ただいまメンテナンス中です…

カテゴリー: news & media

  • イスラーム化前のスィンド地域

    パーキスターンの英字紙DAWNのウェブ版に興味深い記事を見つけた。

    紀元7世紀から8世紀初頭にかけての同地域における仏教徒王朝内での宮中クーデターによるバラモンの大臣による全権掌握、そして西方からのイスラーム勢力の侵入による王朝の終焉までを簡潔にまとめたものである。

    HISTORY: SINDH BEFORE THE ARABS ARRIVED (DAWN)

    美しい王妃と夫である王の重臣との禁断の愛と彼らが示しあっての権力簒奪という映画さながらの展開。王となった父の跡を継いだ息子のモラルの反する行動による民心の離反、この頃勢力を伸長させていたイスラーム勢力による王国の陥落・・・。

    今となっては、その痕跡を見つけることすら容易ではないこの土地だが、かつては玄奘三蔵も訪問しており、無数の仏塔が建ち並ぶ国土であったという。

    アラビア地域に発したイスラーム教は、この時期まさに「イスラームの衝撃」とも言うべき、短期間で一気に不可逆的なブレイクアウトを起こした未曾有のムーヴメントであった。当時のスィンド州の人々は、まさにその現場を直に目撃し、体験していたわけである。

  • PARVAT MALA PLAN (山のネックレス計画)

    2月1日、国会の予算審議中のインドで、モーディー首相が大胆な取り組みを打ち出した。これまで「SWATH BHARAT (CLEAN INDIA)」や「MAKE IN INDIA」等々、人々にわかりやすいキャンペーンを次々に繰り出してきたBJP政権。この「PARVAT MALA(山のネックレス)」については、人口流出が続くヒマラヤ山岳地域で、人々がよその土地に活路を求める必要なく、地元で安心して稼いで暮らしていけるように、地域間のコネクティヴィティーを向上させて経済発展に繋げるというもの。同時に国境地帯のセキュリティ強化も視野に入れている。具体的などのような施策がなされるのかについては、今後のお手並み拝見ということになるが、2022-2023年度予算のひとつの柱となるものだけに、大きな国家プロジェクトとして発進していくことは間違いない。

    Budget 2022 | PM Modi Announces ‘Parvat Mala’ Plan For Hilly Regions On India’s Border To Boost Security PM Modi said that the ‘Parvat Mala’ scheme (REPUBLICWORLD.COM)

    そのプランの中で実施される事業のひとつには、以下リンク先のようロープウェイで地域間を結ぶということも含まれているようだ。

    たしかに山間をバスで走っていても、直線では20KMくらいでも道路は山岳地で迂回を重ねながら続いているため、ずいぶん時間がかかるもの。あるいは山でトレッキングしていても渓谷の反対側斜面に張り付いている「目の前に見える村」は、川を渡る手段がなければ別世界みたいなものだ。

    平地と違って、そうした障害物で幾重にも遮られている地域であるがゆえに、山のこちらと向こうでは違う文化が育まれていたり、極端な場合暮らしている人種まで異なったりする。まさに尾根が世界を遮断しているのだ。

    そんなヒマラヤの複雑な地形は、インドの多様性を支える要素のひとつでもあったわけだが、国民の統合であったり、教育や就労等の機会の公平性であったりという観点からは、やはり障害であって、こうした山岳地域でもコネクティヴィティーの改善については、英国時代も独立後も政府が不断の努力で道路を開通させたり、トンネルを掘ったりと試みてきたわけだが、敢えてモーディー政権がこのように目玉として取り上げるからには、大胆かつ具体的な青写真が、かなり確度の高い勝算のもとで描かれているのだろう。

