遠からずミャンマーでクレジットカード、ATMの利用が可能に

経済制裁のため、クレジットカード(ヤンゴンの外資系の一部のホテルを除く)もATMも使用することができず、トラベラーズチェックを使うこともできないため、頼りになるのは米ドル紙幣のみといった具合が長く続いていたミャンマーだが、そうした不便は遠からずに過去のものとなりそうだ。

欧米先進国による制裁緩和(一部解除、期限付き停止等)が順調に進む中、もっぱら経済面で注目を集めている同国だが、当然のごとく金融・外国為替の方面での大幅な改善が見込まれている。

少し前に、ヤンゴン在住の方がFacebookでリンクをシェアしておられたが、近いうちにクレジットカードが利用できるようになったり、外貨送金も可能となる見込みのようだ。

Visa, Mastercard on the way, says banker (THE MYANMAR TIMES)

三井住友銀、ミャンマーに営業拠点 外国の銀行として初(日本経済新聞)

当然、トラベラーズチェックの換金も出来るようになるはずなので、滞在中の資金として持ち込むのが米ドル現金のみという不安も解消できることになる。

同様に、ミャンマーの人たちが海外に出る際にも利するところが大きい。少しまとまった金額の外貨となると、国外への持ち出しに制限がかかる現状は変わらないのかもしれないが、少なくとも正規の送金ルートが出来るということで、外国に留学する際などにも大変便利になることだろう。

ミャンマー在住の親御さんの支弁による日本留学はあり得ず(いかに裕福な両親であったとしても)、国外ないしは日本に住む身内が経費を支払うという前提でないと、ヴィザ取得不可という現状の不便さは解消されることになるはずだ。

東京ジャーミイ

1938年に完成し、老朽化のため1986年に解体された代々木モスクを前身とする、現在の東京ジャーミィが落成したのは2000年のことだ。代々木モスクに先駆けて、1935年に出来た神戸ムスリムモスクと並び、日本で最も伝統あるモスクのひとつということになる。

神戸ムスリムモスクは、建立時から神戸在住ないしは商用等で出入りしていたインド系ムスリムの人々との関わりが深かったのに対して、代々木モスクのほうはトルコとの繋がりが強かった。これを引き継いだ東京ジャーミイのウェブサイトが日本語・英語・トルコ語の三言語による構成となっていることからもわかるとおり、現在もその様相は変わらない。

それもそのはず、建立時の一部の寄付を除けば、外国政府の影響を受けていない神戸ムスリムモスクと異なり、こちらは在日トルコ大使館の管轄下にある施設である。ゆえにトルコ文化センターとしての機能も兼ねており、観光その他の資料等も配布されている。

その他、首都圏では東武伊勢崎線沿いに点在する簡素な礼拝所、加えて小田急線沿線にもいくつかあるそうした施設には、南アジアと縁が深いタブリーギー・ジャマアト関係のものが多いこととも対照的だ。

日本国内で、東京・神戸以外の地域に目を向けてみると、名古屋にある「名古屋モスク」愛媛県の「新居浜マスジド」、福岡の「福岡マスジド」といったあたりが広く知られているが、やはり資金力の関係から視覚面でのアピール度といえば、小ぶりながらも壮麗なオスマン様式の建物で観る者の眼を楽しませてくれる東京ジャーミイの右に出るものは今までのところない。

首都圏ご在住で、まだ訪れてみたことがないという方は、ぜひ足を運んでいただきたいと思うが、遠方にお住まいでそういう機会はないという方も、東京ジャーミイのウェブサイトで公開されているパノラマ画像を楽しむことができる。

蛇足ながら、先に挙げたいくつかのモスクのように日本国外からやってきたムスリムならびに日本国内のイスラーム改宗者のための礼拝施設、修養の場とは異なり、日本社会そのものを対象とするイスラーム文化の広報活動の最も活発な一例としては、サウジアラビア王国大使館付属の文化機関で、東京都港区元麻布にあるアラブ イスラーム学院が挙げられる。リヤドにある国立イマーム・ムハンマド・イブン・サウード大学の東京分校という位置付けになっている。豊富な資金を背景に、こうした機関を通じて、日本人に対するアラビア語その他の教育に加えて、出版・啓蒙活動を展開している。

日本は、イスラームという宗教やその文化背景と縁が薄いため、一般の人々の関心がなかなか向かない反面、歴史の中でこうしたコミュニティとの衝突や軋轢をまったく経験したことがない土壌。警戒心も反感もないという点は、こうした活動を行なう側にとっても私たちにとっても幸いなことかもしれない。

英語で学ぶタイの大学

ヤンゴンバスターミナルで、自分が乗るバスの出発時間まで時間潰しをしていたら、フランス人の若い女性の二人連れに会った。

この人たちは、二日に一晩は夜行バスで移動しているとのことで、短い期間にバガン、マンダレー、カロー、インレー湖と来て、ヤンゴンに到着したところで、これから西の方角にある海岸に向かうのだという。

