎに行った経験のある人々が多いこと、日本のODAその他の積極的な援助活動のためもあってか、日本という国に対して好感を抱いてくれている人たちがとても多いようだ。

    それはともかく、歴史的にも地理的にも、『インド東部』の一角を成してきた『ベンガル地方』の東部地域だ。南側に開けた海岸線を除き、西・北・東の三方を東インド各州に囲まれ、本来ならばこれらのエリアとの往来の要衝であったはずでもある。

    またこの国の将来的な発展のためには、圧倒的に巨大な隣国インドとの活発な交流が欠かせない。同時にインドにとっても、人口1億5千万超という巨大な市場は魅力的だし、この国の背後にあるインド北東諸州の安定的な発展のためには、ベンガル東部を占めるこの国との良好な関係が不可欠である。もちろん今でも両国間の人やモノの行き来は盛んであるのだが、それぞれの国内事情もあり、決して相思相愛の仲というわけではない。

    イスラームやヒンドゥーの様々なテラコッタ建築、仏蹟、少数民族の居住地域、マングローブ等々、数々の魅力的な観光資源を有しながらも、知名度が低く訪れる人も多くない現況は、『インド世界』にありながらも『インド国内ではない』 がゆえのことだ。

    日本語のガイドブックが出たからといって、訪問者が急増するとは思えないものの、やはり何かのきっかけにはなるはず。今後、必ずや様々な方面で『バーングラーデーシュのファン』が少しずつ増えてくるように思われる。

  • ヤンゴンの書店

    ヤンゴンのアーロン・ロードとバホー・ロードの交差点脇NANDAWUNという店がある。主にこの国の工芸品を販売する店だが、その店舗の最上階にはミャンマーに関する図書のコーナーがある。

    決して広くはないフロアーの一角がそうした書籍の販売に充てられているだけなので、つい見落としてしまいそうだが、ところがどうしてなかなか面白い本も見つかる。

    20世紀初頭の英字紙ラングーン・タイムスのクリスマス特集複数年分を収めた複製本、1863年に­­­ボンベイに設立された英資本の会社で、チーク材や茶葉等の貿易を行なったボンベイ・ビルマ貿易会社の社史など、なかなかレアで興味深い(関心があれば・・・)図書があるし、その他歴史的な書籍の復刻版なども置かれている。聞けば、経営者は元国立図書館の館長さんとのことで「なるほど」と納得。

    ただしごく一般的な旅行案内書や写真集といった一般書も書棚に並んでいるため、正直なところ玉石混淆という観は否めないものの、ヤンゴンでは他にこうした書店が見当たらないため、印緬関係史に多少なりとも興味があれば、興味深い書籍がいくつか見つかることだろう。最も貴重な書籍はカギのかかった書棚におさめられており、閲覧のみ可能ということになっているが。

    NANDAWUNで販売している民芸品類は、ややアップマーケットな値段が付いているが、品揃え充実しているし質も高いものが多い。ミャンマーを訪問される際、ヤンゴンから飛び立つ前に立ち寄ってみるといいかもしれない。

    敷地内に独立した書店も経営しているが、そちらで扱っているのは英語の雑誌とビルマ語の実用書のみ。こちらは特に見るべきものはないので、お間違いのないように。

  • 藩主の宮殿転じてブッダ博物館

    藩主の宮殿転じてブッダ博物館

    ミャンマーのシャン州にあるニャウンシュエの町の北側に『ブッダ博物館』がある。この建物は英領時代の藩王国の主の宮殿。しかしながら展示物にはその藩王国を偲ばせるものは何ひとつなく、独自の歴史や文化とは関係なくニュートラルな仏教に焦点を当てた展示となっている。

    ここの最後の藩主はイギリスからの独立後、最初のビルマ大統領となった人物であったとのこと。何かで読んだか耳にしたことがある・・・と記憶の糸をたどっていくと、行き着いたのはこの本である。 著者の姉が嫁いだ相手が、ビルマの初代大統領の息子ということであった。