    BJP政権は「やる」といったら大胆にやる。そしてしつこいほどに推し進めていく。国民から人気が高いのはモーディー自身への高い評価もあるが、BJP政権そのものが国民会議派その他よりもよほど実行力があるからだろう。個人的にはモーディー首相、そしてヒンドゥー至上主義のBJPについては、いろいろ思うところはあるのだが、肝心のガバナンスという面では他党がこれに取って替わることができるとは思えない。もし私がインド国民だったら、あるいはどこかの州民だったら、そんなことからBJPに投票するのだろう。

    インドのニュース雑誌のサーベイで見たが、今月から来月にかけて州議会選挙が実施されるUP州で、前回2017年の選挙のときにはムスリム票の大半は社会党、そして国民会議派にも行ったのだが、それでも約10%のムスリムはBJPに投票していたのだ。今回同様にムスリムの候補を立てないどころか、明らかにムスリムを敵視しているBJPなのに。

    Ropeway connectivity under Centre’s ‘Parvat Mala’ plan brings hope in poll-bound Uttarakhand, may be a game changer in the hills (Firstpost)

    また、「PARVAT MALA PLAN」の中で推し進めていくことになるのだろうが、「VIBRANT VILLAGE PROGRAM」というのも表明している。モーディーがグジャラート州首相だった時代の「VIBRANT GUJARAT」で内外からの投資を積極的に誘致して州の経済成長に大きく貢献したことを彷彿させるが、北部国境地域の村々を振興させようというもの。

    Budget 2022: Transformation Roadmap for Rural India (INVEST INDIA)

    そのいっぽうで、現在選挙戦が進行中のUP州の田舎では、与野党の間で何十年も変わらず「BIJLI, PANI (電気と水)」(の供給、安定的な供給)の約束が繰り返されるという、昔ながらの有様が続いているのが不思議といえば不思議である。

  • UP州議会選挙戦 ブラーフマン層への働きかけ

    先日、ニュース番組Aajtakの中のShwetpatr(白書)というプログラムで、UP州議会選挙に係る興味深いトピックを取り上げていた。同州のブラーフマン層の人たちはBJPの施策にたいへん不満があり、この部分からの支持を吸い上げようと、社会党(SP)、大衆社会党(BSP)といった、前者はヤーダヴとムスリムを中心とする大衆層・貧困層、後者はダリットを中心とする大衆層・貧困層を支持基盤とする政党だが、いずれもブラーフマン層への働きを強めており、この部分は選挙の行方を決めるひとつの要素となりそうとのこと。

    たしかにUP州では1988年のN.D.ティワーリー以降、34年間に渡りひとりもブラーフマンのチームミニスター(CM)は出ていないのは知っている。以下、歴代のUP州のCMのリストだ。

    州政府の幹部人事にも同様の傾向が強いのだという。現在はブラーフマンの登用は珍しくなっており、タークル層が主流を占めているのだとか。現在同州のCM、ヨーギー・アーディティャナートはサンニャースィー、つまり世捨て人なので、本来カーストとは無縁なのだが、彼はもともとタークルの家に生まれている。SPが与党のときにはヤーダヴ、BSPが政権にあったときにはダリット層が大量に登用されているので、やはりこうしたことはあるのだろう。

    「ブラーフマンの貧困層」はあまりクロースアップされることはないのだが、指定カースト、指定部族以外にOBCs(その他後進諸階級)指定により、進学・公部門への就職等でなにがしかの優遇措置が講じられている層と異なり、事実上まったく何の救済もないことからくる不公平感も強い。

    そんな中で進行中のUP州議会選挙で、社会党、大衆社会党といった「貧者救済の社会正義」を政策の柱のひとつとする政党が、「貧しきブラーフマン」からの支持取り付けを試みるという逆説的な現象が進行中。

