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投稿者: ogata

  • 番外 Googleで眺める景色 チリカー湖

    番外 Googleで眺める景色 チリカー湖

     オリッサ州のチリカー湖といえば、世界で2番目に大きな汽水湖として知られている。太古には湾であったものが、潮流の関係でサンドバーが形成された結果、奥行きのあまりない低地に遮られた湖が出来上がることになったとされる。 

    例によってGoogleで眺めてみても、非常に面白い地形であることがよくわかる。長く続く浜のすぐ背後に湖がある。

     ここが海とつながっている部分で、潮の状態により湖と海の水が行き来するのだろう。

     広大な低湿地帯とおぼしき地域も多く、湖内もエリアによって水深が大きく異なるはずだ。

    貴重な自然環境であるとともに、イラワディ・ドルフィンが棲息していること、渡り鳥その他の多様な野鳥の宝庫であり、それらが餌とする魚類や甲殻類も種類が豊富であることがよく知られている。 

    モンスーン期には非常に沢山の雨が降る地域であることから、雨季と乾季とではずいぶん異なる景観が広がることだろう。 パソコンの画面で眺めていても、大地の姿というものはとても興味深い。 

    さて次の休みにはどこに出かけてみようか・・・?

  • スパイスジャーナル

    スパイスジャーナルというスパイス専門のバイリンガル季刊誌がある。A5判で30ページほどの冊子だが、現在出ているのは第3号で、次号は2011年1月下旬に発行予定であるとのことだ。価格は300円。 

    ページをめくってみると、インドでよく使われているスパイス類についての解説、料理レシピ、インドからのレポート等々が並んでいる。 

    『あれ?』と目に留まったのは、豚の角煮の写真である。Kakuni Masala (Okinawa Style)と書かれている。沖縄スタイルと書かれているとおり、ラフテーのことであるようだ。だが材料の項目では調味料として、醤油や泡盛に加えてクミン、カルダモン等々のスパイス類が挙げられている。 いつもマメに手料理を作っている私は、早速ブタのバラ肉を手に入れて調理にとりかかってみることにした。 

    レシピ通りに作ってみたKakuni Masalaは、家族にもなかなか評判。醤油が入っていること、かなり長く煮込むことなどから、スパイスの新鮮な香りはかなり失われてしまうものの、そのいっぽうで味とコクが格段に深まることがわかった。 

    ふと思い出したのが、数年前にメガーラヤ州都のシローンで食べた大きなブツ切りの豚の角煮カレー(のようなもの)だ。地元のカーシー族は豚肉をよく食するようだ。その店は、華人が経営する中華料理屋であった。モンゴロイド系のカーシー族が多い中で目立たないが、華人はけっこう在住している。その店のオリジナル料理なのかどうかはよく知らないが、なかなか美味で、豚肉を使っての中華・インドのハイブリッド料理もなかなかイケルことを知ったのはそのときだ。

    単にスパイスとインド料理の紹介に留まらず、日本の食環境の中での新たな味の提案というのはあまり見かけない気がする。次号で紹介される料理は何かな?と期待しているところである。

    購読申込みは同誌ウェブサイトから。

  • IRCTC (アップデート)

    昨年の今ごろ、インド国鉄の傘下組織であるIRCTC (Indian Railway Catering and Tourism Corporation)のウェブサイトを通じたインド国鉄のチケット予約について、そのコツ(・・・というほどでもないが)を取り上げてみたが、現在はかなり状況が変化しているため、新たに記しておくことにした。 

    インド国外で発行されたクレジットカードを使用する場合、以前はVisa、Masterともにちゃんと手続きできたのだが、残念なことに現在はアメックスのカードを除き、IRCTCの予約サイトで決済できなくなっている。 (近い将来これもまた変わるかもしれない)

    従前より、ウェブ上でインド国鉄チケットを購入できるところはといえば、前述のIRCTC以外にはインドのトーマスクックなど有名だが、やはりIRCTCと決済条件は同じで不可。目下、アメックスを除きインド国外で発行されたクレジットカードでインド国鉄の予約ができるサイトとしてオススメは、www.cleartrip.comである。 

    上記サイトにアクセスして、画面右上のregisterをクリックして会員登録を済ませた後、画面左上にいくつか並んでいるメニューからtrainsを選択して予約作業を始めることができる。 

    利用したい区間、列車の選択、クラスの選択に続き、空席照会してから予約、そして支払という具合だ。データはもちろんIRCTCのサイトと連動しているので、作業内容と手順は同じだ。 料金については、列車チケット料金に加えてIRCTCのサービスフィーがかかるところまでは同じ。加えてCleartripの手数料が20ルピーかかる。 

    日本その他の国々から、年末年始に旅行でインドを訪れる方々は多いことと思うが、渡印前に鉄道を予約される際にこの記事が役立つことがあれば幸いである。

  • Namaste Bollywood #26

    Namaste Bollywood #26

    早いもので今号にて創刊4周年である。毎回楽しみにしている巻末のBollywood Filmy Pedigreeで取り上げられているのは、シャトルガン・スィナー家族。今年後半のヒット作『ダバング』でデビューした娘のソーナークシー・スィナー。今号の表紙になっている女性だ。 

