白馬村の奇跡

タイ国際航空のフライトの中で、あるドキュメンタリー番組を観たのだが、これが大変興味深い内容であった。インドとは関係ないもので恐縮ながらも取り上げることにいたしたい。

そのドキュメンタリーとは、中国の重慶市(いっても北海道並みの面積があるため、「市」という理解よりも、中央政府による直轄地域と捉えるほうが適切)の巫溪县にあった白馬村が、如何にして、わずか4年間で都市化したのかについて追ったもの。

その映像の製作とセットでなされたらしい記事(BBC)があり、こちらには先述のドキュメンタリー映像も含まれているので、ご参照願いたい。すでに2年以上前に書かれたものだが、先日のフライトで映像を目にするまでは、白馬村という場所の名前さえも知らなかったことを不覚に思う。

A portrait in miniature of China’s transformation (BBC NEWS ASIA- PACIFIC)

中国がこれまで経てきた成長と変化を象徴している事例とも言えるし、工業化が進展するとともに、活発な商業活動と合わせて、一足飛びに発展してきた地域とは裏腹に、今なお非常に貧しい内陸農村部の現状脱却のためのプロパガンダに格好の革命的モデルケースでもある。

やはり中国共産党という、強力なリーダーシップのもとで、人もカネも集中的に投下できるがゆえのことであり、かつ行政区分的には重慶市内(先述のとおり、面積は北海道に匹敵することに留意が必要)であり、中央政府の直轄地であるがゆえに実現できたものであり、どこの寒村でも可能というわけではない。また記事中でも指摘される負の側面も少なくない。

それでも、少なくとも今までのところ、インドにおける「世界最大の民主主義」よりも、中国における共産党の一党独裁体制のほうが、国力の向上ひいては民生の向上に寄与した度合いが高いことは否定できない。もちろん中国という国の体制については、いつものことながら「良くも悪くも」という表現抜きに言及することはできないが。

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