鉄道を楽しむには、空調のない窓を開け放った車両で音や匂いも感じながら移動するのが最良だが、ちょうど良い時間帯でネット予約できるのは「エアコン2等」の一択のみだった。連結している3車両すべてが同じクラスであるためだ。
まあ、それでも良い。車窓の風景を眺めつつ、通過したり停車したりする駅の佇まいや人々の様子を目にしながら進んで行くのは楽しい。バス移動では鉄道移動のような趣はない。やはり鉄道はそれ自体にエンターテイメントな要素がある。世の中に鉄ちゃんなる人たちがいる理由がちょっぴりわかる気がしないでもない。
ホアランポーン駅で買ったおばちゃんの店の弁当を食べて満足していたら、車内でこういうものを配られた。タイのエアコンクラスは食事付きとは知らなかった。加熱済みの真空パックのご飯、レトルトカレー2種、クリームサンドにバナナチップス・・・。
定刻より30分遅れで着いたフアヒンの鉄道駅は見事であった。駅舎自体がそうだが、王室専用待合室も素敵だ。王室の御用車両だったものらしい。今は使われていないもののようだが、チットラーダー宮殿からホアヒンに直行していたという車両がピカピカに磨き上げた状態で駅前に展示されている。