
ちかごろ何かと日本のメディアでも大きく取り上げられることが多いインドだが、現在発売中のニューズウィーク日本版3月8日号はふたたびインド特集である。
《インド新常識 ITだけじゃないソフト経済の実力、未来を支えるインド版「寺子屋」》という大きなタイトルとともにパドマ・ラクシュミーの写真がカバーになっている。
ページをめくれば、『インド経済の規模はいずれ日本の5倍になる』『消費行動は世界有数 クレジット会社が成長』『富める少数派の意思を反映した民主主義』『この繁栄は永遠には続かないかもしれない』『南米と同じパターンをたどる?』『問題山積で極左勢力が台頭』といった見出しが並び、インドの現状と将来の展望と問題点を示している。
手にとっていただけるとわかるが、日本のメディアの報じる『インド』についてある一定の志向があるのと同じく、アメリカ系メディアにも独自のカラーがある。もちろん『民主主義』と『自由経済』への絶対的な信奉がその背景にあることはいうまでもない。
いずれにしても日本で取り上げられるインド関係のトピック、日本社会に流れ込むインド情報のソースは確実に増えている。かつての『ベトナム・ブーム』のときのように女性誌に雑貨、小物類、ライフスタイルや旅行などに関する情報が氾濫し、『おしゃれなインド』のイメージが広く流布する日もそう遠くないのかもしれない。
カテゴリー: column
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再びインド特集 ニューズウィーク日本版
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見事なレンガ建築

インドはもちろん南アジアどこに行っても(それどころか世界各地でも)このような芸術的(?)にレンガを積み上げた建物は多いが、近年の都市化と過密化の中にあってこうした構造のままで高層化が進むという傾向が広く見られるようだ。
鉄骨を用いず、しかも上階から下階まで均一な太さの鉄筋入りコンクリート柱のみで枠組みを造る。各階のフロアーを作るためコンクリートを打つ際には竹柱で上下を支え、乾燥したらそれを取り去る。それなりの技術や技が必要なのだろうが、眺めているぶんにはとてもシンプルで簡単な作業に思える。あとは職人たちの腕前と地道な作業の繰り返しにより、赤茶色のレンガをキッチリと積み上げて、自重を支えるだけで精一杯の建物を地道に造り上げていくのである。
完成した暁には、もちろん人が廊下で飛び跳ねてもビクともしないし、表面をモルタルで固めてしまえば、レンガ造りなのか鉄骨造なのか外見から区別はつかず、いわゆるコンクリートのビルとなる。
こうした建物が氾濫する地域をひとたび強い地震が襲えば大きな被害が出ることになる。日本で昨今問題となった『姉葉建築』なんて、このあたりで建てれば、第一級の耐震建築かもしれない。だがこうした『積み木構造多層ビル』があるという状況は特異なことではなく、人口比から眺めてみれば、むしろこちらのほうが『グローバルスタンダード』ということは、なかなか悩ましいことではないだろうか。 -
いつもと違う『インドの味』
90年代以降、日本における『インド料理屋』の拡大には目を見張るものがある。以前も書いたがオーナーはインドやパキスタンからやってきたパンジャーブ系、料理人はそのパンジャーブを含めた北インド各地およびネパール出身というケースが多い。
その範疇に当てはまらないケースでも、日本のお客の間ですでにできあがっている『インド料理のイメージ』に対応すべく、前者の路線を踏襲したメニューが目立つことが少なくない。その結果料理のバリエーションはどこも似たり寄ったりということが多くなるのだと思う。
ところがそうした風潮に風穴を開けるべく(?)立ち上がり、独自の世界を展開する『インド中華』を看板に掲げ、パンジャービー&ムグライ料理が支配的な日本のインドレストランの世界に果敢に立ち向かう店がある。
それはインド式中華料理を標榜するレストラン『天竺』だ。厨房に立つ料理人はインド人、米はインディカ米を使用。発酵させたエビや魚など原料とする中華調味料を使わず、醤油、酢、トウガラシでストレートな味を演出。ちょっと硬派な『天竺』風味である。中華メニューとはいいがたいものの、『フライドチキン』を注文すると、鶏の唐揚ではなく豆の粉を衣にカラリと揚げた本格的なチキン・パコーラーが出てくるのはうれしい。
サブカルチャーと新興宗教が目白押しの中央線西荻窪駅界隈は、実は隠れたグルメスポットでもある。海南鶏飯の『夢飯』、上海料理の『喬家柵』と、タイ料理の『ハンサム食堂』などといった知る人ぞ知る名店が揃う中で異彩を放っている。
インド式中華料理 天竺
東京都杉並区西荻北3-2-11ハイツそれいゆビル1F
電話03-3394-3238 火曜定休 -
コールカーターで中華三昧 6 何が華人たちを引き寄せたのか?