    ソーナークシーといえば、少し前にニュース雑誌インディアトゥデイ関連の報道チャンネルのアージ・タクの中の『スィーディー・バート』で父親と一緒に出演していた。毎週、各界の有名人や政治家等をスタジオに招いて、同誌エディターのプラブ・チャーウラーがインタビューするプログラムである。放送された映像がネットにアップロードされている。 

    Seedhi Baat – Shatrughan Sinha, Sonakshi Sinha (rajshri.com) 

    プラブ・チャーウラーの話の引き出しかたが巧みで、いつも賑やかな会話がなされているのだが、ゲストが親子で出演というのは珍しい。映画に関するトピック、家族に関する話題など、内容は他愛のないものであったが、ソーナークシー自身はボリウッドの新星というよりも、どこにでもいそうな普通の娘さんといった風で好感が持てた。 

    プログラムを見ていてもよくわかるが、父親との仲もとても良いようで、見ていてほのぼのとさせられた。一番身近な人と一緒にいるためか、本人の素顔がうまく引き出されていたのではないかとも思う。 

    ひとつびっくりしたのは、ビデオの中の会話に出ていたが、ソーナークシーは以前かなり太っていたらしい。1年間で30キロも減量したとのことなので、ちょっと前とはまるで別人のように変身したのだろう。個人的にはとても輝きを感じている女優なので、リバウンドしないことを願うばかりである。体型は食習慣や嗜好と深いつながりがあるため、『タガが外れて』元の木阿弥というリスクを秘めている。 

    話はNamaste Bollywood #26に戻る。今号もまた話題の新作や発売されたDVD、ボリウッド関連書籍など、映画の都の銀幕の話題満載だ。だが普段とちょっと志向の違う巻頭特集に注目する人は多いだろう。 

    言うまでもなく、日本語で書かれている同誌は、日本国内在住のボリウッドのファンを対象に書かれている。『ボリウッドのある暮らし』と題してDVDプレーヤーの再生環境を取り上げている。インドで買ってきたDVD、あるいは通販で購入したDVD(もちろん正規版の話)がうまく動作しないといったトラブルを経験したり、耳にしたりしたことがある人は少なくないだろう。 

    本来はリージョン・フリーで販売されていても、アナログテレビ機器側の仕様の問題であったり、あるいはインド国外で入手すると米国市場向けでリージョン1の設定になっているものがあったりというケースなどがあるらしい。 

    そうした不具合に対処して、快適にDVD鑑賞できる環境を整えようというのが今回の特集の趣旨。編集部オススメの機器(これが意外に格安!)の紹介もなされている。詳しくはNamaste Bollywood #26を読んでいただきたい。 

    さて、次号はどんな話題が取り上げられているのだろう?と今から楽しみにしている。

  • サッカーと軍政

     インドの東隣のミャンマーでは2009年からMNL (Myanmar National League)というプロサッカーリーグが発足した。同年5月から2か月間ほどに渡るカップ戦が展開され、今年3月からは10のクラブチームによる正式なリーグ戦が開始され、記念すべきMNLリーグ初代優勝チームはYadanarbon F.C.である。 

    言うまでもなく旧英領であったこの国では、サッカーという競技の歴史は古い。かつてはアジアを代表する勢力であったこともあり、観るスポーツとしての人気も高かった。社会主義計画党時代のビルマでは、実業団チーム(といっても省庁や自治体が構成するチーム)のリーグがあり、私自身も『税関vsヤンゴン市役所』(であったと記憶しているが・・・)の試合をアウンサン・スタジアムで観戦したことがある。 

    その後90年代に入ると、いわゆるクラブチームがいくつも結成されるようになり、ヤンゴン市にはプロチームさえ存在していたものの、全国的なプロリーグというものはなかった。 

    いまや地域の他の国々の多くにプロサッカーリーグがある昨今、経済的に非常に厳しい状況にあるミャンマーにもそうしたものができるのは時代の流れなのだろうと思っていたが、その裏には軍政による大きな後押しがあったことを示唆するニュースがあった。

    昨日、ジュリアン・アサンジュ氏がイギリスで逮捕されたことが各メディアで伝えられていたが、彼が創設したウィキリークスから流された在ヤンゴンのアメリカ大使館発の公電に関するBBCの報道がそれである。

    मैन यू ख़रीदने पर हुआ था बर्मा में विचार (BBC Hindi) 

    上記記事によれば、2009年1月以前に当時の軍政の議長タン・シュエ氏が10億ドルを投じて、イングランドのプレミア・リーグのマンチェスター・ユナイテッドを買収としようと画策していたということだ。 

    サッカーによって政治・経済に対する国民の不満のガス抜きをしようという目的、タン・シュエ氏自身が同チームのファンであり、彼の孫もチームの買収を強く希望していたという個人的な動機があったとのことだが、近年有望視されている領海内のガス田からの収入等を背景に、それほどの金額を出資することが可能であったという点はちょっと驚きである。 

