Civil Lines, Allahabad

プラヤーグラージことアラーハーバードのシヴィル・ラインスの凄さを再び体感できるかな?と訪れた今回。

ニューデリー建設以前の英国統治下インドにおける最大の「人工都市」であったのがアラーハーバードのこの地区。

建設されたのが19世紀半ばだったので、20世紀に建設されたニューデリー地域よりも格段に古い。それでも広々とした道路ときっちり整備された区画、そして端正な植民地建築で知られていた。

実は、1989年に少し訪問して、この地域で物凄く立派なコロニアル建築がたくさん残っていて、街区もきれいに整っていた(建物は相当くたびれていたが)ことに、大いに感激。

あれから長い年月を経ているし、インドも経済成長を経て、古い建物はどんどん取り壊して別の眺めになっているかも?と予想しつつも、やはりどこかで「アラーハーバードの衝撃」を彷彿させる感動があるかも?と期待して来てみた。

結果として、やはりコロニアル建築の大半は姿を消しており、現存するものの多くは残念な状態。それでも来て見てよかったと思ったのは、朽ち果てていても見事な英領時代の建物は今もあること、この地区には英国人とアングロインディアンのみの「ブリティッシュ地区」で、彼らの信仰を支えた大聖堂が今も取り壊されずに残っていたこと。

いまさらながら仕方ないけど、英領期の面影がふんだんにあった前回訪問時、じっくり滞在して、このシヴィル・ラインス地区をしっかり観察しておけば良かったと思う。まだクルマも少なくて、自転車であちこち往来できた当時のアラーハーバードであった。

夕飯

タブリーギージャマアトのモスク
下階部分は店舗に貸し出されている。

タブリーギージャマアトのモスク建物に店子で入っている何軒かの店のどれかに入ろうと思った。前日夕方に利用した「シャリマール」という店はモクモク煙が上がり、本日も大盛況なのに、他店はどこもお客の姿はほとんどなく静か。

人気の「シャリマール」

同じ店を続けて訪問というのもなんだし、人気店でも塩がキツ過ぎたので今日は遠慮したかった。もう少し先まで歩いてみると、持ち帰りで何人か並んでいる店があった。テイクアウト需要のある店なら美味しいだろう。

ビリヤーニーのハーフとチキンアフガーニーを注文。インドでは注文した品を出来た順に出すのではなく、いっぺんに持ってくるのがデフォルトだがチキンアプガーニーだけが先に来て幸いてあった。思ったよりも量が多く、これだけて腹いっぱいになったからだ。そんなわけでビリヤーニーはテイクアウトのパック詰めに変更してもらう。チキンアフガーニーはクリーミーかつリッチな味わいで酒と一緒に楽しみたかったが、店は酒類厳禁と書いてあるムスリムの店。

チキン・アフガーニー

持ち帰りしたビリヤーニーはオールドモンクとともに楽しんでいる。ひとりで来ると、ワンポーションが大きいため、どうしても食べ過ぎたり、余ったりしてしまう。まあ足りないよりはいいので、やはりインドはありがたい国である。

プラヤーグラージ駅前のホテル3泊目

駅前と言っても、実質は駅舎とほぼ合体しているようなものなので、一番近い売店は駅構内。そんなわけで水だの新聞だのアイスだのと買いに行くので、顔見知りみたいになる売り手さんも出てくる。普通、駅のお客は一見さんだけだし、明らかに顔立ちの違う私はすぐに覚えてもらえる。

駅構内の飲食・日曜品関係の売店は24時間年中無休。だいたいみんなシフトで働いているので、時間帯によって店の人が違うけど、そんななかで小さな売店でいつも同じおじさんがいる店がある。いつ寝てるいのか、帰る家はあるのか、交代する相手は本当にいないのか、ちょっと気になる。

「あの制服の美女は誰だ?」日印の男性共通の関心ごとについて

オペレーション・スィンドゥール」に関するブリーフィングで出ていた「謎の美人陸軍幹部」については「おぉ!凛々しくてカッコいい!これはまるで映画のようだ!」と個人的に気になっていたのだが、ヴィクラム・ミスリ外務事務次官とともに出ていた陸軍のソーフィヤー・クレーシー大佐と空軍のヴォーミカー・スィン中佐について、「彼女たちは誰?」的な解説動画。

世の中の男性たちの関心は、インドも日本もおんなじであることがよくわかる。

それにしても陸空両軍からブリーフィングで女性幹部を出させるというのは、おそらく偶然ではなく、これもまた「女性の活躍」に力を入れるモーディー政権による意図が汲まれているものなのだろう。

同時にこうした場面で女性を登用することにより、「オペレーション・スィンドゥール」という軍の作戦としては非常に変わった名前との調和も取れている点からも興味深い。このあたりの「メディア映え」についても、やはりモーディー政権は計算済みのはず。日本からも注目しているほどなので。

またパキスタンへの攻撃のブリーフィングにて、ムスリムの軍幹部を登用することについて、戦争機運の高まる中で、国内世論が自国内で「ムスリム=親パキスタン勢力」と向かうことのないようにという配慮もあるのかもしれない。「クレーシー」という姓自体が亜大陸のムスリムの大半を構成するヒンドゥーからの改宗者ではなく、先祖がアラビアからの移住者である「ムスリムの中のムスリム」であることを示唆する。通常、ムスリムに姓はないのだが、特に家系に何か謂れのあるものがある場合はこの限りではない。

「クレーシー」とは、預言者モハンマドを生んだアラビアのクライシュ族のことで、クレーシー姓を名乗る人たちは、自身の出自がこのクライシュ族であるとしている。もちろんクレーシー姓を名乗る人たちはパキスタンにもいるのだが、インド陸軍からクライシュ族の血を引くとされる軍人がこのように登場することにより、国内に「ムスリムとの戦いではなく、世俗国家インドによる隣国のテロ組織への攻撃なのである」とアピールする意図があると思われる。

また外務事務次官のヴィクラム・ミスリについては、彼自身がカシミーリー・パンディトであることは偶然とはいえ、何か運命的な巡り合わせを感じる。

「パンディト」はブラーフマンを示唆するが、カシミーリーのヒンドゥーを総称してそう呼ぶ。これはカシミーリーヒンドゥーたちが歴史の中でムスリムへの改宗が進んだ結果、現在はブラーフマン以外のヒンドゥー教徒はほとんど残っておらず、「ヒンドゥー=ブラーフマン」という、インドの他地域には見られない特殊な状況になっているためだ。

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