ネットで読むキプリング

インド生まれの英国人作家、ルドヤード・キプリング(1865-1936)といえば、日本語に翻訳されている「少年キム」や「ジャングルブック」などの代表作で知られている。

英領インドのボンベイ生まれのアングロ・インディアンであった彼の執筆活動の舞台はインドに限定されるものではなく、主に短編小説でその才能をいかんなく発揮し、ノーベル文学賞を受賞するまでにもなった偉大な作家であるが、やはり私自身にとっての興味関心は、キプリングの作品中に描かれる英領期のイギリス人を中心とする欧州人社会の様子ということになる。

ちなみに「アングロ・インディアン」という言葉は、20世紀以降は英印混血の人たちのことを指すようになっているが、19世紀まではインド在住の英国系の人々のことを称するものであった。キプリング自身はイングランド人の父とスコットランド人の母との間に生まれており、インド人の血は流れていない。

インターネット上でも邦訳はわずかながら青空文庫でも公開されているが、Project Gutenbergではもっといろいろ読むことができる。

晩年のキプリングは十二指腸潰瘍に罹り、これにより死亡しているが、今は簡単に治る病気であっても、当時は命取りになったわけで、数年前にピロリ菌の除菌により、周期的にやってくる腹部の痛みから解放された私にとっては身につまされる思いがする。

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