    しかしその前年2008年5月にミャンマーを襲ったサイクロン『ナルギス』の被害からの復興の遅れ、加えて外国からの援助を断り、被災地の人々に対する痛手をさらに大きなものにしていると国際的に非難を浴びていた時期でもあったことから、これを断念したということ。そのため自国内にプロリーグをスタートさせることを決心したということが書かれていたそうだ。 

    だからといって2009年初頭にマンチェスター・ユナイテッドの買収を諦める代わりに4か月ほどでプロリーグを始動させるというのは無理があるため、もともとそういう方向で動いていたものを前倒しさせることになった、という具合なのではないかと思う。

    確かにMNLがリーグとして正式に開幕したのは2010年だが、それに先立って2009年に2カ月間のカップ戦を行なうというのは中途半端で解せないものがあった。このあたりについて、やはり当時の軍政の意向が働いたのかもしれない。 

    そもそもミャンマーにおいては、90年代以降は経済の様々な分野における民営化の進展著しいが、その中で軍関係者による関与はとても大きいようだ。 

    当然MNLを構成するクラブチームについても、純粋に民間人による運営がなされているとは想像しにくいものがある。後に機会を設けてそれらの背景について調べてみようと思う。 

    11月に実施された総選挙により『民主化された』という建前となっている同国の政治同様に、一皮剥けば経営陣に軍関係者たちがゾロゾロ・・・という具合であるかどうかはさておき、なかなか興味深いものがあるのではないかと想像している。

  • 違いを越えて

     以下の動画は、デリーの地下鉄の女性専用車両に乗車している男性たちに対する取り締まりの様子だそうだ。 

    Men beaten off women’s train in India (YouTube)

    車両の中の男性たちが手荒に叩き出されている。なんとも哀れというか、みっともない有様ではある。後半の映像では、おそらく他の車両がひどく込み合っていて、ここにしか乗り込むことが出来なかったりしたのではないかと思うが、ずいぶん沢山の男性たちの姿がある。 

    しかしラッシュ時にこそ女性専用車両の価値があるため、このくらい思い切った手立てが必要なのだろう。ジェンダーの違いによって生じる著しい不都合や不利益がある場合、これを是正する手段は不可欠だと思う。 

    今やどこの国でも男女平等ということが言われているが、たとえばこの女性専用車両のように、ジェンダーによるこうした逆差別もときには必要であることは誰も否定しないだろう。 

    そんなことからふと思ったのが、何をもって平等とするかということだ。雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(通称:男女雇用均等法)が1999年に大幅改正された。これによって従前は努力規定であったものが禁止規定となった。 

    あれから10年以上経つが、求人の際に性別は当然書かれていなくても、業務内容の関係上から実際に採用されるのはほとんど男性ばかり、あるいは女性ばかりというケースはよく耳にするし、待遇や昇進について事実上差があるというケースは少なくないようだ。もちろんそれも職場によりけりではあるが。 

    しかし総体的には、これにより女性の社会参画が促進されたとされるし、反対にそれまで女性の職場とされていた分野への男性の参加も増えたことも間違いないようだ。法の下に働く人々の間のジェンダーの違いによる格差が、少なくとも建前上は否定されたことの意味は大きい。 

    だが人は社会人であるとともに家庭人でもあり、その中での役割の違いというものもある。何も女性が家事の大半を担うべきであるなどと言うわけではない。子供に対して父親だからこそできること、母親でこそ可能なことなどいろいろある。また子供たちから見て父親にしてもらいたいこと、母親に期待することなどもいろいろ違うこともある。私たちの幼い頃を思い起こせば胸に浮かぶことはいろいろあるだろう。 

    そのあたりも考え合わせると、1日24時間という限られた枠の中で、世の中の男女が同じ働き方をすると、しわ寄せが行くのは結局のところ家庭ということになってしまわないだろうか。そもそも結婚することさえ難しくなってしまうことはないのだろうか。 

    不況が続き、雇用や収入に不安があるとはいえ、今のところ日本は平和で衣食住事足りた社会である。それにもかかわらず少子化に歯止めがかからないということは、生物学的には非常に矛盾した状況だろう。 

    そんな中で、私たちから見て二世代くらい前の『人々の暮らし』から学ぶことも少なくないのではないかと思う。社会のありかたや仕事のやりかた等は時代とともに移ろうが、昔の人たちのやりかたが間違っていたわけではなく、今とは違った豊かさや温かみがあったはずだ。文化や伝統と同じく、世代を超えて受け継いでいくべき先人たちの『ワークライフバランス』の豊かな知恵があるのではないだろうか。 

    ジェンダーの違いを越えた本当の『平等』や『均等』とは、必ずしも今の私たちがそうであると受け止めているものとは少し違うものがあるような気がしてならない。

  • Googleで眺める景色 4  ガンジス上流と水源地

     やがて流れはハリドワールからリシケーシュへとたどると山間部にと入ってくる。

     デーワ・プラヤーグコーテーシュワル・ダムと遡上していくと、すでに山間の深い谷間を流れている。地形からしてかなり急流であろう。大規模な崖崩れの痕らしきものも見える。川沿いにいくつか集落も見える。特に橋もないようなので、両岸はすぐそこに見えても、互いに『ヨソの世界』みたいな感じではないだろうか。 このあたりで景色が開けているところといえば、テヘリー・ダムとその先でちょっとした扇状地が広がる集落。 

