こんなクジャクに誰がした!?

クジャク
輸入されて野生化したインドクジャクが増えて農作物などに大きな被害が出るとともに、生態系への影響も懸念されている。数年前から駆除に乗り出している行政当局は、このほど地元猟友会の協力を得て大攻勢に乗り出している。目下、新城・上地島を立ち入り禁止にしてクジャクの根絶作戦が進行中だ。
・・・と書くと、多くの方がいったいどこの話だ?と思うことだろうが、実はこうした事態が日本国内で進行中なのである。
 沖縄県の宮古地方では稲やサトウキビなどを食い荒らすことが問題になっており、いまやインドクジャクは環境省の要注意外来生物リストに掲載されるほどの悪者である。見目麗しきインドの国鳥がまさか日本で『害鳥』になろうとは思いも及ばなかった私にとって、ショッキングなニュースだ。
 沖縄にクジャクが入ってきたのはそう遠い昔のことではない。1980年に小浜島のリゾートホテルで観賞用に飼育されたのが始まりだという。ところが飼育小屋から逃げ出したり、島外に持ち出されたものが繁殖したりして八重山全域に増えてしまい、いまでは与那国島でも目撃されるようになった。
 前述の環境省ウェブサイトには『小浜島(約400羽)、石垣島(約90羽)、黒島(約50羽)、宮古島(約40羽)、新城島(約25羽)、伊良部島(数羽)などで野生化し、繁殖もしている。西表島にも、小浜島から飛来する個体がある』とある。作物への被害はもちろんのこと、トカゲやハブなどの爬虫類、小型の鳥類、チョウその他の昆虫などを手当たり次第にガツガツ捕食することが生態系への影響を云々されるゆえんである。

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その写真、どうやって撮ったの?

Exif Viewer
 Exif Quick Viewerというフリーソフトがある。デジタルカメラで撮影した写真に埋め込まれたExifという画像情報を読み取るものだ。ある新聞記事で紹介されているのを目にして、『ああ、そういうのがあるのか』と何の気なしにダウンロードしてみると、これがなかなか興味深いものであった。
 このソフトを起動して、該当する画像をエクスプローラからドラッグ&ドロップすると撮影時の情報がポンと出てくる。シャッタースピード、絞り値、焦点距離や使用したレンズのタイプ(これはニコンとキヤノンのみとか)まで表示されるのだと新聞記事には書かれていたのだが、それだけではなく使用した撮影モード、測光モード、ホワイトバランスといった情報も表示されるのだ。自分の撮影した画像のこれら情報を見てあれこれ反省するのもいいが、上手い人たちの作品からExif情報を読み取るのもいい勉強になるかもしれない。
 デジタル写真が主流になってからというもの、撮ることがコスト的に負担にならなくなった。そのため人々の撮影機会はグンと増えたためではないだろうか。巷にこれほど『いい写真』が氾濫する時代はかつてなかったように思う?しかもそうした作例だけではなく、それらの撮影情報もふんだんに入手できるのだから。スゴイ時代になったものだとつくづく思う。さあインドでガンガン写真を撮ろう!
Exif Quick Viewer(フリーソフト)

天空の斜面でヴァージン・スノー

ヘリ・スキー
 インドのスキー場といえば、カシミールのグルマルグ、ウッタラーンチャルのアウリー、ヒマーチャル・プラデーシュのナールカンダーなどが頭に浮かぶ。国土の北側に『世界の屋根』ヒマラヤを擁するだけに、もっとスキー場があってもいいような気がしないでもない。
 だが単に山に雪が積もっているだけではなく、ゲレンデに適した地形でないといけないし、スキー場の開発や維持には相当の資金が必要だ。もちろん地域への交通や宿泊施設等のインフラの問題もある。肝心のスキー人口はその国の経済力を反映するものだ。いくら好調に発展を続けているとはいえ、もともとのスタート地点が低かったがゆえに華々しい成長率を記録していること、膨大な人口を抱えているがゆえに将来性を評価されているのであり、一般市民の生活はまだまだとても慎ましいのが現状である。
 それでも将来、インドで交通、通信その他のインフラが遠隔地でも整備され、市民生活のレベルが大幅に向上して名実ともに『消費大国』となったころには、カシミール、ウッタラーンチャル、ヒマーチャル・プラデーシュの三州を中心とする各地にスキー場ができて、賑わう様子を見るようになるのかもしれない。まだまだずいぶん遠い将来であろうが。

