ボーパールの悲劇から30年

1985年12月2日から3日にかけて発生したユニオンカーバイド社の工場からの殺虫剤の原料となる成分からなるガス漏れ事故から今年でちょうど30年経過したことになる。

マディヤ・プラデーシュ州のボーパール市の住民のうち55万名を超える市民がこの毒ガス被害を受けたとされ、死者の数は2,500名とも3,800名とも言われるが、この毒ガス被害により半月の間に亡くなった方は8,000を超えるという説もあり、今なお史上最大級の産業事故である。

この事故に関するあらましは以下のリンク先をご覧いただきたい。
The Bhopal disaster and its aftermath: a review (ENVIRONMENTAL HEALTH)

この事故はノンフィクションで取り上げられたり、映画やドキュメンタリーとして制作されたりするなど、世間の関心は高い。

書籍ではドミニク・ラピエールおよびジャヴィエール・モローによるIt Was Five Past Midnight in Bhopal、映画ではBhopal Expressといった作品が入手しやすい。

また、BBC制作のONE NIGHT IN BHOPALはYoutubeで閲覧することができるので、ぜひご覧いただきたい。

ONE NIGHT IN BHOPAL (BBC)

今年12月5日からはインドでラヴィ・クマール監督によるBhopal: A Prayer for Rainが公開されるが、すでにニューヨークの映画館では11月7日から、ロサンゼルスその他の都市では11月14日から封切りとなっている。

この未曾有の大災害とそれから得た教訓を決して風化させてしまってはならない。そのためには事故に関する真実を今後ともみんなで共有していく必要がある。

Namaste Bollywood #41

Namaste Bollywood #41

ナマステ・ボリウッド#41が発行された。今回の特集は10月中旬に東京、高崎、大阪の三つの会場で開催されるIndian Film Festival Japanである。

今年で3回目となるこの映画祭は、東京(ヒューマントラストシネマ渋谷)においては10月10日から17日まで、高崎(シネマテークたかさき)と大阪(シネ・ヌーヴォ)では10月18日から24日までが会期となる。

10月10日のオープニングイベントに出演するために来日するのは誰か?!というところも大いに興味をそそるところであるが、今回の映画祭もまたMadras Café、Barfi !、Pied Piperその他のキラ星のような傑作タイトルがその名を連ねているので、大いに盛り上がること間違いなし!

2015年に日本公開となるであろうボリウッド映画の予測、ボリウッド都市伝説の検証その他のカラフルな記事を読み進んでいくと、今後日本の劇場で鑑賞できるムンバイー発のヒンディー語映画の幅が更に広がっていくことを期待せずにはいられなくなる。

なお、同誌のフリーペーパー版はこれが最終号となり、次回からは増ページした有料版へ以降するとのことで、更にパワーアップした誌面を楽しみにしたい。

購入方法等については、やがて同誌のウェブサイトにて案内がなされることと思うが、詳細が明らかになればindo.toでもご紹介したいと思う。

ターラープルの原発を取り上げた映画「ハイ・パワー」

2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれにともなう福島第一原発の深刻な事故が発生した後、しばらくの間は日本国内で盛り上がった反原発運動だが、このところずいぶん「鎮静化」してしまったのが気にかかる。

まさに「喉元過ぎれば・・・」ということわざどおりなのかもしれないが、当の原発事故はいまだ終息したわけではなく、現在も進行中であること、この事故による被災者の方々はいまなお避難生活を送ることを余儀なくされていること、汚染が危険なレベルであるにもかかわらず、効果のよくわからない「除染」で誤魔化してしまおうとしている行政等々、さまざまなトラブル等がすべて未解決である現状を思うまでもなく、日本人である私たちが直視して考えていかなければならない問題だ。

インドのマハーラーシュトラ州のターラープルといえば、原子力発電所があることで知られているが、この原発が地元に与え続けてきた負の面を告発した映画である。あらすじについてはこちらをご参照願いたい。

