野犬対策

朝6時40分。この時間帯のバスを捕まえようと思ったが、インド西部のこの地域ではまだ日の出前。外では野犬集団が元気に駆け回ったり喧嘩したりしている。

その対策として、もうひと寝入りすることにした。

周到な野犬対策(もうひと寝入りするだけ)が功を奏して、外はすっかり明るく安全になった午前7時半過ぎ。そろそろ荷物を背負って出ることにする。

予定よりも少し遅くなったが、宿を後にしようとしたら宿の人に「お代は要らないから何か食べていけば?」と勧められた。別料金を払った人向けの簡単な朝食ビュッフェがあるのだが、それをタダで提供してくれるとのこと。時間がないため丁重にお断りすると、「それではチャーエくらいは」と淹れてくれた。これはどうもありがとうございます。

ムルッドの路上でバス待ちをしていたとき、通りかかるクルマやバイクに唸り声とともに襲いかかろうとする猛犬だか盲犬だか狂犬だかわからない犬がいた。よくもまあ、走行中のクルマやバイクに並走して、噛み付く仕草したりとかできるものだ。ちょっと頭がおかしい犬のようだが。界隈の人たちは狂犬病を発症しているらしき犬がいることに気が付いていても、処分しようとしない。インドのこういうところは困る。

こんな犬が見えるところにいるのに、1人でバス待ちするのであればとても怖いが、店の軒先で他の人たちとバスを待っているというシチュエーションは幸い。やはりさきほど野犬対策を実施(まだ暗かったので二度寝したこと)しておいてよかった。インドの治安で懸念されるのは、まずは野犬、そして野犬、そしてまた野犬だ。

セレブな気分

シルディのサイババがなぜかコワモテ風

夕飯で入ったレストラン。ボロいし裏手にある小さな食堂に見えるのだが、広い裏庭があり、そこにはたくさんの席がある。

店内風景
裏庭にはさらに沢山の席がある。

店先の席にはジャンジーラー島で見かけたようなスクールトリップの男の子たちがいて、ただでさえ騒々しいのに、次から次へとやってきては同じような質問を繰り返したり、一緒に写真撮ってとくるのが面倒くさい。「ああ、もう嫌だ」と裏庭の席に行くと、そこは女子席になっていてずいぶん静かだった。

とても美味なフィッシュターリー

あぁ良かったと食事を注文して待っていると、男の子たちに較べると遠慮があるぶん可愛げがあるのだが、やはり入れ代わり立ち代わりやってきては「どこから来ましたか?」「インドは好きですか?」などとお決まりの質問を繰り返したり、一緒にセルフィー撮ってくれというのは変わらない。

それでも男の子たちとは頻度がまったく違う。それにしばらくこちらの様子を窺いながら、思い立ったようにしてやってくるのが女の子たちだ。男の子たちは、こちらに気がついた瞬間にスマホを手にして「セルフィー取らせてや!」とずんずん飛び込んでくるのだ。

いずれにしても、このあたりの「どんどん前に出てくる」感じは日本の子供たちには見習って欲しい。インドの子供たちは、「どこから来ましたか」「インド好きですか?」「インドのどこがいいですか?」「僕らは✕✕から来ました。✕✕を知ってますか?」「インドの食べ物は好きですか?」「スズキ、トヨタ、ソニー!」「カラテ、ジャッキーチェン!」などと質問や質問にもならないようなことをブチまけながら、僕も私も、あいつもこいつもと、次々にセルフィーを取りに来て、あまりに過ぎると引率の先生が「コラぁ〜!」と遮りに来るほどなのだが。

日本に来た外国人旅行者が日本の修学旅行の学生・生徒たちに囲まれて閉口したなんて話は聞いたこともないし、たぶんそんなことも起きないだろう。

それはそうと、日本でもセレブであったら常日頃からどこに行ってもこんな状態なのだろう。こんなのはとても面倒くさいため、やはり私はセレブにならなくて実に良かったと思う。

食事後、宿の部屋のバルコニーからの眺めを楽しむ。

爽やかな朝

すっきりと目覚めると朝になっていた。

バルコニーからの景色が美しい。

宿近くの食堂に入って席に着くと、目の前の窓といいそこからの眺めといい、素晴らしい絵のようで素敵だ。

注文したものが出てきた。予想に反して都会風のパウが添えられたチャナ。ムンバイあたりから来るお客の好みに寄せたのか。

ニンブーを絞り、たっぷり添えられたタマネギのみじん切りを載せて、パウですくって食べると、これまたいい感じ。

食べ終えて店を出て少し歩くと、地酒を売る店があった。夕方訪れてみるとするか。

近くのお宅の玄関口では、可愛らしいネコがうたた寝をしている。

麗しく、爽やかで心地の良い朝である。

夕飯

ムルッドは浜辺沿いに広がる小さな町。アラビア海に沈む夕日をしばらく眺めていると、いい具合に夕食の時間になった。近くのこじんまりした店に入ってみると、簡単ながらもおいしい食事が出てきた。油脂分が少なめで健康的な感じでもあった。

食事を終えて店を出てしばらく歩くと、こんなお宅が目に入ってきた。

軒下スペースに長椅子とか一人がけの椅子がいくつかあって、ここで家族やご近所さんがゆったりと会話するのだろう。

実は画面左側には居間への扉があって、中が丸見えなので遠慮しておいた。3歳くらいの小さな女の子がお母さんと遊んでいたが、似たような顔をしたお母さんがもう1人いた。たぶんどちらかがお母さんでもうひとりがその姉妹なのだろう。

タバコとパーンを売っていた小屋も時代が代わると様変わり。

これではかなりキビしい。主力商品はそれらではなく、菓子、ジュース、石鹸、洗剤などに。大人ひとりがなんとか座れる規模の店では、とてもキラーナー(雑貨屋)には太刀打ちできないし、バリエーションや品数もかなわない。

ムルッドでホテルなどが集まっている浜は夜になっても州内や隣接州から来た観光客が多いため、照明で煌々と照らされている。抜けていく潮風が心地よい。

酒屋

宿泊先の「ホテル・ガンガー・サーガル」にはホテルのグラウンド・フロアーのバーに併設された酒屋があったので、これを買ってみた。カルナータカ州産のブランデーとのこと。

他に誰も客がおらず暇そうな時間帯だったので、いろいろ話を聞いてみると、ひとつ興味深いものがあった。ウイスキーのM’cdowellに「糖尿病患者用」というのがあるのだそうだ。いろいろもっとらしい話をしていたので「ホンマかいな?」と思って聞いていたが、その後ネットで調べてみると、さきほどの話とはかなりニュアンスが異なり、名前どおりダイエット使用のウイスキーらしい。それはそれで変な話だが。もともとウイスキキーはもともと糖質はほとんど含まないはず。アルコールのカロリーをオフにするには、度数を下げるのか?それだとウイスキーにならないし、仮に「低アルコールウイスキー」なるものであったとして、それで「濃いめの水割り」を作ったら、通常のウイスキーで普通の水割りで飲むのと変わらないのでは?

ふと窓の外に目をやると、このあたりからゴアを含むコーンカン地方まで続くラテライトの大地。気泡がたくさん入ったラテライト質の岩石もよく建築に使われるなど、印象的だ。

ラテライト質の赤い大地
建材として使われるラテライト質の岩石