東京国際ブックフェアはじまる

 昨日、4月22日(木)から東京国際ブックフェアがはじまった。
 このイベントは、29ケ国・地域の業者(フェア案内のホームページには25ヶ国・地域とあるが、急遽増えたらしい)が参加する本格的な図書見本市である。
 …とはいうものの、デジタルパブリッシングにかかわる機材やソフト、編集製作プロダクションの売り込み、雑誌の発行元、英会話教室といった、読書人と直接関わりのない部分も多い。大手出版社が幅をきかせていること、わざわざここまで足を運ばなくても手に入るような本の山、売れ残った(?)洋書の特売などなど、都内の大きな本屋の店先と大差ない。何とかひと工夫欲しいものだ。
 そもそもこのブックフェアは読書人が本を漁るためのものではなく、主に業界人たちの商談の場なので仕方ないのかもしれないが、不景気のためか年を追うごとに個性ある出展者が減ってきているように感じる。
 ずいぶんテンションが低くなってしまったが、デリーのダリヤガンジ近くで語学書を中心としたショールームを開いているSTAR
PUBLICATIONS
が今年もFEDERATION OF INDIAN PUBLISHERSという名前でブースを出しており、様々な本を並べて販売している。展示図書が売れるにつれてブースの隙間が目立つようになってくるので、興味のある方はお早めに。会期は25日(日)まで。

いざ決戦!

election2004/ Photo by Times of India
 本日4月20日からインドで、独立以来13回目となる総選挙が始まる。世界最大の民主主義を標榜する国だけあり、全国政党・地域政党合わせて約40もの政党がしのぎを削る。有権者6億人以上、任期5年で543名の代表が選ばれる巨大な選挙である。
 投票日は地域によって異なるが、4月20日・26日、5月5日・10日に行なわれ、5月13日開票、同25日までには結果が判明することになっている。規模だけではなく、かかる時間もまた長い。
 今回の最大の焦点は、昨年12月に行なわれた州選挙での大勝、そして好調な経済が追い風のBJP政権がやはり続投となるのか、しばらく野党の座に甘んじている国民会議派が巻き返しを図れるのかということ。
 いずれにしても昨今は一党単独で多数を得るのは非常に困難なインド政界。選挙が近づくにつれて進む各党の合従連衡の動きについて報じられていた。地域大国インドの政局の動向が周辺の国々に与える影響は大きく、南アジア各国のメディアもこぞって注目している。
 現在、中央政府与党の座にあるBJPは、国民会議派以外の政党としては初めて任期をまっとうすることになるが、今まさに民意によってその評価が下されようとしているわけだ。
 問題も多いが、発展途上の国々の中にあって、まがりなりにもちゃんと国民の総意を問うシステムが機能しているのはインドのエライところ。
 さて今回の選挙で人々は何を期待しているのだろうか?結果としてどんな政府が目の前に現われるのだろうか?


▼[Rediff] Election / India Votes 2004
http://in.rediff.com/election/poll04.htm
▼[Times of India] Young India Votes / Election 2004
http://timesofindia.indiatimes.com/specials/434650.cms
▼[写真] The Mahakumbh Of Politics: Smileys
http://photogallery.indiatimes.com/articlelist/615842.cms
▼インド総選挙投票始まる 有権者6億人、世界最大
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040420-00000041-kyodo-int

王子様、旅立つ!

photo by Mantra Online News
 ちょうどいま、インドは総選挙の時期を迎えている。日程は地域によって異なるが4月20日、4月26日、5月5日、5月10日に投票が行なわれる予定。
 国民会議派総裁=ソニア・ガーンディーの息子、ハーヴァード大学卒34歳のラーフル氏がアメーティー選挙区からの出馬を正式決定したことに国民の注目が集まっている。
 今回の選挙には娘のプリヤンカーが出るのではないかという予想もあったが、彼女は兄の選挙キャンペーンの応援に回ることになった。同地はウッタル・プラデーシュ州にあるネルー=ガーンディー家の伝統的な選挙区だ。父親で元インド首相の故ラジヴ・ガーンディー氏もかつてここで戦ったことがある。
 近年ジリ貧状態に追い込まれている国民会議派にとっては、初代首相の曾孫、「女帝」インディラの孫にあたる人物の登場は明るい材料ではあるが、政治経験もない青年にどれほど期待できるものだろうか。
 彼が無事当選し、しばらく経験を積んだ後、ようやく母親のソニア氏は家庭に戻れるのかもしれない。出馬したラーフルの胸のうちは本人にしかわからないが、かつて王朝とまで揶揄された家の嫡男に生まれたことで、結局政治以外の道を選ぶことを許されなかったのではないか。
 余談になるが故ラジヴ・ガーンディーの弟で、1980年に自家用機の事故で亡くなったサンジャイの妻マネカとその息子、つまりラーフルの叔母と従兄弟は国民会議派と相対する陣営にいる。こちらの動向も注目したいところだ。
▼’Rahul and I are inseparable’
http://timesofindia.indiatimes.com/articleshow/602854.cms
▼Rahul Gandhi files election papers
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/3602091.stm

