ホアヒンへ出発!

鉄道を楽しむには、空調のない窓を開け放った車両で音や匂いも感じながら移動するのが最良だが、ちょうど良い時間帯でネット予約できるのは「エアコン2等」の一択のみだった。連結している3車両すべてが同じクラスであるためだ。

まあ、それでも良い。車窓の風景を眺めつつ、通過したり停車したりする駅の佇まいや人々の様子を目にしながら進んで行くのは楽しい。バス移動では鉄道移動のような趣はない。やはり鉄道はそれ自体にエンターテイメントな要素がある。世の中に鉄ちゃんなる人たちがいる理由がちょっぴりわかる気がしないでもない。

ホアランポーン駅で買った弁当

ホアランポーン駅で買ったおばちゃんの店の弁当を食べて満足していたら、車内でこういうものを配られた。タイのエアコンクラスは食事付きとは知らなかった。加熱済みの真空パックのご飯、レトルトカレー2種、クリームサンドにバナナチップス・・・。

車内で配られた弁当!

定刻より30分遅れで着いたフアヒンの鉄道駅は見事であった。駅舎自体がそうだが、王室専用待合室も素敵だ。王室の御用車両だったものらしい。今は使われていないもののようだが、チットラーダー宮殿からホアヒンに直行していたという車両がピカピカに磨き上げた状態で駅前に展示されている。

遠からず駅舎が右向こうの建物に移転するとのこと。

王族のチトラダー宮殿からホアヒンへの移動に利用された車両

早朝のホアランポーン駅

早朝のホアランポーン駅。本当ならばとっくに業務終了して博物館になっている予定であったこの駅は、その後もターミナルとして機能していた。バーンンスー駅への移転が遅れているためだが、私にとっては都合がよい。

実に美しい駅だが、ここが終着駅としての機能を終えると、界隈はさらに寂れていくのだろう。かつての元気さはもうここにはないが、それすら失われるのだろうか。

今日はここから出発。ホアランポーン駅界隈はまだ80年代の面影がある。やはり泊まるならこの界隈が良いとも思う。

駅構内のマスクの自販機。いろいろなものが売られている。たぶんカオサンあたりでは創意工夫に満ちたさらに面白いデザインのマスクがありそうだ。

駅でおばちゃんの店から買った朝ごはん。宿出てからコンビニで買ったパンをかじりながら地下鉄駅まで歩いたが、元来お米派なので、朝からご飯を食べないと元気が出ない。お米、目玉焼き、野菜と挽き肉の炒めもの。味付けはちょっと違うが、自分がいつも食べている朝食と同じようなものであるのも良い。

優美なステンレス製品

昔ながらのバス車内のステンレス製内張り(冷蔵庫感がある)、トゥクトゥクのメタリック感などもそうだが、ステンレスを用いたタイ製品のシンプルかつ涼し気な感じが好きだ。地下鉄駅にはこういうベンチがあった。

このイメージででダイニングテーブルや椅子などがあったらと面白いし、事務用の机と椅子のセットがあったらぜひとも取り寄せたくなる。

シーロムの宿

空港からエアポート・レール・リンクに乗車。パヤータイ駅でMRTのブルーライン乗り換えてシーロム駅で降りる。地上に出たところは、かつてロビンソンデパートのあったあたり。バンコクのこのエリアについては相当昔の記憶しかないため、頭上は鉄道の高架で空がとても狭くなり、どこにいるのかわからなかったほど。

シーロムの交差点

宿は「Good One Poshtel & Cate」。1Fがカフェ。そこから上は宿泊施設。宿の人たちの感じは良く、真新しくてエアコンが効いているのだが、香港の重慶マンションを思い出す狭い部屋。廊下から見た客室は寝台列車のキャビンのように描かれている。シャワートイレ共同だがいずれもきれいだ。決して悪くないのだが部屋に窓はないし、転落すると怪我しそう。ベッド下は荷物置きになっている。冷房を切ることができず、風邪を引きそうである。

7Fに共用スペースがあり、自由にキッチンを利用したりエアコンかけたりコーヒーなど飲めるようになっている。これで515Bなので、今どきのバンコクの宿泊費はずいぶん高くなったと感じる。この料金帯で他のところではドミトリーであることが多い。コロナ禍でお客がほとんどいなかった頃の京都・奈良では、ビジネスホテルが2千円前後で泊まれていたので、だいたい同じくらいか。

安い宿泊施設は割高感がある一方で、中級クラスのホテルはバンコクでは供給過剰のため、かなり割安な感があるのは面白い。まあ、寝ているときは部屋が広くても狭くても、立派でも簡素でも何ら変わりはないものだ。

融通の効くタイの秀逸なコンセント。世界でコンセントの規格がバラバラなので、タップ側のほうでこういうフレキシブルなのがスタンダードになるといいかも。複数の異なるものが使用可能。

明日は早いので宿でさっさとシャワー浴びて着替えて食事に出ようかと思ったが、すでに時間も遅くなってしまったので、近くで弁当を買い、部屋でそそくさと済ませることにする。

宿を出てすぐのところにあるコンビニでこういうものがあった。チキンティッカマサラとビリヤーニーがコンビになっているらしい。監修したシェフはディーパンカル・コースラーのパンジャービーだ。バンコクには世代を継いで暮らすインド系の人たちが多く、パンジャービーがバンコクのインド系の人たちの間で占める割合は高い。飲食業に携わる人たちも少なくない。日本において今や普遍的な存在となったインド料理だが、バンコクっ子たちにとってはそれ以前から慣れ親しんできているのであろう。在住の歴史が長く、インド系財閥まであるほどだ。

さて、このコンビニのセットの味はといえば、やはりコンビニ飯なので云々言うようなものではないのだが、バンコクとインドとの縁の深さを改めて感じさせるものがある。