すでに日本国内のいくつかの場所ですでに確定した上映スケジュールが告知されているが、興味深いのは映画の内容だけではない。上映と監督ともに「招聘」することができるという部分も特筆すべきところだ。

原発については、その存在の是非だけではなく、これによって支えられる産業のありかた、成り立つ社会のありかた、ひいてはインド、日本その他の国による区別もない、地球上の私たちの暮らしのありかたを含めて、みんなが真面目に考えていかなくてはならない問題である。

※映画紹介のウェブサイトには「タラプール」とありますが、正しくは「ターラープル」であるため、本記事における記載は「ターラープル」としました。

Namaste Bollywood #40

おなじみNamaste Bollywoodの第40号(2014年7月/8月号)が発行された。巻頭を飾るのは2010年に公開されたサルマーン・カーンのダバング 大胆不敵 (原題:Dabangg)だ。7月26日からシネマート新宿ならびにシネマート心斎橋を皮切りに、全国で順次ロードショー公開されるとのこと。

すでに6月末から公開されているマダム・イン・ニューヨーク (原題:English Vinglish)とともに、私自身にとってもお気に入りの映画であるから嬉しい限りである。

だが、この夏に日本で公開されるボリウッド映画はこれら2本に限らず、8月からはバルフィ 人生に唄えば(原題:Barfee)めぐり逢わせのお弁当(原題:The Lunchbox)も控えているというから、今年は「当たり年」なのかもしれない。

これらの映画に出演している俳優陣で、個人的に最も思い入れの深いのはシュリー・デーヴィーだ。80年代に活躍した彼女は、銀幕のヒロインとして圧倒的な存在感とともに、観客の前に天から舞い降りた、文字通りの女神であった。私にとってもインドのヒンディー語映画の原体験といえば、彼女が主演したNaginaであり、映画の挿入歌のMain Teri Dushmanをごくたまに街角で耳にするようなことがあると、初めてインドの映画を観たときの新鮮な思いが蘇ってくる。

English Vinglishは、結婚とともに銀幕から引退していた彼女が20年ものブランクの後に復帰した記念すべき作品で、かつての美しいヒロインが今はどういう風になっているのか、淡い期待とともに、ひょっとしたら観なければ良かったと後悔するのではないかという思いが交錯しながら鑑賞した。

スクリーンに登場したシュリー・デーヴィーは、確かに齢を重ねて、かつてアイドルであった彼女ではなくなっていた。それでも美しさと清楚さは相変わらずで、おそらく映画以外の部分でも豊かな人生経験を積んできたためか、深みのある演技を見せる大人の女優に変貌していた。そんなシュリー・デーヴィーの姿に改めてゾッコン惚れ直した次第である。

他にもNamaste Bollywoodによるイベントの告知も必見だ。8月6日(水)には、ダバング」公開関連企画〜ボリウッド・トーク・イベント@東京・阿佐ヶ谷ロフトAが開催される。

ボリウッド映画ファンにとって、今年はとりわけ熱くてホットな夏となりそうだ。

5月の代々木公園は「タイ月間」

2014年5月17日(土)と18日(日)に、東京都渋谷区の代々木公園でタイフェスティバル2014が開催される。例年大盛況のイベントであり、今年も大勢の人出が予想される。すでに代々木公園のイベント広場も手狭になっているのだが、他に替わる会場がないため、仕方ないのだろう。

そのちょうど1週間前の5月10日(土)と11日(日)には同じ会場にて、やはりタイ関係のソンクラン・フェスティバル2014も開催される。さらには、タイフェスティバル開催後には、5月24日(土)と25日(日)のラオスフェスティバル2014、そして5月31日(土)と6月1日(日)に行われるメコンダンスストリート2014というイベントもやはりこの場所で開かれるため、タイ料理レストラン、タイやその周辺の製品を扱う食材や民芸品等の業者、NGO等々については、連続して出展してくるところもあることだろう。また、来場するお客の層も大きく重なるものがある。

今年の5月の代々木公園は、さしずめ「タイ月間」といった様相になりそうだ。