実現するか インド→ミャンマー→タイ

 今年11月、東インド・マニプル州インパールから、ミャンマーを抜けてタイまで5000Kmにおよぶラリー大会が開催されるという。
 第二次大戦時で多数の死者を出したインパール作戦のルートをほぼ逆にたどり、インド東北→ミャンマー→タイと、隣接していながらも、通常、旅行者は陸路で越えることが許されないルートを爆走することになる。関係各国相当力の入ったプロジェクトであることは間違いない。
 こんな計画が可能になったのは、インドとアセアン地域の交流が活性化したこと、インド東北部・ミャンマーなど反政府勢力を抱える辺境地域の政情が安定しつつあることが背景にあるのだろう。
 合計100チーム程度の参加を想定しているとのことだが、参加チームはインドとアセアン各国に限られるので、ローカルな大会になりそうだ。それでも両地域とも、世界各国の自動車メーカーがしのぎを削る激戦区なのだから決してあなどることはできない。
 下記リンク先記事中には「開発が遅れているインド北東部に外国投資を呼び込むPR作戦」というくだりがあるが、めぼしい産業はなく、外国人の出入りも少ないこの地域で「投資」といえば、地下資源開発を除いて、観光業以外まず考えられない。
 外国人が観光目的で入ることができるアッサムのような地域が、今後広く開放されてゆくのだろうか。このあたりは東南アジアと南アジアの境目に位置する地域。民族、文化、風俗習慣のどれをとっても興味深いことがあるに違いない。
 これまで東南アジアからインドに入る場合は、バンコク、クアラルンプル、シンガポールといった都市から飛行機で飛ぶしかなかった。しかし今後は「陸路でのんびりとインドへ」という夢のルートも可能になるのだろうか。
 期待させておいて、実際フタを開けてみれば、ルートや治安関係の難問続出。今回こそは「やはりダメでした」なんていうことのないよう願いたい。
▼今秋にも「インド・タイラリー」ミャンマーの協力が成功のカギ
http://www.asahi.com/car/news/TKY200404050227.html
▼Indo-ASEAN car rally (The Sangai Express)
http://www.e-pao.net/GP.asp?src=2.10.240304.mar04
▼First INDIA-ASEAN Motor Car Rally in November (IBEF)
http://www.ibef.org/artdisplay.aspx?cat_id=35&art_id=1830

ロンリープラネット「INDIA」

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 ついに「LONELY PALNET」日本語版が発行された。
 この本は、ご存知のとおり、オーストラリアに本社があるLONELY PLANET PUBLICATIONS社のガイドブックを翻訳したもの。日本での版元メディアファクトリーからは、これまでイギリス、カリフォルニアなど欧米諸国、タイ、トルコ、バリにベトナム…と発行されてきたが、ついに真打登場(?)である。
 目下、店頭に並ぶ日本語版はまだ12タイトルと少ないが、今後ますます拡充されていくことだろう。
 オリジナルの英語版のほうは、世界の様ざまな国をカバーしているが、それだけではない。たとえば、インド関係だけでも、実に多彩なラインナップだ。メインとなる「India」以外に「North India」「South India」、ディープな山歩きガイド「Trekking in the Indian Himalaya」、都市ガイド「Delhi」「Goa」「Mumbai」、地域ガイド「Rajasthan」。ヒンディー語・ウルドゥー語、ベンガル語のフレーズブック、地図帳「India & Bangladesh RoadAtlas」、さらには旅行記まで刊行されている。
 読者の国籍が多岐にわたり、年齢層も若者から中高年までと幅広いため、1981年の初版発行から幾度も改訂を重ねてきたインド編。情報の蓄積量、旅行者が求めるツボをきちんと押さえた編集はスゴイのひとことに尽きる。
 対象となる国、執筆陣によって若干のカラーの違いはあるが、ほぼ統一されたフォーマットで構成されているため、文字ばかりギュ〜ッと詰まっていても、とても読みやすいつくりになっている。
 いままで日本語で発行されてきたガイドブックといえば、一目で内容が把握できるようヴィジュアル面に重きが置かれていたが、ロンリープラネットによる「圧倒的な質と量」は新鮮な驚きをもって迎えられることだろう。
 ただ、一部の業種をのぞき、日本で働く人々の休暇期間は限られている。大学生か専業バックパッカー(?)でないかぎり、これほど本格的なものに手を出すのだろうか…と少し心配にもなる。
 ともあれ与えられた情報を取捨選択するのは読者自身。新しいガイドブックを手に、これまで想像もしなかった「何か」に触れることができるかもしれない。インドでの新しい発見や楽しい出会いなど、みなさんの貴重な体験やご感想をぜひお聞かせ願いたい。

▼インド ロンリープラネットの自由旅行ガイド10

サリナ・シンほか多数共著

[メディアファクトリー刊/A5判/2004年/3200円]

日本では「ロンプラ」の愛称で親しまれ、世界中のバックパッカー必須のガイドブック『Lonely Planet』のインド編邦訳版がついに登場!聖地を巡り、アーショラムでスピリチュアル体験。宮殿ホテルでマハーラージャ気分。市場攻略、アーユルヴェーダ。ヒマラヤを望む北部から、南はケーララの海岸まで、インドを満喫するデータ&ガイドブック。 (ISBN:4840108668)

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