  • エアインディア 国営航空会社からターター財閥系航空会社へ移行

    エアインディア 国営航空会社からターター財閥系航空会社へ移行

    ついにエアインディアは、国営航空会社としての歴史に幕を閉じ、起業時のターター・グループに戻り、民営航空会社エアインディアへ移行した。

    元々のエアインディア、つまり国際線を主体に操業していたときには、近年ほど深刻な経営状況ではなかったものの、2007年におけるインディアンエアラインスとの合併が大きな苦境を招いた。旧ソヴィエト連邦時代のエアロフロートのごとく、政治理由により存在する不採算路線がとても多かったこと、政治主導の経営であったこともあり、なかなか自助努力いうものは容易ではなかったことと思われる。

    リンク先記事には、今後の機内食その他のアメニティ、接客姿勢等について触れられているが、そのあたりは民営化による変化の本質ではない。今後、広大な路線の整理・統合、アライアンス内での他キャリアとの後半な協力関係の構築、事業所・施設や人員の整理、新たな労使関係の構築等々、さまざまな事柄が粛々と行われていくはずなので、数年のうちにエアインディアはまったく別の評価か与えられるキャリアに変貌することだろう。

    また、ターター・グループがシンガポール航空と合弁で運営しているヴィスターラー航空との関係はどのように位置づけられるのか、このあたりにも注目していきたい。

    Air India handover: See list of in-flight changes as ‘Maharaja’ gets makeover (INDIA TODAY)

     

  • UP州議会選挙報道

    UP州議会選挙報道

    聞け、皆の衆よ

    いまこそ権力への道が開く

    政治の闘争の火蓋が切って落とされた

    そこはウッタルプラデーシュ州

    ・・・という歌で、ニュース番組「Aajtak」のウッタルプラデーシュ(UP)州の選挙関連ニュースが始まる。

    地方選挙とはいえ、人口2億人近い、インド最大の州。いわゆる「ヒンディーベルト」の中心にあり、「UPを制する者はインドを制する」というわけではないが、ここを自党あるいは協力関係にある友党が抑えるか、それとも敵対関係にある勢力に取られるかで、中央政権にとって、国政運営の安定感がずいぶん違ってくる。

    また多極社会のインドにおいて、文化の中心地、核といったものがあちこちに存在しているとはいえ、やはりUPはそうした数多い中心地の中でも特に大きなもののひとつでもある。

    州選挙報道のテーマソングまで作って、選挙自体を日々様々な方面から報道し、スタジオに政党関係者や識者などを集めて討論するほどヒートアップするのが、こうした重要な州の選挙。

    前回選挙で初めてUP州政権党となったBJPが再選されるのか、それともヤータヴとムスリム、その他OBCs(後進諸階級)を票田とする社会党(Smajwadi Party=SP)が返り咲くのか。今回はダリットの女王マーヤーワティー率いる大衆社会党(BSP)の存在感は薄い。

    2月10日から3月7日に渡って、7つのフェイズで投票が実施される。州の有権者たちが下す決断が明らかになるのは最後のフェイズが終了してから。人口2億人の巨大州の行方やいかに?

  • スワーミー・プラサード・マウリャーのBJP脱退

    今年2月から3月にかけて行われるUP州議会選挙を前にして、同州BJP重鎮、州政府の閣僚ポスト経験者のスワーミー・プラサード・マウリャがBJPを脱退して社会党に入る模様というニュース見て仰天。昨夕のAajtakでは本人へのインタビューも実施されていて興味深かった。
    かつてはマヤワティの大衆社会党、そしてBJPへと鞍替えして今度は社会党。いつも「勝ち馬に乗る」人なので、もしかしたら今回は社会党政権復活か?という観測も一部で出ている。
    マウリャは下層出身でヒンドゥーからの改宗仏教徒。いわゆるネオブディストだ。
    BJPではこの社会層を代表する存在で、彼が抜けると同州の被抑圧層からの支持とアピールには弱いBJPにとっては大きな打撃である。

    Will join Samajwadi Party on January 14, says Swami Prasad Maurya day after quitting UP Cabinet (THE ECONOMIC TIMES)

