Googleで眺める景色 4  ガンジス上流と水源地

 やがて流れはハリドワールからリシケーシュへとたどると山間部にと入ってくる。

 デーワ・プラヤーグコーテーシュワル・ダムと遡上していくと、すでに山間の深い谷間を流れている。地形からしてかなり急流であろう。大規模な崖崩れの痕らしきものも見える。川沿いにいくつか集落も見える。特に橋もないようなので、両岸はすぐそこに見えても、互いに『ヨソの世界』みたいな感じではないだろうか。 このあたりで景色が開けているところといえば、テヘリー・ダムとその先でちょっとした扇状地が広がる集落。 

さらに進むとウッタルカーシーの町がある。少しでもまとまった平坦な土地があれば、居住地あるいは農地として有効に活用されている印象を受ける。だがそこから先に行くと町らしきものは見当たらなくなってくるし、規模の小さな集落も少なくなってくる。 しばらく進むと、ローハリーナグパラー・ハイドロ・プロジェクトと表示されているものが目に入ってくるが、このあたりにダムを造る計画でもあるのだろう。 

さらに上流へとたどると急峻な山岳の合間を縫うように進むことになるのだが、突然広い川床が見えてきた。周囲の景色に雪らしきものが見えるため、川床が白くなっているのは砂ではなく、降雪のためなのかもしれない。気候も厳しく、何かにつけて不便な土地に違いないと思うが、それでも川沿いの斜面には集落があり、人々が暮らしている。 やがてガンゴートリーの集落が見えてくるあたりになると、周囲を4000~5000メートル級の峰々が囲んでいる。 

ガンゴートリー氷河の端であり、ガンジス河の始まりでもあるゴームクはこのあたりだ。そこからさらに上の氷河の張り付いた山の姿はこんな風になっている。 

ガンジス河の本流に限らず、下っていくに従い合流してくる支流も同様に、こうした氷河なり、山間の積雪や湧水なりを水源としている。沢山の細い流れが次第に合わさり、やがて大きなひとつの河となる。最後には海へと注ぎ込まれるわけだが、今度は大海から蒸発した水分が雲となり、雨となって大地に降り注ぐことにより、それがまた河の水となって流れていく。 

私たちの身体には常に血液が流れているが如く、絶え間なく水が循環している大地もまたひとつの大きな生命体であることが感じられ、人間もその大きな命の中の一部(限りなくちっぽけな存在だが)であることを思い起こさずにはいられない。大地は生きている。 

<完>

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