ビーチで二泊した後、ヤンゴンに戻ってバンコクに飛び、さらに二日後にはラオスに向かうのだそうだ。なぜそんなに忙しい旅行をしているのかというと、バンコクに留学中で、フランスに帰省する前に、周辺国をあちこち訪問したいのだとか。

タイに留学というからには、何かタイそのものに関することを学んでいるのかと思いきや、「経営学」だという。授業はすべて英語でなされるとのことで、主に外国人留学生(および英語で学びたいタイ人学生)の獲得を主眼に置いたコースであるようだ。そんなわけで、タイ語はほとんどできないとのことであった。

近年、多くの国々で留学生の招致がひとつの産業として位置づけられ、様々な工夫がなされている。決して数は多くはないものの、日本でもそうした大学あるいは学部、研究科等あるが、公用語として使われているわけではない英語での授業となると、大学側には並々ならぬ苦労があるようだ。

また学生にとっても、例えばそうした大学で学士号を取得しても、日本国内で学外の大学院に進学する場合、「やっぱり日本語が必要だった!」ということで、それまで軽んじていた日本語を、ほぼゼロから学ばなくてはならなくなったというケースも耳にする。

留学生活は、クラスでの授業がすべてというわけではなく、そこでの生活もあり、交友関係等もあるので、英語が公用語として広く用いられている国々ならともかく、地元の生活との乖離がはなはだしい土地ではどうかな?とも感じる。

しかしながら、本人の意欲と頑張り次第で、そこに暮らしていてこそ、地元の言葉を習得することも可能であるので、留学先としてこういう選択があってもいいと思う。「英語で学ぶタイの大学」の案内として、以下のようなウェブサイトがある。

タイの大学へ行こう!英語で学べるタイの大学

とりわけ今後の人生を、タイに関わりを持っていきたいと考えている方には、有力な選択肢のひとつかもしれない。

 

格安タブレットPC その名もアーカーシュ(大空・天空)

だいぶ前から開発が進められていることが伝えられていたインド製格安タブレットPC『アーカーシュ』がついに姿を現した。

価格は1,750Rs、およそ35米ドルと、これまでのタブレットPCよりもはるかに安い。インドの人材開発省主導のプロジェクトで、IITとイギリスのDataWindによる共同開発だ。

目的は、インドの津々浦々の学生・生徒たちへのデジタルデバイスの普及による教育効果とデジタルディバイドの解消。もちろんハード面のみならず、今後はより安価なネット接続環境、無料Wifiアクセスポイントの普及が求められることになる。

OSには何を搭載しているのか不明であるし、実機に触れてみていないので、使い勝手がどんな具合であるのかわからない。

下記リンク先記事にもあるように、タッチスクリーンの性能や処理速度など、他のタブレットに大きく劣るであろうことは容易に想像できるものの、やはりこの価格で実現できるところに意義があるのだろう。インドのみならず、他の途上国からも今後引き合いがあるのではなかろうか。

India launches Aakash tablet computer priced at $35 (BBC NEWS South Asia)

だが、こうしたモノを安価に製造することに長けており、起業家精神に富む中国からも、そう遠からずこうした格安のタブレットPCが出てくるのではないかとも想像している。その潜在力は、すでにiPhone, iPad等のコピー製品の流通からも証明されている。

もちろん、このアーカーシュの開発は、商業ベースによるものではなく、これを政府がまとめて買い取ることにより、教育の場に普及させるという使命を帯びたものである。やがて、世間でタブレットPCの類の利用が広まり、政府によるこうした補助なしで、学生・生徒たちの誰もが難なく安価なタブレットを購入できる環境が出来上がったとすれば、それはそれで喜ばしいことであろう。

このアーカーシュ、私もぜひ試し一台入手してみたいと思っている。

インド人講師の英会話教室

日本国内どこに行っても英会話教室の広告を見かける。多くは『ネイティヴの講師』を売りにしていて、アメリカ、イギリス、オーストラリア他の『英語を母語とする』人々が教えることになっている。

だが英語の教員という点では、インド人もなかなか評判がいいことをご存知だろうか。産油国方面で英語を教える、英会話を教えるといった仕事に就いているインド人は昔から少なくないようだ。

また、実はあまり広く知られていないようだが、インドの隣国ブータンは1970年代から学校教育の場で、国語のゾンカ語以外の教科は英語で教えるようになっている。その教育の英語化を導入するにあたり、当時まだ英語を自由に使うことのできる現地教員の数がとても少なかった時期に、非常に大きな役割を果たしたのは同国の要請により、大量に派遣されてきたインド人教員たちである。

そんなわけで、英語教育の分野で実績のあるインドで、現地の英語教職者を使って、日本人に対してインターネット経由でオンラインレッスンを行なう英会話教室がある。

MOA (MINATOMO ONLINE ACADEMY)

インドの教育資源を活用した面白い試みであり、こうした事業の今後の進展にも注目していきたい。