  • ミッショナリーズ・オヴ・チャリティー(神の愛の宣教者会)とBJP

    世俗主義、マイノリティー擁護のトリナムール・コングレス政権の西ベンガル州から、ヒンドゥー保守派からの支持取り付けを企図する中央政権党BJPの試み。最終的にミッショナリーズ・オヴ・チャリティーが支援を受け取ることを認めたものの、おそらくBJPとしては、一定の効果を得た感触があったに違いない。目的はマザーテレサの団体の息の根を止めることではなく、「問題提起して大衆を啓蒙する」ことなので、知名度の高いこの団体を攻撃してみせることについて、よくよくプランを練ったうえでのアクションだったはず。このあたりの宣伝活動は、いつも彼らは巧みだ。

    来月には北部の重要な州、UP州の州議会選挙もあることから、こうしたマイノリティーへの牽制や対立する陣営や勢力へのリードパンチは、手を替え品を替え続くのだろう。先日、UP州のチーフミニスターのヨーギー・アーディティヤナートの演説をAajtakのニュース番組で見たが、「州内の8割(ヒンドゥー、ジェイン、スィクなど)の人たちが支持してくれれば良い。残りの2割(ムスリム等のマイノリティー)はどうせあちら側(世俗主義政党や左翼政党など)に投票するのだから。ここは我ら8割のためのUP州だ」というようなことを平気で言い放っていた。典型的なアイデンティティ・ポリティクスである。

    長らく世俗主義、融和的、左派支持であった西ベンガル州で、そういう層を掘り起こして、拡大して、大きなうねりを起こしてUP州のようにしたい、というのがBJPの狙いであり、同時にこれから選挙のシーズンに入るUP州でもマイノリティーへの警戒感を高めて、支持層の結束を図るという目的があるはずだ。

    しかしながら中道左派、世俗主義の国民会議派に較べて、BJPは比較的クリーンであること、統治の効率性も経済や治安対策もよほどしっかりしており、少なくとも彼らの側に立つマジョリティの有権者にとっては、コミュナルな問題を内包しつつも、BJPこそが「間違いのないベターな選択肢」でもある。彼らに拮抗する世俗勢力が見当たらないのが、今のインド政界のトレンドであると言える。

    マザー・テレサ団体に一転許可 外国からの支援受け取り―印 (JIJI.COM)

  • Coronavirus LIVE

    現在「第3波」に見舞われているインド。以下のURLには同国におけるコロナ関係の記事が順次アップデートされているが、1月22日18:19(IST)時点では、直近の24時間で20万人近くの人々が感染したことが伝えられている。インドにおけるデルタ株による「第2波」では、1日で40万人を超える感染者数を記録していたインドだが、今回はこれを軽く超えることになるかもしれない勢いだ。

    昨年末までは、国内でオミクロン株による感染は伝えられていたものの、同国のメディアは遠からず第3波が来るであろうことを警告しつつも、「現在までのところ大きな感染の波が起きる予兆はない」としていたのだが、年が明けると一気に拡大している。このあたりは日本のそれと似ているとも言える。デルタ株の3倍とも言われる強力な感染力と、感染してから概ね3日半くらいで発症するという潜伏期間の短さ、加えて感染者のうち3割程度の人たちは無症状のままで気付かないまま通常通りに仕事をしたり、生活したりしているため、知らずに感染を広めてしまうということも背景にあるようだ。

    デルタの頃に較べて救いと言えるのは、重症化する割合が低いとされることで、まさにこれがゆえに、インドでもそうだが、日本でもこれほどの速度で爆発的に広がっている割には、社会にあまり緊張が感じられないのかもしれない。

    欧州では、今後6~8週間ほどで、域内の人口の半数程度が感染する見込みとも伝えられている。ブースター接種の効果と併せて、膨大な人口が免疫を獲得することとなり、同時進行で治療薬も普及していくことから、まず米国やEUなどが新型コロナへの感染症指定をインフルエンザ同様のレベルに落とし、その周辺地域や日本その他の国々も追従することにより、それぞれの国・地域における新型コロナ対応策の緩和、国境を越えた活発な往来の再開へと繋がり、コロナ禍の収束へと向かうことだろう。

