ムンバイのサルベーション・アーミーの宿

懐かしのサルベーション・アーミーの宿。近くを通りかかったので外から写真を撮ってみた。バックパッカー時代、宿代がやけに高いボンベイで、ここに泊まれないと困るので、チェックアウト時間前に到着して空きを待った。それでもインドの他の街に較べてずいぶん高額であったため、ボンベイに沈没したことはなかった。

ガルフに向けて開かれたインドの商都、当時はまだデリーもハイデラバードもチェンナイもバンガロールもたいしたことなくて、「ボンベイ1強」でその他の大都市との格差がたいへん大きかったこと、加えてボンベイは細長い半島状になっており、内陸の都市のように周囲に市街地を広げる余地がないこともあり、地価や家賃が飛び抜けて高かったのだ。すると当然ながら、安宿の料金もまったく安くなかったのだ。

もちろん今でもムンバイの宿泊費はまったくお得ではないのだが、他の大都市での宿泊料金が上がったため、格差は縮小している。

コラバの「オリンピア・コーヒー・ハウス」

ムンバイのコラバで朝食によく利用する「オリンピア・コーヒー・ハウス」へ。ここは朝5時くらいから開いているため重宝する。この日は朝の9時前だったが、それでもとても込んでいた。さすが人気店である。

Olympia Coffee House (Zomato)

この近くにメソジスト教会があるが、軍人のための教会として建てられたとのことが由来との標示版にある。メソジストと軍人というのは相性が良さそうに思う。

 

ランダムチェックとは

さすがに現在は実施されていないが、インドで国際空港におけるコロナ対策で、乗客の2%を対象としてランダムにPCR検査を実施するとしていた時期があった。

係員が声をかけてくるのは飛行機からターミナルビルの廊下に出たところである。私も声をかけられて「捕まった」わけなのだが、そうして声をかけられている人々、そして連れて行かれた先で目にした人々には明確な共通点があることがわかった。

・外国人とインド人が半分ずつくらい。

・単身か2人連れの乗客(大人数のグループは無し)

・体格の良い人物は無し

・人相の悪い人物も無し

・VIP風の人物も無し

集められた面々は、ごくまっとうで人柄も良さそうな人々ばかりで、要は「揉めそうにない人々のみだ。「ランダムに抽出」と言いつつも、明らかに人を見ていることがわかる。声を掛けたら変に絡まれて因縁をつけられたり、大目玉食らったりする相手だと困るためだろう。彼らもやはり勤め人であるし、余計なトラブルを起こしたり、不要な労力をかけたりするのは嫌であるがゆえ、見るからに面倒そうな相手は避けて、扱いやすそうな人を選ぶのは当然のことだろう。

シャンカル・バイヤー

ムンバイのコラバ地区の道端にある小さなブースというか店。ここでは通信各社のSIMを販売しており、一時滞在者が多く、プリペイド契約をしている近隣の商売人等も多いため、常に誰かしらの相手をしていて忙しそうだ。

私もここでプリペイドの契約をしたのだが、店の人が私にかかる作業、彼のスマホでのデータ入力、写真撮影などをしている間もひっきりなしに「シャンカル・パイヤー(シャンカル兄ちゃん)、×××Rsのチャージして」「シャンカル、これ頼む」等々、いろんな支払い、これらを正確にこなし、私にも笑顔で接している。こういう仕事で笑顔の接客は珍しい。

ひとつひとつの作業は決して難しいものではないはずだが、あまりに量が多い。これらをひとりでやっている。「たいしたもんだ」というよりも、若いのに人間も出来ているというか。

面白いと思ったのは、「おい、シャンカル!」と呼んでいるので馴染み客なのだろうけど、日本のLINE PAYやPAYPAYみたいなサービスの「PhonPe」で、品物も買わずにPhonePeアプリでQRコードを読み込み支払いをして、それを現金で受け取っていた。そういうキャッシングみたいなこともできるのか?

それはさておき、シャンカルといえば、もちろんシヴァの別名のひとつのシャンカルなのだが、なぜ日本では「ラヴィ・シャンカール」みたいに伸ばすのか?あれは「シャンカル」であって、「シャンカール」ではない。カタカナで正しく「シャンカル」と書くことができるのに、そうやって音を伸ばすのは、やはり「第2音節に長母音を入れると重みが出る」という日本語の音韻学みたいなのがあるからか、それとも英語で「ラヴィ・シャンカァァ(ル)」と呼ばれたのをカタカナ転記して「シャンカール」としてしまうのだろうか?

いずれにしても、例えば地名の「ジャイプル」が「ジャイプール」と表記されたり、「カーンプル」が「カンプール」と表記されたりもする。ないはずの長母音が第2音節に入ったり、第1音節にある長母音が短母音化し、なぜか第2音節の短母音が長母音化することがよくあることから、日本語では音韻学的に第2音節を「長―くする」と座りが良いというようなことがあるのかもしれない。

THE FORT POKARAN

「インドの核実験場」として有名な砂漠地帯のポーカラン。あまり観光地というロケーションではないが、ここにも立派な物件がある。都会の喧騒から離れて、宮殿の立地なムードの中で休日を過ごしたいという人たちの需要を期待してのオープンであったのではないだろうか。

ジャイサルメール、ビーカーネール、ジョードプルなどを家族連れでクルマで回ろうという人たちには、「運転その他でお疲れのお父さんが、何もしない休養日」のために滞在というのもありそうに思う。

リュックを背負っての公共交通機関による旅行では利用の機会はないが、クルマやバイクなどの自前の足を利用しての旅行であれば、ちょっと泊まってみたくなる。「宮殿ホテル」にしては、3,500Rs(+税)で利用できるのも魅力。

だが「宮殿ホテル」という言葉を使うのもためらわざるを得ない。ポーカランは藩王国ではなく、この建物は藩王国に従属していた土豪の館であるからだ。

それでもやはりこういう建物に宿泊できるというのは、ラージャスターンならではのものであり、ムガル建築の影響を強烈に受けた見事なラージプート建築の中で(ポーカランの町というか村で、周囲に見るべきものはないし)、日がな宿泊先の建物をこまごまと観察しながら過ごすというのも悪くないかもしれない。

Welcome to The Fort Pokaran (The Fort Pokaran)