    さらに進むとウッタルカーシーの町がある。少しでもまとまった平坦な土地があれば、居住地あるいは農地として有効に活用されている印象を受ける。だがそこから先に行くと町らしきものは見当たらなくなってくるし、規模の小さな集落も少なくなってくる。 しばらく進むと、ローハリーナグパラー・ハイドロ・プロジェクトと表示されているものが目に入ってくるが、このあたりにダムを造る計画でもあるのだろう。 

    さらに上流へとたどると急峻な山岳の合間を縫うように進むことになるのだが、突然広い川床が見えてきた。周囲の景色に雪らしきものが見えるため、川床が白くなっているのは砂ではなく、降雪のためなのかもしれない。気候も厳しく、何かにつけて不便な土地に違いないと思うが、それでも川沿いの斜面には集落があり、人々が暮らしている。 やがてガンゴートリーの集落が見えてくるあたりになると、周囲を4000~5000メートル級の峰々が囲んでいる。 

    ガンゴートリー氷河の端であり、ガンジス河の始まりでもあるゴームクはこのあたりだ。そこからさらに上の氷河の張り付いた山の姿はこんな風になっている。 

    ガンジス河の本流に限らず、下っていくに従い合流してくる支流も同様に、こうした氷河なり、山間の積雪や湧水なりを水源としている。沢山の細い流れが次第に合わさり、やがて大きなひとつの河となる。最後には海へと注ぎ込まれるわけだが、今度は大海から蒸発した水分が雲となり、雨となって大地に降り注ぐことにより、それがまた河の水となって流れていく。 

    私たちの身体には常に血液が流れているが如く、絶え間なく水が循環している大地もまたひとつの大きな生命体であることが感じられ、人間もその大きな命の中の一部(限りなくちっぽけな存在だが)であることを思い起こさずにはいられない。大地は生きている。 

    <完>

  • Googleで眺める景色 3 ガンジス下流

    特定のスポットをズームアップしてみたり、外国の友人の住む街を表示して『ああ、こういうところなのか』などと眺めていたりしても、やがて飽きてしまうのだが、広域を俯瞰したり特定エリアをズームアップしたりと繰り返していると、地表がシームレスに繋がっていることをつくづく実感できる。従来の紙に印刷された地図等ではあり得なかったことだ。 

    緑の分布からその地域の気候等も把握できるし、海面の色合いからそれぞれの海域の深度もある程度想像できるだろう。私たちの命の源である水を運ぶ河川をたどっていくのもなかなか興味深い。 

    エジプトのように、湧水のあるオアシスが点在しているのを除けば、ナイル河沿いの細い帯状に耕作地や街などが集中している状況からは、まさに『エジプトはナイルの賜物』であることが納得できるし、水なしでは人々が生活できないことがよくわかる。 

    エジプトほど極端ではないが、インドもやはり大河沿いに人口の多い地域が広がっている。先日、スンダルバンのあるバーングラーデーシュのガンジス河口地域に目を移してみよう。 

    拡大してみるとよくわかるが、低地帯なので河は幾筋にも分かれて蛇行している。さらにズームアッブしてみると、さらに細い流れも確認できたりして、実に水量豊かな大地であることが一見してわかる。 

    少し上流に向かうと、首都ダーカー南東でアッサム州南西部から流れてくるカールニー河と合流する。少し遡るとラージバーリーあたりで同じくアッサム州の東部から流れてくるブラフマプトラ河と合流する。このあたりから水量・河幅ともに一気に拡大する。 

    ナワーブガンジ(ノワーブゴンジ)の少し先からバーングラーデーシュを出て、インドの西ベンガル州に入る。そこから隣のビハール州へと越えたあたり、ちょうどバガルプルの北側はガンジス河がコースィー河と合流しているが、このあたりでは一番の低地となっているため、その他中小の河川も流れ込んでいることもあり、非常に複雑な地形となっている。雨季に河川の氾濫や洪水に悩まされがちな地域であるのは頷けるところだ。 

    ビハール州都パトナー東側でガンダク河、西側でカルナーリー河、ソーン河との合流点から遡ると、かなり川幅は狭まる。そしてU.P.州のバナーラスを経て、イラーハーバードのヤムナー・ガンジス両河の合流点に至る手前には中洲がある。

     河床にある島であるため、市街地らしきものは見当たらないが、全体が耕作地になっているようだ。雨季の増水で洗い流されることさえなければ、河による沖積で出来た土地であることから水と地味に恵まれた良質な農地であるはずだ。 

    カーンプルを経て、ウッタラーンチャルに入るあたりまでは単調な風景が続く。さきほど眺めたバーングラーデーシュあたりの景色も含めて、ここまで遡上するまでの間に通過する大きな街や工業地は多い。生活排水や工場等から流出する排水等々、相当大量の汚水が日々流されているのだろう。 