ところで「移民」という現象の背景には、送り出す地域の側のプッシユ・ファクターと受け入れる側のプル・ファクターとがあるが、前者についてはほぼ同時期に世界中に散っていった華人たちの流れの背景に、当時の彼らの祖国における社会情勢があったことはインドにはどんな引き寄せ要因があったのだろうか。
マレー半島の錫、インドネシアの××など、各地にそれぞれ主たる誘因があった。インドにおいては何だったのだろうか。もちろん英領インドの当時首都であったカルカッタだが、そこには中国大陸からの人々を引き寄せる何があったのか知りたいところだ。
現在コルカタで華人に多い職業は、レストラン、皮なめし工場、大工、クリーニング、美髪店だが、かつて多くは身ひとつで渡ってきて『徒手空拳』で運命を切り開いてきた華人たち。昔はアジア一帯に広く利用されていた「人力車」についても、その普及にあたっては中国系の人たちによる何かしらの役割があったかもしれないし、導入期にこの街で車夫として働く貧しい華人があったとしてもおかしくないかもしれない。
それとともかく、コルカタ華人たちの歴史等ついて書かれた適当な本はないかと探してみたらほどなく見つかった。近いうちそのコンテンツについて取り上げてみたい。 -
AFCアジアカップ予選開幕
横浜の日産スタジアムにて、インドそして日本の国歌斉唱に続いてAFCアジアカップ予選における両国の最初のゲームがキックオフとなった。
2004年に中国で開かれた同大会で日本が優勝したのは記憶に新しい。そのため「えっ、もう予選なの?」と不思議に思う向きもあるかもしれない。前回まではワールドカップの中間年に開催されていたが、次回からはワールドカップ翌年に行なわれることになった。その背景には2008年に北京で開催されるオリンピックとバッティングしてしまうことがある。
AFAアジアカップ本大会は2007年6月下旬からインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムの四カ国共催で行なわれるが、これまでと違い、前回優勝国の予選免除がなくなった。そのため日本と対戦することになったインドは不運といえば不運であったといえるかもしれない。 この予選に参加の24ヶ国・地域が6組に分かれて争う。各組とも上位二位までに入った国・地域が本大会出場の切符を手にする。予選の組分けは以下のとおりである。
Group A 日本・サウジアラビア・インド・イエメン
Group B イラン・韓国・シリア・台湾
Group C UAE・オマーン・ヨルダン・パキスタン
Group D オーストラリア・クウェート・バーレーン・レバノン
Group E 中国・イラク・パレスチナ・シンガポール
Group F ウズベキスタン・カタール・香港・バングラデシュ
各組において本大会に進出すると思われる二カ国を左側に寄せてみた。他の参加国との力量は大きく、あまり番狂わせが起きる可能性はないように思われる。ただしD組においては前回日本を苦しめたバーレーンが、オーストラリアおよびクウェートを相手に三つ巴の熱い闘いを展開しそうで注目している。
予選で台風の目となることが考えられるのは、イエメン、レバノン、パレスチナの三ケ国・地域だろう。一般にアラビアのチームは身体能力と個人の技量の高さから、決してあなどることができない。「持って生まれた何かが違う」と思わせるのはアラビア各国の代表クラスの選手に共通する特徴だ。 -
