『The Namesake』日本で公開

ミーラー・ナーイル監督の映画『The Namesake』(邦題:その名にちなんで)が12月22日から、日本で公開されている。インド映画/インド系映画が映画祭以外でロードショー公開されるのはずいぶん久しぶりのことではないだろうか。この作品は複数の国際的な映画祭にも出品されるとともに、これまで日本を含めて39か国で公開されている。
『その名にちなんで』の公式サイトにて、あらすじや出演者についての情報が紹介されているが、もっと詳しく知りたい方にはアルカカットさんの『これでインディア』中のレビュー記事を読むことをお勧めしたい。
この作品は、日本全国14の映画館で順次公開される。この中で先行して12月22日から上映されているのは、東京・愛知・大阪・京都・兵庫の5か所だ。日本のインド映画好きの方、あるいはミーラー・ナーイル監督のファンにとって、お正月映画は、まさにこの『The Namesake』で決まりではないだろうか。
なお映画の原作であるピューリッツアー賞受賞のジュンパ・ラヒリの小説『The Namesake』 (ISBN : 0618485228)は、日本語の翻訳『その名にちなんで』(ISBN : 4105900404)が新潮社から出ている。こちらも年末年始の読書にいかがだろうか。
蛇足ながら、東京での上映館シャンテ シネでは、2008年3月にはインドを舞台にしたアメリカのコメディー映画『ダージリン急行』の公開も予定されている。

創刊一周年! Namaste Bollywood

Namaste Bollywood #9
このほどNamaste Bollywoodの第9号が発刊された。今回は創刊一周年記念号とのことで、これまた力の入った内容。巻頭特集は前号、前々号に引き続いてのBollywood Beauty Part 3だ。今回は次代のトップ女優と目されるスターたち、筆頭格のプリヤンカー・チョープラーはもちろんのこと、ヴィディャー・バーラン、ラーラー・ダッター、ソーハー・アリー・カーンなどといった面々が並んでいる。
ここに取り上げられている中で、個人的にはディーピカー・パドゥコーネが特に気になっている。過日、彼女がヒロインとして主役のシャー・ルク・カーンと共演する『オーム・シャーンティ・オーム』を観た。映画自体も素晴らしかったのだが、この新進女優が身にまとうオーラというか、麗しさというのか、どうもうまく表現できないが、そのただならぬ存在感にすっかり参ってしまった。人並みはずれた外見の美しさだけではなく、大スターとして突出した存在になるべく他の人にはない何かを持ち合わせているように感じるのだ。
パラリとひっくり返して、いつも巻末に掲載されるボリウッド俳優たちの家族・親族・姻族関係を解き明かすBollywood Filmy Pedigreeの記事を探すが見当たらない。「あれ、今回はお休みかな?」と思いきや、今号では冊子の真ん中の部分に見開き二ページにわたってカプール家を取り上げる豪華記事になっていた。いつものことながらボリウッド界のスターたちのつながりを理解するうえで非常に有用な知識を与えてくれること必至。
表紙と裏表紙を除いて全10ページとスペースは決して広くないものの、ボリウッド映画の今、数々の新作や話題作の魅力を余すところなく伝えるNamaste Bollywoodは、インド映画を愛する人たち必見の情報誌である。
Namaste Bollywood

ミャンマー映画祭2007

12月8日(土)に、横浜市中区日本大通34番地にある横浜ZAIMにて、第1回ミャンマー映画祭が開催される。
映画大国インドのすぐ隣にあるミャンマー。当然のごとくボリウッド作品を中心として各地で上映されるインド映画は多いが、ミャンマーでも映画づくりはなかなか盛んである。残念ながら今のところ、日本で同国の作品を目にする機会はほとんどないが、首都圏にお住まいならば、ちょっと足を伸ばして観てみるのもいいだろう。
歴史、伝統、習俗どれをとっても東南アジアの周辺国とは違う独自のものを持ち、それでいながらインド文化の強い影響が顕著で、まさにここは『南アジアのすぐ外側』であることを感じさせてくれるミャンマー。その国で制作されるのはいったいどういう作品なのか、インド映画ファンとしてもかなり気になるところではないだろうか。
同映画祭のウェブサイトにあるとおり、今年は第1プログラムとして12月8日(土)に2作品のみ上映、第2、第3プログラムは来年を予定しているとのことだ。こぢんまりとした映画祭(・・・というより上映会?)ではあるが、ミャンマー映画を楽しめる貴重なチャンス。
なおこの映画祭では、現在新たなスタッフを募集中とのこと。まだ立ち上がったばかりの新しい企画でもあり、幾多の紆余曲折が待ち受けているのかもしれないが、今後ますますのご発展を祈りたい。
ミャンマー映画祭2007

コピーは巡る

いつの時代にあっても、音楽、映画、パソコンソフト、書籍、装身具、衣類と、あらゆる分野で海賊版、コピー商品といったものが出回っている。発売元が複製されることを防ぐため様々な工夫を重ねても、行政に圧力をかけて法の整備へと働きかけても、違法コピーが続く状態に大きな変わりはない。
とりわけデジタル製品、CDやDVDといったメディアの中に収まるソフトについて、往々にしてまっとうなオリジナル商品と品質に大差ないという点が、その他の工業製品のコピーものと異なる部分だ。
購買者たちにとって、海賊版を手にすることのメリットとは何だろうか?と問うまでもない。
・新作がすぐに見られる。
・古い作品が安く手に入る。
・数人で回すことによりさらに非常に安い出費で楽しめる。
といったところに集約されるのではないだろうか。
購買者あっての『市場』なので、そこに需要がある限りこれがなくなることはないだろう。誰もが限られた収入で日々暮らしている以上、『同じもの』が手に入るならば、安いほうに流れる。
法的に問題があることをはじめ、海賊版の氾濫が映画産業の利益を損ない、結果としてそのツケが映画ファンたちへと回ってくるといった大所高所からの視点を欠くこともあるだろうが、いくらメディア等を通じて市民に対する啓蒙を試みても大した効果は上がらないかもしれない。非合法な銃器や薬物のように、人目につかないところでコッソリと取引されているのならともかく、白昼堂々と街中で販売されていれば、こうしたものを買うことに対する罪悪感もあまりなかったりするところも問題だ。

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Namaste Bollywood #08

Namaste Bollywood #8
早いもので、ボリウッド専門情報誌Namaste Bollywoodも第8号目である。前号に引き続いて今号の特集は『Bollywood Beauty part 2』だ。前回取り上げられていたマードゥリー・ディクシト、ジューヒー・チャーウラー、カージョルといった顔ぶれの次の時代を担うアイシュワリヤー・ラーイ、スシュミター・セーン、ビパーシャー・バスーといった女優たちが登場する華やかにして艶やかな誌面。

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