    もちろん新型コロナウイルスが雲霧散消することはないので、「終息」ではなく「収束」で、ときおり地域的に流行が拡大したり、落ち着いたりを繰り返しながら、ちょうど季節性のインフルエンザがそうであるように、「いつものこと」として、今後の私たちは対峙していくことになるのだろうか。

    Coronavirus LIVE: Data suggests reduced risk of hospitalisation for Omicron compared to Delta, says health ministry (INDIA TODAY)

  • 「乗客の過半数以上が陽性」は誤り

    先週木曜日、そして金曜日にイタリアからアムリトサルに到着したフライトから175名中125名、同じルートの別のフライトの290名中150名がインド到着後の検査で陽性と判明という驚きのニュースに腰を抜かしたが、どうやら問題は乗客ではなく検査機関にあったようだ。現在はこの機関は別の検査機関に交代させられているとのことで、もはやこのような驚愕の結果は出ていないとのこと。

    だいたいイタリアから搭乗する前にも検査を受けているはずなので、目的地に着いてみたら「あら不思議!全乗客の半数や3/4が飛行中にアッという間に陽性に!」なんてことが起きるはずがないのだ。(笑)

    インドでは、ときに物凄くいい加減な事が起きるものだ。

    以下は当初伝えられていたニュース

    125 passengers of Italy-Amritsar chartered flight test positive for Covid-19 (INDIA TODAY)

    150 passengers of another flight from Italy test positive for Covid upon arrival at Amritsar airport (INDIA TODAY)

    こちらは空港の検査機関に問題があったらしいことを伝えるニュース

    Covid-19: India lab investigated over 298 positive tests on flights from Italy (BBC News)

    Lab under scanner after 200 test positive at Amritsar airport (THE HINDU)

    Covid positivity rate at Amritsar airport dips 5-times after lab change (Hindustan Times)

  • インドの第3波

    12月下旬あたりまでは感染状況が落ち着き、1日の新規感染者数が6,000人前後になっていたインドだが、現在は感染拡大「第3波」により、本日1月9日時点で直近24時間の感染者数が14万人を超える事態となっている。

    Coronavirus Live Updates: India Reports 1,41,986 New Covid Cases, 285 Deaths (INDIA TODAY)

    https://www.ndtv.com/india-news/coronavirus-live-updates-india-reports-1-41-986-new-covid-cases-285-deaths-2697401

    これに先立ち、1月6日には、アムリトサル空港でイタリアからのフライトで到着した160人の乗客のうち、125人が新型コロナ陽性というニュースが流れていたのだが、この日同じくイタリアからアムリトサルに着いた別のフライトにおいては、乗客290人のうち150名が陽性というショッキングなニュースもあった。

    Punjab: 125 passengers of Italy-Amritsar flight test Covid positive on arrival (The Indian EXPRESS)

    150 passengers of another flight from Italy test positive for Covid upon arrival at Amritsar airport(INDIA TODAY)

    昨年10月にチャーター機での入国による観光客受け入れ再開、11月からは定期便を利用して入国する観光客の受け入れを再開していたが、世界で感染力の強いオミクロン株の流行していることにより、一度は緩めた水際措置を再度強化する方向に舵を切っている。

    始まったばかりのインドの第3波。どこまで拡大していくことになるのだろうか。

  • URBANPODという鉄道駅構内宿泊施設

    URBANPODという鉄道駅構内宿泊施設

    鉄道駅のリタイアリングルームといえば、大部屋にたくさんのベッドが並んでいた李、簡素な部屋が用意されていたりするが、大きな駅だといつも満室でなかなか利用することはできなかったりする。繁華街に面していたり、商業地に近い場所にある鉄道駅ならば、他に宿はたくさんあるので困ることはないのだが、ヘトヘトになって深夜過ぎに到着したりしたときには、やはり駅構内にある宿泊施設が利用できるとありがたいものだ。