コールカーターで中華三昧 5 日曜朝市

日曜朝市は先日訪れたNEW C.I.T. RD.の中国寺院のすぐ裏側で開かれていた。華人ばかりが大集合しているのかと思ったらさほどでもなかった。インド人10人に対して華人1人といったところか。
売手のほうはといえば、インド人たちが果物や普通のインドのスナックの露店を広げている中に華人の露店もある。蒸し器の中に入った肉まん、餃子があり、また中華式の長い揚げパンもある。よく中国で粥に浸して食べるあれである。
そしてミートボールの入ったスープ、ちまき、揚げ餃子、揚げ春巻き、中華ソーセージもあった。持ち帰り用としては、未調理の中華麺、中国語で書かれた護符やカレンダー(台湾から入っているとか)などが売られていた。 -
横浜でジャナガナマナ
2月22日(水)にAFCアジアカップ2007予選大会の日本代表対インド代表の試合が行なわれる。
会場は横浜の日産スタジアムで、午後7時20分キックオフ予定。 午後3時から当日券1万2千枚が販売されるとのことである。
インド代表健闘を祈るとともに、日印双方のクリーンな試合運びを期待したい。
※『コルカタで中華三昧』の続きは、この試合終了後に アップする予定です) -
コールカーターで中華三昧 4 テーングラーの華人学校
テーングラーをしばらく歩いてみるとかなり大きな華人学校の存在に気がついた。『培梅中学』とある。インドにあって、こうした民族学校で学ぶということはちゃんと学歴として認められるのか、それとも日本の華人学校、コリアン学校のように正式な『学校』としては法的に認められていないのかはわからない。
しかし建物は小さな華人社会からは考えられないほど大きく、一時期まではコミュニティの規模がかなり大きなものであったこと、彼らの財力と華人文化への思い入れの深さが想像できるような気がする。 -
コールカーターで中華三昧 3 インド中華料理の総本山テーングラー

タクシーでテーングラー(TANGRA と書いてतेंगडाテーングラーと読む)に行く。周囲はムスリム地区になっており、ここを訪れたのは金曜の昼ごろだったので、モスクでそして路上で人々が集まり礼拝を行なっている姿があちことに見える。
過日訪れたNEW C.I.T. RD.の華人地区もそうだったがムスリムたちと職業的に重なる部分、そして相互補完するものがあるような気がする。たとえば動物性の食材の調達、彼らの雇用する労働者などの供給元などといったことが考えられるだろうか。
この地域では、道沿いに中華料理屋、多くは漢字の看板を掲げたものがいくつもある。店も住居も工場などでも扉や鉄格子が赤く塗ってある。玄関口には瓦のひさしが付いたものもあり、中華風の模様や漢字が入った護符が貼られている。下階は商業用になっていることが多いが、居室らしき上階の窓からはちょうちんが覗いている。一見して華人風の街である。
華人コミュニティ内部の互助組織らしきものもいくつか目に入る。印度塔●厰商理事会(※王偏に覇という字)という商工会議所にあたるものがある。ちなみに『塔●』で『ダーパー』と読み、『テーングラー』の別称である。そして「四邑山荘」なんていう風雅な名前の施設があるが、こちらはすでに廃墟であった。 -
コールカーターで中華三昧 2 ご当地中華料理はどんな味?
