クリシュナプラム・パレス見学

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ケーララまで来ると、インドは本当に広大だ。デリーやラクナウなどと、ケーララが同じ国内にあるのだから。パレスはトラバンコール王国時代のものだが、このようなケーララ式の建築の見られる地域とインド北部が同じ国内にあるとはにわかに信じ難い。

同時にインドを統一したイギリスの偉大さも。ムガルやマラーターなどの最盛期には、その領土や威光の及ぶ地域はとても広かったとはいえ、とても今のインド全域を統一するには遠く及ばないものであった。

英国時代なくして今のインドの版図はなかったわけで、インド地域という概念はあっても、インド国民というものすらなかった。

イギリスによる支配なくして、インド統一はなく、欧州に「欧州国」という単一国家がないように、中東地域を包括する「ムスリム国家」がないように、また東アジアに漢民族の周辺民族の日本人、韓国人、ベトナム人などを含めた「中華圏国家」がないように、インドもいくつもの国が連なるインド地域に過ぎなかったはずなのだ。

それが良かったことなのかそうでないのかはともかく、やはり英国による南アジアの支配地をそのまま引き継いだ(印パに分裂したが)のがインドであり、放っておけば決して繋がることのなかったエリアが集合しているのがインド共和国であり、ゆえに「多様性の国」と呼ばれる。

さらにインドを偉大たらしめているのは、そうした複合的要素を多く含む国々は往々にして解体へと向かう(旧ソ連、旧ユーゴなどから旧ザイールや南北統一後のイエメンの混乱などまで様々)が、インドではごく一部、カシミールや北東部で長く続いた分離活動を除き、そのようなことは起きず安定的に国家運営がなされていることだ。まさにインドこそ真の「共和国」なのである。

 

カヤンクラム駅へ

 

午前5時起床。準備をして6時過ぎに宿を出る。まだ外は暗いが少し明るくなりつつある。駅まで5分程度だが宿を出てからの暗い坂道で野犬がいなかったのは良かった。
駅でパンとチャーイで軽く食事。州都の駅であり、ここから各地への長距離列車も発着するため、なかなか立派な感じのトリバンドラム・セントラル駅。

トリバンドラム・セントラル駅
駅構内の寺院

始発であるためすでに列車はホームに来ていた。とりあえず乗り込んでしばらく日記を書く。定刻の6:45に出発。Sabari Express乗車。始発なので空いている。スィカンダラーバード行きだが私はずっと手前でケーララ州内のカヤンクラムで下車する。短い時間の昼移動であればSLクラスが良い。窓の外がよく見えること、風を浴びて駅や沿線の匂いが感じられるからだ。

グーグルマップであらかじめ確認してから乗車したが、この地域では鉄道から見えるバックウォーターの眺めも多い。とても美しい眺めだ。どのあたりでバックウォーターのどんな眺めがあるのか予想できて便利。

グーグル・マップでバックウォーターの景色が予想できる。
バックウォーターの眺め

下車駅のカヤンクラムに到着。田舎駅ながらもエスカレーターがあり、しかもちゃんと動いていた。

鉄道駅の別れ

インド列車はゆっくり、ゆっくりと動き出す。

それまでプラットフォームで食べ物を買ったり、チャーイを啜ったりしていた人たちは、ゆったりと車両のほうへ向かい、常に開け放たれているドアから悠々と乗り込んでいく。

見送りに駅まで来た人が、車内にいる恋人や家族と会話を続けながら、長い長いホームをゆっくり歩いているが、やがて人の歩みよりも車両の速度が上がると、本当の別れとなる。

インドの鉄道駅でのサヨナラには長い余韻と大きな余白がある。映画でもそうした最中の心の中の機敏がしばしば濃厚に描き出されていく。インドの鉄道駅では、日々そんな想いがあちこちで交錯しているのだろう。

これがバススタンドではそのような具合にはいかないわけで、鉄道駅というものは旅情に溢れている。

ホテル・アイシュワリヤ

昼食を食べそびれてしまい、空腹を感じていたところで、ちょうどよさげな店があったので入ってみる。

空調の効いたちょっといい感じのレストラン。お昼どきを外したので空いているが、店構えといい、テキパキとした接客といい、人気店のようだ。

しかし大量かつ良質な食材を用いたミールスが100Rs、ちっぽけなチキンフライのハーフサイズが110Rsというのが、やや不思議な感じ。そのチキンもまた旨かった。フレークしたココナツをまとつて上げたクリスピーな味わい。 ミールスを食べて店を出ようとしていたところで隣の席に運ばれてきたチキンを目にして、「私にもこれを」と追加注文したら大当たりであった。料理も一期一会。幸運に感謝したい。

夢かまことかルッルー・モール

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この日は月曜日のため、いくつか興味のあった博物館、旧王宮の類はすべておやすみ。訪問してみたいお寺は長い昼休みの後、午後5時からなので、それまでの時間帯はティルワナンタプラム北郊外にある「ルッルー・モール」が本格的とのことで訪れてみた。

州都とはいえ、まだまだ森の中に街があるような、街の中に森が残っているような田舎町トリバンドラムとは思えない「ミニ・ドバイ空間」であった。今どきのインドにはこうした大型モールが各地にあるが、トリバンドラムのここも見事なものだ。

デリーの「Karim’s」が出店している。

ルッルー・モールを出て国道66号線に出たところで、突然スニーカーのアッパーがソールからカバッと外れた。街に戻って道端の修理屋に縫い合わせてもらおうかとも思ったが、足元がパカバカで歩くのも心もとない。

ちょうどモールの中のアディダスのショップで「40%オフ」の表示を見かけたことを思い出し、再びモールに入って2Fへと向かう。むやみに底の厚いのは買いたくないのでシンプルなものとなると、唯一サイズがあったのはこれだった。まさにこのシューズと引き合わせるため、あのタイミングでスニーカーが壊れたとしか思えないため慎んでお受けすることにした。

ルッルー・モールに隣接したいい感じの人工芝フットサル場がある。個サル参加の募集などあれば参加してみたいものだ。以降、ケーララではよくこうしたビッチを見かけることになる。やはりフットボール人気の高い土地らしいことだ。