    ムンバイセントラル駅構内に日本のカプセルホテルのような宿泊施設「URBANPOD」が出来たそうだ。こちらは国鉄ではなく民間業者による運営だ。同様のサービスが他の主要駅にも広がることを期待したい。

    Staying in India’s First Pod Hotel | Under Rs1400 | Urbanpod (Youtube)

    India’s First Capsule Hotel Tour | UrbanPod Hotel Mumbai | Only 900 Rs. Per Night (Youtube)

    India’s First Capsule Hotel For Train Traveler | Urbanpod Hotel Tour Mumbai Central | Rs.799 per N (Youtube)

  • ムスリムの政党

    英領期、独立運動の高まるインドで「インドムスリム連盟」が国民会議派と袂を分かち、印パ分離独立へと導いたが、それとは裏腹に独立後のインドでは、「イスラームを旗印にする政党」はなかった。それほどインドのムスリム社会はリベラルかつ融和的であると言える。ムスリム票の主な行き先は国民会議派及び左派政党。つまり左寄り勢力と相性が良い。

    正確にはまったく存在しなかったわけではないのだが、地下組織ではない合法的な政党として、イスラーム主義を掲げてイスラーム教徒を票田として、国政や州政治を左右する存在はなかった。

    「J&Kにはいくつもあるではないか」と言われるかもしれないが、カシミールにおけるそうした政党はイスラーム主義ではなく、カシミールの民族主義政党だ。中央政界に融和的でカシミールにも地盤を持つ国民会議派などの世俗政党と友党関係にある政党もあれば、中立的な党もあり、はてまたインド共和国からの分離を志向するグループもあるが、いずれもムスリムのカシミーリーであり、80年代後半から90年代にかけて当地を追われたカシミーリー・パンディット(カシミーリー・ヒンドゥー)に同情的ではないとはいえ、彼らは民族主義者である。

    そんな中で、この5、6年ほどの間にちょっと注目すべき存在が浮上している。それはAIMIM(All India Majlis-e-Ittehadul Muslimeen)だ。

    独立後に正式な政党となったイスラーム組織だが、英領時代にハイデラバード藩王国で組織され、藩王国の支配者であるニザームと彼の元での体制に対する翼賛団体Majlis-e-Ittehadul Muslimeen (MIM) を起源とする。

    わずかな議席を得て、国政と州政治(アーンドラプラデーシュ州。州の分離後はテーランガーナー州)の舞台に登場したのは1989年と遅く、ハイデラバードを地盤とする弱小政党であり、影響力も存在感もほとんど無視してよいスケールであった。イスラーム政党というよりも、むしろニザーム体制の名残りからくる地元主義政党のひとつであったとも言えたかもしれない。

    それが2010年代に入るあたりから、強い発信力と一部でカリスマ的な人気をあらわし始めたアサードゥッディーン・オーウェースィーのリーダーシップのもとで、国政選挙や他州の州議会選挙にも積極的に展開するようになっている。

    先の西ベンガル州議会選挙でも、州与党で女傑マムター・バナルジー率いるTMC、TMC追い落としを狙い、党のツートップであるモーディーとアミット・シャーが盛んに現地入りしての闘いで、票が拮抗した場合にはAIMIMがキングメーカーとなるかも?という観測すら一部にはあった。

    来年予定されているUP州議会選挙にも意欲を見せており、今後もそうした拡張路線は続けていくのだろう。

    「イスラーム主義政党」が未来のインド社会に波紋を広げていくことになるのかどうか、それとも従前どおりムスリム票は中道左派及び左派政党へと向かうのか、推移を見守りたい。

    Row in Bihar assembly as AIMIM MLAs refuse to sing vande mataram (THE NEW INDIAN EXPRESS)