    消え去った世界

    ―あるシャン藩王女の個人史-

    著者:ネル・アダムズ

    訳者:森博行

    出版社:文芸社

    ISBN-10: 4835541383

    シャン州には、ダーヌー、パラウン、ラフーその他さまざまな民族が居住しているが、『シャン』という州名が示すとおり、主要民族はタイ族の近縁にあたるシャン族だ。

    第三次英緬戦争の際に英国側に協力したシャン族の諸侯たちの土地は、コンバウン朝が終焉を迎えてからは、英領期のインドに割拠していた藩王国と同様の扱いとなった。

    イギリスが直接支配したビルマ族主体の中央地域と違い、その他の各民族がマジョリティを占める地域は、現地の諸侯たちの自治に委ねられており、イギリスは彼らを通じてそれらの土地を間接統治する形となっていた。ちょうどインド各地に割拠した藩王国のような具合である。あるいは現在のミャンマーの国土の『管区(division)』『州(state)』の区分は、当時の行政の版図を引き継いでいる。

    著者のネル・アダムズ (シャン名はサオ・ノン・ウゥ)は、当時のシャン州の藩王国のひとつロークソークで生まれ育ち、ミッションスクールで欧州人の子弟たちや地元の富裕層の子供たちと一緒に教育を受けた。

    当時の公用語は英語であったが、こうした全寮制の学校内では英語以外は禁止。イギリスその他の欧州人や英領であったインドからきた職員や教員たち。支配者たちに欧州的な価値観と規律を学ばせることにより、土地の支配層に自分たちと共通の価値観を持たせるとともに、支配層に親英的な空気をみなぎらせることも意図していたのだろう。

    今の時代においても国によって濃淡の違いこそあれ、学校教育の場は単に必要な教科を教えるだけではなく、民族教育の場でもあり、国家意識の陶冶の場でもある。

    ビルマ族の民族主義運動が高揚していった結果であるこの国の独立は、それまでイギリスに従属していても、ビルマ族に服属しているとは思っていなかった他の民族たちにとって、決して喜ばしいものではなかった。これはその後国内各地で長く続いた内戦の原因といえる。

    とりわけ1962年のネ・ウィン率いる国軍によるクーデター以降、中央政府が推し進めた『ビルマ式社会主義』政策は、この国独自の社会主義体制の建設とともに、社会・文化全般の『ビルマ化』でもあり、非ビルマ族がマジョリティを占める地域においては、ビルマ族による『侵略』であったともいえる。

    多民族社会における国家の統合おいて、主流派以外の人々が支払うことになる代償は大きい。とりわけその帰属が武力や権力により否応なしに押し付けられた場合には、それまで地域社会が育んできた独自の歴史や文化は軽んじられてしまいがちである。

    最後の藩王にして、初代のビルマ大統領であったSAO SHWE THAIKEの宮殿が、その来歴についての説明もなく、ただ『ブッダ博物館』として運営されていることは、まさにそれを象徴しているように感じられる。

  • Namaste Bollywood #28

    Namaste Bollywood #28

    同誌ウェブサイトに書かれているとおり、今号からしばらくの間はボリュームを従来の8ページから4ページに減らし、部数も5,000部から3,500部に抑えての発行。その分を東北復興の支援活動に充てるとのことである。

    すでに現地入りして活動をされている模様が伝えられている。行動力とフットワークに敬意を表したい。

    ふんばれ日本! ナマステ・ボリウッド東北支援報告

    ふんばれ日本!(2)

    本題に入る。今号の特集は『ボリウッドが教えてくれる児童映画』だ。児童映画といっても小さな子供たちが観るための映画というわけではなく、子供が主人公の作品群である。Bumm Bumm BoleNanhe JaisalmerTahaanが取り上げられている。

    商業的に大当たりするような作品ではないのだが、どれも主人公の子供たちの目線で世間を描いた良作だ。無邪気なチビッ子たちも大人になるにつれて次第に純真な気持ちを忘れていってしまうものだ。スリクーンに出てくる子供たちの想いに思いきり感情移入したい。

    他の記事では、2010年にインドとパーキスターン双方の大手メディアが手を携えて発足させたプロジェクト『AMAN KI ASHA (HOPE FOR PEACE)』や近年進んでいる国境を越えての映画をめぐる印パの交流についても言及されている。本来、血を分けた兄弟である両国の相互の和解と協力が進んでいくことを望む。

