Googleで眺める景色 3 ガンジス下流

特定のスポットをズームアップしてみたり、外国の友人の住む街を表示して『ああ、こういうところなのか』などと眺めていたりしても、やがて飽きてしまうのだが、広域を俯瞰したり特定エリアをズームアップしたりと繰り返していると、地表がシームレスに繋がっていることをつくづく実感できる。従来の紙に印刷された地図等ではあり得なかったことだ。 

緑の分布からその地域の気候等も把握できるし、海面の色合いからそれぞれの海域の深度もある程度想像できるだろう。私たちの命の源である水を運ぶ河川をたどっていくのもなかなか興味深い。 

エジプトのように、湧水のあるオアシスが点在しているのを除けば、ナイル河沿いの細い帯状に耕作地や街などが集中している状況からは、まさに『エジプトはナイルの賜物』であることが納得できるし、水なしでは人々が生活できないことがよくわかる。 

エジプトほど極端ではないが、インドもやはり大河沿いに人口の多い地域が広がっている。先日、スンダルバンのあるバーングラーデーシュのガンジス河口地域に目を移してみよう。 

拡大してみるとよくわかるが、低地帯なので河は幾筋にも分かれて蛇行している。さらにズームアッブしてみると、さらに細い流れも確認できたりして、実に水量豊かな大地であることが一見してわかる。 

少し上流に向かうと、首都ダーカー南東でアッサム州南西部から流れてくるカールニー河と合流する。少し遡るとラージバーリーあたりで同じくアッサム州の東部から流れてくるブラフマプトラ河と合流する。このあたりから水量・河幅ともに一気に拡大する。 

ナワーブガンジ(ノワーブゴンジ)の少し先からバーングラーデーシュを出て、インドの西ベンガル州に入る。そこから隣のビハール州へと越えたあたり、ちょうどバガルプルの北側はガンジス河がコースィー河と合流しているが、このあたりでは一番の低地となっているため、その他中小の河川も流れ込んでいることもあり、非常に複雑な地形となっている。雨季に河川の氾濫や洪水に悩まされがちな地域であるのは頷けるところだ。 

ビハール州都パトナー東側でガンダク河、西側でカルナーリー河、ソーン河との合流点から遡ると、かなり川幅は狭まる。そしてU.P.州のバナーラスを経て、イラーハーバードのヤムナー・ガンジス両河の合流点に至る手前には中洲がある。

 河床にある島であるため、市街地らしきものは見当たらないが、全体が耕作地になっているようだ。雨季の増水で洗い流されることさえなければ、河による沖積で出来た土地であることから水と地味に恵まれた良質な農地であるはずだ。 

カーンプルを経て、ウッタラーンチャルに入るあたりまでは単調な風景が続く。さきほど眺めたバーングラーデーシュあたりの景色も含めて、ここまで遡上するまでの間に通過する大きな街や工業地は多い。生活排水や工場等から流出する排水等々、相当大量の汚水が日々流されているのだろう。 

<続く>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください