ダーンディー・ビーチ 「塩の行進」の海岸

1930年にガーンディーが支持者たちを率いて、アーメダーバードのサーバルマティ河のほとりにある彼のアーシュラムから、ここダーンディーの海岸まで25日間かけて実施した「塩の行進」。

到着翌日にはこの海岸で象徴的に塩を作ってみせることにより、人々に英国による専売の不当さをアピールするとともに、国民自ら塩を作り出そうと世間に訴えた。
この行進は、ガーンディーの非暴力不服従運動、スワーデーシー(国産品)運動の全国的な展開へと繋がる大きな契機となった。

ナウサリーに駅からオートでダーンディーの海岸まで往復してみた。街から出ると道の両側が大きな並木が続くインドらしい街道風景が続く。こうした眺めも交通量増加に対応するための道路幅拡張の工事、自家用車でのエアコンの普及などにより、かなり減ってきている。

このあたりの海岸の土壌ってどこも黒いのは鉄分が多いためだろうか。これがずっと南に下り、コンカン地方になると土壌が赤くなる。このあたりとは地質自体も異なるものと思われる。

辺りは平坦で何の危険もないと思われるのに、なぜ「セルフィー禁止」の看板が・・・?

ティーラトガルの滝

ジャグダルプルを出てからしばらくの間は良い道路が続く。昔ながらのインドの幹線道路では、これよりもっと大きく天を突くような大木が道路両側に等間隔で並んでおり、スケールの大きな景観を提供していた。中央アジア地域や中国の新疆でも道路両側に大きなポプラ並木が見られるが、樹木の種類は違えども、目的は同じだろう。緑のトンネルが遮光して往来する車両や人を強烈な日差しから守る、交通にかかる「インフラ」のひとつであった。

英領期から計画的に植えられてきたものだが、モータリゼーションの大衆化、物流の大量化、高速化に伴い、全国各地で幹線道路が複数車線化していく中で、当然こうした国道沿いの緑のトンネルは急速に姿を消している。おそらくパキスタンやバングラデシュでも同様だろう。幹線道路脇の並木は伐採されて、道路幅が拡張されていくのだ。

やがて周囲は森となり、勾配のある山道となってくる。こういう眺めを目の前にすると、マオイストが潜んでいるのはそういう地域なのだろうかと想像する。バスタルは「チャッティースガルのカシミール」などとも表現されることがあるが、高度がありスイスのような景観のカシミールとでは、美しさが異なる。

マオイストたちはこんな具合の森に潜んでいるが、夏季にはマラリアに大変苦しめられるという。

この地域ではやたらとサルが多い。ニホンザルの近縁のアカゲザルである。私には区別さえつかない。これほどたくさんいたら、このエリアを徒歩で行くのはかなり危険であろう。これは滝に着いても同様で、周囲にはサルがとても多かった。

やたらとサルが多い。

さて、そのティーラトガルの滝だが、天然の階段状になった小高い斜面を流れ落ちるという視覚的に面白いものはあるのだが、格別といえるような風情や眺めがあるわけではなかった。この日の目的地は他にあり、ここは途中で立ち寄っただけなのだが、もしここに期待して訪れていたら、かなりガックリきていたかもしれない。

滝の近くのマーケットで売られていたみやげ類
いまひとつパッとしない。

持続性のある公衆トイレ

デリーに本部を置く「Sulabh international」というトイレ普及を推進するNGOがあるが、BJP政権のスワッチ・バーラト(クリーン・インディア)キャンペーンとの相性が良く、全国各地に公衆トイレをどんどん増やしている。
行政機関が作るそれらと違うのは、建ててからの保守もしっかり続けていること、その業務に従事する人たちの待遇改善にもきちんと配慮していることなどがある。
持続性のある公衆トイレ。これがインドではなかなか難しいのに、よくやっている。そのSulabhのトイレがカーンケールのバススタンド裏手にあるのを見て驚いた。
こんな小さな町でも活動しているとは。
ただ、懸念されるのは政権が代わった場合でもこの政策が引き続き実施されるのか、それともすっかり無かったものとされてしまうのかというところだ。

「スワッチ・バーラト (Clean India)」ミッション

コラバの海に面したところに出来た有料トイレ

ムンバイのコラバで海に面したエリアに使用料金5Rsのキレイな有料トイレができていた。
このあたりを散歩するおのぼりさんたちは多く、たいていはこのあたりで立ちションしていたものため、ちゃんとしたトイレがあるのはいいことだ。
散歩している人たちによると、「確かに良いことだ。だが問題はこれがいつまで維持できるかということだね。」とのこと。
「スワッチ・バーラト」ミッションの関係で、インド各地で村などの家にトイレを作らせたり、街中などでは公衆トイレを整備したりしている。この関係の事業には政府からお金が出ているため、かなりの活況らしい。
だがこのキャンペーンが終わったらどうなるのか、政権交代したらどうなるのかという部分については、まさに神のみぞ知る・・・といったところだ。

コラバの夜明け
優美なタージマハルホテルの建物

ダーラーヴィーのスラムを通過

ボロボロで建物全体とは呼べないような構造物の中に居室があったり店があったりする。地上階と上階はそれぞれ別々に貸し出されていること、スペースが狭小であることから、上階へは階段ではなく、ハシゴで上るようになっていることが多い。
こんなところなのに、路肩にはなぜかロイヤルエンフィールドの若者向けのカッコいいバイクが置かれていたり、崩れかけた家屋のハシゴから降りてくる青年が大型画面のスマホを手にしていたりする。こんなスラムだが、けっこう大きな金額が日々動いており、けっこう可処分所得の高い個人や世帯も少なくないとは聞く。