    もちろんそれだけではない。日本の東北地方の復興ももちろんのこと、この世界に暮らしているすべての人々が、幸せに安心して暮らしていくことができるよう願いたい。

  • ヒマラヤのドン・キホーテ

    ヒマラヤのドン・キホーテ

     ネパールに帰化し、自らNNDP (Nepal National Development Party)という政党を率いてネパール政界への挑戦を続けている宮原巍氏について書かれた本である。 

    氏がヒマラヤ観光開発株式会社の創業者であること、ネパールのシャンボチェにホテル・エベレスト・ビューを建設した人物であることは以前から知っていたが、どういう経緯でネパールに根付くことになったのかについては、ほとんど知識がなかったこともあり、この本を見かけた途端とても興味が引かれた。 

    もともと登山を通じて、このヒマラヤの国との縁が出来たそうだが、その後再びネパールに渡り、当初は工業の振興を志したが、この国の現状を踏まえたうえで観光業振興に力を注ぐことになったということらしい。 

    2008年の選挙の結果は残念なものであったが、70歳を越えても決して立ち止まることなく、長らく暮らして来たネパールの国政に打って出るというダイナミック行動力には脱帽である。 この本によると、ネパールで政党がマニフェストを作成するのは、彼のNNDPが初めてのことであるとのこと。同党のウェブサイト上で、2006年の結党時に示したマニフェストが公開されている。 

    マニフェスト Part 1

    マニフェスト Part 2 

    ところで、ヒマラヤ観光開発株式会社のウェブサイトからは氏のブログにリンクされている。同じくこのサイト上にある≪世界最高峰・エベレストの見えるホテルへ!≫というタイトルの下の山岳の画像をクリックすると、ホテル・エベレスト・ビューの紹介ページに飛ぶ。 

    海抜3,880mに位置する日系ホテル。掲載されている写真も魅力的だが、サンプルビデオを再生してみても、そこが絶景の地であることがうかがえる。高いところは苦手なのだが、いつか宿泊してみたいと思っている。 

    書名:ヒマラヤのドン・キホーテ

    著書:根深 誠

    出版社:中央公論新社

    ISBN-10: 4120041719

    ISBN-13: 978-4120041716

  • Namaste Bollywood  #27

    Namaste Bollywood #27

     

    2011年最初の号である。今回の特集は「インド映画が教えてくれる人と心」だ。

    人間はひとりでは生きていけない。家族や仲間たちに囲まれて幸福に過ごすこともあれば、人々の中で生きていくがゆえに悩むこともあり、苦しむことだってある。

    けれども困ったときに助けてくれるのもまた人であり、自分自身もまた何かの巡り合わせで誰かに手を差し伸べることだってある。人の縁というのは面白いものだ。

    それがゆえにそうした人との出会いや絆が映画にも描かれる。そんな作品群の中からオススメ作品を今号では取り上げている。

    Billu、Rain Coatその他の作品は、舞台こそインドであれども、そこに描かれるテーマには私たちの日本にも通じるものであるとともに、世界中のみんなが共有できるものだろう。

    巻末のBollywood Filmy Pedigree、今回はファラー・カーン篇である。彼女を取り巻く身内の映画人たちが紹介されているが、母親がパールスィーであるとは知らなかった。

    いつものことながら、小さな囲み記事も見逃せない。昔、日本で人気を博したインド人アイドルがいたのだそうだ。詳しくはナマステ・ボリウッドの最新号を手に取ってご覧いただきたい。

    さて2011年が始まってから早いものでひと月半近くになる。今年のボリウッド映画界からは、どんな作品が出てくるのか、どんな新しいスターが出現するのか大いに期待していきたい。

    ナマステ・ボリウッド#27 (Namaste Bollywood)

  • コールカーターの「魯迅路」と「中山路」4

    コールカーターの「魯迅路」と「中山路」4

     コールカーターの朝市に行くたびにお邪魔させていただいててる年配の華人Cさんに今回もまたお会いした。私がコールカーターの華人社会に少なからず関心を抱いていることを知っている彼女が今回こんな本を勧めてくれた。 

