ナマステ・インディア2013

今年も東京都渋谷区の代々木公園にて、明日と明後日の9月28日(土)と29日(日)に「ナマステ・インディア」が開催される。

恒例のイベントのため常連客も多いため、「あ?やっぱり来てましたね」とか「お、久しぶり!」という具合に、出会う人々があるので訪れてみる、という向きもあるのではないかと思う。

ときにサプライズな著名人が来ていたりすることもある(過去にはスワーミー・ラームデーヴ、カラン・スィンなどがいた)が、今回はそういう人物の来場はあるのだろうか?

近年、混雑具合がますますひどくなっていているため、このように人出が多いイベントで会場に隣接する空きスペースでゴザを広げて、まるで花見の席のような宴会が繰り広げられていたりするのは、その混雑に更に拍車をかけているようで、ちょっとどうなのかな?という思いがしなくはない。

ともあれ、屋外のイベントなので天候に左右される部分が大きい。当日、好天に恵まれることを願いたい。

レストラン 「Nagaland’s Kitchen」

Nagaland's Kitchen

南デリーのグリーンパークの和食レストラン「たむら」の近くに、Nagaland’s Kitchenというナガ料理屋がある。

Nagaland’s Kitchen (zomato.com)

ナガランド料理づくしを期待していくと、メニューの半分以上が中華料理ないしはタイ料理が占めていることに面食らうに違いない。

また店内の雰囲気はなかなか洒落ているものの、洋楽が流れて大スクリーンでは欧州のサッカーが放映されているといった環境で、ナガランドの民族性をアピールするものといえば、室内で申し訳程度にあしらわれている槍やショールの類くらいだ。

でも、こうした控えめさと民族色の薄さといった具合もまたナガランドらしいと言えるかもしれない。

オーナーはナガ人。店内で働くスタッフたちは、アッサム他の人々であり、これまたニュートラルなところが良くも悪くもナガランドらしい。

もちろんそうした具合なので、ナガランド名物の犬料理、昆虫料理などを期待してはいけない。豚肉を使ったアイテムが多いのは、他の多くのインドの地域とは異なるところではあるが、そういうところにエキゾチシズムを感じる?インド人たちと違い、私たち日本人に目新しいものはない。

しかしながら普通のインド料理にはない「植物性か動物性かも判然としないが、何かを発酵された調味料」が使われていることは、私たち日本人の身体の一部となっている味覚や嗅覚で「これは旨い」とはっきり感じ取ることができる。もちろん日本人だけでなく、韓国や中国の人たちも同様の親近感を覚えることだろう。

ここに味覚の共通部分や深みを感じることができることに、ナガ料理をはじめとするインド北東州の料理の面白さがある。食文化圏の異なるインド人、西洋人にはたぶんわからない愉しみなのではないだろうか。

豚肉料理

すぐ真横に旧ウパハール・シネマがある。1997年の火災事故で多くの死傷者を出して閉館となったが、今でも当時の建物はそのまま残っている。この界隈に住んでいたこともあるため、幾度となく映画を観に足を運んだことはあるし、日本人女性、インド人女性とワクワクしながら鑑賞した思い出もある。

そんな映画館が火災でこのようなことになってしまった当時、ちょっと辛い気持ちがしたものの、今でも当時そのままの姿で姿を晒していることについては、昔々に書いたラブレターが、そっくりそのまま目の前に出てきたかのような、ちょっと気恥ずかしい思いさえする。

旧ウパハール・シネマ

店名:Nagaland’s Kitchen

所在地:S2, Uphaar Cinema Complex, Green Park
Extension Market, New Delhi

インドの華人コミュニティのドキュメンタリー

コールカーターには中華系社会が存在することで知られている。ときどきメディアで取り上げられることもあるが、現在の彼らの日常を描写したものとしてはもっとも良く出来た作品だと思う。

20分強という短い作品だが、今のコールカーターに暮らす華人たちの暮らしぶりを垣間見るのに取り早いだけではなく、限られた時間の中に凝縮されたエッセンスが詰まっているような、濃厚なドキュメンタリーだ。