在印華人のマジョリティがこの街に集中しているため、インド中華料理の『本場はコルカタ』ということになる。その本場中の本場を訪れる予定だが、今日は宿近くのミルザー・ガーリブ通りの小さな中華料理屋で夕食。
店の主人とおかみさんは客家人。インド生まれながらもベンガル語の読み書きはできないのだそうだ。だが主人は1975年から1985年まで10年間中国で学んだという異色の経歴(?)の持ち主。「おかげでちゃんとした中国語ができるよ」とのことだが、当時のインドから外国に出るのも、そして外地から文化大革命末期の中国に入るのもかなり大変だったことだろう。この食堂だってそんなに大きなわけではないのに・・・などと、やや失礼なことを思ってしまった。
今でも中国の親戚たちとの身内づきあいがあるとうで、そのツテで中国に留学できたのだと彼は話してくれた。
おかみさんによれば、さきほど私が訪れたNew C.I.T. Rd.の華人地区では、日曜に朝市があるという。早朝6時くらいに行けば、中華屋台が並んでおりそこに華人たちが集っているとのことなので、後日訪れてみることにしよう。
ところで華人の多いこの街ならではのご当地中華料理はあるのだろうか?マレー半島の肉骨茶やラクサのように、現地発のご当地中華はあるのかとおかみさんにたずねてみたが、しばらく考えて「特にそういうのはないわよ」とのこと。
インド在住の華人たちは、地元の人々同様『汁気のない乾いたおかずだけでご飯は食べない』ようにインド化されている傾向はあるし、特に店で出す料理となれば肉は主に鶏肉が中心となるなど、地元顧客や土地の社会に適合した形になることが多い。それでも地元の味覚とのハイブリッドメニューは思い当たらないそうだ。
本当に「無い」とすれば、インドと中国という互いに交わることのないカラーを象徴しているかのようでもあるが、よく考えてみれば『チョプスィー』や『マンチュリアン』はインドのご当地中華かも?いうことに思い当たり、ややほっとする。 -
コールカーターで中華三昧 1 関帝廟参拝

コルカタの警察署本部近くのNEW C.I.T. RD.にある「四邑會館」に入ってみた。このいかにも中国風の外観をした建物の上階は寺院になっている。世話人の初老の男は肌色や顔立ちからすると中印混血らしい。彼は参拝客の老人とともに中国語で書かれ寄付帳簿に目を落としており、二人は北京語ではない華語方言で話している。
このあたりにいくつか中国寺院がある。かつてはチャイナタウンの様相を呈していた地域なのだそうだ。中印紛争が起きてから華人たちの多くは国外に移住した。出国するための資金を持たない者、置いていくにはあまりに大きな資産を持つ者はここに残ったのだと世話人の男は私に話した。
彼によれば、現在コルカタの華人人口は5000〜6000人くらいだとか。中国との紛争と敵対関係が続く中、華人たちへの風当たりは強かったそうだ。
近年、インドと中国の間の関係改善が着実に進んでいる。またおどろいたことに昨年夏、インドの海外旅行先の一番人気はなんと中国であったというから時代は変わったものだ。それでも「国の関係は修復しつつあっても、人の心はそう簡単に変わらないよ」と男は言う。
この国で指定カースト、指定部族として行政からの保護優遇を受けるマイノリティは少なくない。インドにあって非常に小さな民族集団である華人たちだが、そうした社会のセーフティネット無しに世の中を渡らなくてはならない。それどころか『敵性外国人』として監視や差別の対象ですらあった。
華人であるだけで就職できないのは仕方ない。もともと企業家精神旺盛な人たちなので、それならば商売に邁進する。すると様々なところから横ヤリが入り、結局金で解決しなくてはならない・・・というのが彼の言い分。
「結局インド人たちは『カネ、カネ』だから、仕方ないね」とのこと。これがインド人ならば「まったく政府ってやつは・・・」と言うところでも、微妙な立場にある彼らはすべてをひっくるめて「インド人ってのは」と辛口になるのかもしれない。
カルカッタに来ている華人の出身はかなり広いようだ。広東、湖北その他沿岸地域からいろいろだが、とりわけ客家人が多いという。もちろん今の人々の多くはインド生まれのインド市民である。道路反対側に行ってみた。現在この地はムスリム地区になっており、モスクや食肉業者などが目に付く。時折中国系らしき住民の姿を見かける。 -
ああ栄冠は君に輝く♪
インド系高校球児が甲子園に帰ってくる。昨年夏の全国高校野球選手権大会では二回戦で京都外大西高校に逆転負けした岡山県の関西高校が、エースに昇格したダース・ローマシュ・匡投手とともにセンバツ高校野球大会に出場する。
昨秋の明治神宮野球大会では高校の部決勝まで進み駒大苫小牧高校と対戦したが、残念ながら5対0と完敗だった。190センチの長身から投げ下ろす速球を武器に甲子園での活躍と今後の成長が大いに期待される。インド人の父と日本人の母を持つ日印ハーフの高校球界注目株だ。
今年のセンバツ高校野球は3月23日(日)に開幕する。

