見事なレンガ建築

名付けて『積み木構造』!
 インドはもちろん南アジアどこに行っても(それどころか世界各地でも)このような芸術的(?)にレンガを積み上げた建物は多いが、近年の都市化と過密化の中にあってこうした構造のままで高層化が進むという傾向が広く見られるようだ。
 鉄骨を用いず、しかも上階から下階まで均一な太さの鉄筋入りコンクリート柱のみで枠組みを造る。各階のフロアーを作るためコンクリートを打つ際には竹柱で上下を支え、乾燥したらそれを取り去る。それなりの技術や技が必要なのだろうが、眺めているぶんにはとてもシンプルで簡単な作業に思える。あとは職人たちの腕前と地道な作業の繰り返しにより、赤茶色のレンガをキッチリと積み上げて、自重を支えるだけで精一杯の建物を地道に造り上げていくのである。
 完成した暁には、もちろん人が廊下で飛び跳ねてもビクともしないし、表面をモルタルで固めてしまえば、レンガ造りなのか鉄骨造なのか外見から区別はつかず、いわゆるコンクリートのビルとなる。
 こうした建物が氾濫する地域をひとたび強い地震が襲えば大きな被害が出ることになる。日本で昨今問題となった『姉葉建築』なんて、このあたりで建てれば、第一級の耐震建築かもしれない。だがこうした『積み木構造多層ビル』があるという状況は特異なことではなく、人口比から眺めてみれば、むしろこちらのほうが『グローバルスタンダード』ということは、なかなか悩ましいことではないだろうか。

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