ムンバイー在住のインド人ジャーナリストでドキュメンタリー映像作家としても知られるラフィーク・エリアスによる作品。彼の著書のDVDで鑑賞したことがある。秀作であるにもかかわらず、どこでも簡単に購入できるわけではない。

幸いなことにYoutube上で公開されていたので、多少なりともコールカーター華人社会に関心のある方はご覧になられることをお勧めしたい。

The Legend of Fat Mama (Youtube)

スィーパウの町1

味わいのある建物がある。
なかなか落ち着いた感じの町並み

スィーパウはミャンマーのシャン州の町だが、周囲に様々な少数民族の集落が多いことから、それらを訪れる目的でやってくる外国人は少なくない。

洋シャン折衷といった感じの建物も見かける。
これまたひとつの洋シャン折衷スタイル

この町自体、ピンウールウィンやカローのような、英領時代を思わせるヒルステーションのような高貴な雰囲気はないのだが、シャン州らしい木造で味わいのある建物を多く目にすることができる。

シャン州らしい造りの家屋

マンダレーからラーショーに向かう鉄道路線の中間点であること、この地域は軍の要衝のひとつであることなどもあって、植民地時代に住み着いたインド系・ネパール系の人々の姿もよくある。

だがここで一番大きなプレゼンスを感じるのは、やはり隣国中国だろう。中国系の人々の姿も少なくないのだが、中国人が多いというわけではなく、数世代に渡ってミャンマーに暮らしている華人たちはよく見かける。それ以上に、中国製品の浸透ぶりには目を見張るものがある。

マーケットで売られている衣類や日用品といったものばかりだけではない。街道を行き交うトレーラーやトラックといった物資輸送の車両の多くは、もはや日本の中古車ではなく、左ハンドルの真新しい中国製車両だ。人々が乗り回すバイクも、価格が高い日本メーカーのものではなく、安価な中国製二輪車だ。

町でみかけるバイクのほとんどがこの類のモデル
これもまた中国製

だがもちろん一般的な乗用車やバスは日本製の年季が入った中古車がほとんどだ。中・長距離バスとして使用されている日本の観光バスや長距離バスとして使用されてきた比較的新しい車両はもちろんのこと、古いバスの場合は「カーゴバス」と呼ばれる、前半分が乗客の座席で後ろ半分が荷物用となっているものを目にすることが多い。

カーゴバス 前半分客席で後半分が荷物積載スペース

パンカム村への一泊二日のミニトレッキングから戻ったばかり。空腹を満たすために出かけたのは華人が経営する食堂。中華系移民の子孫だが、慎ましい田舎町でこれほどの規模の飲食施設を経営できる才覚とは大したものだと思う。上階は結婚式その他のセレモニーに利用するホールとなっている。

田舎町には似つかぬ規模の華人食堂。ただし価格は庶民的。

<続く>

タイフェスティバル2013は5月11日(土)と12日(日)に開催

東京都渋谷区の代々木公園で開かれる恒例の年中行事になって久しいタイフェスティバルだが、今年は5月11日(土)と12日(日)に開催される。

4月14日(日)には、豊島区の池袋西口公園にて「第14回カレーフェスティバル&ボイシャキメラ バングラデシュ正月祭」が開催されることは先にお伝えしたとおりだが、春先から梅雨入り前までの季節における屋外イベントというのは実にいいものだ。

タイフェスティバルについては、近年は混雑がひどくなってきていて、会場内は押し合いへし合いといった具合で非常に窮屈ではあるものの、スペースに余裕のある代々木公園なので、会場とは少し離れた場所でレジャーシートを敷いてのんびり過ごす人たちの姿も多い。

日がなのんびりおしゃべりをしながら、ときどき何か食べ物をつまんではビールをゴクリと、お気楽な休日を楽しみたいものだ。好天に恵まれることを期待しよう。