    <続く>

  • Googleで眺める景色2 壊されていく船舶、造られる船

     スンダルバンから東に視点を移すと、バーングラーデーシュで『船の墓場』として知られるチッタゴン近郊の浜辺の様子が目に入る。浅瀬に座礁させた大型船舶が解体を待つ様子が見て取れる。 

    同様の景色は同じく船の解体場として有名なインドのグジャラート州のアランのほうでもあり、少なくともこの画像の撮影時点では、こちらのほうが処理される船舶の数は多いように見える。 

    さらに西のパーキスターンのバローチスターンにあるガッダーニーも同様の作業が行われていることが知られており、無数の船舶が海岸線に打ち捨てられた状態になっていることがわかる。 

    こうした現場の作業員たちが非常に劣悪な条件下で働いていること、また環境保全の面からも有害物質等の流出への対策が何ら取られていないことから、様々な問題提起がなされているところだ。 

    それとは反対に、今まさに建造作業真只中のダウ船が並ぶ景色も見ることができる。グジャラート州のマンドヴィーは、かつてアラビア海を越えての交易に活躍していたダウと呼ばれる帆船の建造が盛んであったが、現在も同様にこうした船が造られている。もちろん現代のダウはエンジン付きだ。作業は露天で進んでいくため、こうした風景を上空から撮影することができるわけである。 

    外部の人間の立ち入りに制限のある船の解体場は訪れたことがないが、こちらは幾度から訪ねてみたことがある。誰でも作業の様子を船の外から見学できるし、関係者らしき人も気さくに質問等に答えてくれる。 

    18世紀から19世紀にかけて、現在はパーキスターンとなっているスィンド地方はもちろんのこと、ペルシャやアラビア、さらに遠くは東アフリカとの交易の拠点であり、この地からそれらの地域へと足を延ばした商人たちも多かったようだ。 

    その後、印パ分離前、そして船から飛行機の時代に移るまでは、それなりの賑わいを見せており、カッチ地方随一の商都として栄えたマンドヴィーも、今ではすっかりひなびた田舎町になっている。 

    そんな歴史に思いをはせながら、今なお建造されているダウ船を眺めているのもなかなか楽しいものだ。 

    <続く>

  • Googleで眺める景色1 マングローブの大森林

     Google EarthでもGoogleマップでもいいのだが、ベンガル地方のスンダルバンの様子を見てみよう。 

    茶色がかった薄緑になっているエリアと濃い緑色になっている地域とが鮮明に分かれている。これは植生の違いによるもので、前者は地元の人々の開墾地、後者は国立公園として保護されている土地だ。 

    ガンジス河下流のデルタ地帯の南端に位置し、土地の高さがほとんどないことから、入り組んで流れる大河の河口に点在する無数の島のようになっている。 

    とりわけモンスーン期には、地形がかなり変わるはずだし、水の流れに削り取られる土地があるいっぽう、新たに土砂が堆積して出来上がる土地もあるはず。拡大して仔細に眺めてみると、開墾地の中にも無数の水の流れがあり、多くは人の手によって水路として調整されているようだ。地味豊かで水量豊富で温暖なこのデルタ地帯は、世界有数の米どころでもある。 

    だが大自然は人の手で管理しきれるものではない。とりわけこのような大河の最下流地域では。地表の画像はときどき更新されているが、少なくとも今日現在公開されているものでは、明らかに水没していると見られる広大な開墾地もある。 

    深い緑に包まれた保護地域の側は、世界最大のマングローブの密林。その中を流れが幅や方向を複雑に変えながら進む無数の流れが見て取れる。 

    スンダルバンのマングローブのジャングルは、国境をまたいでインド側はSundarban National Parkとして、バーングラーデーシュ側はSundarbansとして、ともにユネスコの世界遺産に登録されている。 

    以前、『スンダルバンへ』と題して、インド側の国立公園を訪れたときのことを書いたが、いつか機会があれば東側のバーングラーデーシュの側にも行ってみたいと考えている。

    しかしながら、同じひと続きの広大なマングローブの大森林を分け合っている両国が、その保全を共同で担うとともに、貴重な自然遺産であるとともに大きな観光資源でもあるこの地域を相互に行き来できるような時代が将来訪れないものだろうか、とも思う。 

    開発が厳しく制限されている地域であり、大河の河口地域の湿地帯という地理条件もさることながら、トラやワニなどといった危険な肉食動物が徘徊するエリアでもあることから、観光客が自前の足で自由に見物できるよう具合ではない。少なくともインド側では基本的にツアーボートでのみ訪れることができるようになっており、上陸できる地点も限られている。 

    そうした意味で観光客の出入りを管理しやすいということもあり、インド・バーングラーデーシュ双方が合意のうえで、共同で観光業の振興を図ることはあながち不可能ではないように思われる。文化遺産においても両国にまたがって関連する遺跡が散在している。またガウルのように、遺跡群そのものが国境を境に分かれているものもある。 

    東南アジアに目を移せば、タイ・カンボジア国境のカンボジア側にあるカオ・プラ・ヴィハーン遺跡(タイ側が領有を主張しているがカンボジアが実効支配している)のように、訪れる人々のほとんどがタイからやってくるような場所もある。自国領であると主張するタイ側のチェックポストの類はないが、カンボジアの側ではイミグレーションらしき簡素な施設があり、パスポートのチェックがなされるものの、ヴィザは不要で入国印が押されることもない。ちなみにGoogleで表示されたロケーションはこちらである。 