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でかいカメラの呪縛

CANON G7
コンパクトなデジカメが欲しいと考えているのだが、興味を引かれるモデルがなかなか見当たらない。今やデジタル一眼レフ全盛の時代なってしまい、ちょっと前まで市場に溢れていた『ハイエンド機』なるものがすっかり淘汰されてしまったことを少々いまいましく感じている。
かく言う私もデジタル一眼レフは持っているのだが、ちょっとそのあたりを散歩するのにいちいち『でかいモノ』を持ち歩く気はしない。旅行に出るとなれば荷物はなるべく小さくまとめたいので、やっぱり大きなカメラは嫌だということになってしまう。プロでもないのに機材はデカいというのは何だかスマートじゃないし、小さいながらもさりげなく高機能かつグレードの高いモノを持つこと、余計なモノを持たずに肩の力を抜いて楽しむのが賢い大人(?)いうものではないだろうか・・・とも思うのだ。
ならばそもそも何故そんなものを買ったのかと叱られてしまいそうだが、まあそれでも写真を撮ることは楽しいし、荷物や体力に余裕さえあればいろいろ持ち歩きたいという気はある。
 それはともかく『でかいモノ』を持ってきていても、取り出せる雰囲気ではなかったりすることもあるだろう。それでも臆することなくシュパッと懐から取り出して遠慮なくシャッターを切れるような一台というのがありがたい。
目下、リコーのGR-Digitalを日々持ち歩いて使っているのだが、いかんせん28mm単焦点であることから、なんでもこれ一台でOKというオールマイティーさはない。この28ミリから100mm超の焦点距離のズームレンズ、広角端での開放値がF2..4くらい、細かいマニュアル設定が可能でそれらの操作が一眼レフ並みに扱いやすい高画質なコンパクトデジカメ・・・というのはちょっと見当たらないものである。
 一世代、二世代前のそうしたデジカメの高級機にはそれなりにアピールするものがあった。デジタル一眼レフブームが始まる前だったので、各モデルごとに対象となるユーザー像がはっきりしており、利用目的によりいろいろ比較検討することができた。ウチでホコリを被っている当時のデジカメはもちろん、中古カメラ屋に行けばそれらが格安で販売されているのだが、やはりデジモノは秒進分歩で陳腐化も早いので旧型モデルなど触る気も起きない。描写、書き込み速度その他諸性能のうちの大部分において今の『押すだけカメラ』以下だったりするからだ。それだけデジカメは急速に進化したといえる。ただしコンパクトデジカメ市場はどれも似たり寄ったりの金太郎飴状態になってしまい面白みを失った。

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アジア大会 インド勢はこの人に注目!

チェス
 英語で『Fruit』といえば、カシューナッツやピスタチオも含まれてしまうことになるようだ。決して甘くはないうえに水分も少なくてカリカリしたナッツ類は穀類という気がするためかなり違和感がある。日本語になっている『フルーツ』とはややズレがあるようだ。
 そして『Sport』の意味するところについても同様のことがいえる。ビリヤードは首をかしげつつも、やはり肉体的なスキルによる競技なのでまあ許せるとしても、チェスも『Sport』の中に含まれることを思えは、このコトバを『運動』と訳すのは正確さに欠けるのかもしれない。チェスがSportならば当然将棋や囲碁も同じようにくくられなければおかしい。すると羽生善治氏、趙治勲氏らも『スポーツ選手』ということになるのがどうもしっくりこない。
 広く知られているとおりチェスはインドのチャトゥランガが起源であるとされるが、これはチェスという名称自体の語源でもある。現代のインドにおいても元FIDE世界チャンピオン(2000-2002)で、現在FIDE世界ランキング第2位(2006年10月)のヴィシュワナータン・アーナンドのように、まさにこの時代を代表する競技者もある。また2001年に15歳3か月というインド人として最も若くしてグランドマスターに認定されたペンタラ・ハリクリシュナのように未来が嘱望される人材とともに、今年は彼の記録を2歳近く縮めて13歳4か月でグランドマスターとなったパリマルジャン・ネギ少年、また女の子でも15歳4か月でこれを得たコネル・ハンピーと、チェス界の明日を背負う若くて優れた人材には事欠かない。
 12月1日からカタールのドーハで開催される第15回アジア大会(実は11月18日から一部の競技が開始されているのだが・・・)でもチェスは競技種目に入っている。この大会でインド代表のエースとして活躍が期待されているのがクリシュナン・サスィキランである。ベテランのヴィシュワナータン・アーナンド、期待の新星ペンタラ・ハリクリシュナとともに目下インドのチェス界三大巨頭のひとりとされる強豪だ。
 カバッディーや射撃などとともにインドにとってメダルが予想される重要な競技であるためぜひ注目していきたい。