世界遺産検定

 11月18日(金)に、NPO法人世界遺産アカデミーによる「第1回 世界遺産検定」実施の発表が行なわれた。
 世界遺産の知識を広げ、啓発と保全活動の輪を拡げることを目的としており、検定料の一部は、世界遺産アカデミーを通じてユネスコ世界遺産センターに対して各世界遺産の保全活動基金として寄付される。
 この検定にパスすることにどんなメリットがあるのか、何か役立つことがあるのかよくわからないのだが、旅行好きの年配の方々などが趣味で受けてみたりするのかもしれない。 
 ツアーガイドその他観光関係の仕事にたずさわっている人たちにとっては、世界各地の観光名所について必要な知識や教養を身につけているどうかをはかる目安になるのかな、と私は想像している。
 第1回の世界遺産検定は、2006年6月18日(日)に東京と関西で実施される予定だ。申込期間は、郵便による申込受付の場合は来年1月16日(月)から 2月28日(火)まで、インターネット・マルチコピー機による申込受付は同1月16日(月)から 3月31日(金)である。受 検 料 は消費税込みで3,675円。試験の合格者に対して、認定通知を平成18年8月中旬発送予定とのことだ。
 現在登録されている世界遺産は812ヶ所。インドはもちろん言わずと知れた世界遺産の宝庫だが、これらについてどんな問題が出題されるのだろうか。

インドに注目

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 ニューズウィーク日本版では、今週から2週連続でインド特集が組まれる。現在発売中の11月23日号は「第1弾 ビジネス編」で、次週11月30日号は「第2弾 外交パワー編」となり、現在のインドの経済と政治の動向をカバーしようという意欲的なものである。

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何が良いのか悪いのか

 昔、外からはあまり事情がよくわからなかった時代の中国からのニュースで、「天才××少年」などといったタイトルで紹介されるものがよくあった。それは暗算であったり、スポーツであったり、音楽の演奏であったりした。往時の共産圏では国内外へのプロパガンダという目的もあり、「国家は人民への目配り気配りを欠かさない」「共産主義とは創造的な個性を伸ばす体制だ」といった具合にアピールしたかったのだろうか。
 国外から眺めていても、特にスポーツの分野ではオリンピックその他の大きな大会で、東側の国々が体操や陸上競技など特定の種目において圧倒的な強さを発揮したりもした。まさに才能を秘めた児童たちを発掘し、幼いうちから国家による英才教育を施した結果だ。こうした才能の発掘と開花の目的は、個の育成ではないことはいうまでもないだろう。才能を見込まれながらも結実しなかった多くの者たちが、その後どうなったのか知りたいところでもある。 
 かつてのような東側ブロックなる世界は存在しないが、現在でもそうした体制の国々はいくつか残っているし、国威発揚のための天才発掘とその育成という「事業」が消え去ったわけでもない。

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チャンバルの盗賊の死

 昨年の今頃であったただろうか。伝説の大盗賊ヴィーラッパンが南インドで警察の治安部隊とのエンカウンターの結果、絶命したのは。
 そして今年は、かつてのプーラン・デーウィーと同じく、北インドのチャンバル渓谷を舞台に悪名を馳せたニルバイ・グルジャルが、STF(Special Task Force)との銃撃戦の末、死亡した。おとといの夕方のことである。
 しばしばメディアの取材に応じ、写真とともに記事が掲載されていたので、まるで絵に描いたような「悪漢」らしい不敵な面構えが脳裏に浮かぶ人も多いだろう。
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 200件を超える凶悪事件のお尋ね者。年齢は40代とも50歳を越えているともいわれていたニルバイは、幾度か結婚を繰り返しているが、いずれも妻となった女性たちとの家庭生活は長く続かなかった。その中には部下と駆け落ちした者あり、警察に逮捕されてそのまま生き別れになった者あり・・・。
 獲物を求めて野山をさまよう「狩人」には、世俗の家庭生活などもともと似合わなかったのかもしれない。

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東京杉並に眠るボース

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 インドの知人から神奈川県(?)にカーリー寺院があり、インド人、特にベンガル人の参拝客が多いという話を聞いた。それはごく最近できたものではなく、昔からあるお寺なのだという。彼は日本に来て日が浅く地理に疎いため、どのあたりにあるのか要領を得ない。そしてどうやらまた聞きらしく、何か勘違いしているのかもしれない。
 だが仏教とともに日本に入ってきたインドの神様は少なくないので、カーリーの仏教名「大黒天女」を祀ったお寺あるいはそうしたお堂を持つ寺院があり、それが在日インド人善男善女を集めるようになっている、というのならばあり得ない話ではないので、機会を見つけて調べてみたいと思う。
 そんな彼に「インドと縁の深い仏教のお寺がある」と、インド独立の志士チャンドラ・ボースの遺灰が納められている蓮光寺のことを話した。

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