    両国の係争地となっているにもかかわらず、どちらも観光に力を入れている国であるがゆえに、地域振興や外貨収入等を目的に観光客に広く公開されているようだ。『カンボジア側』にある同遺跡を訪れるために、バンコクから直接乗り入れるツアーバスもあれば、比較的近いところにある大きな街のウボン・ラチャタニーからタクシーをチャーターする人も多い。タイ東北部には他にも大きなクメール遺跡は多いが、その中でもハイライト的な存在である。 

    遺跡の入場料の収入は、カンボジア側に落ちることになるが、タイ側でも遺跡の手前にある事実上の国境にたどり着く前にチェックポストがあり、観光客は『国立公園入場料』名目にて一定の料金を支払わされる。この国立公園内にいくつかクメール遺跡が散在しているものの、カンボジア側にあるカオ・プラ・ヴィハーン見物以外の目的でここを訪れる人はほとんどいないため、タイ側で徴収する同遺跡の入場料ということになる。 

    カンボジア側にしてみても、このあたりは反政府勢力の軍閥クメール・ルージュが拠点としていたエリア界隈で政府側が確保していた飛び地のような存在であった。内戦終結後もしばらく1990年代末あたりまでに多くの有力幹部が投降するまでの間、不安定な状況が続いていた。今でもカンボジアで最も多くの地雷が残されている地域のひとつとして知られている。 

    そんなわけで、カンボジアとしても『自国領内』にありながらも、アンコール遺跡を訪問する観光客をそのままこちらに誘導するには困難なものがあったため、『国境の向こうのタイ』側からお客を誘致する必要があった。 

    そうした具合に、要は観光業による収益の確保という極めて実利的な目的のもとに両国の思惑が一致しているがゆえに、実際に幾度か銃火を交えての紛争の舞台ともなった係争地でありながらも、カジュアルないでたちの観光客たちが日々押し寄せるという平和な光景が実現されている。 

    タイから見れば観光客たちは自国内の遺跡を観光するのだから出入国管理のようなものはない。カンボジアにしてみると、タイ側から人々が入ってくるので、一応イミグレーションのようなものはある。だが手続きは省略されているため、この遺跡を見物するのにヴィザは要求されず、出入国印が押されることもない。 

    話は大きく逸れてしまったが冒頭のスンダルバンの関係に戻る。 

    もちろんインド・バーングラーデーシュ間には、タイ・カンボジア間とは異なる事情がいろいろあり、スンダルバンは単一のスポットではなく極めて広大なマングローブの大森林であるなど、地理的な条件もまったく違う。もちろん両国の係争地などでもなく、デルタ地帯の末端にあるため地形が変化しやすいとはいえ、インドとバーングラーデーシュの間の境は決まっている。 

    だが仮に将来、両国間にまたがっての壮大な『スンダルバン観光』が可能となったならば、東西ベンガルの観光の魅力が今よりもよりインパクトの大きなものとなることであろう。スンダルバン以外にも、潜在的な観光資源は豊富に国であるものの、知名度においてインドに対して甚だしく劣るバーングラーデーシュにとっては利するものがとても多いように思われる。

     もちろんスンダルバンに限らず、狭い国土のバーングラーデーシュは、それを取り囲むインド東部の各地からのアクセスは入国可能な地点は限られているものの、かなり良いといえる。また西ベンガル州都コールカーターからインド北東州のアッサム、メガーラヤ、トリプラー等を陸路で訪れようという場合、バーングラーデーシュを通過すると近道であるうえに、同国の見物もできるという一石二鳥の観があった。 

    『あった』と過去形で書く理由は、ご存知のとおり今から一年近く前に導入されたインドのヴィザの『2カ月ルール』がそのゆえんである。隣国と合わせて訪問する場合、ヴィザ申請時点で、余所への一時出国で出入りする地点や時期などの詳細が決まっていれば融通は利くようだが、たまたま近くまで来たからこちらも訪れてみよう!というのは難しくなった。 

    インドと合わせてこの国を訪問する人は相当あるはずだ。この2カ月ルールの導入により、インドを経由して訪れる人が減っているのかどうか調べたことはないが、もしそうであるとすれば非常に残念なことである。

     <続く>

  • Lonely Planet 2

    もっともこうした傾向はここ数年のものではなく、90年代半ばから特定のエリアに限ったガイドブックが出てきていたものだが、ごく最近の動きとしては昨年あたりからKindle eBookと題して、アマゾンを通じたキンドル版の電子書籍の販売がなされていることが挙げられる。 

    こちらは通常の書籍版のIndiaに相当するものとともに、各州ごとのチャプターとして切り売りされている。前者が20ドル弱であるのに対して、州ごとに個別に購入すると各チャプターが7ドル弱と非常に割高であるため、格別の理由でもない限りは全体をまとめ買いする人のほうが多いことだろう。 

