地震 被災地はどうなっているのか

 10月8日に大地震が起きてから4日が経った。地震の被害の全体像が次第に明らかになってきている。世界各国からの援助も押し寄せつつあるとはいえ、同時に生活物資の不足も伝えられている。
 そしてやはり交通の問題という壁は大きいようだ。被災地は山岳地帯にも広がっているため、地震の被害を受けた地方の二割に及ぶ地域では、今なお救助隊も救援物資もまったく届かず孤立しているのだという。こうした状況下、空からの救援も試みられているようだが、やはり道路輸送可能な地域と比較して、質量ともに大きく不足してしまうのは想像に難くない。


 交通といえば問題になっているのはもちろん遠隔地や寒村だけの話ではない。パキスタン実効支配下にあるカシミール地域各地で、幹線道路も地震により往来が途絶しているところが少なくない。そのためこの地方から出ようにも出られなくなってしまっている外国人旅行者も少なくないようだ。
 被災した地元の方々、家や肉親を失った人々は、悲しい現実に立ち向かって生きていかなくてならない。それに比べればいっときの滞在者など気楽なものではないかと考える向きもあるかもしれない。 だが観光で来ているとはいえ異郷で予期せぬ大災害に見舞われたらどんなに不安なことだろう。旅行中の本人と連絡が取れず、不安で眠れない日々を過ごしている父母や兄弟姉妹も少なくないのではなかろうか。
 話を戻そう。南アジアの人々は私たちの大切な隣人。そして地震大国ニッポンから見ても、今回の大地震はまさに他人事ではない。目下、日本でも「被災者された方々のために!」と募金活動等が勢いを得ている。
 2001年にインドのグジャラート州カッチ地方で起きた大地震の際もそうだったし、昨年末の津波のときも然り。どこかで大災害が起きると世界各国へ大量の情報が押し寄せ人々の耳目を集める。でもひと段落つけば関連ニュースの流れがパッタリと止んでしまい、多くの出来事が忘却の彼方に押しやられてしまう。お金のある層、豊かな地域での復興は思いのほか早い。だが社会的弱者や経済的に遅れた地域では、その後もずいぶん長いこと「現実」と闘い続けていることを忘れないようにしたい。
 
 でも今は、一刻も早く救助の手がそれを必要とする人々に行き渡ることを願ってやまない。そしてより多くの人々がごくささやかなものであれ何らかの形でかかわりを持ち、今後の成り行きにも関心を持ち続けていくことができればと思う。もちろん私自身もそうありたい。
パキスタン北部地震災害救援金を募集(日本赤十字社)
パキスタン地震 緊急支援と募金受付を開始(難民を助ける会)
パキスタン地震緊急募金(ユニセフ)
地震支援募金を創設(パキスタン在住邦人他)
ニフティ、パキスタン地震の被災者を支援するチャリティーコンテンツを提供

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