    書名:Chinatown Kolkata

    著者:Rafeeq Ellias

    出版社:Gallerie Publishers

    ISBN: 81-9019999-5-1 

    ムンバイー在住のフォトグラファー・ビデオ制作者による写真集である。書籍に同梱のDVDには彼自身が制作してBBCで放送されたコールカーターのチャイナタウンに関する番組が収録されており興味深かった。 

    番組の動画は、テーングラーの華人コミュニティが運営するDhapaのサイト経由にて、Youtubeにアップロードされている内容を参照することができる。 

    旧正月には、獅子舞いその他の催しが実施されるとのことなので、その時期にコールカーターに滞在される方はちょっと覗いてみるといいかもしれない。 

    <完>

  • スパイスジャーナル

    スパイスジャーナルというスパイス専門のバイリンガル季刊誌がある。A5判で30ページほどの冊子だが、現在出ているのは第3号で、次号は2011年1月下旬に発行予定であるとのことだ。価格は300円。 

    ページをめくってみると、インドでよく使われているスパイス類についての解説、料理レシピ、インドからのレポート等々が並んでいる。 

    『あれ?』と目に留まったのは、豚の角煮の写真である。Kakuni Masala (Okinawa Style)と書かれている。沖縄スタイルと書かれているとおり、ラフテーのことであるようだ。だが材料の項目では調味料として、醤油や泡盛に加えてクミン、カルダモン等々のスパイス類が挙げられている。 いつもマメに手料理を作っている私は、早速ブタのバラ肉を手に入れて調理にとりかかってみることにした。 

    レシピ通りに作ってみたKakuni Masalaは、家族にもなかなか評判。醤油が入っていること、かなり長く煮込むことなどから、スパイスの新鮮な香りはかなり失われてしまうものの、そのいっぽうで味とコクが格段に深まることがわかった。 

    ふと思い出したのが、数年前にメガーラヤ州都のシローンで食べた大きなブツ切りの豚の角煮カレー(のようなもの)だ。地元のカーシー族は豚肉をよく食するようだ。その店は、華人が経営する中華料理屋であった。モンゴロイド系のカーシー族が多い中で目立たないが、華人はけっこう在住している。その店のオリジナル料理なのかどうかはよく知らないが、なかなか美味で、豚肉を使っての中華・インドのハイブリッド料理もなかなかイケルことを知ったのはそのときだ。

    単にスパイスとインド料理の紹介に留まらず、日本の食環境の中での新たな味の提案というのはあまり見かけない気がする。次号で紹介される料理は何かな?と期待しているところである。

    購読申込みは同誌ウェブサイトから。

  • Namaste Bollywood #26

    Namaste Bollywood #26

    早いもので今号にて創刊4周年である。毎回楽しみにしている巻末のBollywood Filmy Pedigreeで取り上げられているのは、シャトルガン・スィナー家族。今年後半のヒット作『ダバング』でデビューした娘のソーナークシー・スィナー。今号の表紙になっている女性だ。 

    ソーナークシーといえば、少し前にニュース雑誌インディアトゥデイ関連の報道チャンネルのアージ・タクの中の『スィーディー・バート』で父親と一緒に出演していた。毎週、各界の有名人や政治家等をスタジオに招いて、同誌エディターのプラブ・チャーウラーがインタビューするプログラムである。放送された映像がネットにアップロードされている。 

    Seedhi Baat – Shatrughan Sinha, Sonakshi Sinha (rajshri.com) 

    プラブ・チャーウラーの話の引き出しかたが巧みで、いつも賑やかな会話がなされているのだが、ゲストが親子で出演というのは珍しい。映画に関するトピック、家族に関する話題など、内容は他愛のないものであったが、ソーナークシー自身はボリウッドの新星というよりも、どこにでもいそうな普通の娘さんといった風で好感が持てた。 

    プログラムを見ていてもよくわかるが、父親との仲もとても良いようで、見ていてほのぼのとさせられた。一番身近な人と一緒にいるためか、本人の素顔がうまく引き出されていたのではないかとも思う。 

