「幸せの国」から来日した留学生たち

インドでは留学生を含めたブータン人はたくさんいて身近なため、インド人がブータンやブータン人にファンタジーな幻想をいだくことはないようだが、「幸せの国」などといったブータン政府による官製プロパガンダが浸透している日本では、いろいろと誤解(良い方向に)されているようだ。
ブータンからの留学生が増えてきていることから、彼らと接触する機会も増えてくるはずだが、人数が急伸していくとともに、それにつれて超過滞在その他のトラブルの事例も増えていくのは不可避。やはり彼らも高額な借金を抱えて来日するため、ベトナムなど他国からやってくる学生たちの中に見られるような問題とは無縁ではいられないだろう。
良い関係を築けるよう期待したいが、現実はそればかりでもないように予想している

急増するブータン人留学生 ――人手不足ニッポンの労働現場支える (YAHOO ! JAPANニュース)

「ゴンドワナ州」の提案

ゴンドワナ共和党という政党がある。
ゴンドワナ大陸にちなんだ気宇壮大なネーミングというわけではなく、チャッティースガルに暮らすアーディワースィー(原住民、先住民族)のひとつ、ゴンド族をはじめとするトライバルの人々の利益を代表しようという政党。

ちなみにゴンドの人たちが暮らす先住民族エリアで、それぞれ異なる言葉を持つトライバルの人たちの共通語はゴンディー、つまりゴンド族の言葉だそうで、トライバル社会の中で社会的に上位を占める存在のようだ。このゴンドワナ共和党は、チャッティースガル州からアーディワースィーが多く住む地域を「ゴンドワナ州」の分離させることを提案しているのは興味深い。

今月中旬にチャッティースガル州議会選挙、下旬にはお隣のマディヤプラデーシュ州議会選挙が予定されている。前者はBJPと国民会議派が拮抗、後者ではBJPが優勢と伝えられている。
国民会議派陣営にあり、UP州を本拠地とする社会党が、ゴンドワナ共和党とマディヤプラデーシュ州議会選挙における協力関係を持つことが発表されたとの記事を見かけた。当然、それに先立ってのチャッティースガル州でもそのような形になると思われる。

いずれにしてもどちらの州での選挙についても「統一的価値観+中央政府と同一政権による経済発展」(BJP)を取るのか、それとも「文化の多様性尊重、地域やコミュニティ特性の尊重」(国民会議派)を取るのかという選択が求められることになる。

そうした中で、仮に国民会議派が勝利したとしても、連立の中のごく小さな部分を占めることになる部族政党。数こそ正義なので大きな影響力は及ぼし得ない。よって、この地域で部族民を中心とする共産主義過激派の活動が盛んだが、マオイストたちにとって、圧倒的な数の力の前に投票という行動で無力な彼らによる武装闘争は「造反有理」で「革命無罪」ということになるのだろう。

Will contest Chhattisgarh, MP polls with SP: Gondwana party chief (MENAFN)

アルスィーサル3

現在、政府が音頭取って進行中の「スワッチ・バーラト(Clean India)」キャンペーンの一貫で、トイレを作ろうとか、ゴミ捨てないで掃除しようとか、いろいろな啓蒙活動が実施されている。これもその一環のスローガン。 

サファーイー・キー・タルワール、
カレー、ローゴーン・パル・ワール
(清掃という刀で、討て疫病を!)

陳腐なフレーズだが、さすが詩歌の国だけあり、ちゃんと韻とリズムを踏んだものとなっている。

小さなトリプラ州が分割される可能性

もともと小さなトリプラ州がさらに分割されることになるかもしれない。

州外からのベンガル系移民の流入が続いた結果、「ほぼベンガル化」された同州から、ベンガル化の度合いが低い地域が分離しようという動きが中央政府レベルでも検討されることになるようだ。

北東州への浸透を図ろうとする中央政府与党BJPは、トリプラ州では現地で旧来の住民の利益を代表する分離支持側の政党と共闘関係にあるということが強く作用している。

そんなわけでトリプラのベンガル系ヒンドゥーの人たちからの不興を買うことは当然予測されてはいるようだ。

Home Minister has agreed to form panel to look into Tipraland demand: Debbarma (THE ECONOMIC TIMES)

近年のタイと中国語

とにかく中国語での表記がやたらと増えている今どきのタイだ。20年、30年前のタイでは華人の店でお飾り的にお札とかで貼ってあるものの、本人たちは読めず・・・というのが普通だった。

華人人口が多く、一説では国民の3/4近くに、どこかで華人の血が入っているとまで言われ(タイの王家だってそうだ)ながらも、タイへの同化具合の高さゆえに、華語教育の普及度合いは低く、漢字が読めないことはもちろん、華語もしゃべれない者が多いことがタイ華人の特徴(チャイナタウンで集住し、父祖の言葉である潮州語、広東語をコミュニティ内で話すという例は除く)だったはず。

それが今や、観光地では漢字表記が溢れ、食堂のおばちゃん、トゥクトゥクやソンテーウの運転手さえもが怪しげなマンダリンを使って、中国人客に応対するという柔軟さにビックリ。

もっとも、今の日本では飲食店やコンビニで働く中国人は多いので、メジャーな観光地では、けっこう中国語が通じるという環境になっているのかもしれない。

昔はこうではなかったことを知らない人は、「タイは華人が多いので多少の中国語が通じることがけっこうある」と思ってしまうかもしれない。もちろん華人が多いというインフラあっての部分もあるのだが。