カルカッタ東部にあるテーングラー地区はチャイナタウン。中華料理屋がいくつもあることで知られているが、ここの大きな産業は、革なめし工場と醤油等の中華食材工場など。
周囲をムスリム地区に囲まれて、雇用主は華人、被雇用者はムスリムという協働関係にある。
だいぶ前に、コールカーターで中華三昧 3 インド中華料理の総本山テーングラーで取り上げたことがあるこのエリアを再訪してみた。
数年前に訪れたときにはまだ機能していた培梅学校で、これについてもコールカーターで中華三昧 4 テーングラーの華人学校で、その様子を記したことがあるのだが、今回訪れてみると、すでに学校としての役割は終えていた。華人人口が減っているのと、やはりイングリッシュ・ミディアムの学校へ行くようになっているのだとか。そんなことを、敷地内で日向ぼっこしているおばあさんが親切に話してくれる。
時代とともに、コミュニティのありかたというものは移ろうものだ。華文学校がなくなることにより、若い世代の間で中国語を理解する人たちがかなり極端に先細りとなっていることは、想像に難くない。
閉鎖された学校の名前は「培梅中学」という。コールカーター華人のマジョリティは客家人、それに次ぐのが広東人だが、実はどちらも広東省の梅県出身者(現在の梅州市の一部)が多数を占めている。
「培梅」とは、先祖が梅県から渡ってきた子供たちを培うという意味で付けられたのではないか?と思うのだが、テーングラーを訪れて人々と話しているときに、すっかり失念しており尋ねていない。
実は、ミャンマーのヤンゴン界隈に居住している華人たちも、多くは客家人、それに加えて広東人。往々にして梅県出身者の子孫という点で共通しており、コールカーターに渡ってきた華人たちと、共通項が多いのが興味深い。