    ひとつびっくりしたのは、ビデオの中の会話に出ていたが、ソーナークシーは以前かなり太っていたらしい。1年間で30キロも減量したとのことなので、ちょっと前とはまるで別人のように変身したのだろう。個人的にはとても輝きを感じている女優なので、リバウンドしないことを願うばかりである。体型は食習慣や嗜好と深いつながりがあるため、『タガが外れて』元の木阿弥というリスクを秘めている。 

    話はNamaste Bollywood #26に戻る。今号もまた話題の新作や発売されたDVD、ボリウッド関連書籍など、映画の都の銀幕の話題満載だ。だが普段とちょっと志向の違う巻頭特集に注目する人は多いだろう。 

    言うまでもなく、日本語で書かれている同誌は、日本国内在住のボリウッドのファンを対象に書かれている。『ボリウッドのある暮らし』と題してDVDプレーヤーの再生環境を取り上げている。インドで買ってきたDVD、あるいは通販で購入したDVD(もちろん正規版の話)がうまく動作しないといったトラブルを経験したり、耳にしたりしたことがある人は少なくないだろう。 

    本来はリージョン・フリーで販売されていても、アナログテレビ機器側の仕様の問題であったり、あるいはインド国外で入手すると米国市場向けでリージョン1の設定になっているものがあったりというケースなどがあるらしい。 

    そうした不具合に対処して、快適にDVD鑑賞できる環境を整えようというのが今回の特集の趣旨。編集部オススメの機器(これが意外に格安!)の紹介もなされている。詳しくはNamaste Bollywood #26を読んでいただきたい。 

    さて、次号はどんな話題が取り上げられているのだろう?と今から楽しみにしている。

  • Lonely Planet 2

    もっともこうした傾向はここ数年のものではなく、90年代半ばから特定のエリアに限ったガイドブックが出てきていたものだが、ごく最近の動きとしては昨年あたりからKindle eBookと題して、アマゾンを通じたキンドル版の電子書籍の販売がなされていることが挙げられる。 

    こちらは通常の書籍版のIndiaに相当するものとともに、各州ごとのチャプターとして切り売りされている。前者が20ドル弱であるのに対して、州ごとに個別に購入すると各チャプターが7ドル弱と非常に割高であるため、格別の理由でもない限りは全体をまとめ買いする人のほうが多いことだろう。 

    同様に書籍版をPDF化したものもLonely Planet社自身のウェブ上で販売されている。価格についてはこちらも同様である。全体を購入すると24ドル弱だが、チャプターごとに個別に買うと一部あたり5ドル弱とかなり割高になっている。 

    PDF版にはセキュリティがかかっており、購入者がAdobe のAcrobatのようなPDF作成・編集ソフトを持っていても、これに書き込みをすることはできなくなっているが、複製を保存することは可能であるため、同社にとってはコピーが簡単に世間に出回ってしまうリスクを抱えているともいえる。今後その部分について何らかの対策が打たれるのではないかと思う。 

    ともあれこのPDFについては、旅行する人自身にとって必要なチャプターのみをプリントアウトして持参している例をしばしば見かける。予定外のところを訪れる場合、データをUSBメモリかウェブ上のストレージにでも保存しておいて、どこかPCとプリンタを利用できる場所で、印刷して使うということもあるだろう。 

    豊富な情報が満載されているのはいいのだが、いかんせん紙媒体ということもあり、ロンリー・プラネット社の最新のインドのガイドブック(2009年版)については、総ページ数1244という分厚いものとなっており、重量は約1キロ。 

    旅行荷物中のアイテムの中で、一番重いのはこのガイドブックというケースは多々あるのではないかと思うし、訪れた先で日中出歩くのにどうも邪魔であるとか、そもそも全州いっぺんに訪れるわけではないため、こんなに厚くなくていいのだ、という人もあるだろう。 

    まさにそれがゆえに、既述のとおり特定地域に特化したガイドが出ているわけでもあるが、それよりも明確な形でこうしたニーズに応えているのがこうしたKindle用のeBookないしは汎用的なPDFといった電子書籍販売ではないかと思う。

    ただしこの『電子書籍』という媒体についても一考の余地ありで、旅行先でパソコンを立ち上げて読むというのは防犯上好ましくないだけでなく、いちいち立ち上げる手間もあるため現実的ではなく、バスや列車等交通機関の中や雑踏でキンドルや高価なスマートフォンの画面中の地図を見るというのは犯罪を誘発するようなものだ。 