    同様に書籍版をPDF化したものもLonely Planet社自身のウェブ上で販売されている。価格についてはこちらも同様である。全体を購入すると24ドル弱だが、チャプターごとに個別に買うと一部あたり5ドル弱とかなり割高になっている。 

    PDF版にはセキュリティがかかっており、購入者がAdobe のAcrobatのようなPDF作成・編集ソフトを持っていても、これに書き込みをすることはできなくなっているが、複製を保存することは可能であるため、同社にとってはコピーが簡単に世間に出回ってしまうリスクを抱えているともいえる。今後その部分について何らかの対策が打たれるのではないかと思う。 

    ともあれこのPDFについては、旅行する人自身にとって必要なチャプターのみをプリントアウトして持参している例をしばしば見かける。予定外のところを訪れる場合、データをUSBメモリかウェブ上のストレージにでも保存しておいて、どこかPCとプリンタを利用できる場所で、印刷して使うということもあるだろう。 

    豊富な情報が満載されているのはいいのだが、いかんせん紙媒体ということもあり、ロンリー・プラネット社の最新のインドのガイドブック(2009年版)については、総ページ数1244という分厚いものとなっており、重量は約1キロ。 

    旅行荷物中のアイテムの中で、一番重いのはこのガイドブックというケースは多々あるのではないかと思うし、訪れた先で日中出歩くのにどうも邪魔であるとか、そもそも全州いっぺんに訪れるわけではないため、こんなに厚くなくていいのだ、という人もあるだろう。 

    まさにそれがゆえに、既述のとおり特定地域に特化したガイドが出ているわけでもあるが、それよりも明確な形でこうしたニーズに応えているのがこうしたKindle用のeBookないしは汎用的なPDFといった電子書籍販売ではないかと思う。

    ただしこの『電子書籍』という媒体についても一考の余地ありで、旅行先でパソコンを立ち上げて読むというのは防犯上好ましくないだけでなく、いちいち立ち上げる手間もあるため現実的ではなく、バスや列車等交通機関の中や雑踏でキンドルや高価なスマートフォンの画面中の地図を見るというのは犯罪を誘発するようなものだ。 

    前者はそれなりにカサがあるので書籍に比べて手軽とは言い難いし、後者の場合は頻繁に電子書籍を開いているとバッテリーが1日として持たないため、外付バッテリーその他やはり高価な周辺機器をさらに持参しなくてはならないことになる。するとやはり手軽で安心なのは紙媒体ということになる。 

    ともあれいろいろな選択肢が出てくるのはいいことだ。またそうしたニーズに応える柔軟な姿勢とアイデアを惜しまないのはさすがロンリー・プラネット社といったところではないだろうか。 

    また似たようなのサービスは他にいくつもあるとはいえ、同社のウェブサイトで提供されているTravel Serviceのフライト検索もなかなか便利だ。複数の提携先とタイアップした予約サイトだが、ここでブッキングしないまでも『ココからアソコまでどの会社のフライトがあるのか?』といったことを調べることができるし、おおよその料金も把握できる。 

    そうした意味では同サイト内のホテル検索についても同様で、インドでなくともどこか初めて訪れる国の街に夜遅く到着する予定の場合、事前に予約しておくと安心ということもあるだろう。同一の街の中でエリアや価格帯を絞り込んで検索することもできるし、かなり詳細なロケーションまで表示させることも出来る。なかなか秀逸である。 

    ずいぶん便利な時代になったものだと感心するとともに、まさにそういう世相を業態に如実に反映させて、今やロンリー・プラネット社はガイドブック専門出版社という範疇には収まらない、総合的な旅行サービスを提供する企業になっていることがわかる。 

    <完>

  • アジア大会決勝トーナメント一回戦 日本対インド

    中国の広州で開催中のアジア大会にて、本日行われた日本とインドの試合を観戦した・・・といっても、現在私は中国を訪れているわけではなくテレビ観戦である。

     インドのサッカーといえば、西ベンガル、ゴア、カルナータカ等、そこそこ人気の高い州はあるものの、総体的にはかなりマイナーなスポーツとなっている。だが2007年にI-Leaugeがスタートしてからは、本格的なクラブ運営とともに外国人選手を積極的に獲得したり、若年層からの組織的な育成システムが導入されるなど、プレー環境は次第に整いつつあるようだ。 

    アジア大会のサッカーは年齢制限(23歳以下でオーバーエイジは3名まで)があるため、あくまでも参考までの話だが、国際Aマッチの試合において、インド代表はこれまで40年ほど日本代表に勝っていないらしい。 

    この大会に出場している日本代表は、2012年に開催されるロンドンオリンピック(サッカーは23歳以下)に向けた準備段階という位置づけであるため、広州にやってきたメンバーは2年後に満23歳以下となる選手たち、つまり現在はU21つまり21歳以下というひとつ枠が下の年齢層から構成されている。Jリーグ選手が多くを占めるが、登録枠20名のうち7名は日本の大学でプレーしている。 

    これに対して参加国の多くは、インドも含めてU23つまり23歳以下という制限をフルに使って代表が選出されている。チームとしての相対的な実力はともかく選手としてよりピークに近づいた選手たちを起用できるという点からは、それよりも下の年齢層から成る今回の日本チームにとって決して容易に勝ち進めるものでないといえる。 

