インターナショナルな「国内線」

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 エアインディア、インディアンエアラインス両社では、同じフライトで国内線区間と国際線区間を兼ねたものが少なくない。
 エアインディアは国際線・国内線空港が別々になっている街からの発着は、いつも前者なのでわかりやすいが、インディアンエアラインスの場合は、てっきりドメスティックと思い込んでいても、実は国際空港から離陸なんてことがある。国内線ターミナルから遠かったりすると、チェックインに間に合わなくてアウト!というドジを踏むことだってあるかもしれない。
 インディアンエアラインスのチェンナイからカリカット行きの便を利用した際、国内線ターミナルに着いてみると、隣の国際線のほうに行くように言われた。カリカット行きのフライトはオマーンの首都マスカットを経由して最終目的地はUAEのドバイまで行くものであることがわかった。
 インディアンエアラインスの時刻表を調べてみると、湾岸諸国行きを中心にこうしたフライトが多いことに気がつく。特にUAEは産油国としても湾岸地域の商業の中心地としても高い地位を占めているので、インドとのつながりが強いのだろう。


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☆中東産油国方面
コーチン/カリカット/ドーハ(カタール)/バーレーン
チェンナイ/カリカット/ドバイ(UAE)
チェンナイ/ゴア/クウェート
チェンナイ/コーチン/マスカット(オマーン)
チェンナイ/コインバトール/コーチン/シャルジャー(UAE)
チェンナイ/ティルチラッパリ/カリカット/アル・ファジャイラー(UAE)
チェンナイ/ティルチラッパリ/カリカット/ラス・アル・ハイマー(UAE)/クウェート
チェンナイ/ティルチラッパリ/トリヴァンドラム/シャルジャー(UAE)
チェンナイ/ハイデラーバード/ドバイ(UAE)
デリー/アーメダーバード/マスカット(オマーン)
デリー/アムリトサル/シャルジャー(UAE)
デリー/ラクナウ/シャルジャー(UAE)
ムンバイ/ゴア/カリカット/シャルジャー(UAE)
ハイデラーバード/バンガロール/マスカット(オマーン)
ハイデラーバード/アーメダーバード/クウェート
ハイデラーバード/アーメダーバード/シャルジャー(UAE)
☆その他方面
コルカタ/ガヤー/ヤンゴン(ミャンマー)
コルカタ/ガヤー/バンコク(タイ)
ジャイプル/デリー/バンコク(タイ)/シンガポール
デリー/アムリトサル/カーブル(アフガニスタン)
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 UAEは、昔から南アジアのお金持ちバカンス客やビジネスマンを引き寄せているが、この国に魅力を感じるのは庶民もまた同様、出稼ぎ人たちも大挙して押しかけているのだ。人口のおよそ七割が外国人と言われるが、その中でインド国籍、インド系の人々の占める割合はどのくらいになるのだろうか。
 行楽シーズンには欧州方面からチャーター機も多数到着するゴアはともかくとして、ガヤー、ティルチラッパリ、ラクナウのどれをとっても「国際線発着」といってもピンとこないものがある。またカリカットのちっぽけな田舎空港が、意外にも中東方面へのハブ空港のひとつとして重要な地位にあるのにも少々驚かされる。なにはともあれ地方空港の国際化がジワジワと進行する昨今のインドらしいところかもしれない。
 自国内で複数個所にストップして国際空路へ向かうというフライトは他国でも決して珍しいものではない。それでも待合室やする搭乗機内で、出国手続き等を済ませた「国際線」乗客もいれば、それらとは無縁の「国内線」乗客が混在するというのは少々変な気がしないわけではない。両者の間で明らかに違う点といえば、ボーディングパスのデザインや色の違いだけである。
 ちなみに国際線も飛ばしている他社、ジェットエアウェイズとエア・サハラの場合は、同じフライトが国内区間から国際区間直通で飛ぶことはないようだ。
 国際線の「国内区間」を利用してデリーで降機した私である。機内預け荷物が出てくるコンベアのすぐ横には国際線乗客のための免税店がある。カバンが出てくるまでの時間つぶしに中を見物してみた。近年はインド国内のマーケットでも様々な外国ブランドのウィスキーなどを買うことができるが、味はさておきパッケージも何だか違う気がする。やはり本当の「舶来品」はいいなぁと思うの。
 デリーでお世話になる友人へのみやげにちょうどいいかもしれない。酒のボトルを手にしてカウンターに向かう。「ボーディングパスを」という店員に「まあいいじゃないか」と代金を握らせる。「この場でカバンの中にしまってください。でもレシートは出せませんよ」とのこと。店の人にしてみても「品物を売る」ことが目的で働いているわけだが、こうした鷹揚さはインドのいいところかもしれない。
 でもこういうことがまかり通るからには、国際区間と国内区間の乗客が入り混じる場所で、私には想像もつかないイレギュラーなことが空港内あるいは機内で行なわれているのかもしれない。国内区間のみ利用する際にも所持外貨等の税関申告書を書かされることがあるのは、予期される何かしらの不正行為への対策なのだろう。
 こうした空間で「一体どんなことが可能なのか」と問題点を模索しているところだが、これはまた別の機会に書いてみることにしたい。

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