    前者はそれなりにカサがあるので書籍に比べて手軽とは言い難いし、後者の場合は頻繁に電子書籍を開いているとバッテリーが1日として持たないため、外付バッテリーその他やはり高価な周辺機器をさらに持参しなくてはならないことになる。するとやはり手軽で安心なのは紙媒体ということになる。 

    ともあれいろいろな選択肢が出てくるのはいいことだ。またそうしたニーズに応える柔軟な姿勢とアイデアを惜しまないのはさすがロンリー・プラネット社といったところではないだろうか。 

    また似たようなのサービスは他にいくつもあるとはいえ、同社のウェブサイトで提供されているTravel Serviceのフライト検索もなかなか便利だ。複数の提携先とタイアップした予約サイトだが、ここでブッキングしないまでも『ココからアソコまでどの会社のフライトがあるのか?』といったことを調べることができるし、おおよその料金も把握できる。 

    そうした意味では同サイト内のホテル検索についても同様で、インドでなくともどこか初めて訪れる国の街に夜遅く到着する予定の場合、事前に予約しておくと安心ということもあるだろう。同一の街の中でエリアや価格帯を絞り込んで検索することもできるし、かなり詳細なロケーションまで表示させることも出来る。なかなか秀逸である。 

    ずいぶん便利な時代になったものだと感心するとともに、まさにそういう世相を業態に如実に反映させて、今やロンリー・プラネット社はガイドブック専門出版社という範疇には収まらない、総合的な旅行サービスを提供する企業になっていることがわかる。 

    <完>

  • Lonely Planet 1

     ロンリー・プラネット社といえば、言わずと知れた世界中で売れているガイドブックの版元。 

    元々は主に欧米から世界各地を旅するバックパッカー向けの旅行案内書としてスタートしたが、今ではあらゆる層の旅行者たちがこれを手にあちこちを訪れている。 

    シリーズがカバーする国の多さ、それぞれのガイドブックで紹介されている地域やスポットが広範囲に渡っていること、旅行するに当たってのプラクティカルな情報量の豊富さと正確さが支持される理由の主たるものだろう。

    また広告収入に頼らないことからジャーナリスティックで客観的な記述がなされていることも重要だ。そのためシリーズ内のどのガイドブックもほぼ同様のフォーマットと視点による記述がなされている。 同社による一連のガイドブックはどれも一定のインターバル、概ね2~3年程度で版を更新というのもちょうど適当なところだろう。 

    各地の見どころそのものの紹介にはかなりあっさりしたものがあるが、これについては個々が興味のあるものについて他の書籍を買い求めるなりすればいい。旅行案内書としては、安旅行者から富裕層のバカンスまで、いずれにも対応する内容である。特定の国や地域については、同様に便利なガイドブックは出ているようだが、総体的には他社の追随を許さないものがある。 

    ベストセラーのガイドブックだけあり、世相を如実に反映する部分もあるようだ。travel survival kitと題されていた各国ガイドブックは、いつごろからかシンプルにtravel guideとなっている。大陸規模の広域ガイドブックのShoestringシリーズは、東南アジア、ヨーロッパ、中央アメリカ、南アメリカといったものは出ているが、アフリカシリーズ、南西アジアシリーズは絶版となっているようだ。 

    世界的な不況のためか、あるいは日本同様に若者たちの海外旅行離れがあるのかどうかよくわからないが、仕事を辞めてフラリと気ままに長い旅に出るという人が少なくなってきているのかもしれない。 

    その分、各国の都市ガイド、山や海あるいは特定の地域などに特化した案内書が増えている。インドに関するものだけ取り上げてみても相当な数になっている。

    India

    Northeast India

    South India

    Mumbai & Goa

    Goa Beaches

    Rajasthan, Delhi & Agra

    Trekking in the Indian Himalaya

    Asia & India: Healthy travel guide

    Hindi, Urdu & Bengali phrasebook

    India phrasebook 

    上記に加えて、North India, Delhi, Mumbai, Kerala, Goaといった、個々の独立したガイドブックが出ていたこともある。 

    <続く>