秋は代々木公園でお会いしましょう

 毎年秋の恒例行事となっている「ナマステ・インディア」は、ここ数年会場となっていた築地本願寺から場所を移し、「第13回ナマステ・インディア フェスティバル 2005」として、同じく東京都内の代々木公園で2日間(昨年までは1日のみ)開催されることになった。
 ここでは例年5月にタイフェスティバルが盛大に開かれていることをご存知の方も多いことだろう。会場・期間ともに従来よりも大幅にスケールアップすることになるが、プログラムの内容もまた一層充実することであろう。
 次第にその数を伸ばしている日本在住のインドの人々の数と同様、回を重ねるごとにこのフェスティバルが着実に成長してきていることを見るにつけ、主催者の方々のたゆまぬ熱意と多大な努力がうかがえる。会場では、長年日本に定住し在日インド人コミュニティの顔役的な立場にある人々を見かけるが、やはり彼らの協力もまた成功の重要な要素であることはいうまでもない。
  同フェスティバル主催者のウェブサイトによれば、在日インド人たちの数は東京地区だけで約7000人と言われているとのこと。催しが盛況であることはもちろんだが、ぜひ多数の方々が会期中に会場を訪れて、日印間で人々の交流をさらに深める きっかけとなることを期待しよう。
第13回ナマステ・インディア フェスティバル2005
会期:2005年10月1日(土)〜2日(日) 午前10時〜午後8時
会場:東京都 代々木公園

インターナショナルな「国内線」

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 エアインディア、インディアンエアラインス両社では、同じフライトで国内線区間と国際線区間を兼ねたものが少なくない。
 エアインディアは国際線・国内線空港が別々になっている街からの発着は、いつも前者なのでわかりやすいが、インディアンエアラインスの場合は、てっきりドメスティックと思い込んでいても、実は国際空港から離陸なんてことがある。国内線ターミナルから遠かったりすると、チェックインに間に合わなくてアウト!というドジを踏むことだってあるかもしれない。
 インディアンエアラインスのチェンナイからカリカット行きの便を利用した際、国内線ターミナルに着いてみると、隣の国際線のほうに行くように言われた。カリカット行きのフライトはオマーンの首都マスカットを経由して最終目的地はUAEのドバイまで行くものであることがわかった。
 インディアンエアラインスの時刻表を調べてみると、湾岸諸国行きを中心にこうしたフライトが多いことに気がつく。特にUAEは産油国としても湾岸地域の商業の中心地としても高い地位を占めているので、インドとのつながりが強いのだろう。

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ドリアンに期待する

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 Ancestral Goa は、ポルトガル時代のゴアの生活を再現したテーマパークだ。入場料は20ルピー。インド人の家族連れやカップルその他の観光客等の訪問多い。ちょっと古いが、Deccan HeraldでHeritage revisitedと題してこの施設のことを取り上げた記事がある。
 展示物はペイントされた土人形や主に同様の素材からなる建物のミニチュアからなり、履物作り、市場の様子、ローカルな酒場その他農村のさまざまな光景が再現されている。いくつかの展示物ごとに担当の説明係がいて、ゾロゾロとやってくるお客たちの顔を見て、英語あるいはヒンディー語その他で説明してくれる。人形にしても建物の造りにしても「民俗村」としてはチープすぎるが、ちょっとマンガチックな温かみを感じる屋外展示物が並ぶ。
 園内には小さな「聖地」もあった。通称「Big Foot」なるローカル聖者が祭られているのだ。テーマパークにこんなスペースがいきなり出現しても、一応線香を上げて手を合わせる人たちが多いのはやはりインドらしいところだろうか。

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 つまらないからやめときな、と言うのは運転手。 「草木を見て300ルピー払うのかい?無駄だよ」ときた。 その「つまらない」とはスパイス・ファームのことである。かつて「黄金のゴア」としてその名を広く知らしめたこの土地の主要な産物のひとつが香辛料であったのはご存知のとおり。今もそれらを作る農場がいくつもあるのだが、そのうち何ヶ所かは入場料を取って観光客用の見学コースを設けている。
 私たち一家が向かったのはポンダという街の近くのサハカーリー・スパイス・ファームという農場だ。ちなみに「ポンダ」はデーヴァナーガリーではफोंडाと綴るのだが、ローマ字ではPHONDAではなく、通常PONDAと表記されている。

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インド発 楽しい海外旅行

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 インディア・トゥデイ誌8月8日号 によれば2004年にインドから海外旅行に出た人々の数(観光以外の出張旅行なども含まれているのかどうかは不明)は620万人で前年比16パーセント増、2005年は750万人で20パーセント増の見込みだという。  
 日本からの海外に出かける人々の数に比べるとたいしたことはないし、さらにインドの巨大な人口からすればたいした数字ではないとはいえ、先行きが大いに期待される新しいマーケットが出現したことになる。
 国全体として眺めてみると、貧困を原因とする社会問題がいまだに山積されている。所得格差がますます広がったと見る向きもあるかもしれないが、いつでも先進的な部分とまったくそうでないところが折り重なっている様は、いつの時代にあってもインドらしいといえるかもしれない。
 過去にはほとんど無視できるような数であったこと、国際観光業といえば主に外国からインドに来る人々をさばくことであったことを思えば、なんと大きな変化であろうか。 海外旅行する人たちの訪問先の38パーセントが中東方面、34パーセントが東南アジア方面という。これらの地域でも特にインド系の人口や宿泊・食事関連施設の多い 国々への訪問客が多いようだ。そして28パーセントは欧州方面に繰り出している。
 国別で見れば、1位シンガポールに47万人、中国に31万人、アメリカに30万人、タイに30万人、香港に24万人とある。90年代まで二国間の直行便のフライトもなく、アルナーチャル・プラデーシュからカシミールまで、非常に長い国境を接していながらも、相互の行き来が公にはほとんど無に近かった中国だ。(地元の人々による「国境貿易」は細々と続けられてきたし、ごく限られた人数ながらもカイラス巡礼を行なうインド人ツアーグループは以前からあったようだが)
 それが今ではリッチなインド人たちがよく訪れていたアメリカやタイをしのぐほどの人気を博しているというのには驚かされてしまう。 

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