いただけない朝食

ムンバイで利用した宿では朝食込み、午前8時から10時までの間に提供ということになっていた。早起きして外出してすでに食べているのだが、宿で用意しているのはどんなものかと、一応朝食時間に戻って確認してみることにした。
外から戻った際にフロントで「朝食を」と伝えると、「部屋に届けさせる」とのこと。このホテルでは宿泊客が顔を合わせるような場所は、このフロントしかないのであった。

部屋に戻ると、間もなくスタッフがプラスチックのトレーを持ってやってきた。
食パン、バター、ジャム、ティーバッグ、インスタントコーヒー、砂糖とミルクパウダーという簡素なもの。それは構わないのだが、やはり部屋の中で一人で食べるというのはつまらない。他の宿泊客と会話しながら、あるいはそうでなくてもそうした人々を目にしながらというのがやはり楽しい。
一度おしゃべりしてから二度ともう会う機会のない人がほとんどであったりするが、話をしながら何か良い情報をもらうなど新しい発見があったり、一日行動を共にしたりすることもある。ある程度親しくなればSNSで繋がり、しばしば近況のやりとりをしたり、ときどき会うようになったりする相手もある。それらもまた旅行の楽しみである。
朝食をひとり自室で食べると、気楽かもしれないが、何も良いことは起こらないのである。

各地のパーン勢揃い

バリエーション豊かな品揃えのパーン屋さん。売り手のお兄ちゃんは西ベンガル出身とのことで、やたらとカルカッタ式のものを勧めてくる。
私はパーンを嗜む習慣はないので、それぞれどのような特徴があるのかについては、トンと見当もつかないのだが。
映画「Don」に出てきた挿入歌にKaike Paan Banaraswalaというのがあったが、その「バナーラスワーラーはどれだい?」と尋ねると、下の画像上部に見える小さなちまき風のものがそれだとのこと。
(アミターブ・バッチャン主演で1978年に公開された「Don」は、シャールク・カーン主演でリメイクされ2006年にリリースされている。)

OLYMPIA COFEE HOUSE AND STORES

昔ながらのムンバイらしいカフェと軽食の場。夜明け前から営業しているので、早朝の散歩前の腹ごしらえにも最適だ。

今回の宿泊先には朝食が付いているのだが、提供されるのが朝8時からと遅いこと、街中で人々集まっているところで食べたいということもあり、コラバコーズウェイにあるオリンピアへ。ここでの定番は「キーマパウ」文字どおりキーマとふんわり焼き上げた洋式パンのセットだ。お客のたいていがこれを食べている。

メニューを見ていると、「バルク」での注文受付もあるのが面白い。界隈に住んでいて、急に大勢のお客が家に来ることになったりしたら重宝することだろう。

OLYMPIA COFEE HOUSE AND STORES
店内
キーマパウ
清涼感のある眺め
「バルク」というのが面白い。

ムンバイのビンディー・バーザール界隈

ビンディー・バーザール界隈
ムスリムは社会党の票田

このありたはムスリム地区だけあって、バッジやウムラーなどのイスラーム巡礼を取り扱う旅行代理店が多い。

イスラームの巡礼関係を中心に扱う旅行代理店が多い。

ミナーラー・マスジッドの外側にはテナントとしてお菓子屋が入っている。売られている甘いものはどれも美味しそうだ。このモスクの中には聖者廟もあった。

ミナーラー・マスジッド
洋風の意匠をふんだんに取り入れた絢爛たる建築
ミナーラー・マスジッド内部
ミナーラー・マスジッドにはダルガーも入っている。
マスジッド外側にはテナントとして菓子屋が入居している。

ドングリー地区に近いこの界隈は、赤線地帯のすぐ近くのバイクラー地区と並んで、インド国内や周辺国で暗躍するムンバイヤクザの大物たちの故郷。

ダヴード・イブラーヒムやチョーター・シャキール等の巨頭もこのあたりで育っている。近い将来の「ドン」もやはりこのあたりから出るのだろうか?フセイン・ザイディによるノンフィクションのムンバイヤクザストーリーを愛読する私にとって、ひとつの聖地である。

界隈にはなかなか有名な食事処もある。

ビンディー・バーザール地区の一角にはシーア派イラン系の人が多い地域もある。イラーニー・マスジッド(またの名をムガル・マスジッド)があるあたりがそうだ。

青タイル細工が美しいイラーニー・マスジッド

イラーニーを名乗る店

朝食

ムンバイのユダヤレストラン

コラバにあるユダヤ教施設ナリーマンハウスの中にはコーシャル・ムンバイというレストランがあることを知った。だだしその日は土曜日、つまりサバース(ユダヤ教の安息日)であるため、どうかと思い電話してみたが誰も出ない。まあ近いので行ってみることにした。

ムスリム地区にあるこのユダヤ教施設。昔からユダヤ人が多かったコラバだが同じくユダヤ人コミュニティの存在で知られたフォート地区、バイクラー地区と異なり、ここにシナゴーグが建てられたことはない。別名チャダードハウスとしても知られるこの施設には、世界各地から来るユダヤ系の人たちのための宿泊施設も有している。

だいぶ前に前を通りかかったときの記憶とは、佇まいがずいぶん違っているのは、2011年のムンバイ同時多発テロが背景にある。VT駅、レオポルドカフェ、トライデントホテル、タージマハルホテルなどとともに、あの事件の舞台となったひとつの施設だ。テロリストたちがナリーマンハウスに立てこもり、ここを取り仕切るユダヤ教司祭家族、宿泊者等多数が殺害されている。タージマハルホテル同様、ナリーマンハウスにも、デリーから出動した特殊部隊が突入し、事件発生50数時間後に制圧された。

そんないわくつきの施設となってしまったが上に、今も非常に厳しいセキュリティ体制が敷かれている。ここに入っている「コーシャル・ムンバイ」は、日曜から金曜までの午前9時半から午後9時まで(金曜日のみ午後1時半まで)の営業であることはわかった。

Kosher Mumbai (CHADAD OF INDIA)