10月8日にパキスタン北部およびインドのカシミール地方の一部に大きな被害をおよぼした大地震。当然のことながら建物のありかたについて反省する声もある。
インドの一部マスコミでは、日本の建物の多くが耐震・免震構造になっているかのように書かれているものも見かけたが、やはりインドひいては南アジア全域に共通する家屋や商業ビルその他の建築方法についての疑問が提示されているようで、インディアトゥデイ誌10月26日号にもそうした記事が掲載されており、「家屋が崩れるメカニズム」についてイラスト入りで解説してあった。簡単にいえば地震の大きな揺れのため、壁が外側へと引っ張られて倒れこむとともに、天井が落ち込んで崩壊するということだ。
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カシミール初の女性自爆テロ
先週土曜日の大地震で大きな被害を受けたカシミールだが、この地域で最初の女性による自爆テロ(軍を標的にしたものとされるが失敗に終わった)が起きたことが伝えられている。
中東では、特にパレスチナ問題がらみの「闘争」の中、女性によるこの類の事件はもはや珍しいものではなくなっている。またインドでも各地で散発する過激派によるテロ活動の中で、女性が何らかの役割を担っているケースは決して少なくない。だが本日夕方放送のZEE NEWSによれば、カシミール地方を巡る一連の出来事の中で、女性によるこのタイプの犯行は初めてなのだという。
従来男の領域と見られていた分野への「進出」の背景にあるものはいくつか考えられるが、だからといってテロ活動が「拡大している」とはいえないと思う。しかし少なくともこうした活動に参画したり、その中で重要な任務を担う人々の層が従来よりも拡大している可能性は見逃すことができない。何しろ世の中の半分は女性である。今後の動きを注意深く見守っていきたい。
Kashmir ‘woman suicide attacker’ (BBC)
地震 被災地はどうなっているのか
10月8日に大地震が起きてから4日が経った。地震の被害の全体像が次第に明らかになってきている。世界各国からの援助も押し寄せつつあるとはいえ、同時に生活物資の不足も伝えられている。
そしてやはり交通の問題という壁は大きいようだ。被災地は山岳地帯にも広がっているため、地震の被害を受けた地方の二割に及ぶ地域では、今なお救助隊も救援物資もまったく届かず孤立しているのだという。こうした状況下、空からの救援も試みられているようだが、やはり道路輸送可能な地域と比較して、質量ともに大きく不足してしまうのは想像に難くない。
パキスタンで強い地震
10月8日インド時間午前9時25分にパキスタン首都イスラーマーバード北北東95キロ地点、ムザッファラーバードあたりを震源とするマグニチュード7.6の強い地震があり、隣国インドやアフガニスタンにも影響が及んでいる。
インドではJ&K州で地滑りや家屋の倒壊などにより、百数十名の死者と数百人規模の負傷者が出ていると本日時点での報道もある。地震の揺れは、デリーはもちろんパンジャーブ、U.P.西部、ウッタラーンチャル、ヒマーチャル・プラデーシュ、ラージャスターン、マディヤ・プラデーシュ、グジャラートといった各州でも感じられるほど規模の大きなものであった。パキスタンの震源地近くでは今も余震が続いている模様。
マオイストたちの裏インド 2
社会的なテンションがあるところには、それなりの理由があるのだ。マオイストの影響下にある地域の住民にとって、銃器や暴力へ怖れからやむなく従っている、口を閉じているといった日常があったとしても、彼らがさらに力を伸ばしていく背景には、やはり特定層からそれなりの支持を受けている事実があるはずなのだ。
話は飛んで、現在カシミールの治安状況で問題となっているのは極左勢力ではなく原理主義過激派だが、この点については同様だ。どちらにしても自分たちが「生きるために必要だ」と信じているものの、客観的に見れば誤った方法で頑張ってしまっていると言えるだろう。
彼らはふざけているわけでもなく、怠けているわけでもない。きわめて真面目で真摯な姿勢で邁進しているのだから、当局による「悪いから叩く」対症療法だけでは延々とイタチごっこが続くだけだ。こうした勢力が跋扈する土壌を作らないよう、社会の体質を改善する必要があることは誰もがわかっているはず。こういうときこそ頼りになるのが政治の力であるはずだが、実に様々な勢力の微妙なバランスのもとに成り立っているがゆえに難しい。