遠からずミャンマーでクレジットカード、ATMの利用が可能に

経済制裁のため、クレジットカード(ヤンゴンの外資系の一部のホテルを除く)もATMも使用することができず、トラベラーズチェックを使うこともできないため、頼りになるのは米ドル紙幣のみといった具合が長く続いていたミャンマーだが、そうした不便は遠からずに過去のものとなりそうだ。

欧米先進国による制裁緩和(一部解除、期限付き停止等)が順調に進む中、もっぱら経済面で注目を集めている同国だが、当然のごとく金融・外国為替の方面での大幅な改善が見込まれている。

少し前に、ヤンゴン在住の方がFacebookでリンクをシェアしておられたが、近いうちにクレジットカードが利用できるようになったり、外貨送金も可能となる見込みのようだ。

Visa, Mastercard on the way, says banker (THE MYANMAR TIMES)

三井住友銀、ミャンマーに営業拠点 外国の銀行として初(日本経済新聞)

当然、トラベラーズチェックの換金も出来るようになるはずなので、滞在中の資金として持ち込むのが米ドル現金のみという不安も解消できることになる。

同様に、ミャンマーの人たちが海外に出る際にも利するところが大きい。少しまとまった金額の外貨となると、国外への持ち出しに制限がかかる現状は変わらないのかもしれないが、少なくとも正規の送金ルートが出来るということで、外国に留学する際などにも大変便利になることだろう。

ミャンマー在住の親御さんの支弁による日本留学はあり得ず(いかに裕福な両親であったとしても)、国外ないしは日本に住む身内が経費を支払うという前提でないと、ヴィザ取得不可という現状の不便さは解消されることになるはずだ。

インパールからマンダレー行きのバス

5月27日から本日29日まで、ミャンマーを訪問したインドのマンモーハン・スィン首相は、首都ネーピードーにて同国のテイン・セイン大統領との間で、二国間関係の強化、とりわけ貿易や投資といった分野に加えて資源開発等に関する話し合いを持った。この場において、インドにからミャンマーに対する5億ドルの借款供与も決定している。首相の訪緬に合わせて、インドの産業界の代表団も同国を訪問するなど、今やブームとなったミャンマー進出について、まさに「乗り遅れるな!」というムードなのだろう。

両国間を結ぶフライトの増便その他交通の整備も予定されているのだが、とりわけ注目すべきはインドのマニプル州都インパールと、ミャンマーのマンダレーを繋ぐバス路線の開設。当然のことながら、旅客の行き来だけではなく、様々な物資の往来のための陸路交通網の整備も下敷きにあると見るべきであるからだ。インドにしてみれば、自国の経済圏のミャンマーへの拡大はもとより、その他のアセアン諸国へと繋がる物流ルートの足掛かりともなる壮大な構想が可能となる。

同時に、現在までのところあまり注目されていないが、ミャンマーとのリンクにより、これまでインドがなかなか活路を見出すことができなかった自国の北東州の経済振興にも大きな役割を果たすであろうことは誰の目にも明らかだろう。長らく内乱状態を抱えてきた地域だが、近年ようやく沈静化しつつあるが、特に期待できる産業もなく、中央政府にとっては何かと負担の大きな地域であったが、ここにきてようやく自力で離陸させることができるようになるかもしれない。

インドとアセアンという、ふたつの巨大な成長の核となっている地域の狭間にあるミャンマーは、これまで置かれてきた状態があまりに低かっただけに、今後の伸びシロは非常に大きなものであることが期待できる。

先進国による経済制裁が長く続いてきたミャンマーに対する諸外国の直接投資の中で、中国によるものがおよそ半分を占めていたが、隣接するもうひとつの大国インドが急接近することによって、ミャンマーは漁夫の利を得ることになるのだろうか。

ヒマラヤを挟んで、印・中両国がせめぎ合うネパールと異なり、自らが所属するアセアンという存在があることも、ミャンマーにとっては心強い限りだろう。今後、経済制裁の大幅な緩和、いずれは解除へと向かうであろう欧米諸国のことも考え合わせれば、地理的な面でもミャンマーは大変恵まれている。

本日、5月29日には、ヤンゴンにて野党NLDを率いるアウンサン・スーチー氏とも会談している。スーチー氏は、学生時代に母親がインド大使を務めていたため、デリーに在住していたことがあり、デリー大学の卒業生でもある。当時、インドの首相であったネルー家とも親交があった。彼女自身の政治思想に対してインドが与えた影響は少なくないとされる。

印・緬両国の接近は、双方にとって得るものが大きく、周辺地域に対するこれまた良好なインパクトも同様であろう。今後末永く良い関係を築き上げていくことを期待したい。インパールからマンダレーへ、マンダレーからインパールへ、バスは人々の大きな夢と明るい未来を乗せて出発しようとしている。

バンガロールからマイソールまで30分で駆け抜ける!

チェンナイからバンガロール経由でマイソールまで繋ぐ高速鉄道建設計画があるのだとか。バンガロールからマイソール間には、なんと30分で到着してしまうものだというから驚きだ。

最高時速は350kmというから、速度もまさにワールドクラス。だが気になるのは、それが実現した際の安全性か。どうも中国の新幹線のことが脳裏をよぎる。

Bullet train may connect Mysore-Bangalore in 30 mins (YAHOO ! INDIA FINANCE)

上記リンク先に出ている画像は、世界各国の高速鉄道の車両。インドの新幹線構想のプロトタイプではないので念のため。

JETROのインド

世界各地域の経済・ビジネスに関する情報収集を行っているJETRO(日本貿易振興機構)のウェブサイトで、海外の経済関連情報が提供されている。

もちろんインド関係のものもいろいろ公開されているが、調査レポートとしてアップされているPDFファイルは目下93本。インドの医療機器市場と規制インドにおける日本産農林水産物・食品のモニタリング調査インドにおける化粧品の輸入制度等々、それぞれの分野を概観するのにちょうど良い、数十ページから百数十ページくらいの文書が提供されている。また、動画レポートとして、小売業の外資規制を一部緩和インド農村にあるビジネスチャンスといった報告もある。

これらの情報は無料で提供されている。多少なりともご関心のある方はぜひご一読をお勧めしたい。

 

 

「半インド製」三輪EV日本国内で組立・販売へ

今年10月から、日本エレクトライクがインドから輸入したバジャージ・オートの三輪車両をベースにした三輪EVを、日本国内で組立・販売するとのこと。

日本エレクトライク、 3輪EV 「エレクトライク」 投入-インド社製を改造(日刊工業新聞)

エンジンを外してバッテリーモーターと交換した電動車両で、デリバリー用としての需要を見込んでいるとのこと。日本の狭い道路にはちょうどいいサイズかもしれない。

機会があれば試乗してみたいものだ。