    それに加えて代表招集から大会開幕までの期間が短く、日本での合宿が7日間しかないという点からも調整不足といわれており、グループAの初戦、中国戦での苦戦が予想されといたのだが、幸いにして3-0と大勝し、続くマレーシア、キルギスをそれぞれ3-0、 2-0と下して3試合で8得点無失点にて無難に決勝トーナメントに駒を進めた。 

    招集された全員をI-League選手が占めるインド代表だが、グループDでクウェートに0-2、カタールに1-2で敗れたものの、シンガポールに4-0で勝ち、なんとかこのステージまで進むことができた。 

    以下、参考までにグループリーグの結果である。 

    Asian Games 2010: Latest Results And Group Ranking (football-asia.net) 

    会場に君が代とジャナガナマナが流れた後、選手たちがそれぞれの自陣に散って試合開始のホイッスルが鳴った。予想どおり日本が一方的に試合を進めていく。 

    まずは永井の先制ゴール。まさにgoal.comのインド版サイトに出ていたとおりの幕開けである。 

    Asian Games Special: Know Your Rivals – India U-23 Must Watch Out For Kensuke Nagai (goal.com)

    続いて山崎の追加点。その次は左サイドから山口が上げたクロスをゴール右前にいた東が直接狙うと思いきや、これを中央に折り返して山村が得点。日本らしい緻密な連携による芸術的なゴールだった。前半3-0でハーフタイムに入る。

     後半は、中盤の位置から縦に抜けだした永井が再びゴールを決める。中国戦の最初のゴールを決めたこの選手は、大学生ながら今回の代表のエースの座に躍り出た日本の新星だ。決してシュートを狙うシーンは多いというわけではないのだが、ここぞというところでゴールを記録する決定力は見事。おそらく大学卒業後にはJリーグ入りして、オリンピック代表そしてフル代表へとスター街道を邁進するのではないかと期待させてくれる。 

    最後のゴールは、右サイドからの展開から中央に折り返したボールを水沼がダイレクトにゴール。背番号10を付けるこの選手は、Jリーグ発足前の日本サッカー界を代表するテクニシャンであった水沼貴史の子息。 

    インドには、4季目を迎えたI-League効果は?と期待するものがあったのだが、残念ながら見るべきところは何もなかった。力量の差が甚だしいため仕方ないのだが、強い相手を前に連携が非常に悪く、縦へ縦へと急ぎ過ぎては、いとも簡単に相手にインターセプトされてしまい、文字通り成す術もないままにタイムアップとなってしまった。 

    後半30分を過ぎようかというところで右からのクロスをゴール前の走りこんだ選手がシュートし損ねたもの、また終了5分前に左からの折り返しをヘディングでゴールを狙ったものだけがインドのチャンスであった。

    とりあえずベスト8に勝ち進んでいる日本が次に対戦するのは、本日行われるタイvsトルクメニスタンの試合の勝者だ。 

    アジア大会サッカー決勝トーナメント (日本サッカー協会) 

    次の試合も日本が勝てば、おそらく準決勝で当たるのはイランだろう。反対側のブロックには、韓国、カタール、ウズベキスタンといった強豪の名前が見えるが、現在までのところあちら側では先のW杯メンバーが6人も入っている北朝鮮が最有力視されている。 

    インドのチームについて、個々には高い技量を持つ選手がいることは見ていてわかった。I-Leagueがスタートしたといってもまだ日が浅い。加えてかつての日本のJリーグにように国の挙げての盛り上がりを見せたり、サッカーが少年たちの必修科目のようになっているわけではないので、過大な期待をするわけにはいかない。むしろクリケット一辺倒の国にあって、息の長い活動を続けてくれることを願うべきだろう。 

    今日の試合もさることながら、来年1月のアジアカップを2か月後に控えて、インドのフル代表は、今月14日に行われたクウェートとの親善試合にて、1-9という記録的な大敗を喫している。これはインドサッカー史上ワースト2位のタイ記録となる。 

    Indian National Team Special: The Worst Defeats India Have Suffered (goal.com) 

    監督は釈明に追われているようだが、プロの世界は結果がすべてだ。インドのサッカー界を統括するインドサッカー連盟も頭を抱えていることだろう。これではせっかく力瘤込めてスタートさせたI-Leagueの名が泣く。 

    現在のアジア地域のサッカー勢力図といえば、韓国と日本が頂点にあり、これを北朝鮮とアラビアの産油国が追う形になっている。そこからやや下がった位置に中国があり、さらにタイをはじめとするアセアン域内のサッカー強国といった具合だ。 

    こうした力関係の中に、今後インドがどのように割り込んでくることができるのか、たとえ時間はかかろうとも、ウォッチングしていきたいと思っている。そもそもスタート地点が極めて低いことから、これからの伸びシロは大きいだろう・・・といった消極的なことしか今は口にすることはできないのだが。 

    インドU23チームの軌跡 (goal.com)

    ※先日の続き『Lonely Planet 2』は後日掲載します。