犬こそは頼れる友人

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 ビハール州でナクサライト(毛沢東主義過激派=マオイスト)が活発な地域では、警察署あるいはパトロール中の警官たちが攻撃を受けたり、命を落としたりといったニュースがしばしば聞こえてくる。同州内の38のディストリクト中、18の地区では彼らの活動が盛んで流血事件がしばしば発生している。
 この左翼過激派たちによる奇襲を恐れて、特に日没後には屋外に置いた机などすべての備品を屋内にしまい込み、本来ならば地域の治安維持を担うべき警官たちも「身の安全のため」建物の中にじっと閉じこもるのが常になっている地域もあることも含め、このあたりの新聞等ではよく報道されているところだ。

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Ladies Only のタクシー登場!

 すでに「女性オートリクシャードライバー」は出現しているデリーだが、昨年12月からは女性タクシー運転手も登場し、首都の玄関口インディラ・ガーンディー空港でお客を待っている。
ここ近年性犯罪の増加しており、昨年は外国人女性旅行者がこうした被害に遭うケースがいくつもニュースにのぼったこともあり、中央政府の観光省のイニシャティヴによるものである。だが外国人を含めた女性たちが安心して利用できるサービスとしてのみならず、観光という主要産業の中で、女性たちの就労機会や地位向上を目指すプログラムにも連動するモデル事業らしい。
 昨年12月の操業開始時に導入されたのは9台ということで台数に限りはあるものの、国際線で夜遅くデリーの空港に到着された女性の方は、これが利用できるかどうかちょっと確認してみるのもいいかもしれない。ちなみに近々ムンバイーやハイデラーバードでも同様のサービスを開始予定とのことだ。
 個人的には、私もぜひ凛々しい女性ドライバーとおしゃべりを楽しみながら夜の街をドライブしてみたいのだが、残念なことにこれは女性のみを対象にしたサービスである。
 本題から逸れるが、このニュースは下記にリンクしたカタールの英字紙「The Peninsular」のウェブサイトでも掲載されており、インドの首都に登場したLadies Onlyのタクシー事業の今後の成り行きは国際的にも注目を浴びている(?)のかもしれない。
All-women taxi service launched in New Delhi (The Peninsular)
India’s first women taxi service launched (MSN India)

お茶の風景

 西ベンガル州のシリーグリーからバスで東へ走る。この州には、ここらのような丘陵地、ダージリンあたりのような山岳地、カルカッタやその周辺のように大河の沖積平野からなる低地、国立公園のスンダルバンで知られるマングローブ地帯もあり、地形・気候ともに実にバリエーションに富む面白い土地だ。
 インドという国は、しばしば「ひとつの世界である」と表現されるが、西ベンガル州はまさにそのインド世界の縮図であるかのような気がする。さらに隣国のバングラデシュも含めてベンガル地方として眺めてみれば、その広がりの大きさは実に驚嘆すべきものがある。もちろんひとつの「世界」を感じさせる深みと広がりを持つ地域はベンガルだけではなく、他にも数々あるのがこの国の偉大なところである。

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鮮度が命!2 標準化はエコノミーなホテルの宿命?

サダル・ストリートで新築のホテルを利用する直前、私はまさにその標準化の最中にあるホテルを利用する機会があった。同じ西ベンガル州内である。

バスで移動していたら思いのほか時間がかってしまい、終点の田舎町に着いたときはすでに日没となった。同日中にたどり着くつもりでいた目的地へは、ここで他のバスに乗り継ぐ必要がある。でも疲れていたし、バススタンド正面に新しそうなホテルが目に入った。ここで一泊して明朝早く出ることにした。日々沢山のクルマやバスなどが行き来する通りに面しているため、ややすすけた感じはするが、かなり新しい建物ではあるようだ。

グラウンドフロアーのレセプションで、ひょろりとした体をカウンターに預けている男はここのマネージャー。突然訪れたお客のために、テレビで放映されているクリケット中継から目を離すのが惜しくて仕方ないといった様子で、試合を注視する他の従業員たちが声を上げるたびに、チラチラと未練がましく画面に視線を走らせる。

ここは開業してから4カ月という。室内には姿見の大きな鏡、ベッドの横には大きな丸いガラステーブルが置かれており、まだそう遠い過去のことではない創業時の熱き思いがしのばれる。

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鮮度が命!1 エコノミーなホテルは新しいほうがいい

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 カルカッタに着いた。とりあえず宿を見つけなくてはならないので、サダル・ストリートに向かった。市内各地にいろんなホテルがあるのにわざわざここに来なくてもいいはずだが、どこか「いい宿」の正確な所在地を知っているわけではない。だからタクシーには「サダル・ストリートまで」と告げることになってしまう。
 料金の割にかなり粗末なところが多いのは、カルカッタという大都会のためか、あるいは黙っていてもさまざまな旅行者たちが集まってくるためだろうか。
比較的コストパフォーマンスの高い宿は、たいていロンリープラネットのガイドブックお勧めであったりする。そのため正午あたりにでも着かない限り、往々にして満室なのである。私はすでに二件断られていた。
 どこかテキトーな宿がないものかな?と歩いていると、頭上に「OPENING SHORTLY !!」という垂れ幕がかかっていた。

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